藤倉水源地
藤倉ダム | |
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所在地 | 秋田県秋田市山内字上台地内 |
位置 | 北緯39度47分22秒 東経140度11分56秒 / 北緯39.78944度 東経140.19889度座標: 北緯39度47分22秒 東経140度11分56秒 / 北緯39.78944度 東経140.19889度 |
河川 | 雄物川水系旭川 |
ダム湖 | 藤倉水源地 |
ダム諸元 | |
ダム型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 16.3 m |
堤頂長 | 65.0 m |
堤体積 | 63,000 m3 |
湛水面積 | 0.033 ha |
有効貯水容量 | 239,000 m3 |
利用目的 | 秋田市上水道の水源 |
電気事業者 | なし |
着手年 / 竣工年 | 1903年 / 1907年→1911年 |
藤倉水源地(ふじくらすいげんち)は、秋田県秋田市にある水道取水場(貯水池、ダムおよび沈殿池)跡で、国の重要文化財(近代化遺産)に指定されている。
沿革
[編集]秋田市を流れる旭川の上流に位置する。秋田市方面への上水道と防火用水確保のため、1903年(明治36年)8月に南秋田郡旭川村山内にて藤倉ダムの建設計画が決定し、同年10月より建設工事に着手、1907年(明治40年)10月1日に秋田市手形上丁(現在の千秋北の丸)の大木屋浄水場へ給水が開始された。その後水害が相次いだことから、ダムなどの設計を一部変更したうえで、1911年(明治44年)8月15日[1]にあらためて完成した。
1973年(昭和48年)9月、上水道源の雄物川への完全切り替えに伴い、取水を停止。大木屋浄水場も廃止された。
1985年(昭和60年)5月、近代水道百選(厚生省企画・日本水道新聞社主催)に選定。1993年(平成5年)には「藤倉水源地水道施設」の名称で国の重要文化財(近代化遺産)に指定された。これは群馬県の碓氷峠鉄道施設とともに、近代化遺産としては初の重要文化財指定事例となった。
2007年(平成19年)には沈殿池跡が公園として整備されている。
なお、秋田市の水道事業は、藤倉水源地の当初の竣工となった1907年を起源としており、秋田市上下水道局では、2007年に水道事業100周年を掲げていた。
2022年(令和4年)12月12日、 秋田県の「未来に伝えたい秋田のインフラ50選」に藤倉水源地水道施設(水道)が選出された[2]。
指定文化財の概要
[編集]本堰堤(ダム)、副堰堤、放水路、鉄トラス橋、送水管、沈殿池(現在は埋め立て)などの構造物と、これらを含む土地(貯水池含む)が「藤倉水源地水道施設」として一括で重要文化財に指定されている。
本堰堤は重力式コンクリートダムであり、貯水池の水が常時一定量流れる越流式である。現在は取水を中止しているが、明治時代の水道施設全体が良好に保存されており、日本土木史上価値が高い。
脚注
[編集]- ^ 広報あきた 627号
- ^ 本多恒顕「知恵と工夫「未来に伝えたい」県、インフラ50選を発表 小中学校に冊子配布へ」『秋田魁新報』2022年12月13日、3面。
参考文献
[編集]- 「新指定の文化財」『月刊文化財』、359号、第一法規、1993