蜻蛉型練習機
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蜻蛉型練習機(とんぼがたれんしゅうき)は、三菱内燃機が大日本帝国陸軍向けに試作した練習機。三菱の社内符号は「2MS1」。
概要
[編集]蜻蛉型は三菱が自主的に開発を行ったもので、当時陸軍が運用していた己式一型練習機(アンリオ HD.14のライセンス生産機)を基本としつつ、エンジンをル・ローン社製のものからアームストロング・シドレー モングースに変更し、機体も新規に設計された。機体は単発の複葉機で、胴体・翼ともに木製骨組みに羽布張り。降着装置は固定脚だが、双フロートに換装して水上機とすることも可能だった。
1927年(昭和2年)6月に試作機1機が完成し、三菱の名古屋製作所飛行場で初飛行した。性能は良好だったものの陸軍は蜻蛉型を不採用としたため、試作機は三菱の社用機となり、練習機としてのみならず研究や連絡目的でも使用された。
諸元
[編集]- 全長:7.30 m
- 全幅:9.20 m
- 全高:3.08 m
- 主翼面積:31.3 m2
- 自重:590 kg
- 全備重量:850 kg
- エンジン:アームストロング・シドレー モングース 空冷星型5気筒(最大144 hp) × 1
- 最大速度:148 km/h
- 実用上昇限度:5,000 m
- 航続時間:3時間
- 乗員:2名
参考文献
[編集]- 野沢正 『日本航空機総集 三菱篇』 出版協同社、1961年、225 - 227頁。全国書誌番号:53009883。
- 松岡久光『みつびし飛行機物語』アテネ書房、1993年、440,471頁。ISBN 978-4-87152-184-0。