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西武6000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
西武6000系から転送)
西武6000系電車
6000系6107編成(ステンレス車)
(2023年4月19日 中村橋駅
基本情報
運用者 西武鉄道
製造所 東急車輛製造(0番台・SUS車)
日立製作所(50番台・アルミ車)
製造年 1992年 - 1998年
製造数 25編成250両
運用開始 1992年6月1日
主要諸元
編成 10両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500 V架空電車線方式
最高運転速度 105 km/h(西武線内)
110 km/h(東急線内)
80 km/h(地下鉄線内)
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.8 km/h/s(西武線内)
3.3 km/h(地下鉄線内)
減速度(常用) 3.5 km/h
減速度(非常) 4.5 km/h
編成定員 1,430(座席522)人
車両定員 先頭車135(座席48)人
中間車145(座席54または51)人
自重 27.0 - 39.0 t(0番台)
25.0 - 37.5 t(50番台)
編成重量 339.2 t(ステンレス車)
325.1 t・310.1 t(アルミ車)
全長 20,000 mm
全幅 2,871 mm(側灯)
車体幅 2,800 mm
全高 4,060 mm(空調上面)
4,117 mm(パンタ折畳み)
車体 ステンレス鋼(0番台)
アルミニウム合金(50番台)
台車 1 - 5次車:
緩衝ゴム式ボルスタレス台車
0番台:SS125・SS025
50番台:SS125A・SS025A
6・7次車:
モノリンク式ボルスタレス台車
50番台:SS150・SS050
主電動機 日・菱:かご形三相誘導電動機
芝:永久磁石同期電動機
主電動機出力 日:155 kW
菱:170 kW
芝:190 kW
駆動方式 WN継手式中実軸平行カルダン
歯車比 101:16 (6.31)
編成出力 日:3,720 kW
菱:4,080 kW
芝:4,560 kW
制御方式 VVVFインバータ制御
制御装置 日:VFG-HR1820B
(日立製作所 GTO-VVVF)
菱:MAP-178-15V272/272A
(三菱電機 MOSFET-VVVF)
芝:SVF102-F0
(東芝 IGBT-VVVF)
制動装置 ATC連動電気指令式空気ブレーキ回生ブレーキ併用)
菱・芝は純電気ブレーキ対応
保安装置 西武型ATS
東京地下鉄新CS-ATCATO
東急・横浜高速ATC-P
(6101・6102編成は西武ATSのみ)
備考 凡例
日:VVVF未更新車(日立製)
菱:VVVF更新車(三菱製)
芝:VVVF更新車(東芝製)
※6157Fのみ東芝製、他の全編成は三菱製で更新済
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西武6000系電車(せいぶ6000けいでんしゃ)は、1992年(平成4年)に運行を開始した西武鉄道通勤形電車

概要

帝都高速度交通営団(現:東京地下鉄〈東京メトロ〉)有楽町線との相互直通運転用車両として、1992年平成4年)6月1日から営業運転を開始[1]。10両編成25本が製造され、1995年度までは東急車輛製のステンレス車体、1996年度からは日立製作所製のアルミニウム車体となる。

本系列は今後の西武鉄道の標準車両と位置づけられ、「旅客サービス向上」「省エネルギー化」「メンテナンスフリー化」などをコンセプトに設計された。

従来の101系2000系に代表される「黄色い電車」のイメージから大きく変わり、20000系などとともに新たな西武電車の標準を確立した。西武の車両では初の10両固定編成で、本系列の投入以後、西武線における日中の優等列車の10両編成化が進行した。この結果、本系列は池袋線においての主力車両となっている。なお、補助電源などの関係で営業運転では10両固定編成でのみ使用される。

車両番号は新しい方式を採用した。これは1000の位で車両形式を、100の位で連結位置(号車)を、下二桁で編成番号を表すもので、営団地下鉄(現・東京メトロ)で採用していた付番方式である。飯能西武新宿寄りから6100形・6200形 - 6900形・6000形とされ、固定編成の連結位置が容易に判別できる。

構造

本項では特筆のない限り、落成当時の仕様について述べる。

車体

6000系ステンレス車体(6116編成)
(2022年10月 新桜台駅
6000系50番台アルミ車体(6152編成)
(2021年10月)
西武6000系50番台アルミ車体(6156編成)
ドアと窓の間の戸袋窓をなくし、さらなる軽量化が図られている。
(2021年11月)

前面は西武の車両で初めて、左右非対称構造を採用した。地下鉄線への乗り入れ条件から、非常時貫通扉を設けた構造を採用。この貫通扉は完全に片側に寄せ、運転台スペースを広く確保している。また、貫通扉は気密性を考慮したプラグドア構造とし、合わせて非常用ハシゴも装備する。

前頭部は0番台はFRP成形品、50番台はアルミニウム削り出し品で、どちらもシルバーメタリックに塗装されている。前照灯尾灯は角形コンビネーション化され、下部には排障器を備え、連結器密着連結器を装備する。

塗装はステンレス車が無塗装、アルミ車がグレーで塗装されており、前面窓下および側窓上下に青色(西武ブルー[2])を配している。アルミ車では帯が若干太く変更された。

行先表示器は字幕式。前面・側面に設置し、行先と種別丸ゴシック体ナール)でローマ字併記。また、前面には地下鉄用の運行番号表示器を備えており、これはマグサイン方式を採用。地下鉄線直通運用時のみ表示する。なお側面の表示器は6105編成から位置が若干右側に変更されている。当初は通過標識灯(急行灯)を設けていたが、増備途中で使用停止となり、6次車からは省略された。

転落防止幌は50番台は製造時より設置、0番台は後に改造で設置されている。帯は貼られていない[注 1]。なおこの影響で50番台では妻面窓の幅がやや狭くなっている。

各車両の屋根上にはベンチレーター(通風器)を設置。

車体側面の車両番号表記は青色で、社紋、車種記号(クハ・モハ等)の表示がなくなり、数字のみの表示となった。ステンレス車はエッチングプレート、アルミ車は切り抜き文字となる。

次車分類

  • 1次車(1991年度・1992年度製) 6101編成・6102編成
  • 2次車(1993年度製) 6103 - 6107編成
  • 3次車(1994年度製) 6108 - 6112編成
  • 4次車(1995年度製) 6113 - 6117編成
  • 5次車(1996年度製) 6151 - 6155編成
  • 6次車(1997年度製) 6156 - 6157編成
  • 7次車(1998年度製) 6158編成

1 - 4次車は西武では初となる軽量ステンレス車体を採用。幕板部と腰板部はビード加工でBG仕上げ、吹寄せ部はダルフィニッシュ仕上げとしている。ステンレス鋼の採用で、在来車両に比べて軽量化が図られている。車両番号は0番台で、側面に戸袋窓を持つ。

5次車はさらなる軽量化のため、西武鉄道で初のアルミ製車体を採用[3]。構体はアルミの大形押出形材を組み合わせたもので、既存の6000系のイメージを残すためにグレーに塗装がされている[3]。車両番号は識別のため50番台となった。基本的な仕様はステンレス車に準拠したものとなっている[3]

6次車以降は、製造時の工数低減、さらなる車両軽量化のため、側面戸袋窓を廃止[4]。これによって編成あたり1.5 tの軽量化が達成されている[4]。台車の変更もあり、合計で15.0 tの軽量化となった[4]

編成重量は、1 - 4次車で339.2 t、5次車で325.1 t、6・7次車で310.1 tとなっている[4]。1 - 4次車と6・7次車の編成重量の差は29.1 tにもなる。

内装

側面、妻面はアイボリー系に「リンクル模様」の入った化粧板を、天井はクリーム色無地の化粧板を使用。床材は灰色のロンリウム(ビニル床シート)材であり、出入り口部は滑り止め加工品を用いている。主電動機の三相交流化に伴い、保守低減が可能となったことから、西武鉄道の車両で初めて主電動機点検蓋を廃止した。

一般部の座席は青色のモケットで、背ずりには西武で初めて着座区分の模様が入れられた。模様は白色で、これは1次車で行った試験(奇数号車:白、偶数号車:赤[5])の結果によるもの。1次車も程なくして白色へ交換されている。座席端部は袖仕切構造とされ、外側は灰色の化粧板、座席側は青色のモケットが張られている。シルバーシート(2000年度以降は優先席として案内)は各車1ヶ所[6]、車端部に設置された。奇数号車の池袋方と偶数号車の池袋方、向かって左側に配置されており、この部分のモケットは西武標準の青緑色で区分模様はない。

客用ドアの室内側は化粧板仕上げとなった。窓は0番台は単板ガラス(室内側からの金枠抑え)、50番台は複層ガラス構造である。戸袋窓を廃した6次車以降は戸袋部に広告枠を設置。ドア付近の床面には滑り止めの凹凸が設けられており、0番台は特徴的な菱形のパターン(後に4000系2次車と9000系にも採用)であったが、50番台は一般的なライン状のものとなっている。

貫通路では全ての妻面に貫通扉が設置されている。西武の通勤車では開く向きが全て揃えられている(飯能に向かって右側へ開く)が、本系列では4号車の池袋寄りのみ向きが異なっている[7]

編成中2ヶ所には西武で初となる車椅子スペースを設置しており、2号車と9号車の車端部(編成中央寄り)、飯能に向かって右側に配置されている。安全手すりと非常通報器を備え、隣接する側窓は固定式となっている。なお1次車は当初設置されておらず、1998年(平成10年)ごろの定期検査に際して追設された。

つり革はいずれも白色の丸形で、後に優先席付近のみ黄色へ変更された。なお機器の増加により妻面上部の張り出しが大きくなっており、車端部のつり革はこれまで5つだったものが本系列以降は4つとなっている。50番台ではドア付近の線路方向のものが製造時より設置されており、線路方向の吊り手棒が車両全体で途切れずに一直線状になっていることが特徴(0番台やそれ以前の車両では改造により後付けしたためドア付近のみ位置がずれている)。

旅客案内には車内案内表示器LED式)・ドアチャイム自動放送装置などが西武で初めて採用された。また乗務員と相互通話可能な非常通報装置を備え、各車両2か所(車椅子スペース設置車は3か所)に非常通報器を設置している。

また2000系に続いて、AM・FMのラジオ中継装置が搭載されている。Tc2の屋上にアンテナを設置し、車内の吊手棒からAM波を、各妻面内部のロッドアンテナからFM波を輻射する[6]

1 - 4次車(ステンレス車両)

5 - 8次車(アルミ車両)

空調設備

空調装置三菱電機製の集中式で、従来車と同じCU72系ではあるが互換性のない新設計のものが用いられている[6]圧縮機は低騒音形のスクロール式。電源はSIV装置からの三相交流440 Vであり、冷凍能力は48.84 kW(42,000 kcal/h)。増備とともに改良されており、6102FまではCU72E、6103F - 6105FはCU72F、6106F - 6117FはCU72G、50番台はCU72Hを搭載して製造された[5]。このうちCU72Hは外見にも大きな変化が生じているが、本系列の中ではいずれも互換性があり、ほぼ区別なく使用されるため編成内での混在も多かった。2008年より代替フロンを用いたCU722Aが登場し、現在はこれに統一されている。

車内天井は平天井構造で、冷風の拡散はラインフローファン方式。空調吹出口にはアクセントとして緑色のテープが貼られている。新設計の空調装置により装置直下にも補助送風機(ラインデリア)を設置できるようになり、補助送風機の搭載数は従来の各車6台から7台へ増加している。

乗務員室

改造前、オリジナルの運転台

乗務員室内は緑色の配色。運転台は計器盤が濃い灰色、操作卓は緑色。主幹制御器はマスコンとブレーキ操作器が別々の縦軸ツーハンドル・マスコン方式。(力行1 - 4ノッチ・常用ブレーキ1 - 7段・非常)当初より有楽町線への対応を考慮しており、速度計車内信号対応形・保安表示灯にはATC表示灯もある。運転台右側には故障の状態などを表示するモニタ表示器を設置。

乗務員室と客室の仕切りにはやや高い位置に窓が3か所設置されている。このうち、客室側から見て右側の窓は乗務員室仕切扉窓。いずれの窓にも遮光幕が設置してある。

車掌スイッチは従来の「鎖錠スイッチ式[注 2]」ではなく、営団で使用している「回転鎖錠式、ひねり式[注 3]」を採用。

機器類

本項では特筆のない限り、製造当初の仕様について解説する。

制御装置は、GTO素子を用いた日立製作所製のVVVFインバータ制御装置が採用された。これは、新交通システム山口線8500系に続く採用で、101系2000系での性能試験結果を受けてのもの[5]。1台の制御器で8台の主電動機を制御する1C8M方式のVFG-HR1820BをM1, M3, M5に各1台搭載[6]

補助電源装置は三菱電機製の静止形インバータ(SIV装置)を採用、M2,M4,M6に各1台搭載[6]。容量は150 kVA、出力は三相交流 440 Vである。自動受給電装置を搭載し、SIV故障時には延長給電ができるよう冗長化を考慮している。初期の編成ではGTO素子を使用したもの (NC-FAT150CまたはNC-FAT150E) であったが、6112Fにおいて試験的にIGBT素子を使用したもの (NC-SAT150A) を採用。その後、6116F以降で本格採用となった。

集電装置は東洋電機製造製の菱形パンタグラフ (PT44-S-F-M) をM1, M3, M4, M5の飯能寄りに搭載した[6]。電磁カギ外し装置付きで、剛体架線に対応する[6]

台車は西武鉄道初のボルスタレス台車を採用し、全台車に滑走防止装置も装備。初期の0番台は軸箱支持装置を緩衝ゴム式とし、基礎ブレーキは両抱き式踏面ブレーキ(クラスプブレーキ)のSS125・SS025形台車を装備し[8]、その後の50番台 (6151F - 6155F) では横梁構造を変更したSS125A・SS025A形となった[9]。6次車以降では軽量化のため、軸箱支持方式がモノリンク式のSS150・SS050形とし、基礎ブレーキは構造を簡素化した片押し式のユニットブレーキとなった。これにより1編成あたり13.5 tの軽量化がされている。

主電動機は日立製作所製 155 kW出力のかご形三相誘導電動機、HS32534-03RB形・HS32534-06RB形を搭載する。

ブレーキ装置はナブコ製回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ HRDA-1を採用した。かつては0番台と50番台で装置の仕様が異なっていたが、現在は0番台も50番台と同じ仕様となっている。ブレーキは遅れ込め制御保安ブレーキ・圧着ブレーキ(耐雪ブレーキ)付きである。

保安装置は自社線内用に西武型ATS装置を搭載する。

このほか、4・5号車間は簡易運転台の取付が可能な構造としており[6]、連結器も丸形密着連結器となっている[6][注 4]

改造工事など

有楽町線対応

#運用の変遷西武有楽町線#年表も参照

営団有楽町線への相互直通運転に使用するため、1994年度製造分のうち6108 - 6111編成の4編成に新製時より対応機器を搭載した[10][注 5]。各編成は1994年12月7日より同路線への暫定的な乗り入れを開始している。

その後1998年3月に本格的な直通運転が開始された。これによる運用増に対応するため1997年度より既存車両への対応工事が実施され、また同年度以降の増備車(6156 - 6158編成)は新製当初より直通対応とされた[10]

改造は6112 - 6117編成・6151 - 6155編成の11編成に施工された。6101 - 6107編成への施工は見送られている。

なおこれに関連し、本格的な直通運転が開始された1998年には池袋線の未施工車に『西武線のみ』を示す「S」マークが掲出された。

  • CS-ATC装置搭載
    • 床下の機器箱はATS装置と統合され、ATC/ATS装置機器箱を設置。元のATS装置箱は取り外された。
  • 誘導無線設置
    • 乗務員室では左壁にある西武用列車無線送受話器の隣に営団用誘導無線送受話器を設置した。
    • 床下・妻面のアンテナや床下の誘導無線送受信機は中間車に搭載され、ステンレス車は4号車、アルミ車は3号車となっている。
  • 1号車への列車情報装置(営団)取付

1997年度[11][12]:6112 - 6114編成・6151 - 6155編成

1998年度[11][13]:6115 - 6117編成

副都心線対応

副都心線対応改造後の6103F(ステンレス車) (2008年6月7日)
副都心線対応改造後の6103F(ステンレス車)
(2008年6月7日)
副都心線対応改造後の6155F(アルミ車) (2019年8月13日)
副都心線対応改造後の6155F(アルミ車)
(2019年8月13日)

東京メトロ副都心線東急東横線横浜高速鉄道みなとみらい線への相互直通運転に使用するため、2006年度より対応工事が実施された。副都心線への直通運転は2008年6月14日から、東横線・みなとみらい線への直通運転は2013年3月16日から開始。

改造は玉川上水車両基地にて、2次車以降の全編成(6103 - 6117編成・6151 - 6158編成)を対象に実施され、この中にはそれまで有楽町線非対応であった編成も含まれる。1次車は運転台機器配置や床下機器配置に若干の差異があり[5]、改造対象から除外された。

なおこれに関連し副都心線開業以降、池袋線所属の未改造編成に対して『有楽町線のみ対応』を示す「Y」マークを掲出していた。

大規模な改造が行われていることから、本項では施工済の編成については実際の対応可否に関わらず「副都心線対応車」として記載する。

施工内容

  • 前面の塗色を白色ベースに変更
    • 未改造車(銀色)との区別のため実施。
    • 最初に施工された6103編成のみ銀色のまま出場したが、直後に白色へ改められた。
  • 行先表示器・運行番号表示器をLED式へ変更
    • 種別部分はフルカラー、他は白色LED。フルカラーLEDの採用は西武初。
    • 種別・行先・運行番号(前面のみ)を一つの表示器で表示。
    • 当初、前面の表示器は日本語のみの表示であったが、副都心線開業を機に英字表記が追加された。
    • 側面は従来の3色LED表示器より縦幅が若干小さいもの[注 6]となり、日本語・英字(大文字)を交互に表示する。また走行中は消灯する機能を備える。
    • 書体ゴシック体を採用。前面・側面とも「回送」等の表示は行先部分のみに表示される。
  • 急行灯撤去
  • 車外スピーカー本設置
    • 乗降促進放送[注 7]等に使用される。
  • 従来地上線専用だった元新宿線所属車両には東京メトロ新CS-ATCを搭載。
  • 車内各車両車端部の冷房/暖房表示ランプを撤去。
  • 乗務員室扉交換
    • 側面・車内仕切部双方に実施
    • 側面はドアノブ部が一段窪んだ形とされた。
    • 仕切扉は窓が半分ほどの高さになり客室側の手摺を省略、また乗務員室側から窓の開閉が可能になった。
  • 電子笛追加
    • 途中で音色が変更されている。当初は20000系と同じ音色だったが、2007年度の新規改造分以降は30000系と同じ音色となっている[14]
  • 誘導無線送受信機を交換
  • アルミ車は誘導無線関連の機器を4号車へ移設
  • 車内非常通報装置を東京地下鉄10000系と同等品に交換
  • モニタ装置をTISへ変更
  • ATO搭載
  • ATC-P搭載
    先頭車のATC/ATS装置
  • ATC・ATS受電器が車体取付へ変更されたことに伴う台車排障器形状の変更
  • 車上CCTV設置
    • 運転台上部に4枚の液晶モニタと受信装置を設置。ワンマン運転中の駅停車時に運転士が(座ったまま)ホームの状態を監視するためのもの。
  • 乗務員室の機器をほぼすべて交換。
    • 配色を灰色系へ変更
    • マスコンを東京地下鉄10000系に合わせて両手操作のT型ワンハンドル式に交換。西武でのT型ワンハンドル式採用は8500系以来である。
    • TIS化のため大型の液晶モニタを運転台コンソールに設置。2枚で速度計を挟む形とされた。マスコンハンドルのノッチ位置・保安装置の表示についてもモニタに表示される。
    • ワンマン運転およびATO運転のための操作ボタンを設置。
    • 無線機、乗務員用電話、乗務員用マイク、避難用はしごの交換。
    • 電流計などのメーター類配置の変更。
    • 遮光パネル(日除け用)をロールブラインドへ交換。
    • 車掌スイッチを機械式から間接制御式(リレー式)に交換。合わせて非常ブレーキスイッチ、再開閉スイッチなどの操作機器をユニット化。
  • それまで有楽町線非対応であった6103 - 6107編成は有楽町線対応改造と同等の内容も含まれる。

年度ごとの動き

2006年度:6103・6107・6106編成[15]

  • 有楽町線直通運用に影響が出ない新宿線所属車が対象となった。
  • 1本目の6103編成は2007年(平成19年)1月9日より池袋線で営業運転を開始、その後3月までに6106編成と6107編成も改造を終えて運用を開始した。この年度の事業計画では5編成の改造予定が発表されていたが、6104編成・6105編成の竣工は翌年度となった。

2007年度:6104・6105・6114・6115・6116・6154・6158・6117編成[16]

  • 事業計画で6編成の改造予定を発表。前年度からの繰り越しを含む計8本が予定通り改造されている。5月の6105編成を最後に新宿線所属車の改造が終了。
  • この年度の新規改造分より電子笛の音色が変更されている。
  • 副都心線対応編成の有楽町線乗り入れは同年7月28日の6106編成から開始。

2008年度:6155・6153・6156・6157・6108編成[17]

  • 事業計画では5編成の改造を発表。そのうち1編成については内装リニューアルとスマイルビジョンの設置も発表されていたが、施工は見送られた。

2009年度:6109‐6113編成[18]

  • 事業計画では5編成の改造の他、スマイルビジョンが1編成に設置されることが発表。
  • 当改造は予定どおりの5編成に実施[19]、スマイルビジョン設置は6109編成に行われ、ドア開閉表示灯設置、ドアチャイムの改良が同時に施工されている[19]

2010年度:6151・6152編成[20]

  • この年度の事業計画では2編成の副都心線対応改造の実施を発表[21]。予定通り実施され、対象となっていた全23編成の工事が完了。

スマイルビジョン設置

6109Fに設置された液晶ディスプレイ
(2010年1月23日撮影)

副都心線対応改造完了後の2011年度から2015年度にかけて本格的に実施された。いずれも玉川上水車両基地で施工されている。1次車には実施されていない。

  • ドア上の案内表示器をLED式から15インチ(アスペクト比4:3)液晶ディスプレイ2枚へ変更、あわせてドア開閉表示灯設置、ドアチャイムの改良が行われている。左側の画面は主に広告、右側は主に路線情報の提供に使用される。

2009年度:6109編成(副都心線対応改造と同時)

2011年度:6107・6103・6104・6105・6113編成[22]

2012年度:6106・6110・6108編成[23]

2013年度:6115・6117・6116・6114・6111編成[24]

2014年度:6154・6112・6151・6158編成[25]

2015年度:6153・6155・6152・6156・6157編成[26]

スマイルビジョン更新

2017年度から、スマイルビジョンを40000系と同等の17インチ(アスペクト比16:9)のものへ更新する改造が行われている。現在のところ設置時と概ね同じ順序で、こちらも玉川上水車両基地にて実施されている。

2017年度:6109編成

2018年度:6107・6113編成

2019年度:6103・6105・6104編成

2020年度:なし

2021年度:6106・6110編成

2022年度:6108・6111編成[27]

2023年度:6114・6115編成

機器更新

2014年度から2023年度にかけて、全編成に対して主回路装置の更新が行われた。当改造は武蔵丘車両検修場にて実施され、多くは検査と同時に行われている。

本工事に際しては2014年度末、2編成に対してそれぞれ東芝製・三菱電機(以下、三菱)製の装置を取付け、比較試験を行っている。結果として三菱製の装置が採用され、2016年度から2019年度の間に本格的に施工された。この時点では1次車への施工は見送られたものの追って実施され、全編成への施工が完了した。

施工に際しては床下機器の変更に加えて、2016年度以降では屋根にかけての高圧配管も引き直しが行われており、妻面下部の取り回しが変更されている。6156・6157編成も2022年の入場時に追って実施した。また6151 - 6155編成は床修繕工事、6101・6102編成は種別・行先表示器のLED化、6102編成は前照灯のLED化がそれぞれ同時に実施された。

  • 東芝:制御装置はIGBT-VVVF。主電動機は190 kW出力のPMSMとなる。純電気ブレーキ装備。
  • 三菱:制御装置はMOSFET-VVVF(フルSiC)。主電動機は170 kW出力となる。オール電気ブレーキ装備。

以下は年度ごとの施工車両一覧(施工順)。2016年度以降は全て三菱となるためメーカーを省略する。

2014年度:6157編成(東芝)・6156編成(三菱)[25]

2016年度:6110・6104・6158編成[28]

2017年度:6111・6106・6114・6103・6113・6117・6105・6107・6116・6115編成[29]

2018年度:6108・6112・6151・6152・6153編成[30]

2019年度:6109・6154・6155編成[31]

2022年度:6102編成※[27]

2023年度:6101編成※[7]

※6101・6102編成は主制御器の形式が異なる(末尾A)。

その他の改造

外観・機器類

  • 西武用列車無線の更新[注 8](1997年頃[注 9]
  • モハ6600形のパンタグラフ撤去(2001年[32]
    • これに先立ち新宿線所属編成(6101 - 6107編成)において、1999年12月の6102編成を皮切りにパンタグラフ降下試験[注 10]を実施していた[5]
  • 新CS-ATC対応(有楽町線対応車/2001年頃)
  • 転落防止幌(外ほろ)設置[注 8](0番台/2001 - 2003年度)
    • 設置にあたり妻面の手掛が干渉するため、パンタ隣接箇所のみ一部を移設(形状変更)して対応し、他の箇所では床下の足掛とともに撤去している[7]。これに伴い、当該箇所では向かって左側のドアコック配管の形状が変更されている。また本系列のみ、全ての箇所で脱着式の外ほろが用いられた。
  • 列車情報装置(西武)取付[注 8](2003 - 2005年度)
  • ATS装置更新[注 8](2005 - 2008年度)
  • コーポレートシンボルマーク貼付[注 8](2008年)
    • 2008年3月より、側面の乗務員室扉脇に「コーポレートシンボル」マークを掲出している[33]。その後2010年代に入り、マーク下部の社名表記が「SEIBU」から「西武鉄道」へと変更された。
  • 5次車の戸袋窓簡易封鎖(2013年度末[7]
  • 通風器撤去(2015年 - )
    • 一部の車両で実施されている。撤去パターンは車両により異なり、編成全体で撤去された車両も存在する。
  • IDタグ設置[注 8](2018年)
    • 1号車右側面の床下中央部にオレンジ色のIDタグを設置。3月頃までに西武鉄道所属全編成で実施された。
  • パンタグラフのシングルアーム化(2018・2023年度)
    • 全般・重要部検査と同時に実施。2018年度に6101・6102編成[30]、2023年度に6108編成[34]がPT7116-B1へ交換されている。
  • 列車無線のデジタル対応化[注 8](2021 - 2022年)
    • これにあわせメトロ線内も空間波無線へ変更したため、直通対応車は4号車妻面に設置されていた誘導無線が撤去されている。
  • 前照灯LED化(2022年度)
    • 2023年3月、6151Fを皮切りに順次全編成へ実施された。他系列と同じく、コイト製の白色LED(多灯式)が用いられている。
    • これに先立って、2021年11月から2022年8月にかけての間、6117Fを対象に試験的な搭載がなされていた。
コイト製の多灯式LEDに変更された前照灯。

接客設備等

  • 7人掛け座席へのスタンションポール設置(2003年)
  • 座席のバケットシート化(2003年)
  • 優先席配置変更[注 8][35](2003年)
    • マナー案内の変更にあわせて「優先席付近」を明確にするため、既存優先席の向かい側を新たに優先席とした。1両につき1ヶ所 (3席) から2ヶ所 (6席) へ増加。
  • 優先席付近の吊革を黄色へ変更、同時に優先席ステッカーを変更(2005年)[注 8][36]
  • 貫通扉を開扉状態で固定する金具の撤去(火災対策)
  • つり革の増設[注 8](0番台、ドア付近線路方向 / 2006 - 2008年度[37][38][39]
  • 行先表示器の内容変更
    • 2008年6月14日のダイヤ改正に合わせ、1次車の2編成を対象に実施された[注 8][注 11]。「普通」を「各停」に、廃止済の「通勤快速」を新設される「拝島快速」へ変更した他、色やフォントにも変化がある[注 12]
  • 客用扉室内側への号車・ドア位置シール、客室内外への号車番号シール貼り付け(2008年)
  • 弱冷房車位置を2号車から9号車へ変更(地下鉄直通対応車のみ)[40](2013年)
  • 優先席表記変更(2015年)[注 8][41]
    • 2015年10月、優先席付近での携帯電話マナーが変更され、周辺の表記類に反映されている。
  • 床修繕工事(50番台/2018 - 2022年)
    • 床敷物が全面的に張り替えられ、30000系などと同等の配色となっている。6151 - 6155編成で機器更新と同時に実施したほか、2022年に6156 - 6158編成に対しても実施されている。
      30000系に準じた床面。
  • 優先席のヘルプマーク掲出(2019年)[注 8][42]
    • 2019年2月より実施。優先席ステッカーの(車内から見て)右隣にステッカーが追加された。
  • 種別・行先表示器の変更(2023年 - )
    • 2023年より、一部編成に対して全面フルカラーのLED表示器への交換が行われている。西武線内の種別表示でも文字の縁取りがあること、また側面の表示器は西武で一般的なサイズとなった点が特徴。副都心線対応車と非対応車とで仕様が異なり、それぞれ従来の表示方式・内容を踏襲する形となっている。
    • 副都心線対応車では2023年3月に6103編成[27]、同年5月に6104編成に実施、また2024年3月に新宿線の6105・6106編成に実施された。表示内容の変化としては縁取りのほか、側面の種別色の表示範囲(高さ)が変更された[注 13]程度である。
    • 副都心線非対応の1次車では機器更新時に実施された。前面の種別・行先が別個に表示される点と、側面が他系列と同じ英字併記である点、走行中の消灯機能がない点が副都心線対応車と異なる[注 14]
  • 車内防犯カメラ設置(2023年度)[注 8]
    • MOYAI製の室内灯一体型が用いられており、当該箇所の室内灯は既存のものと色合いが若干異なる。ドア直前の千鳥配置(予備灯兼用箇所)[注 15]
    • 4月より6109 - 6113編成の5編成で試験的に実施し、10月以降に全編成へ拡大した。試験設置の5編成は「防犯カメラ作動中」の表示が簡素なものであったが、他編成への設置に前後して仕様が揃えられている。
  • 座席モケット変更(2023年度 - )
    • 一部車両で、全般・重要部検査に際して座席モケットが区分模様のないものへと変更されている。2023年度から実施しているが、6108編成には行われていないほか、最初の2編成(6154・6155編成)では1 - 5号車(全般検査側)のみに行われている[7]
      区分模様のなくなった座席。

ラッピングなど

「黄色い6000系」ラッピング車両

「黄色い6000系」6157編成 2015年4月から1年ほど運転された。 南入曽車両基地の公開時には6102編成と並べて展示。
「黄色い6000系」6157編成
2015年4月から1年ほど運転された。
南入曽車両基地の公開時には6102編成と並べて展示。

2015年(平成27年)4月に、西武鉄道の前身となる「武蔵野鉄道」が開業から100周年を迎えるため、6157編成に「黄色い電車」をイメージしたラッピングが施され、「黄色い6000系電車」として同年4月18日の臨時列車から運行開始[43][44]。西武の黄色い車両が地下鉄および他線区に乗り入れるのは今回が初めて。

  • ラッピングは側面が2000系、前面は3000系をイメージしたデザインとなっている[45]。黄色い電車の特徴である前面のステンレス製飾り板については、左右非対称の正面形状には合わず、見る角度によって違和感があることなどから省略された[45]
  • なお、このラッピングならびに小手指→池袋への送り込み回送の様子がテレビ朝日タモリ倶楽部』で2015年5月29日に放送され、10号車の中吊り広告のうち1枚がタモリ倶楽部仕様だった[注 16]。ロケ時には出演者直筆のサインが書かれ、現在も残っている。運行期間途中にスマイルビジョン設置の改造を実施したため、当初2016年3月までの運行予定を延長し4月まで運行された。

デビュー30周年記念ヘッドマーク

ヘッドマークを取付けた6101F

6000系のデビュー30周年を記念して、2022年6月4日から2023年3月30日まで6101編成(案内上は「6001編成」の表記)に記念ヘッドマークを取付けて運行していた[46]

西武有楽町線開通40周年記念車両

「黄帯の6000系」6117F 2023年10月より運行。 11月から翌年9月まで、記念ヘッドマークを掲出していた。
「黄帯の6000系」6117F
2023年10月より運行。
11月から翌年9月まで、記念ヘッドマークを掲出していた。

2023年10月1日から2024年10月11日までの間、6117編成の帯を黄色にラッピングして運行していた。愛称として、公式Twitterでは「黄帯の6000系」のハッシュタグも用いられている。西武有楽町線の新桜台 - 小竹向原駅間が1983年10月1日の開通から40周年となることを記念したラッピングで、開通当時の車両である営団7000系をイメージしたもの[47]。期間中の2023年11月1日から2024年9月25日までの間は、当時の発車式で使用したものをイメージしたヘッドマークが池袋方先頭車であるクハ6017に掲出されていた。なお、ヘッドマーク取外し以降は西武線アプリでのラッピング車両としての案内は行われていなかった[注 17]

運用の変遷

1992年1月より6101・6102編成が搬入され、乗務員訓練試運転を経た6月1日から営業運転を開始した[1]。運転開始当初は池袋線池袋駅 - 小手指駅間の準急列車および池袋駅 - 飯能駅間の急行列車へ充当され、限定運転としていた[1]。なお、6101編成は落成直後にクハ6101-モハ6201-モハ6601-クハ6001の4両で試運転も行われた。

1994年8月8日からは新宿線や拝島線でも運転を開始し、701系などを置き換えた。同年12月7日には、西武有楽町線新桜台駅 - 練馬駅間および営団有楽町線新線(現在の副都心線)開業およびと両線の相互直通運転開始に伴い、有楽町線新木場駅 - 和光市駅間にも運転範囲を拡大した[注 18]

1998年3月26日のダイヤ改正で西武有楽町線新桜台駅 - 練馬駅間が複線化され、相互直通運転区間が飯能まで延長され、本格的に地下鉄直通での運用を開始した。この時点では6108 - 6114編成と50番台の計15本が地下鉄対応車として直通運転に使用され、その他の地上専用編成は誤乗防止の観点もあり基本的に新宿線での運用となったが、6103編成は引き続き池袋線で運用された。この6103編成についてはダイヤ乱れ等の際に有楽町線への誤進入を防ぐため、池袋方の前面スカート下部左右2か所に蛍光塗料による黄緑色の「S」マーク掲出と、蛍光の黄色の板で運番表示器を塞ぐ処置が行われた[5][48][49]。練馬駅の中村橋側に設置されていた監視カメラで識別できるようになっている[5][50]。その後4月に6101・6102・6104編成が池袋線へ復帰し、同様の処置がとられている[50]。なお6101・6102編成では「S」マークに黄色のステッカーが用いられ、6103・6104編成も同様に変更された。同年8月から10月頃にかけ、6115 - 6117編成の有楽町線対応改造と6158編成の新製により、6101 - 6104編成が転属、「S」マークと運番塞ぎは撤去された[注 19][51]

2006年度より、新宿線で運用されていた6103 - 6107編成が副都心線対応改造を実施し、池袋線に転属した。以降、1次車の2編成は地上専用車として新宿線に配置、他の編成は地下鉄(副都心線)対応車として池袋線の配置となった。池袋線では、有楽町線や副都心線への乗り入れ運用に限らず、池袋駅始発・終着の列車でも運用される。有楽町線や副都心線では、池袋線へ直通しない線内折り返しの列車にも使用されており、東上線への乗り入れは出来ないが和光市駅までは入線可能なため、同駅で東武鉄道の非直通車両と並ぶ光景もみられる。0番台のうち、6112編成(1994年度)と6115編成(1995年度)は落成後新宿線に配置され、その他の15本は落成後池袋線に配置された。したがって、すべての編成が池袋線で運用に就いたことがある。6107Fは池袋線で1か月間だけ使用された後、2007年(平成19年)1月まで新宿線で運用していた。池袋線所属車両の新宿線への貸し出しは以前にも行われており、50番台でも6151Fが唯一新宿線で運行された実績があるが、近年は20000系や30000系が対象になっており、本系列の貸し出しは見られなくなった。

40000系登場後

2019年から40000系の増備が続き、これにより6000系は直通運用から撤退する動きがみられている[52]

2023年3月から翌年3月にかけて、6108・6103・6104・6106・6105編成の5編成が新宿線へ転属している[34]。これらの編成は転属に際し、地上専用車として弱冷房車位置の変更とCCTVモニタ装置の撤去、列車無線非常発報ボタンの封鎖を行っている。また、6107編成も同様に地上専用車として新宿線へ移動したが、これは貸出扱いで年度内に池袋線へ復帰した。

2024年度より、地下鉄対応車は6109 - 6117編成の9編成に限定された。他の編成は全て非対応車として、運転台に「地下鉄非対応車」の表示を行うとともに、前面非常扉窓の上部に黄色のテープを貼付した(1次車を除く)[7]。またこのとき新たに地上専用化された編成についても、新宿線転属編成と同様に弱冷房車位置変更なども追って実施されている。これによりアルミ車(50番台)は全編成が地上専用車となったが、2024年4月時点で新宿線への転属は予定されていない[52]

現在の運用範囲

2024年4月1日現在の運用範囲は以下のとおり。西武線内では特急・有料座席指定列車以外のすべての列車種別で運用される。

池袋線所属編成・地上限定車(6107・6151 - 6158編成)
池袋線所属編成・地下鉄対応車(6109 - 6117編成)
※上記路線に加えて
  • 西武有楽町線:全線(練馬駅 - 小竹向原駅間)
  • 東京メトロ有楽町線:全線(和光市駅 - 新木場駅間)
  • 東京メトロ副都心線:全線(和光市駅 - 渋谷駅間)
  • 東急東横線横浜高速鉄道みなとみらい線:全線(渋谷駅 - 横浜駅 - 元町・中華街駅間。ただし各停を除く[注 22]
東横線・みなとみらい線への乗り入れ開始により、西武の車両が営業運転としては初めて神奈川県内でも見られるようになった。
2023年3月18日改正ダイヤでは、東京メトロの和光検車区新木場車両基地、東急電鉄の元住吉検車区で各1本ずつが夜間滞泊となる「外泊運用」を組んでいる。また、メトロ車の10両編成1本(10000系17000系)、東急車の10両編成1本(5050系4000番台)が武蔵丘車両基地でそれぞれ夜間滞泊を行っている[注 23]相鉄線直通列車には充当されないが、試運転では東急新横浜線新横浜駅まで入線実績がある。
新宿線所属編成(6101 - 6106・6108編成)

編成

編成表

 

号車 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
形式  
クハ6100
(Tc1)

モハ6200
(M1)
 
モハ6300
(M2)
 
サハ6400
(T1)

モハ6500
(M3)

モハ6600
(M4)
 
サハ6700
(T2)

モハ6800
(M5)
 
モハ6900
(M6)
 
クハ6000
(Tc2)
搭載機器,設備 女性専用車 VVVF, ♿︎ SIV, CP BT VVVF SIV, CP BT VVVF SIV, CP, ♿︎  
自重 SUS車
[53]
28.5 t 39.0 t 37.0 t 27.0 t 39.0 t 37.0 t
[注 25]
27.0 t 39.0 t 37.0 t 28.5 t
5次車[54]
[注 26]
27.2 t 37.5 t 35.0 t 26.5 t 37.5 t 35.0 t
[注 27]
26.5 t 37.5 t 35.0 t 27.2 t
6・7次車
[55]
25.7 t 36.0 t 33.5 t 25.0 t 36.0 t 33.5 t
[注 28]
25.0 t 36.0 t 33.5 t 25.7 t
定員
(座席)
135
(48)
145
(51)[注 29]
145
(54)
145
(54)
145
(54)
145
(54)
145
(54)
145
(54)
145
(51)[注 29]
135
(48)
車両番号 0番台
(SUS車)
6101

6117
6201

6217
6301

6317
6401

6417
6501

6517
6601

6617
6701

6717
6801

6817
6901

6917
6001

6017
50番台
(アルミ車)
6151

6158
6251

6258
6351

6358
6451

6458
6551

6558
6651

6658
6751

6758
6851

6858
6951

6958
6051

6058

凡例

備考

  • 地上専用車は2号車・地下鉄対応車は9号車が弱冷房車となる。

編成の状況

  • 以下は2024年(令和6年)4月1日現在の状況を示す[56]

ステンレス車

編成 所属
車両基地
地下鉄
対応
戸袋窓 電子警笛 制御装置 案内装置
更新
床修繕 座席
区分模様
備考
6101編成 玉川上水 あり 未搭載 三菱 シングルアームパンタグラフ
車外表示器新型
6102編成
6103編成 高音[注 30] 車外表示器新型
6104編成
6105編成 消滅
6106編成
6107編成 小手指  
6108編成 玉川上水 低音[注 31] シングルアームパンタグラフ
6109編成 小手指  
6110編成 消滅
6111編成
6112編成 消滅
6113編成
6114編成
6115編成
6116編成
6117編成

アルミ車

編成 所属
車両基地
地下鉄
対応
戸袋窓 電子警笛 制御装置 案内装置
更新
床修繕 座席
区分模様
備考
6151編成 小手指 簡易封鎖 低音[注 31] 三菱  
6152編成
6153編成
6154編成 混在[注 32]
6155編成
6156編成 なし
6157編成 東芝 東芝製VVVF(PMSM)搭載
6158編成 三菱  

表記について

案内装置更新

  • —:未更新(ドアチャイム未改良)
  • ○:15インチLCDへ更新
  • ◎:17インチLCDへ再更新

座席区分模様

  • ○:あり
  • ✕:なし(モケット変更)

その他

  • 1993年(平成5年)8月から6101編成のモハ6201号とサハ6401号の側面行先表示器でLED式行先表示器の試験が実施された。走行中は通常表示の種別行先表示、停車中は2段表示とし、上段は種別行先、下段はスクロール表示で案内表示を行っていた[5]。表示は明朝体で、行先部分にのみ英字表記があった。1995年(平成7年)2月に通常の幕式に戻された。
  • 2003年9月16日有楽町新線池袋小手指ゆき普通電車(6152編成)が、大泉学園 - 保谷間で踏切内に進入した2トントラックと接触し脱線した。この車両はしばらく保谷電留線に留置されていたが、約1年後に日立の工場で修復され運用に復帰した。
  • 2013年(平成25年)に開始した東京メトロ副都心線と東急東横線・みなとみらい線の直通運転に先立ち、2011年9月に東急東横線内での試運転のため6154編成が南北線東急目黒線経由で元住吉検車区に回送され[57]、夜間に東横線内で試運転を行なった[57]。その後6152編成が2012年9月3日に元住吉検車区に回送され、9月10日から武蔵小杉-元町・中華街間で日中での試運転を実施していた[58]

脚注

注釈

  1. ^ 6151編成のみ、幌側面に車体と同じ帯が貼られていたが、2007年4月の定期検査と同時に剥がされた。
  2. ^ 誤操作防止のため、専用の鍵を挿入しないと車掌スイッチを使用不可にする安全装置
  3. ^ 車掌スイッチの開扉操作時に、スイッチの棒をひねりながら回さないと開扉できなくする安全機能。
  4. ^ なお2010年頃に他と同じ半永久連結器へ交換された。
  5. ^ なお、厳密には6108F - 6110Fの3編成ではATCなどの一部機器が省略されている[5]
  6. ^ 東急5050系等と同等。後にフルカラーLEDが採用された他系列では従来と同じ縦幅となっており、西武では本系列独自の装備となっている。
  7. ^ 「ドアが閉まります。ご注意下さい」との音声
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n 他系列でも実施
  9. ^ 製造当初より対応の6156 - 6158編成を除く。
  10. ^ パンタグラフを降ろしたままとし、当該のBS(母線開閉器)も開放して運行。
  11. ^ 2次車以降の編成は副都心線対応工事でLED化されるため幕の交換は行われず、各駅停車は最後まで「普通」表示を掲出していた(全て池袋線所属で「拝島快速」も不要であった)。
  12. ^ なお行先幕の内容は変更されず、まず使用することのない有楽町線の行先も残された。
  13. ^ 従来は縦24ドットの表示器いっぱいに種別色が表示されていたが、新しい表示器(縦32ドット)では縦28ドットで表示され、上下端に2列の余白が生じている。
  14. ^ 「回送」等が行先部分のみに表示される点は変わらない。
  15. ^ 6101・6102編成は他の編成と逆の配列となっている。
  16. ^ オンエア時点で特別な中吊り広告の掲示は終了済み
  17. ^ 「6000系」として案内し、イメージイラストのみ黄帯で表示。それ以前は運行開始当初(HM取付前)から一貫して「西武有楽町線40周年記念車両」として案内されていた。
  18. ^ この時点で有楽町線のATCを搭載していたのは6108 - 6111編成。
  19. ^ なお6101編成は新宿線転属後も短期間、「S」マークありの状態で運用に就いていた。
  20. ^ なお、東飯能駅も10両対応であるため、過去には同駅で客扱いを行ったこともある。
  21. ^ 江古田駅のホーム有効長が8両対応であるため。
  22. ^ 各駅停車のみが停車する駅のホームは8両編成対応。
  23. ^ このほか、東急・横浜高速車の8両編成1本が石神井公園駅で夜間滞泊となる運用が存在する。
  24. ^ 下落合駅 - 都立家政駅下井草駅 - 上井草駅間の各駅のホームは8両編成まで対応。
  25. ^ パンタグラフ撤去前は37.2 t
  26. ^ 『鉄道ファン』1997年2月号(通巻430号)新車ガイド、並びに『鉄道ピクトリアル』2002年4月臨時増刊号(通巻726号)西武鉄道在籍車両諸元表には以下の情報がある。 Tc1・Tc2:25.9 t、M1・M3・M5:35.8 t、M2・M6:33.7 t、M4:34.0 t、T1・T2:25.0 t
  27. ^ パンタグラフ撤去前は35.2 t
  28. ^ パンタグラフ撤去後
  29. ^ a b 1次車車椅子スペース設置前は145(54)
  30. ^ 20000系タイプ
  31. ^ a b 30000系タイプ
  32. ^ 1 - 5号車消滅、6 - 10号車は有。

出典

  1. ^ a b c 鉄道ジャーナル社「鉄道ジャーナル」1992年9月号RAILWAY TOPICS内106頁「西武6000系電車が6月1日から営業運転を開始」
  2. ^ 鉄道ピクトリアル』2013年12月臨時増刊号(通巻884号)「西武車両 音と色」 p.245 - p.250
  3. ^ a b c 交友社「鉄道ファン」1997年2月号「西武鉄道6000系アルミ車」ならびに鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」1997年10月臨時増刊号新車年鑑1997年版「西武鉄道6000系50番台(アルミ車体)」
  4. ^ a b c d 交友社「鉄道ファン」CAR INFO「西武6000系増備車」ならびに鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」1998年10月臨時増刊号新車年鑑1998年版「西武鉄道6000系50番台(6156、6157編成)」
  5. ^ a b c d e f g h i 鉄道ファン2001年6月号 「大手私鉄の多数派系列ガイド」
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参考文献

  • 交友社鉄道ファン
    • 1992年4月号 新車ガイド5 営団有楽町線乗入れ用車「西武6000系」
    • 1997年2月号 新車ガイド1 50番台となったマイナーチェンジ車「西武鉄道6000系アルミ車」(西武鉄道(株)車両部車両課)
    • 1998年5月号 CAR INFO 戸袋窓がなくなった「西武6000系増備車」(取材協力・資料提供:西武鉄道)
    • 2001年6月号 大手私鉄の多数派系列ガイド「西武6000系・9000系」
  • 鉄道図書刊行会鉄道ピクトリアル
    • 1992年4月号 「西武鉄道6000系」
    • 1992年10月号臨時増刊号 新車年鑑1992年版「西武鉄道6000系」
    • 1997年10月号臨時増刊号 新車年鑑1997年版「西武鉄道6000系50番台(アルミ車体)」(西武鉄道(株)車両部車両課 小島修悦 著)
    • 1998年10月号臨時増刊号 新車年鑑1998年版「西武鉄道6000系50番台(6156、6157編成)」(西武鉄道(株)車両部車両課 大熊秀明 著)
    • 2002年4月号臨時増刊号 特集「西武鉄道」
    • 2013年12月号臨時増刊号 特集「西武鉄道」
  • エリエイとれいん』2024年8月号 MODELERS FILE 「西武鉄道6000系電車」

外部リンク