親切なトム
『親切なトム』(Puppy Tale、1954年1月23日)は「トムとジェリー」の作品のひとつ。
スタッフ
[編集]- 監督 - ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
- 製作 - フレッド・クインビー
- 作画 - ケネス・ミューズ、エド・バージ、レイ・パターソン、アーヴン・スペンス
- 背景 - ジョン・ディドリック・ジョンソン
- 音楽 - スコット・ブラッドリー
作品内容
[編集]静かな夜、ジェリーは通りかかった一台の車からあるものが川へ投げ捨てられたのを目撃する。流されながらモゾモゾとうごめく袋を回収するジェリー。その中身はなんと六匹の子犬だった。
散り散りになる子犬たちにもみくちゃにされたジェリーは家に帰ろうとするが、一匹だけ尻に丸い模様のある子犬が彼に懐いてしまう。初めは放っておこうとしていたジェリーもその子犬をかわいそうに思い自分の巣穴の中へ連れて行こうとする。しかし、子犬は大き過ぎて巣穴に入れなかったため家の玄関から入ることにした。
一方、ベッドの中で熟睡中のトム。起こさないよう静かに子犬を誘導するジェリーだが、子犬は家に入るなりトムのミルクをしつこく飲み始め、おまけにトムの安眠を妨害する始末。トムは何度も子犬を外へつまみ出すがその度にジェリーが救出してしまうため、ついにジェリー共々家の外へ追い出し玄関を施錠した。
気を取り直してトムは眠りにつこうとした。だがその途端に外では雷を伴う大雨が降り出す。それと同時にトムの脳裏には土砂降りの中、川に溺れて流されていくジェリーと子犬の姿が。不安になったトムは暗闇の中、口笛を途切れ途切れに吹きながらジェリー達を探すのであった。そんな中トムは強風に煽られ川に落ちて自分が溺れてしまう。
その頃雨宿りをしていたジェリーと子犬は川で溺れているトムを発見。救出し家で介抱する。意識を取り戻したトムは子犬のためのベッドとミルクを持ってきた。子犬を家に置くことを許したようである。大喜びの子犬は残り五匹の子犬たちを家の中に呼び込み、子犬たちはミルクを飲み始める。トムとジェリーは微笑ましく子犬たちを見つめるのであった。
登場キャラクター
[編集]- トム
- 子犬に自分のミルクを横取りされ、かつ自身の寝床も占領されたことに憤慨し、ジェリーと子犬を外へ追い出す。その後、ジェリーらの身を案じ大雨の中捜索に向かうが川に落ちてしまう。やがて子犬とジェリーに救出され、最後は子犬たち全員を「我が家の一員」として迎え入れた。
- ジェリー
- 自身の後をつけてきた子犬をトムの家へ入れる。当初は子犬共々トムに追い出されるが、その後捜索中に溺れたトムを子犬と協力して救出。家に戻ると助けたトムに暖炉の火で温めたスープを飲ませて介抱する。最後は意識を取り戻したトムが子犬たち全員を迎え入れたことに安堵した。
- 子犬たち
- 飼い主に袋ごと川に投げ捨てられた六匹の犬。ジェリーに救われた後は散り散りに走り去るが、尻に丸い模様がある一匹のみはジェリーに懐きそのままジェリーの世話になる。ジェリーの誘導を無視して勝手にトムのミルクや寝床を横取りするなど幼い故に自由奔放な行動によってトム・ジェリー双方を困らせる。当初はジェリー共々トムに追い出されるが、ジェリーと協力し大急ぎで溺れたトムの救出へ向かう。その後はトムの顔を自らの舌で舐め、トムは意識を取り戻す。最後は仲間である残り五匹の子犬も含め、無事に迎え入れられた。
- 子犬の飼い主
- 夜に車で通りかかると、六匹の子犬たちが入った袋を橋の上から川に投げ捨てて立ち去った。
関連項目
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