野戦軍 (イギリス軍)
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野戦軍 | |
---|---|
創設 | 2003年 |
所属政体 | イギリス |
所属組織 | イギリス陸軍 |
部隊編制単位 | 軍 |
所在地 | ウィルトシャー・アップエイヴォン |
上級単位 | 陸軍司令部 |
野戦軍(やせんぐん、英語: Field Army)は、イギリス陸軍の部隊のひとつ。陸軍司令部隷下にあり、ウィルトシャーのトレンチャード宿営地に司令部を置く。平時および有事に備えた部隊編成と準備を担当する。
概要
[編集]2003年のイギリス陸軍の再編によって、イギリス地上軍が野戦軍(英語: Field Army)と地域軍(英語: Regional Forces)に分割された[1]。野戦軍司令官指揮下には、2個師団、戦域部隊、統合ヘリコプターコマンドなどが入った[2][3]。
2010年5月に発表された戦略防衛安全保障見直し(英語: Strategic Defence and Security Review、略称:SDSR)において2010年から2020年にかけて陸軍の再編が実施されることとなり、野戦軍は第1機甲師団隷下の2個旅団と第3機械化師団隷下の3個旅団が多目的旅団(英語: Multi-Role Brigades、略称:MRB)に改編され、北アイルランドに配備されていた第19軽旅団が解隊されることとなった[4]。
2011年11月1日の指揮系統再編で、新設された陸軍司令部から陸軍参謀総長の直接指揮となり[5][6][7]、陸軍総司令官のポストが廃止され、陸軍司令官のポストが新設された[6][8]。2015年11月23日、再度の陸軍指揮系統の見直しで陸軍司令官のポストが野戦軍司令官に改称され[9]、隷下に4名の参謀次長補(委託担当、支援担当、軍事行動担当、訓練担当)が配置された[10]。
編制
[編集]「フューチャーソルジャー」に基づく再編後の野戦軍の編制は以下のとおりとなる[11]。
- 野戦軍部隊(ハンプシャー・アンドーヴァー:マールボロ宿営地)
- サイバー・電磁波活動影響群(ハンプシャー・アンドーヴァー:マールボロ宿営地)
- 情報監視偵察群(ウィルトシャー・アップエイヴォン:トレンチャード宿営地)
- 第16空中強襲旅団戦闘団(エセックス・コルチェスター:コルチェスター駐屯地)
- 第2医療群(ノース・ヨークシャー・ストレンソール:クイーン・エリザベス兵営)
- 第1師団(ノース・ヨークシャー・ヨーク:インパール兵営)
- 第4軽旅団戦闘団(ノース・ヨークシャー・リッチモンド:キャタリック駐屯地)
- 第7軽機械化旅団戦闘団(ラトランド・コッツモア:ケンドリュー兵営)
- 第11治安部隊支援旅団(ハンプシャー・オールダーショット:オールダーショット駐屯地)
- 第19旅団(ノース・ヨークシャー・ヨーク:インパール兵営)
- 第3師団(ウィルトシャー・ブルフォード:ブルフォード・キャンプ)
- 第1深部偵察打撃旅団戦闘団(ウィルトシャー・ティッドワース:ティッドワース・キャンプ)
- 第12装甲旅団戦闘団(ウィルトシャー・ブルフォード:ブルフォード・キャンプ)
- 第20装甲旅団戦闘団(ウィルトシャー・ブルフォード:ブルフォード・キャンプ)
- 第7防空群(ウェスト・サセックス・ソーニー島:ベイカー兵営)
- 第25工兵群(ウィルトシャー・ブルフォード:ブルフォード・キャンプ)
- 第101作戦維持旅団(ハンプシャー・オールダーショット:オールダーショット駐屯地)
- 第1王立憲兵群(ハンプシャー・アンドーヴァー:マールボロ宿営地)
- 第6師団(ウィルトシャー・アップエイヴォン:トレンチャード宿営地)
歴代司令官
[編集]代 | 写真 | 氏名 | 階級 | 在任期間 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
イギリス野戦軍司令官 Commander United Kingdom Field Army | |||||
1 | レドモンド・ワット Redmond Watt |
中将 | 2003年9月 - 2005年3月 | [12] | |
2 | ロビン・ブリムス Robin Brims |
中将 | 2005年3月 - 2007年10月 | [13] | |
3 | グレアム・ラム Graeme Lamb |
中将 | 2007年10月 - 2009年7月 | [14] | |
4 | バーニー・ホワイト・スポンナー Barney White-Spunner |
中将 | 2009年7月 - 2011年10月 | [15] | |
5 | ニック・カーター Nick Carter |
中将 | 2011年10月 - 2012年1月 | [16] | |
野戦軍司令官 Commander Field Army | |||||
1 | ジェームズ・エヴェラード James Everard |
中将 | 2015年11月 - 2016年12月 | [17] | |
2 | パトリック・サンダース Patrick Sanders |
中将 | 2016年12月 - 2019年3月 | [18] | |
3 | アイヴァン・ジョーンズ Ivan Jones |
中将 | 2019年3月 - 2021年4月 | [19] | |
4 | ラルフ・ウッドディス Ralph Wooddisse |
中将 | 2021年4月 - | [20] |
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ Lt Col Richard Quinlan, R Signals, HQ Theatre Troops, in News From Formations, The Wire, April 2003, p.127
- ^ Mackie, Colin (October 2021). “Army Senior Appointments: 1860–present”. Gulabin. 2021年12月6日閲覧。
- ^ “Defence”. Hansard (2007年7月26日). 2014年2月6日閲覧。
- ^ Defence equipment budget rises as Future Force takes shape - MOD, 18/07/11
- ^ “Correspondence from Army Secretariat”. British Army (2011年11月21日). 2023年9月27日閲覧。
- ^ a b Army Command reorganization Archived 12 November 2011 at the Wayback Machine. Defence Marketing Intelligence, 10 November 2011
- ^ Higher Command Archived 5 June 2013 at the Wayback Machine.
- ^ Higher Command Archived 2012-04-19 at the Wayback Machine. Ministry of Defence
- ^ “Flag raised to signal new HQ Field Army” (2015年11月23日). 24 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月23日閲覧。
- ^ “Letter from Army Headquarters”. Army Headquarters. 2015年12月13日閲覧。
- ^ “Field Army” (英語). www.army.mod.uk. 2021年11月25日閲覧。
- ^ "No. 57069". The London Gazette (Supplement) (英語). 30 September 2003. p. 12054.
- ^ "No. 57596". The London Gazette (Supplement) (英語). 29 March 2005. p. 3752.
- ^ "No. 58489". The London Gazette (Supplement) (英語). 23 October 2007. p. 15280.
- ^ "No. 59120". The London Gazette (Supplement) (英語). 7 July 2009. p. 11615.
- ^ "No. 59973". The London Gazette (Supplement) (英語). 21 November 2011. p. 22333.
- ^ “New UK Commander, Land Forces announced”. Defence Viewpoints. 2014年3月21日閲覧。
- ^ "No. 61793". The London Gazette (Supplement) (英語). 19 December 2016. p. 26901.
- ^ "No. 62610". The London Gazette (Supplement) (英語). 9 April 2019. p. 6432.
- ^ "No. 63325". The London Gazette (Supplement) (英語). 20 April 2021. p. 7239.