金子隆芳
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人物情報 | |
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生誕 |
1928年5月17日 日本 東京 |
死没 | 2022年7月2日(94歳没) |
国籍 | 日本 |
出身校 | 東京文理科大学 |
学問 | |
研究分野 | 心理学 |
研究機関 | 筑波大学 |
学位 | 文学博士(東京教育大学・1963年) |
称号 |
正四位 瑞宝中綬章 |
金子 隆芳(かねこ たかよし、1928年〈昭和3年〉5月17日 - 2022年〈令和4年〉7月2日[1])は、日本の心理学者。文学博士。専門領域は知覚心理学、色彩学。筑波大学名誉教授[1]。日本心理学会元理事長。社会的活動としては、日本色覚差別撤廃の会会長を務めた。位階勲等は正四位瑞宝中綬章[1][2][3]。
経歴
[編集]- 1952年: 東京文理科大学卒業。
- 1954年: ミズーリ大学大学院修士課程修了。
- 1957年: 東京教育大学大学院教育学研究科博士課程退学。
- 1963年:「主として物体色における心理学的等歩度色彩空間に関する研究」で東京教育大学文学博士[4]。
- 1966年: 東京教育大学教育学部助教授。
- 1974年: 東京教育大学教育学部教授。
- 1975年: 筑波大学心理学系教授。
- 1992年: 筑波大学定年退職。
その後、日本大学大学院芸術学研究科非常勤講師等を務めた。 「石原式色覚異常検査表」に代わる新しい学校教育用色覚検査表「色のなかまテスト」(Color Mate Test、CMT)を開発。自らが色覚異常であることを公表し、日本色覚差別撤廃の会会長として活動した。
2019年(令和元年)秋の叙勲で瑞宝中綬章を受章[2][3]。
2022年(令和4年)7月2日、死去。94歳没。死没日付で正四位に叙された[1]。
栄典
[編集]著書・訳書
[編集]- イエ・エヌ・ソコーロフ 著、金子隆芳・鈴木宏哉 訳『知覚と条件反射 : 知覚の反射的基礎』世界書院〈現代ソヴェト条件反射選書〉、1965年。
- 金子隆芳『色の科学 : その精神物理学』みすず書房〈みすず科学ライブラリー〉、1968年。
- グレゴリー 著、金子隆芳 訳『インテリジェント・アイ』みすず書房〈みすず科学ライブラリー〉、1972年。
- 金子隆芳、古崎敬編著『現代心理学要説』日本文化科学社、1977年。
- M.A.アービッブ 著、金子隆芳 訳『脳 : 思考と行動の源をさぐる』サイエンス社〈サイエンス叢書〉、1978年。
- D.A.ドンディス 著、金子隆芳 訳『形は語る : 視覚言語の構造と分析』サイエンス社〈サイエンス叢書〉、1979年。
- 金子隆芳編『現代心理学要論』教育出版、1982年。ISBN 4-316-32590-6。
- G.D.ワッセルマン 著、金子隆芳 訳『分子生物学からみた神経心理学』サイエンス社、1984年。ISBN 4-7819-0378-9。
- 金子隆芳『色彩の科学』岩波書店〈岩波新書〉、1988年。ISBN 4-00-430044-4。
- 金子隆芳『色彩の心理学』岩波書店〈岩波新書〉、1990年。ISBN 4-00-430134-3。
- 金子隆芳ほか編著『心理学辞典』教育出版、1991年。ISBN 4-316-38570-4。
- M.A.アービブ 著、金子隆芳 訳『ニューラルネットと脳理論』サイエンス社〈Information & computing〉、1992年。ISBN 4-7819-0646-X。
- D.M.マッケイ 著、金子隆芳 訳、V.マッケイ編 編『ビハインド・アイ : 脳の情報処理から何を学ぶか』新曜社、1993年。ISBN 4-7885-0441-3。
- J.ダビドフ 著、金子隆芳 訳『色彩の認知新論』マグロウヒル出版、1993年。ISBN 4-89501-575-0。
- 金子隆芳『色の科学 : その心理と生理と物理』朝倉書店〈色彩科学選書〉、1995年。ISBN 4-254-10537-1。
- G.M.エーデルマン 著、金子隆芳 訳『脳から心へ : 心の進化の生物学』新曜社、1995年。ISBN 4-7885-0519-3。
- 高柳泰世、金子隆芳『色覚異常に配慮した色づかいの手引き : 色彩バリアフリーマニュアル』ぱすてる書房、1998年。ISBN 4-938732-45-9。
- テレンス・W.ディーコン 著、金子隆芳 訳『ヒトはいかにして人となったか : 言語と脳の共進化』新曜社、1999年。ISBN 4-7885-0671-8。
論文
[編集]- 小保内虎夫と共著 「感応理論の研究・第39報告-感応に於ける刺激の強さ、分量及び距離の要因」 『心理学研究』 第23巻 2号 1953
- 「The psychological abstruct の有効指数について」 『心理学研究』 第26巻 1956
- 小保内虎夫と共著 "Spatiotemporal Characteristics of excitation and inhibition in the retino-cerebral fields", Japanese Psychological Research, Vol. 1, No. 7, 1959
- 「周辺視野明度と色の弁別について」 『心理学研究』 第29巻 3号 1958
- 「脳波研究の発展と教育心理学への寄与」 『心理学研究』 第6巻 2号 1958
- 「主として Kleene と von Neumann による神経網理論の基礎的研究について」 『科学基礎論研究』 第4巻 1959
- 「色の見え方の諸条件とその様相」 『心理学評論』 第3巻 2号 1959
- 「IQ 軸の心理物理的妥当性」 『テレヴィジョン学会誌』 第17巻 1963
- "Hyperbolic chromatic value coordinates system", Acta Chromatica, Vol. 1, 1963
- "A study on rapid declining processes of color sensation", Acta Chromatica, Vol. 2, 1963
- 「均等色差色空間構成の諸問題」 『心理学研究』 第35巻 4号 1965
- 「オプチカル・アートとその視覚効果」 『心理学評論』 第16巻 2号 1973
- "Development and present status of psychology in Japan", In A. R. Gilgen (ed.) International Handbook of Psychology, Green Wood Press, 1987
脚注
[編集]関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- “日本大学大学院芸術学研究科文芸学専攻”. 2015年12月27日閲覧。