関東州の警察
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関東州の警察(かんとうしゅうのけいさつ)は、日本統治時代の関東州(租借地)を統治する関東都督府(後に関東庁・関東州庁)が設置した警察である。
関東州の警察は、発足当初から満鉄附属地の警察業務も代行していた。
関東州の警察は地域の特殊性に鑑み、「身体強壮で士気旺盛な者」の採用を心掛けたため、職員の8割以上が軍隊経験者であった。また幹部(警部・警部補)の登用に際しても、普通文官試験に合格した一般の判任官を避け、その殆どを内部から登用しようとするなどの独自性が見られた。
1945年(昭和20年)8月の終戦により、関東州庁は解体され、関東州の警察(関東州庁警察部)は中華民国の警察に引き継がれた。
沿革
[編集]- 1906年(明治39年)9月 関東都督府を設置。民政部警務課を置く。大連・旅順・金州に民政署を置く。
- 1906年(明治39年)10月 満鉄附属地に警務署を置く。
- 1908年(明治41年)1月 領事館警察の警察官をも兼任させる。
- 1917年(大正6年)7月 警務部を置く。
- 1919年(大正8年)4月 関東都督府を関東庁に改組する。
- 1921年(大正10年)6月 警務局を置く。民政署から警察業務が分離され、警務署が設置。
- 1924年(大正13年)12月 「警務署」が「警察署」に改称。
- 1934年(昭和9年)12月 関東庁を関東局・関東州庁に改組する。
組織
[編集]1934年(昭和9年)時点
- 関東局警務部
- 警務課
- 高等警察課
- 警備課
- 衛生課
- 関東州庁警察部
- 警務課
- 高等警察課
- 保安課
- 衛生課
警察署
[編集]1935年(昭和10年)時点
- 関東州内
- 旅順警察署
- 大連警察署
- 水上警察署
- 小崗子警察署
- 沙河口警察署
- 金州警察署
- 貔子窩警察署
- 満鉄附属地内
- 新京警察署
- 范家屯警察署
- 公主嶺警察署
- 四平街警察署
- 開原警察署
- 鉄嶺警察署
- 奉天警察署
- 撫順警察署
- 蘇家屯警察署
- 本渓湖警察署
- 鳳凰城警察署
- 安東警察署
- 遼陽警察署
- 鞍山警察署
- 大石橋警察署
- 営口警察署
- 瓦房店警察署
警務総長
[編集]- 警視総長
- 警務総長
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 外務省条約局法規課『関東州租借地と南満州鉄道付属地 前編』外務省、1966年。
- 『官報』