関東鉄道キハ310形気動車
関東鉄道キハ310形気動車 | |
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基本情報 | |
製造所 |
大栄車輌(311・312) 新潟鐵工所(313 - 318) |
製造数 | 1977年 - 1979年 |
運用終了 | 2023年7月12日 |
主要諸元 | |
編成 | 2両1編成 |
軌間 | 1,067mm |
車両定員 | 140名(うち座席61名)[1] |
自重 | 30.0t(空車)[1] |
全長 | 20,100mm[1] |
全幅 | 2,880mm[1] |
全高 | 3,865mm[1] |
台車 |
DT19(動力台車/318を除く台車交換前)[2] DT22A(動力台車/318を除く台車交換後)[2][注釈 1] DT22B(動力台車/318のみ)[3] DT19(付随台車/318を除く台車交換前)[3] TR51A(付随台車/311・312・313・316の台車交換後)[3] TR51B(付随台車/315・317の台車交換後・318は入線当初より)[3] |
機関 |
DMH17B(318を除く入線当初)[1] DMH17C(318のみ入線当初)[1] |
機関出力 | 180 HP[1] |
変速機 |
いずれも液体変速機[4] DF-115(311・312を除く) TC-2(311・312のみ)[4] |
歯車比 | 2.976[4] |
制動装置 | DA-1[4] |
関東鉄道キハ310形気動車(かんとうてつどうキハ310がたきどうしゃ)は、関東鉄道にかつて在籍していた通勤型気動車である。
国鉄キハ10系気動車を譲り受けた車両で、車歴も引き継いでいる[5]が、実際には全ての車両が車体を新造した上で運用へ投入されており[5]、実質的には「主要な機器を車体付で購入した」という意味合いが強い[5]。8両が製造されたが、1996年(平成8年)に2両が廃車された[2]。
2017年5月27日には「乗り納め!?キハ313・314号満喫乗車会」というイベントが行われ、取手方から314+313+318+317+007という5両編成での運転が行われた。
2019年には キハ318-317号が休車になっており、2022年現在は車両基地の南側に同じく休車の キハ008-007 キハ006-005号と並んで留置されている。
また、2022年3月のダイヤ改正によりキハ0形・キハ310形の平日ダイヤでの運行が激減し、日によっては走らない場合がある。
車両概説
[編集]本節では、登場当時の仕様を記述する。
キハ310形は全長20,100 mmの全金属製車体で[1]、全幅は2,880 mmである[1]。種車となったキハ10系との新旧番号対照については、巻末の車両一覧を参照。
正面は貫通扉付正面3枚窓で、キハ600形と同様のデザインである[6]。乗降口は片側に両開き扉を3箇所配置し、室内側にはステップはないが緩やかなスロープとなっている[7]。車内の座席配置はロングシートである[7]。連結面側の貫通路には貫通幌は設置されておらず[6]、扉には「非常用通路」のステッカーが貼られている[6]。
走行用機関は、種車となったキハ10系が搭載していたDMH17B形ディーゼルエンジンをそのまま使用した。台車についても種車が装備していたDT19形(動力台車)・TR49形(付随台車)であるが、キハ318については種車となったキハ17 173が国鉄時代に台車をDT22形(動力台車)・TR51形(付随台車)に交換していたため[6]、そのまま使用している。
運用
[編集]1977年(昭和52年)1月にキハ311・キハ312が大栄車輌で改造後に運用を開始した[6]。その後、同年6月には新潟鐵工所で4両が改造され[2]、さらに1979年(昭和54年)4月に新潟鐵工所製の2両が入線した[2]。
キハ318以外は台車に国鉄キハ10系の印象を残していた[2]が、1983年(昭和58年)にはキハ318を除く7両について、DT19形台車からDT22形台車へ[6]、TR49形台車はTR51形台車への交換が行なわれた[6][注釈 1]。この結果、外観上は国鉄キハ10系の印象が全く見られなくなり[6]、同時にゴムばね特有の乗り心地も解消された。
その後、キハ2100形が増備されたことに伴い、キハ311・キハ312は1996年(平成8年)3月31日付で廃車となった[2]。その後の冷房化および機関更新工事の際、行先方向幕の設置とそれに伴う前照灯の移設、貫通幌の設置、側扉の交換が実施されたことによって、現在ではキハ0形との差異はほとんど見られなくなっている。
リバイバル塗装を施されていたキハ313・314は、2017年(平成29年)5月27日の「乗り納め!?満喫乗車会」をもって運用を離脱しており、2019年(平成31年)2月16日の「キハ313・314号さよなら撮影会」をもって廃車となった[8][9]。
残るキハ315・316号も2023年7月12日をもって定期運行を終了。 同年7月15、16日催行の「キハ315・316号さよなら乗車・撮影会」をもって廃車となった[10]
車両一覧
[編集]- 国鉄キハ17 23→関東鉄道キハ311[11]
- 国鉄キハ17 24→関東鉄道キハ312[11]
- 国鉄キハ16 4→関東鉄道キハ313[11]
- 国鉄キハ16 94→関東鉄道キハ314[11]
- 国鉄キハ17 171→関東鉄道キハ315[11]
- 国鉄キハ17 187→関東鉄道キハ316[11]
- 国鉄キハ16 6→関東鉄道キハ317[11]
- 国鉄キハ17 173→関東鉄道キハ318[11]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j 『私鉄の車両8 関東鉄道』 p.154
- ^ a b c d e f g 『鉄道ピクトリアル』通巻637号 p.53
- ^ a b c d e 『私鉄の車両8 関東鉄道』 p.136
- ^ a b c d 『私鉄の車両8 関東鉄道』 p.155
- ^ a b c 『鉄道ピクトリアル』通巻637号 p.50
- ^ a b c d e f g h 『私鉄の車両8 関東鉄道』 p.12
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』通巻246号 p.86
- ^ “「キハ313・314号さよなら撮影会」開催のお知らせ”. 関東鉄道ニュースリリース. 2019年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月7日閲覧。
- ^ “関東鉄道 キハ313・314号さよなら撮影会”. 鉄道コム (2019年1月17日). 2019年2月7日閲覧。
- ^ “さようなら、キハ310形!最後の定期運行について”. www.kantetsu.co.jp. 2023年6月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 『私鉄の車両8 関東鉄道』 p.146
参考文献
[編集]書籍
[編集]- 森本富夫、諸河久『私鉄の車両8 関東鉄道』保育社、1985年。ISBN 4586532084。