阪急1600系電車
阪急1600系電車 | |
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晩年の嵐山線運用の1600系 | |
基本情報 | |
運用者 | 阪急電鉄 |
製造所 | ナニワ工機 |
製造年 | 1957年 - 1960年 |
製造数 | 12両 |
廃車 | 1983年 |
投入先 | 京都線 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,435 mm |
台車 | FS-103・FS-311ほか |
主電動機出力 | 150 kW ×4[1] |
駆動方式 | 吊り掛け駆動方式 |
制御装置 | ES-559 |
制動装置 | AMA-R・ACA-R |
阪急1600系電車(はんきゅう1600けいでんしゃ)は、1957年に京阪神急行電鉄が京都線用に導入した電車である。100形(P-6)の電装解除に伴って発生した主電動機など電装品を流用し、車体と台車を新造した[2]。神宝線の1200系と同じ思想であるが、台車は捻出する旧型車両が京都線にないため新製されている[2]。
車体は1300系と同じで、全車とも2扉ロングシート車として竣工している。
主要機器
[編集]主電動機は100形の一部を電装解除で捻出された東洋電機製造TDK-527-1A(端子電圧750V時定格出力149.2kW、805rpm。)を搭載する。駆動方式は吊り掛け式、歯数比は100形と共通の2.35である。主制御器は多段電動カム軸式の東洋電機製造ES-559が搭載された[2]。
台車は1600形が全車710系と共通のゲルリッツ式台車である扶桑金属工業FS-103、1650形はFS-103と1300系や1010・1100系と同じアルストムリンク式台車のFS-311を混用していた。
ブレーキは710系と同様、A動作弁と中継弁を組み合わせたAMA-R、ACA-Rを採用し、後に710系と同じくARSEに更新された[3]。
製造
[編集]1957年5月から1960年9月の間に[2]、制御電動車(Mc)の1600形1601 - 1606と、制御車(Tc)の1650形1651 - 1656の合計12両がナニワ工機で製造された[2]。
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竣工 | |
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Mc | Tc | |
1601 | 1651 | 1957年5月[2] |
1602 | 1652 | |
1603 | 1653 | |
1604 | 1654 | |
1605 | 1655 | |
1606 | 1656 |
改造
[編集]1968年から1972年にかけて3扉化され、ブレーキはHSCへ変更された[3]。列車無線装置やATSは一旦全車に装備されたが、1972年に1601・1603・1606・1652・1654・1655の運転台が撤去され[3]、4連固定化された。冷房化はされなかった。
1971年の1000形の1010系編入に際して、台車は1650形のFS-311Kを1000形に、1000形から捻出のFS-303を810系の864 - 867に、その810系から捻出のFS-103を1650形に順繰りで転用した[2]。
運用
[編集]晩年は6両編成で千里線や本線普通運用についていたが、急行で走ることもあった[1]。その後は嵐山線に転出し、1983年末に廃車された。
なお、千里線での運用終了に伴い1982年に休車となった1601は、VVVF制御方式の試験車として使用された。
これは、1982年(昭和57年)に東洋電機製造が相模鉄道6000系を使用してVVVFインバータ制御の改良試験を実施し、改めて9月から10月に当形式の1601号車に同社製のVVVFインバータ(2,500V-500Aの逆導通サイリスタ素子を使用・150kW主電動機4台制御)を搭載して走行試験が実施された[4]。当形式の試験では、国内では架線電圧1500Vにおいて初めて110km/hの高速運転、100km/hからの回生ブレーキ走行となった[4]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 山口益生『阪急電車』JTBパブリッシング、2012年。
- 飯島巌『復刻版・私鉄の車両5 阪急電鉄』ネコ・パブリッシング、2002年。