コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

西宮駅 (阪神)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
阪神西宮駅から転送)
西宮駅
西口(エビスタ西宮)
にしのみや
Nishinomiya
HS 16 今津 (1.3 km)
(1.1 km) 香櫨園 HS 18
地図
所在地 兵庫県西宮市田中町1-16
北緯34度44分12.68秒 東経135度20分17.67秒 / 北緯34.7368556度 東経135.3382417度 / 34.7368556; 135.3382417 (西宮駅)座標: 北緯34度44分12.68秒 東経135度20分17.67秒 / 北緯34.7368556度 東経135.3382417度 / 34.7368556; 135.3382417 (西宮駅)
駅番号 HS17
所属事業者 阪神電気鉄道
所属路線 本線
キロ程 16.7 km(大阪梅田起点)
駅構造 高架駅[1]
ホーム 2面4線[1]
乗降人員
-統計年度-
46,673人/日
-2023年-
開業年月日 1905年明治38年)4月12日[1]
テンプレートを表示

西宮駅(にしのみやえき)は、兵庫県西宮市田中町にある、阪神電気鉄道本線[1]。駅番号はHS 17

概要

[編集]

平日朝のみ運転される区間特急以外の全営業列車が停車する、西宮市の代表駅の一つである。西宮市役所及び西宮神社の最寄駅であり、同市の古くからの中心市街地に位置している[2][3]阪急西宮北口駅JR西日本西宮駅と名称を区別するために、地元では「阪神西宮」あるいは略して「阪西」と呼ばれる。阪神電車の駅としては最北端の駅に位置する。

歴史

[編集]

年表

[編集]
地上駅時代の阪神西宮駅(1984年)

鉄道唱歌

[編集]

1908年(明治41年)に『鉄道唱歌』の作者である大和田建樹が阪神電気鉄道からの依頼を受け、同社線の宣伝のため作詞した『阪神電車唱歌』では、以下のように西宮が歌われており、当時ここに西宮神社のほか、海水浴場があったことを示していた。

7.戎の神に参詣の 老若つどふ西宮 御前の浜の風景は 歌にも詩にも尽くされず
8.松原涼しく波清く 夏は海水浴場と なりて西より東より 人の集まる此海邊(このうみべ)

駅構造

[編集]

待避設備を持つ島式ホーム2面4線の高架駅[1]。駅周辺の立体交差化事業自体は1980年から始められたが、宮水の水脈への影響を懸念し、少しずつその影響がないかを確認しながら慎重に工事を進めたため、完成まで20年以上もの歳月を要した[9]

神戸寄りには引き上げ線2本が設置されている[1]。この引き上げ線では主に急行が折り返すほか、ダイヤの乱れにより快速急行が当駅で運転を打ち切られた際に使用した例もある[10]。 ホーム有効長は高架化時に将来を見越し200mに延伸され[11]、阪神/山陽車10両編成(近鉄車8両編成)の停車が可能となっているが、用意されている停止位置目標は「4」「6」「近6」「8」「近8」のみである。ホームは現状では使用されていないスペースはフェンスで区切られ立ち入れなくなっているが、そのスペースにも駅名標はすでに設置されている。

地上駅時代の出口に近い側を「えびす口」、統廃合された西宮東口駅の代替である東口を「市役所口」としている。えびす口高架下にはエビスタ西宮があり、阪神百貨店西宮店が出店している。

2024年6月よりQRコード乗車券のサービスが開始される予定である[12]。そのため、2023年11月に市役所口がQRコードが利用できる改札機に更新された[注 1][13]

当駅の到着前に、エビスタ西宮の営業時間帯における車内放送では「次は、西宮、エビスタ西宮前です」と案内されている。また毎年1月9日から1月11日にかけて西宮神社で行われる十日えびすの期間中は、車内放送で「次は、西宮、西宮えびすです」と案内される。

地上駅時代は、踏切が閉まっている際に無理な横断をされるのを防ぐため、「構内通行券」が無料発行されていた。この券を使って駅構内の地下道を経由して自由に駅の南北を往来できたため、この通行券は実質的な無料の入場券であった。

地上駅時代も2面4線の配線だったが、西側の引上線が1線のほかに、1番線の北側に留置線が設置されており、現行の当駅の配線と若干異なっていた。この留置線は阪神甲子園球場への野球観客輸送時の臨時列車の待機で使用していたほか、夜間停泊の車両の留置に使用されていた。この留置線からは大阪方面へのみ直接出発が可能で、神戸方面へ出発する場合は東側の渡り線を使って転線していた。

平日朝ラッシュ時に運転される当駅通過の大阪梅田方面の区間特急は、必ず警笛を鳴らして通過する。

のりば

[編集]
番線 路線 方向 行先
1 本線 上り 尼崎大阪(梅田)難波奈良方面
2 本線
3 下り 神戸(三宮)明石姫路方面
4 本線

内側2線(2番線と3番線)が主本線、外側2線(1番線と4番線)が待避線である。

西宮駅配線図

本線 : 梅田方面
西宮駅配線図
本線 : 神戸三宮・元町方面
凡例
出典:[14]


利用状況

[編集]

2023年11月平均の乗降人員46,673人である。阪神本線の駅では大阪梅田駅神戸三宮駅甲子園駅尼崎駅に次いで第5位である[注 2]。同じ西宮市内ではJRの西宮駅より多いが、阪急の西宮北口駅より少ない。

各年度の11月平均利用状況は下表の通り。

各年度 11月平均利用状況[統計 1]
年度 乗車人員 降車人員 乗降人員 順位 出典
2019年(令和元年) 23,993 24,584 48,577 5位 [阪神 1]
2020年(令和02年) 20,035 20,508 40,543 5位 [阪神 2]
2021年(令和03年) 20,633 21,205 41,838 5位 [阪神 3]
2022年(令和04年) 21,846 22,382 44,228 5位 [阪神 4]
2023年(令和05年) 23,078 23,595 46,673 5位 [阪神 5]

年間乗車人員

[編集]

近年の1年間の乗車人員は以下の通り。なお下表内の数値の単位は全て「千人」である。

年度別年間利用状況[統計 2]
年度 年間
乗車人員
出典
2003年(平成15年) 6,110 [西宮市 1]
2004年(平成16年) 6,612 [西宮市 1]
2005年(平成17年) 6,949 [西宮市 1]
2006年(平成18年) 7,129 [西宮市 1]
2007年(平成19年) 7,163 [西宮市 1]
2008年(平成20年) 7,123 [西宮市 1]
2009年(平成21年) 7,284 [西宮市 2]
2010年(平成22年) 7,400 [西宮市 3]
2011年(平成23年) 7,423 [西宮市 4]
2012年(平成24年) 7,368 [西宮市 5]
2013年(平成25年) 7,425 [西宮市 5]
2014年(平成26年) 7,735 [西宮市 5]
2015年(平成27年) 7,963 [西宮市 5]
2016年(平成28年) 8,071 [西宮市 6]
2017年(平成29年) 8,179 [西宮市 7]
2018年(平成30年) 8,228 [西宮市 8]
2019年(令和元年) 8,806 [西宮市 9]
2020年(令和02年) 6,704 [西宮市 10]
2021年(令和03年) 7,096 [西宮市 11]
2022年(令和04年) 7,774 [西宮市 12]

駅周辺

[編集]

西宮市役所、西宮神社の最寄駅である。西宮市は西宮神社の門前町として長い歴史を持つことから[15]、西宮神社の最寄駅である当駅周辺は西宮市の古くからの中心市街地である。一方で、近年は西宮スタジアム跡地に大型商業施設の阪急西宮ガーデンズが開業するなど[16]阪急電鉄西宮北口駅一帯の発展が著しい。今後は、2030年度を目途に、駅北側で再開発が行われる予定。

1974年に廃止された阪神国道線は駅のすぐ北を通る国道2号(阪神国道)上に敷設されており、阪神西宮駅の最寄り駅として西宮戎駅を設けていた。同線には別に西宮駅前駅が2つ野田寄りに設けられていたが、同駅は阪神ではなく、東海道本線西ノ宮駅(現在のJR神戸線西宮駅)の最寄り駅であった。

バス路線

[編集]
阪神バス

駅前(主に北口)ロータリーを中心に阪神バス阪急バスが発着。

阪神バス

[編集]

停留所名は北口が「阪神西宮」、南口が「阪神西宮南口」。

北口については、駅舎前に1・2番のりばとおりばがあり、ロータリー中央の島状になっている部分に3 - 6番のりばが設置されている。7番のりばはロータリーから外れた国道2号方面へ向かう路上にある。さらにロータリーの向かいには阪神バスの登記上の本店所在地でもある西宮車庫がある。

尼崎西宮線のみ尼崎営業所が、その他の路線は西宮浜営業所が担当。

この他、阪神西宮駅東口停留所にマリナパーク線が、西宮戎(阪神西宮駅北)停留所に尼崎西宮線・西宮神戸線が停車する(いずれも駅前ターミナルにも乗り入れている[注 3]ため、下表からは省略する)。

のりば 路線 行先 備考
1 西宮山手線 1:西回り
鷲林寺線 7-1:西回り 一部西宮甲山高校前不経由
2 西宮山手線 2:東回り 一部JR西宮経由
鷲林寺線 7-2:東回り 一部西宮甲山高校前不経由。平日夕方2本のみ阪急夙川経由
3 尼崎西宮線 阪神尼崎
4 西宮団地線 浜甲子園団地方面
5 西宮北口線 西宮北口 阪急バス16系統との共同運行扱い(阪神バス便は土休日1本のみ)
6 西宮神戸線 神戸税関前
7 西宮甲子園線 阪神甲子園 土休日1本のみ運行
1 マリナパーク線 マリナパーク方面/西宮浜中央 大回り循環と小回り循環がある(大回り循環が中心)。一部便は西宮浜中央止まり
2 西宮浜手線 浜手循環 朝夕の便は西宮回生病院前を経由しない

空港リムジンバス

[編集]

阪神バス・関西空港交通阪急観光バスの共同運行で関西国際空港行きのリムジンバスが発着。

阪急バス

[編集]

駅前ロータリーへの乗り入れは阪神バス西宮北口線との共同運行扱いとなっている16系統(と26系統の到着便)のみであり、系統により駅連絡停留所が「阪神西宮駅東」「西宮市役所前(阪神西宮駅東口)」「西宮戎」と分散している。

西宮戎停留所には、一般路線のほかにさくらやまなみバスと呼ばれる阪急バスが運行を担当している西宮市のコミュニティバスも発着している。

停留所名 のりば 路線 行先 備考
阪神西宮 5 西宮市内線 16系統阪急甲東園駅 阪神バス西宮北口線との共同運行扱い(阪急バス便は1日3本のみ)
阪神西宮駅東 北向き 6系統JR西宮駅 土休日朝1本のみ
24系統阪急西宮北口駅/JR西宮駅 土休日夕方の一部便はJR西宮駅止まり
西宮市役所前(阪神西宮駅東口) 南向き 24系統:朝凪町/誠成公倫会館 誠成公倫会館止まりあり。誠成公倫会館休館日は日中の一部便が運休
西宮戎 西向き 1系統:西宮甲山高校前 阪神バス鷲林寺線との共同運行扱い(阪急バス便は平日早朝1本のみ)
2系統:甲山墓園前 阪神バス鷲林寺線との共同運行扱い(阪急バス便は1日2本のみ)
東向き 12系統:阪急西宮北口駅/JR西宮駅 平日夕方に1・2系統それぞれ1本ずつ、JR西宮駅止まりあり
7系統:阪急西宮北口駅 土休日朝1本のみ。江上町経由

隣の駅

[編集]
阪神電気鉄道
本線
直通特急(平日朝ラッシュの上りの一部)
尼崎駅 (HS 09) ← 西宮駅 (HS 17)芦屋駅 (HS 20)
直通特急(上記以外)・特急・快速急行(平日朝ラッシュ時)
甲子園駅 (HS 14) - 西宮駅 (HS 17) - 芦屋駅 (HS 20)
区間特急
通過
快速急行(平日日中以降・土休日)
今津駅 (HS 16) - 西宮駅 (HS 17) - 魚崎駅 (HS 23)
急行(定期列車は当駅発着、当駅以西は臨時列車のみの運行)・区間急行(上りのみ)
今津駅 (HS 16) - 西宮駅 (HS 17) - 芦屋駅 (HS 20)
普通
今津駅 (HS 16) - 西宮駅 (HS 17) - 香櫨園駅 (HS 18)
  • 前述したように2001年までは今津駅と当駅の間に西宮東口駅があった。また、当駅と打出駅の間に戎駅があった時期もあった(当時香櫨園駅は未開業)。

脚注

[編集]

記事本文

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ えびす口は更新されていない。
  2. ^ 上位4駅はいずれも駅長配置駅であるため、当駅は駅長不在駅で最多の駅でもある。
  3. ^ ただし平日朝ラッシュ時のマリナパーク線マリナパーク行きの一部便は阪神西宮南口通過。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k 『兵庫の鉄道全駅 私鉄・公営鉄道』神戸新聞総合出版センター、2012年12月10日、42頁。ISBN 9784343006745 
  2. ^ 周辺案内・アクセス|西宮市ホームページ”. www.nishi.or.jp. 2022年7月13日閲覧。
  3. ^ えびす宮総本社 西宮神社 公式サイト - 交通アクセス”. nishinomiya-ebisu.com. 2022年7月13日閲覧。
  4. ^ “発車合図ソフトに 阪神電鉄 シンセのメロディ採用”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1990年9月4日) 
  5. ^ a b 『不死鳥レールウェイ』神戸新聞総合出版センター、2010年1月17日、124-126頁。ISBN 978-4-343-00537-3 
  6. ^ 鉄道ジャーナル』第30巻第4号、鉄道ジャーナル社、1996年4月、99頁。 
  7. ^ 阪神「三宮」を「神戸三宮」に駅名変更、駅ナンバリングを導入し、すべてのお客さまに分かりやすい駅を目指します』(PDFlink)(プレスリリース)阪神電気鉄道株式会社、2013年4月30日。オリジナルの2016年4月8日時点におけるアーカイブhttps://megalodon.jp/2016-0408-0105-08/www.hankyu-hanshin.co.jp/ir/data/SR201304304N1.pdf2016年4月8日閲覧 
  8. ^ “[アラカルト]3月20日=兵庫 ◆駅ナンバリング、神鉄が導入”. 読売新聞(大阪朝刊) (読売新聞大阪本社): p. p.32. (2014年3月20日) 
  9. ^ “踏切事故で高まる立体交差化の要望 実現までの道のりは”. NEWSポストセブン (小学館). (2019年9月23日). https://www.news-postseven.com/archives/20190923_1454217.html/2 2019年10月7日閲覧。 
  10. ^ 相直運転初日から相直快急運転区間縮小 - 近畿日本鉄道資料館
  11. ^ [1][リンク切れ]
  12. ^ 2024年6月から QRコードを活用したデジタル乗車券サービスを開始します”. 阪神電気鉄道. 2023年12月24日閲覧。
  13. ^ 阪神電車新型改札機導入状況”. Blogger. 2023年12月25日閲覧。
  14. ^ 電気車研究会、『鉄道ピクトリアル』第67巻第12号 通巻第940号 2017年12月 臨時増刊号 「【特集】阪神電気鉄道」、巻末折込「阪神電気鉄道線路配線図」。
  15. ^ 西宮小史|西宮市ホームページ”. www.nishi.or.jp. 2022年7月13日閲覧。
  16. ^ 阪急西宮ガーデンズについて”. 阪急西宮ガーデンズ. 2022年7月13日閲覧。

利用状況

[編集]

阪神電気鉄道

[編集]
  1. ^ ハンドブック阪神2020” (PDF). 阪神電気鉄道. 2021年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月1日閲覧。
  2. ^ ハンドブック阪神2021” (PDF). 阪神電気鉄道. 2021年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月1日閲覧。
  3. ^ ハンドブック阪神2022” (PDF). 阪神電気鉄道. 2022年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月1日閲覧。
  4. ^ ハンドブック阪神2023” (PDF). 阪神電気鉄道. 2023年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月1日閲覧。
  5. ^ ハンドブック阪神2024” (PDF). 阪神電気鉄道. 2024年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月1日閲覧。

西宮市統計書

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]
  • 西宮駅(路線図・駅情報) - 阪神電気鉄道