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雪が降る町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「雪が降る町」
UNICORNシングル
初出アルバム『THE VERY BEST OF UNICORN
B面 「お年玉」
リリース
規格 8センチCD
ジャンル ロック
シャッフル
時間
レーベル ソニー・レコード
作詞・作曲 奥田民生
プロデュース UNICORN
チャート最高順位
UNICORN シングル 年表
ヒゲとボイン雪が降る街
1992年
すばらしい日々
1993年
THE VERY BEST OF UNICORN 収録曲
ミュージックビデオ
ユニコーン 『雪が降る町』 - YouTube
EANコード
EAN 4988009358215
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「雪が降る町
"more bell mix"」
UNICORNシングル
初出アルバム『STAR BOX
リリース
規格 8センチCD
ジャンル ロック
シャッフル
時間
レーベル ソニー・レコード
作詞・作曲 奥田民生
プロデュース UNICORN
チャート最高順位
  • 38位(オリコン)
UNICORN シングル 年表
すばらしい日々
1993年
雪が降る町 "more bell mix"
1996年
WAO!
2009年
STAR BOX 収録曲
EANコード
EAN 4988009428918
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雪が降る町」(ゆきがふるまち)は、日本ロックバンドであるUNICORNの楽曲。

1992年12月2日ソニー・ミュージックレコーズから8枚目のシングルとしてリリースされた。作詞・作曲は奥田民生が行い、プロデュースはUNICORN名義となっている。

前作「ヒゲとボイン」(1991年)よりおよそ1年ぶりにリリースされたシングルであり、その後にリリースされた8枚目のアルバム『SPRINGMAN』(1993年)には収録されずオリジナル・アルバム未収録曲となった。当初はクリスマスソングを目指して制作されていたが、奥田のアイデアにより年末を題材とした楽曲に変更された。シャッフル系のビートを基調とした中期ビートルズからの影響が色濃く反映された楽曲である。

オリコンチャートでは最高位4位となったほか、後に鈴の音色を追加したシングル「雪が降る町 "more bell mix"」(1996年)がリリースされており、ウィンターソングの代表曲の一つとされている[1]。また、本作を切っ掛けとして奥田と井上陽水の交流が始まったほか、後にPUFFY安藤裕子アイドルネッサンスなど多数のアーティストやアイドルグループによってカバーされている。

背景

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作って来た曲の中であれが一番、それっぽかったんですよ。年末っぽい。つまりね、シングルを出すにはその理由ってのがいるじゃないですか。で、理由を作ろうと。
奥田民生,
ARENA37℃ 1992年12月号[2]

UNICORNメンバーそれぞれがソロ・シングルをリリースするという企画の後、久しぶりにバンドとしてのシングルリリースが決定、奥田民生は「5人で演奏することを特に意識してつくった」と述べている。また、当時CMなどでクリスマスソングが注目されていたこともあり、「ユニコーンもクリスマスソングを!」というコンセプトで12月リリースを目指して楽曲制作が開始された[3]。しかしその後、「年末ソングにした方が大晦日まで流せる」と奥田が考え楽曲のコンセプトが変更された。

8枚目のシングルをリリースするに当たり、UNICORNメンバーはそれぞれで楽曲を制作し持ち寄ったが、シングル向きの楽曲がなかったため一度シングルリリースを中止する案が出された[2]。しかし堀内一史は奥田が制作した本作を「カッコいい」と発言したためにシングルとしてリリースすることが決定した[2]西川幸一は1年の締めくくりとして本作が適しているのではないかという奥田の意見もあったことから、本作をシングルリリースすることになったという経緯を述べている[2]。奥田はメンバーが持ち寄った楽曲の中で本作が最も年末のイメージに合っていたとし、シングルリリースには理由が必要であったことから冬をイメージさせる本作を選定したとも述べている[2]

録音、制作

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本作は元々コンサートツアー「UNICORN TOUR 1992 "S.F.W"」にて初披露されたが、レコーディングはライブ時とほぼ同じアレンジで進められた[4]。リリース前に楽曲がライブで披露されるのはシングル「働く男」(1990年)のカップリング曲であった「CSA」以来であると阿部義晴は述べ、手島いさむは「レコーディング前に歌詞があるということ自体すごい」と述べている[5]。しかし、本作のようなテンポの曲はあまり制作していなかったことからレコーディングは行き詰まることとなった[5]。また堀内はベースを交換するのを忘れて最後まで演奏していたという[5]。その他にもイントロコーラスも行き詰まり、堀内による「はぁぁぁ」という甲高い声を試しに挿入したが「気持ち悪くておかしいからやめた」と阿部は述べ、さらに全員で行った同じようなコーラスを挿入したところ余計におかしくなり断念したという[5]。最後はただの叫び声をレコーディングするようになったが、コントロールルームのスタッフは「いい加減にせいよ」という顔つきをしていたと西川は述べている[5]

カップリング曲である「お年玉」は、本作が年末をテーマにした楽曲であったため、「2曲目は正月の歌だ」との発想から阿部が制作した楽曲が選定された[2]。歌詞は神戸のホテル滞在中に阿部と西川によって制作され、その他のメンバーは飲み会に出かけたという[5]。また「お年玉」にはシンクラヴィアアコーディオンカシオトーンバンジョースライドギターなど多岐に亘り様々な楽器が使用されたほか、スネアドラムの上にタオルを置き、さらにその上に紙を敷いてブラシで叩いた音なども録音された[5]

音楽性

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音楽誌『別冊宝島724 音楽誌が書かないJポップ批評22 ユニコーン&奥田民生の摩訶不思議ロック・マジック』においてライターの榊ひろとは、本作がバンドとしてのコンサートを半年間休止し、メンバーそれぞれがソロ活動を行った1992年末にリリースされたことから「新作レコーディングの予告のように届けられたシングル・オンリーの曲」であると指摘した[6]。また、本作の音楽性に関して榊は「弾むようなシャッフル系のビートとキラキラした上モノのサウンド」であり冬をテーマとした楽曲では定番の構成であると述べたほか、ベースラインや管楽器によるフレーズが中期ビートルズからの影響が色濃く出ていると述べ、また解散する1年前の作品だが「すでに一抹の終末感が漂う」と指摘している[6]。また同書にてライターの内田和世はカップリング曲「お年玉」に関して、「正面きって“お正月ソング”を歌うロックバンドもなかなかいないだろう」と述べている[6]

リリース

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1992年12月2日ソニー・ミュージックレコーズから8センチCDでリリースされた。

その後本作の売り上げが伸びなかったことから「良い曲なのに当時あまり売れなかったのは何故だろう」と考えた奥田であったが、「そうだ鈴だ!」との思い付きから鈴の音色を足したバージョンを制作、1996年11月1日に「雪が降る町 "more bell mix"」として同レーベルから再リリースされることとなった。カップリング曲として同バージョンのオリジナル・カラオケが収録されたが、UNICORNのCDシングルとしては初のカラオケバージョン収録となった。「雪が降る町 "more bell mix"」はオリジナルバージョンより再生時間が15秒短くなっている[7]

チャート成績と影響

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本作はオリコンチャートにおいて最高位4位、登場回数は9回、売り上げ枚数は23.6万枚となった[8]。また「雪が降る町 "more bell mix"」は同チャートにて最高位38位、登場回数3回、売り上げ枚数は2.2万枚となった。

本作はシンガーソングライターである井上陽水の息子が愛聴しており、それを知った井上は奥田に手紙を送付することとなった[9]。手紙には井上直筆による本作の歌詞が記載されており、奥田は真意を測りかねたという[9][10]。しかしこれをきっかけとして井上と奥田の交流が始まり、小泉今日子のシングル「月ひとしずく」(1994年)やPUFFYのシングル「アジアの純真」(1996年)などの共作を経て音楽ユニットである井上陽水奥田民生が結成されることとなった[9]

ミュージック・ビデオ

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本作のミュージック・ビデオは、スタジオ撮影の演奏シーンや街並みなどの風景の早回しの映像、コンサートツアー「UNICORN TOUR 1992 "S.F.W"」のオフショットで構成されている。監督は大沢伸一が担当している[11]

ライブ・パフォーマンス

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本作はリリース前にコンサートツアー「UNICORN TOUR 1992 "S.F.W"」にて初披露された[7]。同ツアーではアンコールの最後の曲として演奏され、「今日はじめて人前でやる新曲です」とのMCの後に演奏された。奥田の足元に貼ってあるセットリストには「新曲」としか記載されておらず、まだタイトルも決定していない状態であった[7]。また、奥田は本作を演奏する際に各地で「初めて演奏する新曲」とMCを行っていたという[7]

カバー

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シングル収録曲

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雪が降る町
全編曲: UNICORN
#タイトル作詞作曲ボーカル時間
1.雪が降る町奥田民生奥田民生奥田民生
2.お年玉阿部義晴西川幸一阿部義晴阿部義晴 堀内一史
合計時間:
雪が降る町 "more bell mix"
全編曲: UNICORN
#タイトル作詞作曲ボーカル時間
1.雪が降る町 "more bell mix"奥田民生奥田民生奥田民生
2.雪が降る町 "more bell mix"(オリジナル・カラオケ) 奥田民生 
合計時間:

リリース履歴

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No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1992年12月2日 ソニー・ミュージックレコーズ 8センチCD SRDL-3582 4位 オリジナル盤
2 1996年11月1日 ソニー・ミュージックレコーズ 8センチCD SRDL-4289 38位 「雪が降る町 "more bell mix"」

収録アルバム

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「雪が降る町」
「お年玉」
「雪が降る町 "more bell mix"」
  • STAR BOX』(1999年
  • 『ULTRA SUPER GOLDEN WONDERFUL SPECIAL ABSOLUTE COMPLETE PERFECT SUPREME TERRIFIC ULTIMATE...』(2002年)
  • 『Quarter Century Single Best』(2012年)

脚注

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  1. ^ 太田省一 (2020年12月25日). “GLAY、ユニコーン、ヤマタツ……冬の代名詞「雪」は過去の名曲でどのように歌われてきたのか”. URBAN LIFE METRO. メトロアドエージェンシー. p. 3. 2021年3月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 人に歴史あり 其の参 1993, p. 92- 「1992年12月号③」より
  3. ^ ULTRA SUPER GOLDEN WONDERFUL SPECIAL ABSOLUTE COMPLETE PERFECT SUPREME TERRIFIC ULTIMATE... 2002, p. 23- 河合マイケル「与える男達」より
  4. ^ 人に歴史あり 其の参 1993, pp. 92–93- 「1992年12月号③」より
  5. ^ a b c d e f g 人に歴史あり 其の参 1993, p. 93- 「1992年12月号③」より
  6. ^ a b c 別冊宝島 2003, p. 56- 「ユニコーン全96曲 勝手にライナーノーツ」より
  7. ^ a b c d e 別冊宝島 2003, p. 48- 市川誠「THE HISTORY ユニコーンのいっしょう 第5期: 終焉 (1992-1993)」より
  8. ^ 別冊宝島 2003, p. 49- 市川誠「THE HISTORY ユニコーンのいっしょう 第5期: 終焉 (1992 - 1993)」より
  9. ^ a b c 陽水認めた奥田民生の鼻歌から「アジアの純真」誕生”. Nikkansports.com. 日刊スポーツ新聞社 (2019年4月9日). 2022年1月22日閲覧。
  10. ^ BESTとBADに垣間見る、陽水の奥ゆかしさ”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2000年7月26日). 2022年1月22日閲覧。
  11. ^ ULTRA SUPER GOLDEN WONDERFUL SPECIAL ABSOLUTE COMPLETE PERFECT SUPREME TERRIFIC ULTIMATE... 2002, p. 9- 河合マイケル「与える男達」より
  12. ^ cutman-booche「雪が降る町」を16ビートでカバー”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2008年12月17日). 2022年1月22日閲覧。
  13. ^ cutman-booche ユニコーンの名曲カバーのライブ映像をアップ!”. rockin'on.com. ロッキング・オン (2008年12月25日). 2022年1月22日閲覧。
  14. ^ 安藤裕子、Xmasシングルに「雪が降る町」”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2014年9月17日). 2022年1月22日閲覧。
  15. ^ 安藤裕子、自身初のクリスマスソングを発表へ ユニコーン「雪が降る町」のカバーも収録”. リアルサウンド. blueprint (2014年9月17日). 2022年1月22日閲覧。
  16. ^ アイドルネッサンス新作でピロウズ、ユニコーン、KANA-BOONに挑戦”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2015年11月8日). 2022年1月22日閲覧。
  17. ^ アイドルネッサンス新作でピロウズ、ユニコーン、KANA-BOONに挑戦”. SPICE. イープラス (2015年11月8日). 2022年1月22日閲覧。
  18. ^ アイドルネッサンス、新作音源でユニコーン、ピロウズ、ユニゾン、KANA-BOON、JERRY LEE PHANTOMをカバー決定”. リアルサウンド. blueprint (2015年11月9日). 2022年1月22日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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