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韓国標準型原子炉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

韓国標準型原子炉(かんこくひょうじゅんがたげんしろ)は、大韓民国韓国電力公社が設計した原子炉加圧水型原子炉)。略称KSNP。韓国標準型軽水炉と訳されることもある。出力100万kWのOPR-1000朝鮮語版、140万kWのAPR-1400朝鮮語版英語版の2つのシステムが存在する。韓国水力原子力斗山重工業は、2005年のアジア市場に進出するために1,000MWの容量のKSNP(Korea Standard Nuclear Power Plant)の商標をOPR(Optimized Power Reactor)に変えた[1]

概要

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1983年から1991年にかけてスイスアセア・ブラウン・ボベリ社(ABB社)と技術提携を行い、同社の原子炉System80をベースに設計された出力100万kWのOPR-1000を開発。1995年、同国内の霊光原子力発電所3号機で使用された。また1990年代末にかけてアセア・ブラウン・ボベリ・アトム・コンバッション・エンジニアリング社(ABB-CE社)のSystem80+をベースにした140万kWのAPR-1400が開発され、蔚珍原子力発電所など韓国内の原子力発電所に採用されている。

輸出に向けた動き

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2008年、韓国電力は、純国産技術による発電所建設に目処がついたとして、トルコの会社と原子力発電所共同受注のための共同開発協定を結ぶなど、本格的な輸出に向けた取組をスタートさせた。しかし2009年UAEの原子力発電所プラントに入札中、米国ウェスティングハウス・エレクトリック社が韓国電力側に対し、原子炉冷却材ポンプ等に関する知的所有権を主張し、事実上、輸出にストップをかける措置に及んだ。これは、当初技術提携を結んでいたABB社の原子炉部門が合併を繰り返し、ウェスティングハウス社が知的所有権を所有するに至ったためである。このことにより、韓国標準型軽水炉が必ずしも純国産ではないことが明らかになった。

2009年12月27日、韓国の企業連合体(韓国電力公社現代建設斗山重工業、サムスンC&T)は、UAE国内で計画されていたバラカ原子力発電所の建設を落札。140万kwの原子炉4基の輸出が決定した[2]

仕様

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OPR-1000
熱出力 非消費電力量 設計寿命 耐震設計基準 燃料交換間隔
2,815Mwt 1,000MWe 40年 SSE 0.2g, OBE 0.1g 12~18ヶ月

導入される原子力発電所

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原子力発電所 原子炉 建設開始 初臨界 商業運転開始 状況 原子炉型 設備容量

(kW)

古里原子力発電所 新古里1号機 2006年6月16日 2010年7月15日 2011年2月28日 操業中 OPR-1000 100万
新古里2号機[3] 2007年6月5日 2011年12月27日 2012年7月20日
新古里3号機 2008年10月16日 2015年12月29日 2016年12月20日[4] APR-1400 140万
新古里4号機 2009年8月19日 2019年4月8日[5] 2019年8月29日[6]
新古里5号機 2017年4月1日 ? 2022[7] ?
新古里6号機 2018年9月20日 2023[7]
月城原子力発電所 新月城1号機[8] 2007年11月20日 2012年1月6日 2012年7月31日 操業中 OPR-1000 100万
新月城2号機 2008年9月23日 2015年2月8日[注釈 1] 2015年7月25日
霊光(ハンビッ)原子力発電所 ハンビッ3号機 1989年12月23日 1994年10月13日 1998年8月11日 加圧軽水炉

(System 80)

ハンビッ4号機 1990年5月26日 1995年7月7日 1999年12月31日
ハンビッ5号機 1997年6月29日 2001年11月24日 2002年5月21日 OPR-1000
ハンビッ6号機 1997年11月20日 2002年9月1日 2002年12月24日
韓蔚(ハヌル)原子力発電所 ハヌル3号機 1993年7月21日 1997年12月21日 1998年8月11日
ハヌル4号機 1993年11月1日 1998年12月14日 1999年12月31日
ハヌル5号機 1999年10月1日 2003年11月28日 2004年7月29日
ハヌル6号機 2000年9月29日 2004年12月16日 2005年4月22日
バラカ原子力発電所 1号機 2012年7月19日 2020年8月1日 2021年4月6日[10] APR-1400 140万
2号機 2013年4月16日 ? 2021年予定 ?
3号機 2014年9月24日 ? ?
4号機 2015年7月30日 ? ?

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 不正に認定されたケーブルによる遅延 [9]

出典

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同じケーブル配線がAPR-1400ユニットで使用され、その後新古里で建設中(3号機と4号機)

  1. ^ 독일 산업계는 사회민주당-녹색당 이후를 위한 수명연장을 이미 준비 중” (2002年5月16日). 2012年3月31日閲覧。
  2. ^ UAE原発建設、韓国企業連合が受注 ロイター(2009年12月28日)2018年1月21日閲覧
  3. ^ 신고리 2호기 건설현황”. 2011年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月31日閲覧。
  4. ^ “First Korean APR-1400 enters commercial operation”. World Nuclear News. (20 December 2016). オリジナルの24 August 2017時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170824051337/http://www.world-nuclear-news.org/NN-First-Korean-APR-1400-enters-commercial-operation-2012164.html 23 December 2016閲覧。 
  5. ^ Archived copy”. 28 April 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。27 April 2019閲覧。
  6. ^ Second-APR-1400-unit-starts-commercial-operation”. 3 September 2019閲覧。
  7. ^ a b Archived copy”. 28 April 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。27 April 2019閲覧。
  8. ^ 신월성 원전 1호기 31일 상업운전 개시
  9. ^ “New component issues idle Korean reactors”. World Nuclear News. (28 May 2013). http://www.world-nuclear-news.org/RS-Substandard_cables_lead_to_Korean_shutdowns-2805134.html 11 March 2015閲覧。 
  10. ^ First Commercial Nuclear Plant In Arab World Begins Commercial Operation” (6 April 2021). 6 April 2021閲覧。

外部リンク

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