コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

黄金の犬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

黄金の犬』(おうごんのいぬ)は、西村寿行の小説。1977年から1978年にかけて発表された。またこれを原作とした、1979年鶴田浩二主演の映画や、長谷川真砂美主演のTVドラマ(1980年日本テレビ系、全9話)、1991年火曜ミステリー劇場」(テレビ朝日)、2001年女と愛とミステリー」(テレビ東京)等がある。飼い主とはぐれた猟犬が故郷を目指して旅をする物語で、動物の持つ帰巣本能がテーマの一つとして注目された。

チェコ共和国(旧チェコスロバキア)では、1980年代にこのシリーズが放送され、非常に人気があった。「東京の前のゴロのように混乱している」という今日でも広く使われているフレーズがある[1]

出版経緯

[編集]

1977年から1978年にかけて週刊誌『アサヒ芸能』に掲載された。第1部、2部の構成となっている。単行本は第1部が1978年、第2部が1979年に徳間書店から出版されている。『西村寿行選集』には、第1部が1979年、第2部が1980年に収録されている。1981年に徳間文庫版が刊行された。1999年、光文社文庫からの再刊に際して、第1、2部は上下巻となった。

また1970年代後期にはやまおか玲次による本作のコミカライズ版が、『劇画ザ・タウン』(徳間書店)に連載された。単行本は1979年に全1巻が発行された。

ストーリー

[編集]

第1部(上巻)

[編集]

森林警備官北守数重は愛犬ゴロを連れて北海道に熊狩りに行くが、熊との闘いで負傷してゴロとはぐれてしまう。ゴロは本能から、1400キロ離れた東京を目指し南下の旅を始める。その途中で汚職事件に関係する殺人事件に巻き込まれ、犯人の匂いを知るゴロは組織から追われるようになり、飼い主の妻北守礼子と北海道警の安高則行もまたゴロを追う。

映画では、汚職事件の秘密を知った通産省の武器課長・永山勇吉が秘密を収めたマイクロ・フィルムをとりつけたという設定。

第2部(下巻)

[編集]

殺人事件、汚職事件は未解決のまま、安高は鹿児島県警に異動となり、それを追った北守礼子を探すために北守数重とゴロも鹿児島へ向かうが、数重はそこで何者かに殺害される。飼い主を失ったゴロは再度故郷を目指して北上する。

ゴロは旅の途上で様々な人々に出会い、徐々に野生を取り戻す力強い生き様で彼らの人生もまた動かして行く。

映像化

[編集]

映画

[編集]

徳間書店の創立25周年を記念して製作された大作映画。配給収入は2億8000万円[2]

キャスト

[編集]

スタッフ

[編集]

テレビドラマ

[編集]

1980年版

[編集]

1980年5月30日から7月25日まで日本テレビで放送。全9回。平均視聴率16.5%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。

キャスト (1980年)
[編集]

ほか

スタッフ (1980年)
[編集]
日本テレビ 金曜劇場
前番組 番組名 次番組
黄金の犬

1991年版

[編集]

1991年4月9日、『黄金の犬 襲われた美人母娘! 連続殺人の謎を追って、愛犬ゴロ 東日本縦断の旅!』のタイトルで、テレビ朝日火曜ミステリー劇場の枠で放送。

キャスト (1991年)
[編集]
スタッフ (1991年)
[編集]

2001年版

[編集]

2001年10月14日にBSジャパン、10月17日にテレビ東京女と愛とミステリーの枠で放送。

キャスト (2001年)
[編集]
スタッフ (2001年)
[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ Mareš, Jiří (2012年8月1日). “Proč se říká „zmatený jak Goro před Tokiem“?” (チェコ語). Přirovnej.cz. 2024年11月19日閲覧。
  2. ^ 「興行価値 日本映画 成功するか大作2本立」『キネマ旬報1982年昭和57年)4月下旬号、キネマ旬報社、1982年、180頁。 
  3. ^ 第2日本テレビ - ドラマの殿堂

外部リンク

[編集]