2-クロロプロパン
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2-クロロプロパン | |
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2-Chloropropane | |
別称 イソプロピルクロリド、クロロジメチルメタン、2-プロピルクロリド、sec-プロピルクロリド | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 75-29-6 |
PubChem | 6361 |
ChemSpider | 6121 |
UNII | VU39J8AJ2N |
EC番号 | 200-858-8 |
国連/北米番号 | 2356 |
RTECS番号 | TX4410000 |
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特性 | |
化学式 | C3H7Cl |
モル質量 | 78.54 g mol−1 |
外観 | 無色の液体 |
匂い | エーテル様の甘い香気 |
密度 | 0.862 |
融点 |
-117.18 °C, 156 K, -179 °F |
沸点 |
35.74 °C, 309 K, 96 °F |
水への溶解度 | 0.334 g/100 ml at 12.5 °C |
アルコールへの溶解度 | 混和 |
エーテル (化学)への溶解度 | 混和 |
ベンゼンへの溶解度 | 可溶 |
屈折率 (nD) | 1.3811 |
粘度 | 4.05 cP at 0 °C 3.589 cP at 20 °C |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | External MSDS |
GHSピクトグラム | |
GHSシグナルワード | 危険(DANGER) |
Hフレーズ | H225, H302, H312, H332 |
Pフレーズ | P210, P233, P240, P241, P242, P243, P261, P264, P270, P271, P280, P301+312, P302+352, P303+361+353 |
主な危険性 | 可燃性、変異原性。飲み込んだり、吸引したり、あるいは皮膚との接触により有害な場合がある。 |
NFPA 704 | |
引火点 | −32 °C (−26 °F; 241 K) |
発火点 | 593℃[1] |
爆発限界 | 2.8 - 10.7 %[1] |
関連する物質 | |
関連するハロゲン化アルキル | クロロエタン 1-クロロプロパン 2-ブロモプロパン ヨウ化イソプロピル |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
2-クロロプロパンは、化学式(CH3)2CHClで表されるハロゲン化アルキルの一種である。イソプロピルクロリド、塩化イソプロピルとも称する。無色ないし淡い黄色の揮発性・引火性のある液体で、石油に似た甘いエーテル様の臭気を持つ。
製造
[編集]工業的にはプロピレンに塩化水素を添加して製造され、溶媒として利用される[2]。
- CH3CH=CH2 + HCl → (CH3)2CHCl
実験室レベルでは、塩化カルシウムまたは塩化亜鉛を触媒として塩酸と2-プロパノールを反応させることにより容易に作ることができる。30%の塩酸と、高純度の2-プロパノールを使用した場合、アルコールと酸と触媒の比率は1:2:1が一般的である。反応混合物を数時間還流または蒸留したのち、水洗いで2-クロロプロパンと2-プロパノールを分離する。2-クロロプロパンは不溶性の層を形成し、2-プロパノールは塩酸とともに溶液中に溶け出す。
乾燥した2-クロロプロパンとマグネシウムを触媒の存在下で反応させると、グリニャール試薬のイソプロピルマグネシウムクロリドが得られる[3]。
安全性
[編集]日本の消防法では、危険物第4類第一石油類に区分される[4]。燃焼すると大量の塩化水素ガス、水蒸気、炭素酸化物、および若干の煤を放出し、煙のような黄色い炎を上げて非効率的に燃焼する。
参考文献
[編集]- Ann Smith, Patricia E. Heckelman (2001). "The Merck Index". In Maryadele J. O'Nei (ed.). An Encyclopedia of Chemicals, Drugs, and Biologicals (Thirteenth ed.). Whitehouse Station, NJ: Merck & Co., Inc. p. 932.
脚注
[編集]- ^ a b “2-クロロプロパン”. 東京化成工業 (2018年10月4日). 2022年2月12日閲覧。
- ^ M. Rossberg; et al. (2005), "Chlorinated Hydrocarbons", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Weinheim: Wiley-VCH, doi:10.1002/14356007.a06_233.pub2。
- ^ Johnnie L. Leazer, Jr; Raymond Cvetovich (2005). “A Practical and Safe Preparation of 3,5-Bis(trifluoromethyl)acetophenone”. Org. Synth. 82: 115. doi:10.15227/orgsyn.082.0115.
- ^ “2‐クロロプロパン”. 安全データシート(厚生労働省 職場のあんぜんサイト) (2019年3月15日). 2022年2月12日閲覧。