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2-クロロプロパン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2-クロロプロパン
識別情報
CAS登録番号 75-29-6 チェック
PubChem 6361
ChemSpider 6121 ×
UNII VU39J8AJ2N チェック
EC番号 200-858-8
国連/北米番号 2356
RTECS番号 TX4410000
特性
化学式 C3H7Cl
モル質量 78.54 g mol−1
外観 無色の液体
匂い エーテル様の甘い香気
密度 0.862
融点

-117.18 °C, 156 K, -179 °F

沸点

35.74 °C, 309 K, 96 °F

への溶解度 0.334 g/100 ml at 12.5 °C
アルコールへの溶解度 混和
エーテル (化学)への溶解度 混和
ベンゼンへの溶解度 可溶
屈折率 (nD) 1.3811
粘度 4.05 cP at 0 °C
3.589 cP at 20 °C
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS
GHSピクトグラム 可燃性急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H225, H302, H312, H332
Pフレーズ P210, P233, P240, P241, P242, P243, P261, P264, P270, P271, P280, P301+312, P302+352, P303+361+353
主な危険性 可燃性、変異原性。飲み込んだり、吸引したり、あるいは皮膚との接触により有害な場合がある。
NFPA 704
4
2
0
引火点 −32 °C (−26 °F; 241 K)
発火点 593℃[1]
爆発限界 2.8 - 10.7 %[1]
関連する物質
関連するハロゲン化アルキル クロロエタン
1-クロロプロパン
2-ブロモプロパン
ヨウ化イソプロピル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2-クロロプロパンは、化学式(CH3)2CHClで表されるハロゲン化アルキルの一種である。イソプロピルクロリド、塩化イソプロピルとも称する。無色ないし淡い黄色の揮発性・引火性のある液体で、石油に似た甘いエーテル様の臭気を持つ。

製造

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工業的にはプロピレン塩化水素を添加して製造され、溶媒として利用される[2]

CH3CH=CH2 + HCl → (CH3)2CHCl

実験室レベルでは、塩化カルシウムまたは塩化亜鉛触媒として塩酸2-プロパノールを反応させることにより容易に作ることができる。30%の塩酸と、高純度の2-プロパノールを使用した場合、アルコールと酸と触媒の比率は1:2:1が一般的である。反応混合物を数時間還流または蒸留したのち、水洗いで2-クロロプロパンと2-プロパノールを分離する。2-クロロプロパンは不溶性の層を形成し、2-プロパノールは塩酸とともに溶液中に溶け出す。

乾燥した2-クロロプロパンとマグネシウムを触媒の存在下で反応させると、グリニャール試薬イソプロピルマグネシウムクロリド英語版が得られる[3]

安全性

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日本の消防法では、危険物第4類第一石油類に区分される[4]。燃焼すると大量の塩化水素ガス、水蒸気、炭素酸化物、および若干の煤を放出し、煙のような黄色い炎を上げて非効率的に燃焼する。

参考文献

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  • Ann Smith, Patricia E. Heckelman (2001). "The Merck Index". In Maryadele J. O'Nei (ed.). An Encyclopedia of Chemicals, Drugs, and Biologicals (Thirteenth ed.). Whitehouse Station, NJ: Merck & Co., Inc. p. 932.

脚注

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  1. ^ a b 2-クロロプロパン”. 東京化成工業 (2018年10月4日). 2022年2月12日閲覧。
  2. ^ M. Rossberg; et al. (2005), "Chlorinated Hydrocarbons", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Weinheim: Wiley-VCH, doi:10.1002/14356007.a06_233.pub2
  3. ^ Johnnie L. Leazer, Jr; Raymond Cvetovich (2005). “A Practical and Safe Preparation of 3,5-Bis(trifluoromethyl)acetophenone”. Org. Synth. 82: 115. doi:10.15227/orgsyn.082.0115. 
  4. ^ 2‐クロロプロパン”. 安全データシート(厚生労働省 職場のあんぜんサイト) (2019年3月15日). 2022年2月12日閲覧。