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2015年ミャンマー総選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2015年ミャンマー総選挙
အထွေထွေ ရွေးကောက်ပွဲ၊ ၂၀၁၅
ミャンマー
2010年 ←
2015年11月8日
→ 2020年

民族代表院英語版(上院) 改選168/全224議席
人民代表院英語版(下院) 改選323/全440議席
  第1党 第2党
 
党首 アウンサン
スーチー
テイン・セイン
政党 国民民主同盟 連邦団結発展党
党首就任 1988年9月 2010年6月
選挙前議席 4(上院)
37(下院)
124(上院)
212(下院)
獲得議席 135(上院)
255(下院)
11(上院)
30(下院)
議席増減 増加 131(上院)
増加 218(下院)
減少 113(上院)
減少 182(下院)

選挙前大統領

テイン・セイン
連邦団結発展党

選出大統領

ティンチョー
国民民主連盟

2015年ミャンマー総選挙(2015ねんミャンマーそうせんきょ、ビルマ語: အထွေထွေ ရွေးကောက်ပွဲ၊ ၂၀၁၅)は、2015年11月8日に行われたミャンマー連邦共和国の立法府である連邦議会総選挙である。

野党の国民民主連盟(NLD)が圧勝し、連邦議会の上下両院定数の86%(上院135、下院235)を獲得した。大統領選挙で国民民主同盟から正副大統領を選出し、軍政の流れを組む連邦団結発展党(USDP)から政権交代を実現した。

国民民主連盟の党首であるアウンサンスーチー憲法の規定により大統領に就任できなかったため、新設された国家顧問に就任。事実上の行政府の長として政権を掌握した。

概要

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前回と同じく2008年憲法に則り、連邦議会の民族代表院(上院)と人民代表院(下院)、7地方域・7州の地方議会において4分の1の軍人枠を除く議席が完全小選挙区制下で争われた。

前年の2014年にはNLD圧勝を阻むべく、USDPが比例代表制を導入しようとする動きがあり、NLDその他野党が反発したが、民族代表院(上院)で比例代表制を導入する決議が一旦なされた。しかし、結局、法案作成が間に合わず、両院とも小選挙区制下で争われることになった。また選挙前にテインセインは不出馬の意向を示した。

内戦の影響でシャン州7郡の選挙区とその他全国約450ヶ所の村で選挙が中止され、結局、選挙には91の政党、民族代表院168議席、人民代表院323議席、地方議会659議席がそれぞれ886人、1734人、3419人の候補者によって争われた[1]

選挙データ

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選挙結果

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2015年11月18日に実施された総選挙でNLDは、国政選挙で約80%の議席、地方選挙で4分の3の議席を獲得して圧勝した。USDPはともに惨敗した。

NLDの勝因は圧倒的なスーチー人気。逆にUSDPはテインセイン政権下5年間の実績を訴えたものの、軍事政権の悪印象を引きずっていたこと、党組織の脆弱さ、死票の多い小選挙区制の特性が敗因となった。実際、議席数では差がついたものの、得票率においては、国政選挙はNLDが約60%、USDPが約30%とUSDPも国民の3分の1ほどの支持を受けていたのである。少数民族政党ではラカイン民族党(ANP)とシャン民族民主連盟(SNLD)が健闘した。

NLD関係者・支持者が恐れたのは選挙結果を反故にした1990年選挙の再来だったが、12月15日のスーチーとの会談後、タンシュエが「彼女が将来の国のリーダーになることは間違いない」 と述べ、スムーズな政権委譲が確約された[1]

民族代表院(上院)

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e • d  ミャンマーの旗 2015年ミャンマー民族代表院(上院)選挙 (2015年11月8日施行)
党派別獲得議席
党派別獲得議席
政党 議席数 増減 議席率
国民民主連盟(NLD) 135 増加132 60.27%
連邦団結発展党(USDP) 11 減少113 4.91%
ヤカイン民族党英語版(ANP) 10 増加 4 4.46%
シャン民族民主連盟(SNLD) 3 増加 2 1.34%
タアン(パラウン)民族党 2 増加 2 0.89%
ゾミ民主連盟英語版(ZCD) 2 増加 2 0.89%
モン民族党英語版(MNP) 1 増加 1 0.45%
国民統一党(NUP) 1 減少 4 0.45%
パオ民族機構英語版(PNO) 1 増加 1 0.45%
無所属 2 増加 2 0.89%
全モン地域民主党英語版(AMRDP) 0 減少 4 0.00%
シャン民族民主党英語版(SNDP) 0 減少 3 0.00%
諸派 0 減少 18 0.00%
軍指名枠 56 ± 0 25.00%
総計 224 ± 0 100.0%
出典:Myanmar Times[2], UEC[3]

人民代表院

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党派 得票数 得票率 議席 +/–
国民民主連盟(NLD) 12,794,561 57.1 255 増加255
連邦団結発展党(USDP) 6,341,920 28.2 30 減少229
ヤカイン民族党(ANP) 490,664 2.2 12 増加12
シャン民族民主連盟(SNLD) 352,914 1.6 12 増加12
タアン(パラウン)民族党 97,394 0.4 3 増加3
パオ民族機構英語版(PNO) 224,673 1.0 3 増減なし
ゾミ民主連盟英語版(ZCD) 27,142 0.1 2 増加2
リス民族発展党(LNDP) 24,096 0.1 2 増加2
ワ民主党英語版 8,216 0.0 1 増減なし
カチン州民主党英語版(KSDP) 27,877 0.1 1 増加1
コーカン民主統一党英語版 13,990 0.1 1 増加1
国民統一党(NUP) 419,442 1.9 0 減少12
モン民族党英語版(MNP) 94,621 0.42 0 増減なし
無所属 1,005,617 4.5 1
合計 22,423,629 100.0 323
出典: Psephos AdamCarrの選挙アーカイブ[4]

脚注

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  1. ^ a b 長田, 紀之 (2016). “2015年のミャンマー 新体制下初の総選挙で野党の国民民主連盟圧勝”. アジア動向年報 2016: 443–466. doi:10.24765/asiadoukou.2016.0_443. https://www.jstage.jst.go.jp/article/asiadoukou/2016/0/2016_443/_html/-char/ja. 
  2. ^ The Myanmar Times Election Live”. ミャンマータイムズ英語版. 20 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。10 November 2015閲覧。
  3. ^ Announcement 93/2015”. 連邦選挙管理委員会英語版. 20 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。20 November 2015閲覧。
  4. ^ NATIONAL SUMMARY OF VOTES AND SEATS, Elections to the Pyithu Hluttaw (People's Assembly), REPUBLIC OF THE UNION OF BURMA LEGISLATIVE ELECTION OF 8 NOVEMBER 2015”. Psephos Adam Carr's Election Archive. 2018年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月24日閲覧。