205型潜水艦
205型潜水艦 | |
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基本情報 | |
種別 | 通常動力潜水艦 |
運用者 | ドイツ海軍 |
就役期間 | 1967年 - 2005年 |
同型艦 | コッベン級潜水艦 |
建造数 | 13隻 |
前級 | 201型潜水艦 |
次級 | 206型潜水艦 |
要目 | |
排水量 | 419トン |
水中排水量 | 450トン |
全長 | 43.5m (U10: 43.8 m, U11,12: 45.8 m) |
最大幅 | 4.6m |
吃水 | 3.8m |
機関方式 | ディーゼル・エレクトリック方式 |
主機 |
MTU 12V493AZディーゼルエンジン×2基 ・発電機(405 kW)×2基 ・電動機×1基 |
推進器 | スクリュープロペラ×1軸 |
出力 |
ディーゼル: 1,200 hp 電動機: 2,300 hp |
速力 |
水上: 10ノット (19 km/h) 水中: 17ノット (31 km/h) |
航続距離 |
4,200海里 (7,800 km)/5ノット時 228海里 (422 km)/4ノット時 |
潜航深度 | 159 m |
乗員 | 21名(士官4名、下士官・兵17名) |
兵装 |
533mm魚雷発射管×8門 (魚雷8本または機雷21基) |
レーダー | トムソンCSF社製カリプソ |
ソナー |
SRS-M1H×1基 GHG AN5039A1×1基 |
[1] |
205型潜水艦は、ドイツ連邦海軍(西ドイツ海軍ならびに統一ドイツ海軍; ドイツ海軍)が運用していた通常動力型潜水艦の艦級。
設計
[編集]本型は、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)初の国産潜水艦であった201型の直接の発展型にあたる。同型は磁気探知機への対策として非磁性鋼(AM10調質)で建造されたが、これは深刻な腐食の問題を抱えていたことから、これらを是正したのが本型である[2]。
この経緯から、船体素材に関しては試行錯誤がなされることになった。まず建造された5隻(U4~8)は、船体表面に溶融亜鉛めっきを施して防食をはかった。しかしこれも完全な防食とはならなかったことから、201型の更新用として計画された2隻(U1~2)を取り急ぎST-52調質の磁性鋼によって建造したのち、新たな非磁性鋼の選定が試みられた。この選定はかなり難航したため、建造は一時中断されることになった[2]。最終的に、U9・10はAM 53調質、U11はPN18S2調質、U12はアマノックス182M9調質が採用されたが、これらのうち、PN18S2調質がもっとも良好な成績を残したことから、以後の潜水艦ではこれが踏襲されることになった。
配備
[編集]205型は、ノルウェー海軍およびデンマーク海軍でも採用された。デンマーク海軍では、ナルヴァーレン級 (Narhvalen class) として知られている。デンマーク海軍の要求に適合させるための改修が施されているが、205型との違いはわずかである。ノルウェー海軍向けの準同型艦は、建造所では207型の型式を付与されたが、ノルウェーではコッベン級と呼ばれた。
ドイツ海軍向けは全てHDW造船で、デンマーク海軍向けはコペンハーゲン海軍工廠 (The naval dockyard, Copenhagen) で、それぞれ建造された。
運用者 | # | 艦名 | 就役 | 退役 | 備考 |
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西ドイツ海軍 | S180 | U1 | 1967年 6月6日 |
1991年 11月29日 |
解体 HDWに返還され、解体処分される前に、各種の非大気依存推進機関の実装試験に従事した。 |
S181 | U2 | 1966年 10月11日 |
1993年 3月19日 |
解体 | |
S183 | U4 | 1962年 11月19日 |
1974年 8月1日 |
解体 | |
S184 | U5 | 1963年 7月4日 |
1974年 5月17日 |
解体 | |
S185 | U6 | 1963年 7月4日 |
1974年 8月22日 |
解体 | |
S186 | U7 | 1964年 3月16日 |
1965年 9月30日 |
解体 | |
S187 | U8 | 1964年 7月22日 |
1974年 8月9日 |
解体 | |
S188 | U9 | 1967年 4月11日 |
1993年 6月3日 |
シュパイアー技術博物館 (展示艦) | |
S189 | U10 | 1967年 11月28日 |
1993年 2月16日 |
ヴィルヘルムスハーフェン (展示艦) | |
S190 | U11 | 1968年 6月21日 |
2003年 10月30日 |
ポリスチレン・フォームを充填された外殻を取り付けられて複殻式に改装され、 205A型として対潜水艦戦演習における魚雷標的艦任務に従事した。 en:Burgstaaken、en:Fehmarn (展示艦) | |
S191 | U12 | 1969年 1月14日 |
2005年 6月21日 |
ソナー試験に従事し、205B型と呼ばれた。 | |
デンマーク海軍 | S320 | ナルヴァーレン HDMS Narhvalen |
1970年 2月27日 |
2003年 10月16日 |
モスボール保管中 |
S321 | ノルトカペレン HDMS Nordkaperen |
1970年 12月22日 |
2004年 2月2日 |
参考文献
[編集]- ^ Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. p. 193. ISBN 978-0870212505
- ^ a b 水上芳弘「潜水艦 (第2次大戦後のドイツ軍艦)」『世界の艦船』第542号、海人社、1998年9月、76-79頁。