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3,3'-ジクロロベンジジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
3,3'-ジクロロベンジジン[1]
識別情報
CAS登録番号 91-94-1
PubChem 7070
ChemSpider 6803 チェック
KEGG C19225 チェック
ChEMBL CHEMBL314470 チェック
特性
化学式 C12H10Cl2N2
モル質量 253.13 g/mol
外観 灰色ないし紫色の結晶性粉末
融点

132 to 133

沸点

402

への溶解度 0.07% (15°C)[2]
危険性
主な危険性 Potential carcinogen[2]
許容曝露限界 carcinogen[2]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

3,3'-ジクロロベンジジン: 3,3'-Dichlorobenzidine)は、化学式(C6H3Cl(NH2))2で表される有機化合物である。純粋なものは淡黄色であるが、流通している商品は着色されている。水には溶けにくく、多くの場合湿潤させてペースト状にして供給される。ジアリライド染料や、印刷インキに使用されるジアリライド系英語版黄色顔料の原料となる[3]

調整と反応

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3,3'-ジクロロベンジジンは、2-ニトロクロロベンゼンから2段階で製造される。まず塩基性の亜鉛で還元し、3,3'-ジクロロジフェニルヒドラジンを得る。この中間体からベンジジン転位により、3,3'-ジクロロベンジジンを調製することができる[4]

3,3'-ジクロロベンジジンの水溶液は光分解し、塩素原子を1つ持つ誘導体となる。これは塩素化を受け、塩素原子を4つ持つ誘導体となる。

最も広く行われている3,3'-ジクロロベンジジンの反応は、二重ジアゾ化で[(C6H4Cl(N2))2]2+を得るものである。この中間体は、アセトアセチルアミノベンゼン(CH3C(O)CH2C(O)NHAr)の誘導体に結合する[3]

安全性

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3,3'-ジクロロベンジジンは発癌性物質であると考えられている[1]。動物実験では腫瘍発生率の有意な増加を示している[5]。既知の発癌物質であるベンジジンと構造が類似しており、同様のメカニズムでヒトに対し膀胱癌の原因となると考えられる[5]

脚注

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  1. ^ a b Dichlorobenzidine - Compound Summary, PubChem.
  2. ^ a b c NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0191
  3. ^ a b K. Hunger. W. Herbst "Pigments, Organic" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim, 2012. doi:10.1002/14356007.a20_371
  4. ^ Schwenecke, H.; Mayer, D. (2005). "Benzidine and Benzidine Derivatives". Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry. Weinheim: Wiley-VCH. doi:10.1002/14356007.a03_539
  5. ^ a b "3, 3'-Dichlorobenzidine". U.S. Environmental Protection Agency, Integrated Risk Information System. 7 March 2011. Accessed 3 May 2011.

外部リンク

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