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4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン)
識別情報
CAS登録番号 101-14-4 チェック
PubChem 7543
ChemSpider 7262
UNII 3L2W5VTT2A チェック
KEGG C10999
ChEMBL CHEMBL82846
特性
化学式 C13H12Cl2N2
モル質量 267.15 g mol−1
外観 薄い黄色の結晶または粉末[1]
匂い 軽いアミン臭[1]
密度 1.44 g/cm3[2]
融点

108 °C, 381 K, 226 °F [1]

沸点

378.9℃
200℃で分解 [4]

への溶解度 13.9 mg/L(24℃)[3]
有機溶媒への溶解度 アセトンテトラヒドロフランジメチルスルホキシドメチルエチルケトンに易溶。ベンゼンエタノールトルエンに可溶[1]
蒸気圧 0.00001 mmHg (20°C)[2]
危険性
主な危険性 potential occupational carcinogen[2]
NFPA 704
1
2
0
引火点 203 °C (397 °F; 476 K)
許容曝露限界 none[2]
半数致死量 LD50 640mg/kg(マウス、経口[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

4,4'-メチレンビス (2-クロロアニリン)は化学式C13H12Cl2N2で表される有機化合物である。3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタンとも表記され、MOCA、あるいはMBOCAと略記される。

安全性

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本物質の製造に携わった労働者に発癌性、特に膀胱癌の症例が複数報告され[5]2010年国際がん研究機関は本物質をIARC発がん性リスク グループ1とした[6]1976年特定化学物質障害予防規則の特定第2類物質、特別管理物質に指定され、製造・取扱設備の密閉化または局所排気装置等の設置などの措置を必要とするとともに、作業記録および健康診断の結果を30年間保存することを義務付けている[6]日本産業衛生学会は、1993年に本物質の許容濃度を0.005 mg/m3と定めた[6]。 2021年6月23日、厚生労働省は全国で初めてMOCAが原因で膀胱癌を発症したことによる労災認定を公表した[7]

アルミニウムマグネシウムカリウムなどと反応する[4]

用途

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防水材に使われるポリウレタン硬化剤として利用される。2009年度の製造・輸入数量は2696トンであった[3]。本物質を含む硬化剤を必要としないポリウレタン塗膜防水材も開発されている[8]

脚注

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