4-ヒドロキシケイ皮酸デカルボキシラーゼ
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4-ヒドロキシケイ皮酸デカルボキシラーゼ 4-Hydroxycinnamate decarboxylase | |
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EC番号 | ? |
4-ヒドロキシケイ皮酸デカルボキシラーゼは、p-クマル酸を4-ビニルフェノールに変換する脱炭酸酵素である。
生化学
[編集]p-クマル酸は4-エチルフェノールの前駆体であり、ワイン中のサッカロミケス属とブレタノマイセス属の酵母により4-ビニルフェノールとなる[1][2][3]。さらに、赤ワインではビニルフェノールレダクターゼにより4-エチルフェノールに還元される。フェルラ酸を出発点とした場合には、4-ビニルグアイヤコールを経て4-エチルグアイヤコールとなる。これらのフェノール類は、ワインの香りを損なうオフフレーバーの原因となる[4]。
この酵素はグラム陰性菌のクレブシエラ・オキシトカなどでも誘発される可能性があり、カフェ酸やE-2,4-ジヒドロキシケイ皮酸など、クマル酸のアナログにも作用する[5]。
脚注
[編集]- ^ Brettanomyces Monitoring by Analysis of 4-ethylphenol and 4-ethylguaiacol Archived 2013-12-02 at the Wayback Machine. at etslabs.com
- ^ Hisamoto, Masashi; Furuya, Taiyo; Nakagawa, Akiko; Yanagida, Fujitoshi; Okuda, Tohru; Sato, Michikatsu (2010). “Phenolic Off Flavor Characterization of Commercially Available Wine Yeasts and Selection of the Yeast for Koshu Winemaking”. J. ASEV Jpn. 21 (3): 112–117. オリジナルの2012-05-11時点におけるアーカイブ。 2012年12月15日閲覧。.
- ^ Edlin, Duncan A.N.; Narbad, Arjan; Gasson, Michael J.; Dickinson, J.Richard; Lloyd, David (1998). “Purification and characterization of hydroxycinnamate decarboxylase from Brettanomyces anomalus”. Enzyme and Microbial Technology 22 (4): 232–239. doi:10.1016/S0141-0229(97)00169-5.
- ^ (恩田 2013, p. 882)
- ^ “Induction of 4-hydroxycinnamate decarboxylase in Klebsiella oxytoca cells exposed to substrates and non-substrate 4-hydroxycinnamate analogs”. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 65 (12): 2604–12. (December 2001). doi:10.1271/bbb.65.2604. PMID 11826954 .
参考文献
[編集]- 恩田匠「国産ワインにおけるフェノール系オフフレーバー「フェノレ」について」『日本醸造協会誌』第108巻第12号、日本醸造協会、2013年、881-889頁、2020年3月28日閲覧。