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Bobcat (マイクロアーキテクチャ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Bobcat
生産時期 2011年から
設計者 AMD
生産者 TSMC
プロセスルール 40 nm
命令セット AMD64
コア数 1, 2
ソケット Socket FT1
パッケージ AMD C
AMD E
AMD G
AMD Z
次世代プロセッサ Jaguar
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Bobcat(ボブキャット)は、米AMDが開発製造し2011年初頭に出荷開始された統合型デジタル機器向けCPUコアの新アーキテクチャの社内開発コードである。

概要

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「Bobcat」は、同時期に開発されたCPUコアである開発コード「Bulldozer」と共に、約4年間用いられたK10コアを代替するために開発された。「Bulldozer」がK10コアよりハイパフォーマンスを達成するために開発されたのに対し、「Bobcat」はより小さな回路規模と省電力となるよう設計された[1][2]

まず最初は、AMDがFusion APUと呼ぶGPU+CPU統合型の新たな製品群のCPUコアとして用いられた。2011年のTDP18ワットの"Zacate"(ザカーテ)、TDP9ワットの"Ontario"(オンタリオ)、TDP5.9Wの"Desna"の3つのAPU群に搭載され発売された[3][4]。これらはAPUとコードネーム"Hudson M1"のFCH(Fusion Controller Hub)と合わせて"Brazos(ブラゾス)"プラットフォームという名称がつけられた[5]

2012年に"Zacate""Ontario"の後継となるAPUのコードネーム兼"Brazos"プラットフォームの後継プラットフォームのコードコードとして"Brazos 2.0"が発表され、TDP9-18WのAPUとFCH"Hudson-M3L"が公開された[6][7]。その後タブレット向けプラットフォーム"Brazos-T"と"Desna"の後継となるTDP4.5 Wの"Hondo"いう開発コードのAPUとFCH"Hudson-M2T"が発表された[8]

2011 2012
プラットフォーム名 APUコードネーム プラットフォーム名 APUコードネーム
ノートパソコン/オールインワンデスクトップ[9] Brazos

プラットフォーム

Zacate Brazos 2.0

プラットフォーム

Brazos 2.0
ノートパソコン/スモールファクタ Ontario
タブレット Desna Brazos-T

プラットフォーム

Hondo

構成

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基本的には、x86系/AMD64系の64ビットCPUコアでTDP18W以下の設計である。 分岐予測機構を持ったフル・アウト・オブ・オーダー実行可能な2命令同時発行パイプラインを持ち、整数演算:2パイプ、ロード/ストア:各1パイプ、浮動小数点演算:2パイプの構成となっている。省電力技術としてクロックゲーティングとパワーゲーティングを持つ[10][11]

  • コアごとに32 KiB 命令 + 32 KiB データ L1キャッシュ
  • コアごとに512 KiB L2 キャッシュ , パリティエラー検出機能を搭載[12]
  • サポートする拡張命令: MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, SSE4a, ABM, AMD-V

採用プロセッサー

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Brazos プラットフォーム

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モバイル・デスクトップ - Zacate

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モデルナンバー CPU GPU 対応メモリー TDP
コア数 クロック ターボ L2キャッシュ ブランド名 Config クロック ターボ
E-240 1 1.5 GHz 512 kB HD 6310 80:8:4 500 MHz DDR3-1066 18 W
E-300 2 1.3 GHz 2 × 512 kB 488 MHz
E-350 1.6 GHz 492 MHz
E-450 1.65 GHz HD 6320 508 MHz 600 MHz DDR3-1333

モバイル・デスクトップ - Ontario

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モデルナンバー CPU GPU 対応メモリー TDP
コア数 クロック ターボ L2キャッシュ ブランド名 Config クロック ターボ
C-30 1 1.2 GHz 512 kB HD 6250 80:8:4 276 MHz DDR3-1066 9 W
C-50 2 1.0 GHz 2 × 512 kB
C-60 1.33 GHz HD 6290 400 MHz

タブレット - Desna

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モデルナンバー CPU GPU 対応メモリー TDP
コア数 クロック ターボ L2キャッシュ ブランド名 Config クロック ターボ
Z-01 2 1.0 GHz 2 × 512 kB HD 6250 80:8:4 276 MHz DDR3-1066 5.9 W

Brazos 2.0 プラットフォーム

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モバイル・デスクトップ - Brazos 2.0

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モデルナンバー CPU GPU 対応メモリー TDP
コア数 クロック ターボ L2キャッシュ ブランド名 Config クロック ターボ
C-70 2 1.00 GHz 1.33 GHz 2 × 512 kB HD 7290 80:8:4 276 MHz 400 MHz DDR3-1066 9 W
E1-1200 1.40 GHz 2 × 512 kB HD 7310 500 MHz 18 W
E1-1500 1.48 GHz 529 MHz
E2-1800 1.70 GHz HD 7340 523 MHz 680 MHz DDR3-1333
E2-2000 1.75 GHz 538 MHz 700 MHz

Brazos-T

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タブレット - Hondo

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モデルナンバー CPU GPU 対応メモリー TDP
コア数 クロック ターボ L2キャッシュ ブランド名 Config クロック ターボ
Z-60 2 1.0 GHz 2× 512 kB HD 6250 80:8:4 276 MHz DDR3-1066 4.5 W

脚注

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  1. ^ 後藤弘茂のWeekly海外ニュース AMDがBulldozerベースの次期メインストリームCPU「Trinity」を公開 - PC.Watch インプレス社 (2010年11月10日配信、2011年6月5日閲覧)
  2. ^ 後藤弘茂のWeekly海外ニュース ここまで見えたAMDの次期CPU「Bulldozer」 - PC.Watch インプレス社 (2011年3月4日配信、2011年6月5日閲覧)
  3. ^ ついにFusionがきた──AMD、「Zacate」「Ontario」発表 - ITmedia PC USER
  4. ^ Computex 2011: AMD Announces Bobcat-based Z Series APUs for Tablet Market
  5. ^ CPUとRadeon GPUを統合したAPU時代,開幕。AMD,新世代プロセッサ「E-Series」「C-Series」を正式発表 - 4Gamer.net”. 2019年11月2日閲覧。
  6. ^ AMD,2013年の製品ロードマップを刷新。クアッドコアx86 SoCやTrinity後継,Radeon HD 8000Mシリーズの概要を明らかに - 4Gamer.net”. 2019年11月2日閲覧。
  7. ^ Introducing the 2012 AMD E-Series APU”. 2019年11月2日閲覧。
  8. ^ AMD cocina plataforma Brazos-T para Tablets”. 2019年11月2日閲覧。
  9. ^ The Brazos Platform (with Ontario, Zacate APUs) and the Bobcat Core : AMD Fusion - A New Era of Computing Coming Soon! - HardwareZone.com.sg”. 2019年11月2日閲覧。
  10. ^ Fusion APU「E-350」ファーストインプレッション - 4gamer.net (2011年1月24日配信、2011年6月5日閲覧)
  11. ^ 多和田新也のニューアイテム診断室 - PC.Watch インプレス社 (2011年1月28日配信、2011年6月5日閲覧)
  12. ^ 【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】Atomに挑むAMDの省電力コア「Bobcat」 - PC Watch”. 2019年11月2日閲覧。

参考資料

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