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CHAdeMO

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
CHAdeMO Association
設立 2010年
目的 CHAdeMO協議会は、チャデモ・プロトコル確立、改善して標準規格として広めること、及び普通及び急速充電インフラ整備の技術検討を行うことにより、電気自動車ユーザーの利便性を向上することに貢献する。
ウェブサイト chademo.com
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CHAdeMO(チャデモ)はEV(電気自動車)の急速充電方法の商標名である。90kWまでの直流(DC)を用いる急速充電方法で、コネクターの規格や充電方法、通信方法をCHAdeMO協議会で統一している。充電器に絶縁変圧器を設け入力側交流系統と出力側直流系統を分離し[1]、系統の交流を直接用いない、直流の充電方法であるため、交流電圧の異なった世界各国で使用できるという利点がある。CHAdeMOの名称には、「CHArge de MOve = 動く、進むためのチャージ」、「de = 電気」、「(クルマの充電中に)お茶でも」の3つの意味を含んでいる[2][3]2014年4月に開催されたIECにおいて、電気自動車用急速充電規格の国際標準の一つとして承認された[4]

概要

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東京電力エリアにおけるCHAdeMO規格対応充電器のプラグ

車両側のリチウムイオン電池に負担がかからないように設計された直流急速充電方式を採用している。Controller Area Network(CAN)通信により、急速充電器の動作情報を車両に送る、車両より充電許可信号を送る、車両より充電指令値を送る、という情報の交換を経て、最後に直流電流を車両に対して出力する。車両側のECUが電池の状態に応じて最適な充電電流を指定し、急速充電器は車両ECUから時々刻々送られる指令に従って直流電流を供給するようになっている[要出典]

2017年3月24日、それまでの最大電圧 500V 最大電流 125Aから、最大電圧 500V 最大電流 400A の出力を可能とするver1.2に規格が改定されている[5][6]

2010〜2018年までの累積データでは、CHAdeMOの充電口をもった電気自動車は世界シェア22%。世界で最も充電ポイントが多く対応車両生産もあったが、2020年代に入ると電気自動車の進歩や世界的な電気自動車のシェア増加やそれにともなう自動車社会の変容に対して対応が追いついていない・他規格の性能・利便性向上にともない日本の自動車メーカー含めて日本以外の仕向け地用車両では採用されなくなっている。これにともない日本以外ではCHAdeMO対応充電スタンドも減らされる傾向のため、事実上CHAdeMOは日本専用規格となりつつある。

CHAdeMO2.0

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2018年6月15日、400kWまでの出力を想定した仕様書2.0を発効された[7]

CHAdeMO3.0

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CHAdeMO3.0コネクタ

2018年8月22日、CHAdeMO協議会と中国の「中国電力企業連合会」は、中国の国家電網が提案[8]したEVの急速充電器についての次世代規格の統一が合意されたと発表し[9]、同月28日に北京で覚書に調印した[10]。CHAdeMOと中国の国家規格であるGB/Tの両規格の統一を図り、出力は350kW〜最大900kWを想定しているとされる[11]

2020年4月25日、チャデモ協議会は、日中で共同開発中の次世代超高出力充電規格(プロジェクトコード:ChaoJi英語版/チャオジ)をチャデモ3.0として発行したと発表[12]。最大充電電流:600A[12]

なお、従来のCHAdeMO1.0及び2.0とはコネクタ形状が違うため互換性がない。

CHAdeMO協議会

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2010年3月15日に設立。幹事会社としては、トヨタ自動車日産自動車三菱自動車工業富士重工業東京電力が、正会員の車両メーカーとしては、本田技術研究所いすゞ自動車マツダスズキらが名を連ねている。会長は日産自動車COO(当時)の志賀俊之

対応車種

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電気自動車日産・リーフのCHAdeMO充電用ソケット(左側)。右側にあるのはSAE J1772充電用ソケット。
プラグインハイブリッドカー三菱・アウトランダーPHEVのCHAdeMO充電用ソケット (右側)。普通充電用のSAE J1772充電用ソケットは左側に見える。

CHAdeMOと併用されるEV普通充電用規格

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CHAdeMOは直流を用いる30分から1時間程度までの充電時間による急速充電用の規格であるが、7時間を超えるような充電時間による普通充電は、SAE J1772(タイプ1)という交流を用いるEV充電の規格で行なう[16][17]。SAE J1772は110V/230V 交流充電のコネクタを規定している[18]。2010年4月の時点では、Level 3 直流急速充電は規定されていない[19]

SAE J1772とCHAdeMOではプラグの大きさ・形状が全く異なる為、CHAdeMO側に誤って差し込む心配はない。

三菱・i-MiEV[20]リーフ[21]スバル・プラグインステラ [22]には、CHAdeMOとSAE J1772の両方が使用できるコネクタが使用されている。トヨタはCHAdeMO協議会幹事会社であるが、プラグインハイブリッドカーであるトヨタ・プリウスPHV(ZVW35)には、SAE J1772が使用できるコネクタのみが装備されていた[23](2017年発売のZVW52型では、CHAdeMOのコネクタが装備されている[24])。

対抗規格

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2012年5月3日、SAE J1772(タイプ1)を拡張したコンバインド・チャージング・システム英語版(通称:コンボ または CCS)が発表された[25]。1個のコネクタで、交流の普通充電と急速充電、直流の普通充電と急速充電に対応する。CCSはType1とType2が存在しType1は主に北米、Type2は主に欧州で採用されている。

North American Charging Standard(NACS)と呼ばれる対抗規格がある。元々はテスラ社の独自形式(スーパーチャージャー)であったものが他社に仕様公開された。

脚注

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  1. ^ 技術概要 – Chademo Association”. Chademo Association. 2021年12月30日閲覧。
  2. ^ 「CHAdeMO協議会」の概要”. 東京電力ホールディングス (15 March 2010). 20 April 2021閲覧。
  3. ^ ワールドビジネスサテライトテレビ東京系列、2012年3月26日放送
  4. ^ “日本発のEV用急速充電規格「チャデモ」はなぜ国際標準になれたのか”. MONOist. (2014年6月17日). https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1406/17/news020.html 2016年10月27日閲覧。 
  5. ^ CHAdeMO Association demonstrates High Power Charging at technology exhibition”. CHAdeMO Association (2017年3月30日). 2017年5月1日閲覧。
  6. ^ carguytimes (2017年4月22日). “日本発の充電規格を推し進める「チャデモ協議会」、高出力技術の開発で充電効率を3倍に”. MOTOR CARS. 株式会社ジェイツ・コンプレックス. 2017年5月1日閲覧。
  7. ^ CHAdeMO is pushing for faster electric vehicle charging with new 400 kW protocol”. electrek.co (2018年6月15日). 2018年8月22日閲覧。
  8. ^ “EV急速充電で日中が協力 世界標準規格 主導権争いリード”. フジサンケイビジネスアイ. (2018年6月1日). https://web.archive.org/web/20190624025350/https://www.sankeibiz.jp/business/news/180601/bsa1806010500004-n1.htm 2019年6月24日閲覧。 
  9. ^ “日中、EV充電の規格統一=20年めど、世界標準掌握へ”. 時事通信社. (2018年8月22日). https://web.archive.org/web/20180822145858/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082200809&g=eco/ 2018年8月22日閲覧。 
  10. ^ “EV向け次世代充電器、共同開発で日中調印”. YOMIURI ONLINE (読売新聞). (2018年8月28日). https://www.yomiuri.co.jp/economy/20180828-OYT1T50056.html/ 2018年8月28日閲覧。 
  11. ^ 和田憲一郎 (2018-0730). “日中共同による急速充電新規格は、世界標準となるのか (1/3)”. ITmedia. 2018年8月22日閲覧。
  12. ^ a b 日中次世代超高出力充電規格、チャデモ3.0として発行完了”. Chademo Association. チャデモ協会 (2020年4月24日). 2021年3月5日閲覧。
  13. ^ “トヨタ、新型クラウンPHEVで約7年ぶりに急速充電機能を復活”. 日経クロステック (株式会社日経BP). (2024年2月19日). https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/00274/ 2024年2月20日閲覧。 
  14. ^ “新型プラグインハイブリッドモデル「CLARITY PHEV」を発売”. https://www.honda.co.jp/news/2018/4180719-clarity-phev.html 2018年9月22日閲覧。 
  15. ^ 日産:日産サクラ [ NISSAN SAKURA スペシャル 取扱説明書]”. 日産自動車ホームページ. 2022年10月13日閲覧。
  16. ^ CHAdeMO ‐ 通信用語の基礎知識”. WDIC Creators club (2016年5月24日). 2016年12月16日閲覧。[出典無効]
  17. ^ Q : 【EV購入 検討者様向け】充電時間は何時間くらいかかるの?”. GOGOLabs,Inc.. 2016年12月16日閲覧。
  18. ^ SAE standard on EV charging connector approved”. SAE International (2010年1月15日). 2010年3月14日閲覧。
  19. ^ Exclusive interview with the CEO of Aker Wade: “Standardisation is the key””. cars21.com (2010年4月29日). 2010年5月13日閲覧。
  20. ^ 三菱 アイミーブ”. 三菱自動車工業 (2011年4月20日). 2011年4月20日閲覧。
  21. ^ 日産リーフ 充電方法/ネットワーク”. 日産自動車 (2011年4月20日). 2011年4月20日閲覧。
  22. ^ プラグインステラの特徴”. 富士重工業 (2010年12月14日). 2011年4月20日閲覧。
  23. ^ トヨタ プリウス プラグインハイブリッド”. carview.co.jp (2010年12月14日). 2011年4月20日閲覧。
  24. ^ 井元康一郎 (2016年8月31日). “プリウスPHVの脅威、“純”電気自動車は駆逐されるか”. DIAMOND online. ダイヤモンド社. 2018年2月24日閲覧。
  25. ^ CHAdeMO対抗の充電規格を米独8社が発表、1個のコネクタで普通/急速充電が可能に”. ITmedia (2012年5月7日). 2016年12月16日閲覧。

外部リンク

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