コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

クロロベンジリデンマロノニトリル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
CSガスから転送)
クロロベンジリデンマロノニトリル
{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 2698-41-1 チェック
PubChem 17604
ChemSpider 16644 チェック
UNII D8317IAV7Q
EC番号 220-278-9
国連/北米番号 2810, 3276, 2811
ChEMBL CHEMBL1256101
4158
RTECS番号 OO3675000
特性
化学式 C10H5ClN2[3]
モル質量 188.6 g/mol[1]
外観 白色の結晶性粉末
燃焼すると無色の気体
匂い ペッパーのような[2]
密度 1.04 g/cm3
融点

93℃

沸点

310℃ [4]

への溶解度 溶けない
蒸気圧 3.4×10−5 mmHg at 20 °C
危険性
GHSピクトグラム 腐食性物質急性毒性(高毒性)急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H302, H314, H330, H335, H372, H410
Pフレーズ P260, P261, P264, P270, P271, P273, P280, P284, P301+312, P301+330+331, P303+361+353, P304+340, P305+351+338, P310
NFPA 704
1
2
0
許容曝露限界 TWA 0.05 ppm (0.4 mg/m3)[2]
最低致死濃度 LCLo
  • 1806 mg/m3 (ラット, 45 分)
  • 2753 mg/m3 (マウス, 20 分)
  • 1802 mg/m3 (ウサギ, 10 分)
  • 2326 mg/m3 (モルモット, 10 分)[5]
関連する物質
関連物質 SDBS

5-クロロ-2-キノリンカルボニトリル
6-クロロ-2-キノリンカルボニトリル
7-クロロ-2-キノリンカルボニトリル

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

クロロベンジリデンマロノニトリル(2-chlorobenzylidenemalononitrile)とは催涙ガスの一種[6][7]暴動鎮圧等に使用されている[8]。化合物名はクロロベンザルマロノニトリル(2-chlorobenzalmalononitrile)とも呼ばれる。1928年アメリカ合衆国のベン・コーソン(Ben Corson) とロジャー・ストートン(Roger Staughton)によって開発された。開発者2人の姓の最初の文字を取って CSガスと命名された。

散布時は、水溶液にしたものを噴霧する[8]。即効性があり、皮膚粘膜等から進入する[6]。灼熱感や結膜の充血、鼻汁、涙の流出等の症状が出るが、持久性は低い[6][8]。通常、暴露後、数分から数十分で回復するが、遅延性の紅斑が出現する場合があり、重篤になると数週間皮膚障害が残る可能性がある[8]

加水分解しやすく、アルカリ存在下で分解が加速される為、石鹸等で洗うと無毒化できる。

ニトリルを含む為、一般向けには販売されていない。

合成方法

[編集]

2-クロロベンズアルデヒドマロノニトリルを原料としてピペリジンを触媒に加え、クネーフェナーゲル縮合によって製造される。

クロロベンジリデンマロノニトリルの合成

脚注

[編集]
  1. ^ Possible lethal effects of CS tear gas on Branch Davidians during the FBI raid on the Mount Carmel compound near Waco, Texas” (September 2000). 25 December 2014時点のオリジナルよりアーカイブ23 September 2007閲覧。
  2. ^ a b NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0122
  3. ^ Williams, Kenneth E.. “Detailed Facts About Tear Agent O-Chlorobenzylidene Malononitrile (CS)]”. U.S. Army Center for Health Promotion and Preventive Medicine. 26 September 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。26 September 2007閲覧。
  4. ^ Hoenig, Steven L. (2006). Compendium of Chemical Warfare Agents. Springer. p. 138. ISBN 978-0-387-34626-7. https://books.google.com/books?id=y2FwGRVMW5kC&pg=PA138 
  5. ^ o-Chlorobenzylidene malononitrile”. 生活や健康に直接的な危険性がある. アメリカ国立労働安全衛生研究所英語版(NIOSH). 2024年11月19日閲覧。
  6. ^ a b c 催涙剤 (Lacrimators、Tear gas, Mace) 国立医薬品食品衛生研究所
  7. ^ 公益財団法人 日本中毒情報センター 化学テロ・化学災害対応体制(概要) P6
  8. ^ a b c d 生物・化学兵器への公衆衛生対策 WHOガイダンス,世界保健機関,2004年

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]