町田市立陸上競技場
町田市立陸上競技場 町田GIONスタジアム | |
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施設情報 | |
所在地 | 東京都町田市野津田町2035 |
位置 | 北緯35度35分33.0秒 東経139度26分20.5秒 / 北緯35.592500度 東経139.439028度座標: 北緯35度35分33.0秒 東経139度26分20.5秒 / 北緯35.592500度 東経139.439028度 |
開場 | 1990年10月7日[1] |
修繕 | 2011年12月 |
所有者 | 町田市 |
運用者 | 日本体育施設株式会社・一般財団法人町田市スポーツ協会共同事業体・株式会社ゼルビア・株式会社ギオン |
グラウンド | 天然芝 |
ピッチサイズ | 107m×71m |
照明 | 4基 |
大型映像装置 |
高輝度フルカラーLEDビジョン1基 (東芝インフラシステムズ製[2][3]) |
使用チーム、大会 | |
FC町田ゼルビア(Jリーグ) 横浜キヤノンイーグルス(トップリーグ) 第68回国民体育大会(2013年) | |
収容人員 | |
15,489人(メインスタンド2,632席、バックスタンド4,717席、その他8,140席) |
町田市立陸上競技場(まちだしりつりくじょうきょうぎじょう)は、東京都町田市野津田町の町田市立野津田公園内にある陸上競技場。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)・FC町田ゼルビアがホームスタジアムとして使用している。施設は町田市が所有し、日本体育施設株式会社と一般財団法人町田市スポーツ協会と株式会社ゼルビアと株式会社ギオンの共同事業体である「スポーツパークパートナーズまちだ」が指定管理者として管理している。
2020年1月1日から株式会社ギオンがネーミングライツを取得しており「町田GIONスタジアム」(まちだギオンスタジアム、略称「Gスタ」)の呼称を用いている(後述)。
概要
[編集]町田市の市制施行30周年記念による三大スポーツ施設建設事業(町田市立室内プール、町田市立陸上競技場、町田市立総合体育館)の一つとして計画され、1990年10月7日にオープンした[1]。400メートル・8コースのウレタン系全天候舗装トラック(エンボス仕上げ)と天然芝のインフィールド(7,650平方メートル)[4]を備えた日本陸上競技連盟第3種公認の陸上競技場である。
メインスタンドは2012年の改築工事(後述)で建設された、鉄筋コンクリート造6階建(観客席2,632席)。バックスタンドは2021年の改築工事(後述)で建設された、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造3階建(観客席4,717席)。サイドスタンドは合計8,140席あり[4]、収容人員は15,489人。なお、Jリーグ開催時の収容可能人員は15,320人[5]。
2009年4月より、日本体育施設株式会社と町田市スポーツ振興公社が共同事業体「スポーツパークパートナーズまちだ」名義で指定管理者として運営する。 町田市スポーツ振興公社が2010年3月31日に解散したため、2014年4月1日からは一般財団法人町田市体育協会が運営に加わっている。
サッカー、特にFC町田ゼルビアのホームグラウンドとしての利用が主となっているが、町田市に練習グラウンドを置くラグビーチームである横浜キヤノンイーグルス(トップリーグ所属)が公式戦を開催することもある。
サッカースタジアムとしての利用
[編集]開設当初
[編集]町田市立陸上競技場(以下『野津田競技場』と記す。)開設当初は、東京ガスサッカー部(現:FC東京)がジャパンフットボールリーグ(旧JFL)時代に準本拠地として使用し、国士舘大学サッカー部も試合を開催していた。1996年の第5回ジャパンフットボールリーグでは、コンサドーレ札幌がコスモ石油四日市FCとの主管試合をここで行ったことがある。
また、1993年のJリーグ発足に当たり、日本サッカーリーグ (JSL) ・全日空横浜サッカークラブが町田市をホームタウン、野津田競技場を本拠地としてJリーグに参入する事を目指した時期がある。この交渉は実らず、全日空横浜は横浜フリューゲルスとして神奈川県横浜市をホームタウンとし、横浜市三ツ沢球技場(現・ニッパツ三ツ沢球技場)を本拠地としてJリーグに参加した[注 1]。
Jリーグ公式戦が初めて行われたのは2001年11月10日のことで、J2第43節の川崎フロンターレ対アルビレックス新潟が野津田競技場で行われた[7]。これは、翌年の2002 FIFAワールドカップに向け、フロンターレの本拠地である等々力陸上競技場が長期改修に入っていた為の特例的処置だった。
第1次大規模改修(2009年 - 2013年)
[編集]「FC町田」のトップチームとして1989年に誕生した「FC町田ゼルビア」(以下『ゼルビア』と記す。)は2007年に関東サッカーリーグ1部を昇格1年目で初制覇したのを契機に本格的にJリーグ参入を目指すが、当時の野津田競技場はメインスタンドのみ座席で、バック・サイドスタンドは芝生席という、収容人員数6,000人ほどの小規模なスタジアムであり、Jリーグの基準に照らして大規模な改修・増築が必要だった。そこで町田市は2009年から、ゼルビアのJリーグ参入並びに2013年に予定されていた第68回国民体育大会(スポーツ祭東京2013)のサッカー競技実施を念頭に野津田競技場の改修工事に着手する。
当初の計画では、2009年時点でのJリーグ基準に基づき、芝生席であったバックスタンドを鉄骨製の仮設座席(リースにて9,000席を確保)にし、ナイター照明設備(高さ43.4m・1500Lx✕4基)を新設するなどの簡易改修を実施する計画であった[8]が、平均入場者数が基準に満たないこと、スタジアムの確保が間に合わないことなどを理由にゼルビアが2010年度のJリーグ入会に向けた本申請を断念した[9]ことなどを踏まえ、2010年7月までに設計を行い、バックスタンドは当初の仮設座席からコンクリート製スタンド新設による全面改修に変更[10]、さらに当初予算で計上されていたナイター照明設備を新設する工事に着手した。しかし、2010年8月31日、Jリーグはこの設計が“2009年度の”Jリーグ基準準拠であったのに対し、2010年度の新たなJリーグ基準では、更衣室などの設備の面積や収容人数が明示されている点などの変更点があることを踏まえて「ホームスタジアムは、現在計画されている改修工事を経てもJリーグ基準を満たすことができないと判断される」という審査結果をゼルビアに通知した[11][注 2]。この年、ゼルビアのJFL最終順位は2位となり、成績面でのJ2参入条件は満たしたものの、このスタジアム要件の欠格が理由となってJ2参入は見送られた。町田市では、メインスタンドの全面改修計画を立ててこれに対処する方針とし、2013年2月末までの完成を目指すとした[13]。
翌2011年のゼルビアの参入予備審査において、町田市長の石阪丈一が改修工事の完成予定を前倒し、2012年11月の完成を目指すことを表明する一方で、Jリーグ側からは「ホーム競技場を改修する間の代替地を含む来季の競技場確保」と「経営の健全化」の2点を求められた[14]ことを踏まえて対応策を検討。メインスタンド改修中に試合が開催できるよう、2011年のオフシーズンにメインスタンドの前方(フィールド寄り)に鉄骨造り5階建て・延べ床面積1248.52平方メートル、総工費2億1千万円の「メディアセンター」を建築し、この中にJリーグ基準で求められる諸室(ロッカールーム、記者会見室、記者室、カメラマン室など)を設置する[15]ことでJリーグの承認を得た。2012年にメインスタンドが完成し、シーズンオフに「メディアセンター」の撤去と陸上トラックの張り替えが行われ、2013年シーズン開幕までに改修工事が完了し、予定通りスポーツ祭東京2013(成年男子)も開催された。
第2次大規模改修(2018年 - 2021年)
[編集]全面改修後も、スタジアム内の電光掲示板は動画再生不可能な電球式であったが、2016年のゼルビアJ2再昇格を機に2018年までを目処にこれを大型映像装置に更新する予定とし[16]、町田市議会の2017年6月定例会において東芝・近藤電気特定建設工事共同企業体が映像装置整備工事を請け負うことが公表された[3]。2018年3月4日の第2節・大宮アルディージャ戦において除幕式が行われ、東芝インフラシステムズ製のフルカラーLED方式の大型映像装置が完成導入された[2]。この更新事業の事業費の一部にはふるさと納税制度による寄付金が充当された[17]。
一方、2018年現在の施設ではJリーグクラブライセンス制度におけるスタジアム基準に照らして、収容人員等においてJ2基準相当の規格しか満たしていないことから、石阪町田市長は野津田競技場の増築を検討[18]。2018年10月、町田市は2021年2月からの使用を目指す、J1スタジアム基準を満たす改修計画を発表した[19]。バックスタンドを鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)3階建て屋根付き構造に改築し、収容人員数を5,000席程度増設するというもので、2018年度から2019年度にかけて実施設計を行い、設計は野津田競技場の将来構想策定業務を策定した梓設計が受託した。2019年度には条件付一般競争入札で西武建設と観客席増設工事請負契約を締結し[20]、2021年5月にバックスタンドが完成。同月15日のホームゲームより使用を開始した[21]。
なお、町田ゼルビアは2019年9月に、上記の改修計画が承認されたことを受けて、Jリーグより2020年度のJ1ライセンスを承認された。2019年度(2018年申請)までの規定では「最初にJ1に昇格するシーズンの開幕までに15,000人以上収容できるスタンドを完成させること」が昇格条件であり、2018年J2では4位でJ1参入プレーオフ出場となる順位を充足しながら左記規定を充足できないためJ2ライセンスまでにとどまっていた[22]が、2018年11月の規約改正により2020年度(2019年申請)のライセンスから、「既存スタジアムをホームスタジアムとして使う場合は、最初に上位ライセンスを取得して3年以内に改修・改築して上位ライセンス基準を充足すること(例外規定1)」を申請し、Jリーグから承認を得られれば、上位ライセンスを発給できるように改正されたことによる[23]。
施設命名権
[編集]2019年10月23日、神奈川県相模原市に本社を置く総合物流企業のギオンと命名権契約を結んだことを発表し、2020年1月1日から2026年12月31日の7年間、「町田GIONスタジアム」と名称することが決まった。なお、株式会社ギオンは、SC相模原の本拠地である相模原麻溝公園競技場の命名権も取得(「相模原ギオンスタジアム」)している関係で、混乱防止のため社名の箇所はローマ字にしている[24]。
主な使用例
[編集]- FC町田ゼルビアの試合(サッカー)
- 国際親善試合スタッド・ランス戦(2024年)
- 横浜キヤノンイーグルスの試合(ラグビー)
- 大学・高校等の各陸上競技
- 市民マラソン等の市主催関連催事等
- 新型コロナウイルスワクチン集団接種会場[25]
- 町田市指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)
- 町田市指定災害時避難施設(大地震、風水害時)
アクセス
[編集]- 小田急小田原線 鶴川駅、JR横浜線・小田急線 町田駅(町田バスセンター)、小田急多摩線・京王相模原線・多摩都市モノレール線 多摩センター駅、JR横浜線 淵野辺駅からそれぞれ神奈川中央交通バスで「野津田車庫」「野津田高校入口」「新屋敷」「サンシティ町田」下車徒歩10分[26][27]
- 一般路線バスの場合、降車場所は乗車場所と系統によって異なる。スタジアム公式サイト[26] およびFC町田ゼルビア公式サイト[27] を参照のこと。
- FC町田ゼルビアホームゲーム開催時には鶴川駅よりスタジアム前(野津田公園バス停)まで直行バスが、多摩センター駅・淵野辺駅・町田駅・南町田グランベリーパーク駅よりスタジアム前まで無料シャトルバスがそれぞれ運行される[27]。
ギャラリー
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メインスタンド(改修前)
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メインスタンド(改修後)
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メインスタンド外観(改修後)
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ピッチ
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ゴール裏
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ゴール裏(2016年)
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電光掲示板(2017年まで使用)
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大型映像装置(2018年完成導入)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 『広報まちだ(第908号、1990年10月1日発行)』
- ^ a b “製品導入事例”. 東芝EIコントロールシステム株式会社. 2023年7月8日閲覧。
- ^ a b “平成29年(2017年)第2回定例会 議案概要”. 町田市議会. 2023年7月8日閲覧。
- ^ a b “町田GIONスタジアム(町田市立陸上競技場)”. 町田市ホームページ. 2021年5月18日閲覧。
- ^ “町田GIONスタジアム”. 日本プロサッカーリーグ. 2021年8月14日閲覧。
- ^ “Number04 FC町田ゼルビア代表 守屋 実”. 東京フットボールマガジン. 2016年11月6日閲覧。
- ^ “公式記録”. J. League Data Site. 2016年11月6日閲覧。
- ^ “4.平成21年度の特長的な事業(2)” (PDF). 平成21年度(2009年度)予算の概要. 町田市財務部財政課. p. 22. 2018年11月13日閲覧。
- ^ 『Jリーグ入会へ向けて』(プレスリリース)FC町田ゼルビア、2009年9月25日 。2018年11月13日閲覧。
- ^ “平成21年度(2009年度)12月補正 予算の参考資料” (PDF). 町田市財務部財政課. p. 11. 2018年11月13日閲覧。
- ^ “FC町田ゼルビア、「Jスタジアム2010年度基準」未達で昇格ならず”. 町田経済新聞. (2010年9月7日) 2018年11月12日閲覧。
- ^ 『Jリーグ入会予備審査結果について』(プレスリリース)FC町田ゼルビア、2010年9月11日 。2018年11月13日閲覧。
- ^ “2011年度予算の主な事業” (PDF). 2011年度予算の概要. 町田市財務部財政課. p. 30. 2018年11月13日閲覧。
- ^ “ゼルビア、昇格へ一歩前進か 具体的課題検討へ 東京”. 朝日新聞. (2011年9月8日). オリジナルの2012年7月24日時点におけるアーカイブ。 2018年11月12日閲覧。
- ^ “町田市陸上競技場にJリーグ開催のためのメディアセンター : 3月20日から使用”. NPO法人k-press (2012年3月9日). 2018年11月12日閲覧。
- ^ “町田ゼルビアJ2昇格 市が競技場に大画面”. 東京新聞. (2015年12月30日) 2016年5月28日閲覧。
- ^ “競技場の環境整備、浮世絵の購入で「ふるさと納税」活用 町田市”. 町田経済新聞. (2016年3月29日) 2016年11月29日閲覧。
- ^ “町田市競技場の増築視野”. 読売新聞東京多摩版. (2016年11月22日) 2016年11月29日閲覧。
- ^ “町田市立陸上競技場の観客席を増設します”. 町田市公式サイト (2018年10月18日). 2018年11月11日閲覧。
- ^ “町田市立陸上競技場観客席増設工事請負契約”. 町田市議会 (2018年8月28日). 2021年6月2日閲覧。
- ^ “町田ゼルビア、首位・新潟に勝利 琉球に続き「無敗チーム」撃破 「J1仕様スタジアム」完成祝う”. 相模原町田経済新聞. (2021年5月16日) 2021年6月2日閲覧。
- ^ 2020シーズンへ向けてJ1ライセンスを申請しました
- ^ 2020シーズンの『J1クラブライセンス交付』について
- ^ “J2町田に「町田GIONスタジアム」が誕生!株式会社ギオンがネーミングライツ契約”. 相模原町田経済新聞. (2019年10月23日) 2019年12月15日閲覧。
- ^ “サッカーのスタジアムでワクチンの集団接種始まる 東京 町田”. 日本放送協会. (2021年5月20日) 2021年5月20日閲覧。
- ^ a b “アクセス”. 町田市立野津田公園. スポーツパークパートナーズまちだ. 2016年11月29日閲覧。
- ^ a b c “アクセス”. FC町田ゼルビア. 2016年11月29日閲覧。