ジェイプサイ中間子
ジェイプサイ中間子(ジェイプサイちゅうかんし、J/ψ)は、チャームクォークと反チャームクォークからなる中間子である。また、クォークとその反クォークの組み合わせからなる中間子を -オニウムと呼ぶことから、チャーモニウムとも呼ばれる。
基本特性
[編集]電荷が0、スピンは1、アイソスピンは0、Gパリティ負、質量 3096.9 MeV、崩壊幅 0.093 MeV。 崩壊チャンネルは、約88%が二つもしくは三つのハドロンに、約6%がe+e-、約6%がμ+μ-である。
粒子名 | 粒子 記号 |
反粒子 記号 |
クォーク 組成 |
不変質量 (MeV/c2) | IG | JPC | S | C | B' | 寿命 (s) | 崩壊過程 (>5% of decays) |
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J/ψ粒子[1] | J/ψ | 自身 | cc | 3096.900±0.006 | 0− | 1−− | 0 | 0 | 0 | 7.1×10−21 | g+g+g |
歴史
[編集]1974年11月に、リヒター(Burton Richter)率いるスタンフォード線形加速器センター(Stanford Linear Accelerator Center, SLAC)-ローレンス・バークリー研究所(LBL)のグループと、ティン(Samuel Chao Chung Ting, 丁肇中)が率いるブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory, BNL)-マサチューセッツ工科大学(MIT)のグループがほぼ同時に発見の報告を行った。この二つの独立したグループによる新粒子の発見は、11月革命(a November revolution)と呼ばれている。リヒターとティンはこの発見によって1976年にノーベル賞を受賞している。
リヒターのグループは新粒子をψ粒子と呼び、ティンのグループは J粒子と呼んだ。
ψ の由来は2つの理由によるとされる。リヒターらが実験に用いた加速器SPEARにちなみギリシャ文字ψなら発音の中にSもPも含まれていること、スパークチェンバーで発見されたときの粒子の軌跡がギリシャ文字ψの形をしていることからである。 J の由来については記録があるわけではない。K中間子のひとつ前のアルファベットであるJを採用したと言われるが、ティンの名字の漢字表記「丁」に似たアルファベット J が選ばれたから、とも言われている。 現在は二つの呼び名を合わせて、J/ψと呼ばれている。
脚注
[編集]- ^ PDG
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- cc MESONS - パーティクル・データ・グループ(Particle Data Group, PDG)によるチャーモニウム中間子のデータ