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JR貨物ED500形電気機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
JR貨物ED500形電気機関車
新鶴見機関区一般公開時に撮影
新鶴見機関区一般公開時に撮影
基本情報
運用者 日本貨物鉄道
製造所 日立製作所
製造年 1992年
製造数 1両
引退 1994年
消滅 2016年
主要諸元
軸配置 Bo-Bo
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1,500 V・交流20 kV (50/60 Hz)
架空電車線方式
全長 17,600mm
全幅 2,970 mm
全高 4,260 mm
運転整備重量 67.2 t
台車 円筒積層ゴム軸箱方式・ボルスタレス構造(台車形式なし)
台車中心間距離 10,500 mm
固定軸距 2,600 mm
車輪径 1,120 mm
軸重 16.8 t
動力伝達方式 一段歯車減速リンク式
主電動機 かご形三相誘導電動機×4基
主電動機出力 1,000 kW × 4基
歯車比 4.94
制御方式 主整流装置(サイリスタ位相制御)+ VVVFインバータ制御
GTOサイリスタ1C1M方式)
制動装置 自車:電気指令式空気ブレーキ発電ブレーキ
編成:自動空気ブレーキ
保安装置 ATS-SF
最高運転速度 120km/h
定格速度 75 km/h
定格出力 4,000kW (1時間定格)
定格引張力 187kN (=19,080kgf)(1時間定格)
備考 別名 ED-X・出典[1][2]
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ED500形電気機関車(イーディー500がたでんききかんしゃ)は、かつて日本貨物鉄道(JR貨物)が試用した交流直流両用電気機関車である。

概要

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1992年平成4年)に日立製作所水戸工場で試作機が仮称「ED-X」として落成[3]。同年、運用試験のためED500-901に改称の上、JR貨物に貸し出され(所有権は日立製作所のまま)、車籍編入された。

最急勾配10‰前後の平坦線での使用を想定し、4軸駆動のD形として設計された。新型の交流直流両用機関車としては、既にEF500形が運用試験を行っていたが、当時EF500形の投入を想定していた日本海縦貫線東北本線津軽海峡線などでは、輸送量の割りに出力過大になることが予想されたことから、ED75形重連に相当する4,000kW級の機関車として日立製作所が設計・提案したとされる。

車体はEF200形を縮小したデザインで、外部塗色はブラック系メタリック、運転室側扉は赤色、床下機器は黒色である。前照灯標識灯は正面下部に丸型のものを装備する。

すでに納入済みのEF200形との運転取り扱いと機器共通化を図るため[4]、制御方式はEF200形と同様のGTOサイリスタVVVFインバータを搭載し、1台のインバータで1基のモーターを制御する1C1M方式である。台車はEF200形のFD3形台車とほぼ同一のボルスタレス台車を装備する。パンタグラフはシングルアーム式で、関節部を車体中央側に向けて搭載する。

運用

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1994年(平成6年)末頃まで主に試験運用に使われたが、動輪上重量の軽さから空転が頻発するなどして所定の性能が発揮できないと判断されたため、量産機の製作には至らず除籍・返却された。

返却後は日立製作所水戸工場(茨城県ひたちなか市)で保管されていたが、後に解体処分されたため現存しない。台車のみが水戸工場内にて保存・展示してある[5]。なお、日立製作所は本形式を最後に電気機関車自体を製造していない。

その後、東北本線・津軽海峡線向けには出力がほぼ同等のEH500形が、日本海縦貫線向けにはやや出力の小さいEF510形が量産されている。

参考文献

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脚注

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  1. ^ 交友社「鉄道ファン」1992年11月号「JR貨物 ED500形900番台交直流電気機関車」pp.51 - 53。
  2. ^ 交友社「鉄道ファン」1993年9月号特別付録 新車カタログ92/93「JR貨物 ED500形900番台」。
  3. ^ ハイライト 適用範囲の広い交直両用大出力4軸インバータ機関車」『日立評論』日立評論社、1992年1月、11頁https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1992/01/1992_01_00_light.pdf#page=8 
  4. ^ 社会・産業ハイライト 貨物の大量輸送・高速化に対応した大出力インバータ機関車」『日立評論』日立評論社、1992年1月、88頁https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1992/01/1992_01_04.pdf#page=7 
  5. ^ 日立製作所水戸事業所 さつきまつりに初参加 その5 ED500の台車”. B767-281のブログ. 2022年10月21日閲覧。

外部リンク

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関連項目

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