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Kh-25 (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Kh-25ML/MLT/MR
NATO識別名称:AS-10 Karen)
Kh-25MP (AS-12 Kegler)
Kh-25ML
種類 戦術空対地ミサイル
対レーダーミサイル(Kh-25MP)
原開発国 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
運用史
配備期間 1975年-現在
配備先 ロシアの旗 ロシア
開発史
開発期間 1971年-1975年
製造業者 Zvezda-Strela
諸元
重量 Kh-25ML:299 kg (659 lb)[1]
Kh-25MP:315 kg (694 lb)[2]
全長 Kh-25ML:370.5 cm (12 ft 2 in)[1]
Kh-25MP 1VP:425.5 cm (167.5 in)[2]
Kh-25MP 2VP:435.5 cm (171.5 in)[2]
直径 27.5 cm (10.8 in)[1]

弾頭 高性能爆薬、シェル形
炸薬量 Kh-25MP:86 kg (190 lb)[2]

翼幅 75.5 cm (29.7 in)[1]
誘導方式 派生機種によってレーザー, パッシブ レーダー, TV, IR, satnav, アクティブ レーダー
発射
プラットフォーム
MiG-21,[3] MiG-23/27,[3] MiG-29,[3] Su-17/20/22,[3] Su-24,[3] Su-25,[3] Su-27[3]
Kh-25MP : MiG-23/27,[4] Su-17/22,[4] Su-24,[4] Su-25[4]
テンプレートを表示

Kh-25(Х-25、NATOコードネーム AS-10 Karen)は、1960年代末から1970年代にかけて開発されたソビエト連邦ロシア)の第2世代戦術空対地ミサイル。Kh-23/66Grom(NATOコードネーム AS-7 Kerry)の改良版と思われ、非常に良く似ている。モジュラー式の誘導装置を備え、射程は10 km.[1]である。対レーダーミサイル仕様(Kh-25MP)の派生機種はNATOAS-12 Keglerとして知られ、射程は最大40 km.[2]である。Zvezda-Strelaによって設計されたKh-25はレーザー誘導仕様のKh-23(AS-7 Kerry)から派生した機種である。現在は後継機種のKh-38シリーズが受け継ぐが、Kh-25も幅広く使用される。

開発

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1968年に運用が開始された空対空ミサイルを元に開発されたビームライディング誘導式のKh-66は、ソビエト連邦にとって初の戦術航空機空対地ミサイルだった[5]。しかし、発射時に航空機は急降下する必要があり、運用には困難が伴った。電波指令誘導式の派生機種であるKh-23は1968年に初めて試験されたが誘導装置に問題を抱えており、運用開始までに5年を要した[6]。 そのため、1971年にセミアクティブレーザーシーカーの派生機種の作業が開始され、Kh-25になった[5]。これは当初、西側諸国においてKh-23Lとして知られた[7]1974年11月24日に試験が開始され、Kh-25は1975年から量産に入った[5]。 パッシブシーカーとSUR-73自動操縦装置を使用した[5]Kh-66からの対レーダーミサイル仕様の派生機種の作業は1972年に開始された[4]

長射程のKh-31対レーダーミサイルも同じ計画からできた[5]。Kh-27の試験はMiG-27に搭載して1975年8月8日に開始[5]されたが、運用開始は1980年9月2日だった[5]NATO識別名称はAS-12 Keglerであり、Kh-28(AS-9 Kyle)を置き換えた[4]

1973年に設計局の技師長である"Victor Bugaiskii"は、費用を削減して戦術の柔軟性を増やすためにKh-23M, Kh-25とKh-27を単一のモジュラーシステムへ統合する作業を開始した[5]。この作業は1978年末に完了し[5]、その結果Kh-25MP(対レーダー)、Kh-25ML(レーザー誘導)とKh-25MR(電波誘導)シリーズができた。今やシーカーヘッドを簡単に交換できるにもかかわらずNATOは引き続きこれらをAS-12とAS-10として指定した。

設計

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Kh-25はKh-23の後期型と十字型のカナードと翼がとてもよく似ている。

Kh-25MP対レーダーミサイルはホーミングヘッドが1VPと2VP2種類あり、異なる周波数を受信する[2]

運用実績

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原型のKh-25は1973年-1975年ソ連空軍MiG-23MiG-27Su-17Mに搭載されて運用が開始された[3]

それ以来MiG-21MiG-29、Su-17/20/22シリーズ、Su-24Su-25Su-27で使用されている事が確認されている[3]Ka-50のようなヘリコプターでも同様に搭載される。

Kh-25MPは、MiG-23/27、Su-17/22、Su-24、Su-25に搭載できる[4]

データ

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バージョン

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NATOは、対レーダー用以外の全てのKh-25シリーズをAS-10 Karenとして指定する。"M"は"Modulnaya" - モジュール(シーカー)の略である。

Kh-25(Izdeliye 71, Kh-23L)
原型となるレーザー誘導式。
Kh-25ML
セミアクティブレーザー誘導式。二重弾頭を備えることで1メートル (39 in)厚のコンクリート壁を貫通する[8]
Kh-25MA
アクティブレーダー誘導式。1999年に初めて輸出された[3]
Kh-25MAE
Kh-25MAの更新版で、2005年8月にKa-バンドのシーカーを搭載した仕様の輸出が発表された。Phazotron社のPSMは4,000 m (4,370 yd)彼方の戦車を捕らえられる能力を有し、Kh-25MAにも使用されていると推定される[8]
Kh-25MS
GPSまたはGLONASS衛星誘導装置を搭載[3]
Kh-25MSE
Kh-25MSの輸出型で、2005年8月に発表された[8]
Kh-25MT
TV誘導式[3]
Kh-25MTP
イメージングIR誘導式[3]
Kh-25R/Kh-25MR
電波指令誘導式[3]
Kh-27(Kh-27/M, AS-12 Kegler)
対レーダーミサイルの原型機種。
Kh-25MP(AS-12 Kegler)
モジュール式対レーダーミサイル[4]
Kh-25MPU(AS-12 Kegler)
改良されたKh-25MP[4]

訓練弾は"U"が指定される。Kh-25MLでは以下の機種がある

Kh-25MUL
格闘戦訓練用Kh-25ML[1]
Kh-25ML-UD
機能訓練用ミサイル[1]
Kh-25ML-UR
部分的訓練用ミサイル[1]

運用国

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現用

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類似のミサイル

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j Kh-25ML”. Tactical Missiles Corporation (2004年). 2012年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  2. ^ a b c d e f g h Kh-25MP”. Tactical Missiles Corporation (2004年). 2018年3月27日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n “Kh-25 (AS-10 'Karen')”, Jane's Air-Launched Weapons, (2008-08-01), http://www.janes.com/extracts/extract/jalw/jalw2917.html 2009年2月7日閲覧。  [リンク切れ]
  4. ^ a b c d e f g h i “Kh-25MP, Kh-25MPU (AS-12 'Kegler')”, Jane's Air-Launched Weapons, (2008-08-01), http://www.janes.com/articles/Janes-Air-Launched-Weapons/Kh-25MP-Kh-25MPU-AS-12-Kegler-Russian-Federation.html 2009年2月7日閲覧。 
  5. ^ a b c d e f g h i History of JSC Tactical Missile Corporation” (Word 97 DOC). pp. 4–6. 2009年2月26日閲覧。
  6. ^ Friedman, Norman (1997). The Naval Institute Guide to World Naval Weapons Systems. Naval Institute Press. p. 235. ISBN 9781557502681. https://books.google.co.jp/books?id=l-DzknmTgDUC&pg=PA235&lpg=PA235&redir_esc=y&hl=ja 
  7. ^ Kh-23, Kh-66 Grom (AS-7 'Kerry')” (2008年8月1日). 2009年2月7日閲覧。 [リンク切れ]
  8. ^ a b c Friedman, Norman (2006). The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems (5 ed.). Naval Institute Press. p. 838. ISBN 9781557502629. https://books.google.co.jp/books?id=4S3h8j_NEmkC&pg=PA838&redir_esc=y&hl=ja 
  9. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 176. ISBN 978-1-032-50895-5 
  10. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 180. ISBN 978-1-032-50895-5 
  11. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. pp. 190-191. ISBN 978-1-032-50895-5 
  12. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 203. ISBN 978-1-032-50895-5 
  13. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 206. ISBN 978-1-032-50895-5 

出典

[編集]
  • Gordon, Yefim (2004), Soviet/Russian Aircraft Weapons Since World War Two, Hinckley, England: Midland Publishing, ISBN 1-85780-188-1 

外部リンク

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