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ウズベキスタン空軍および防空軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウズベキスタン空軍および防空軍
Havo hujumidan mudofaa qoʻshinlari va Harbiy havo kuchlari
ウズベキスタン空軍および防空軍のエンブレム
創設 1992年 (32年前) (1992)
国籍 ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン
軍種 空軍防空軍
任務 航空戦闘
国土防空
上級部隊 ウズベキスタン軍
司令部 タシュケント[1]
記念日 8月第3日曜日
(空軍記念日英語版)
主な戦歴 タジキスタン内戦
バトケン紛争英語版ロシア語版
指揮
空軍および防空軍司令官
(防衛省副大臣兼務)
アクマド・バルカノフ少将[2]
著名な司令官 アブドゥラ・ホルムハメドフ英語版ロシア語版少将
識別
国籍識別標
フィンフラッシュ
国旗と共通)
空軍旗
使用作戦機
攻撃機 Su-25/M1/M1K/UB[1]
Su-24
戦闘機 MiG-29«9.13»/UB
Su-27
Su-30
ヘリ Mi-8
ユーロコプター フェニック
AS 532AL
攻撃ヘリ Mi-24
Mi-35Mロシア語版
練習機 L-39
輸送機 Il-76[1]
An-12
An-26
C-295W[1]
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ウズベキスタン空軍および防空軍ウズベク語: Oʻzbekiston havo kuchlari、Войска ПВО и ВВС Узбекистана)は、ウズベキスタンが保有するウズベキスタン共和国軍空軍および防空軍組織である。

沿革

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ソビエト連邦(ソ連)時代、トルキスタン軍管区に属していたウズベク・ソビエト社会主義共和国には、ソ連防空軍第49軍がカルシ・ハナバード空軍基地ジザフに駐屯し、タシュケントに司令部があった。ソ連崩壊に伴い、1991年9月1日にウズベキスタンが独立し、第49軍の設備や装備を継承する形でウズベキスタン空軍は創設された。しかし第49軍の戦力は過剰であったことから、Su-24が退役するなど、組織の縮小化が図られた[1]

2010年代以降、エアバス・ヘリコプターズから各種ヘリコプターを導入したほか、2016年5月までにC-295Wを4機受領した。また、Su-25にアメリカ製の航空服とフランス製のヘルメットを導入するなど、西側諸国の機材の導入と装備の近代化を図っている[1]

2020年5月のサルドバ貯水池決壊事故では、カザフスタンとの国境地帯にH125MとAS532Lが派遣され、300人以上の民間人を救出した[1]

2021年ターリバーン攻勢に伴い、アフガニスタン空軍エンブラエル EMB-314セスナ 208など46機の航空機(22機の固定翼機と24機のヘリコプター)が脱出しウズベキスタンのテルメズ空港に逃れた[3]

組織

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公式な部隊配置や機材の種類・機数を公表していない[1]

部隊

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  • 第60混成航空旅団(カルシ・ハナバード空軍基地、カルシ
  • 混成航空旅団(ジザフ)
  • 混成航空連隊(フェルガナ
  • 混成航空隊(タシュケント)
  • 第65ヘリコプター連隊 (カガンブハラ)
  • 第66独立ヘリコプター連隊(チルチク
  • 第12対空ミサイル旅団
  • 無線技術旅団

教育機関

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ジザフ高等軍事航空学校の校章

ジザフにジザフ高等軍事航空学校英語版ウズベク語版がある。

装備

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機体

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北京首都国際空港に着陸するウズベキスタン空軍のIl-76(2020年)「UK-76007」

作戦機は、カルシ・ハナバード空軍基地の第60混成航空旅団に集中配備されているとされている。2020年頃から、保有する機体の塗装を濃灰色一色に一新し、輸送機には「Uz AIR FORCE」の表記を施している[1]

名前 原産国 保有数 備考
MIG-29«9.13»/UB[4] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 12機(他に18機が保管中)[5] MiG-29≪9.12≫とする説もあるが、写真で確認された機体はすべて≪9.13≫である[4]
Su-27/UB[5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 26機が保管中[5]
Su-25/M1/M1K[1]/BM[5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 12機[5] 旧ソ連軍から、合計20機のSu-25BMとSu-25UBを引き継いだ[6]
Su-25UB[1][5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
Su-24[5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 15機が保管中[5]
Il-76MD[1] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン
2機[5] かつてはウズベキスタン国内で製造されていた[1]
EADS CASA C-295W[5] スペインの旗 スペイン 4機[5]
An-12[5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 2機[5]
An-26[5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 2機[5]
L-39 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア 6機[5]
Tu-134[5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 1機[5]
Mi-24P[1]/Mi-35[5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 29機[5] 2001年に、フランスのSAGEM社に対してMi-35 12機の近代化改修が発注された[7]
Mi-35M[5] ロシアの旗 ロシア 12機[5] 2018年にロシアに発注[8]
Mi-8[5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 52機[5] 機首周囲に防弾版を装備し、一部の機体は12.7mm機関銃を装備した NUB-1MKターレットを搭載[1]
Mi-26[5] ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 1機[5]
AS 350 エキュレイユ[5] フランスの旗 フランス 8機[5]
AS 532AL[1]またはH225M[5] フランスの旗 フランス 8機[5]
バイラクタル TB2[9] トルコの旗 トルコ 4機以上[9]

搭載兵装

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対空兵器

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v Fredelic LERT:写真「ウズベキスタン空軍の翼」『航空ファン』通巻814号(2020年10月号)文林堂 P.12-21
  2. ^ Справочная (Узбекистан)”. 31 January 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。12 July 2020閲覧。
  3. ^ Trevithick, Joseph. “Dozens Of U.S.-Bought Afghan Air Force Aircraft Are Now Orphaned At An Uzbek Airfield”. The Drive. https://www.thedrive.com/the-war-zone/42040/dozens-of-u-s-bought-afghan-air-force-aircraft-are-now-orphaned-at-an-uzbek-airfield 18 August 2021閲覧。 
  4. ^ a b 『世界の名機シリーズ MiG-29 フルクラム』イカロス出版、2015年10月31日、81-82頁。ISBN 9784802200813 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 206. ISBN 978-1-032-50895-5 
  6. ^ 『世界の名機シリーズ Su-25 フロッグフット』イカロス出版、2019年9月11日、67頁。ISBN 9784802207454 
  7. ^ 『世界の名機シリーズ Mi-24/-35 ハインド』イカロス出版、2016年11月21日、80頁。ISBN 9784802202589 
  8. ^ Uzbekistan receives Mi-35M helo”. janes.com (2020年1月16日). 2024年9月30日閲覧。
  9. ^ a b c Uzbekistan fielding Bayraktar TB2 UCAVs”. janes.com (2023年11月23日). 2024年9月30日閲覧。

参考文献

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  • Drozdov, Sergey (2021). “Авиация силовых ведомств Узбекистана [Aviation of the security agencies of Uzbekistan]” (ロシア語). Aviatsiya i kosmonavtika (2): 20–31. ISSN 1682-7759. 

外部リンク

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