コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

MAMOR

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
MAMOR(マモル)
MAMOR
愛称・略称 マモル
ジャンル 国民とともに防衛を考える情報誌
刊行頻度 月刊
発売国 日本の旗 日本
言語 日本語
定価 578円
出版社 扶桑社
刊行期間 2007年1月21日 -
テンプレートを表示

MAMOR』(マモル)は、扶桑社が発刊する月刊の防衛省自衛隊の広報誌(後述)である。2006年11月30日、創刊準備号[1]として発売。2007年1月21日創刊。毎月21日(21日が日曜日の場合は、20日)発売。キャッチコピーは、「国民とともに防衛を考える情報誌」。題名は「守る」「護る」から。

概要

[編集]

2005年、扶桑社が出版不況対策として、社内に新設したカスタム出版部[2]が、防衛省と契約して制作を請け負っており[3]、純粋な広報誌や一般向け雑誌の中間(準広報誌)として扱われることが多い。しかし制作費は全て扶桑社が出し、防衛省が一定の部数を買い上げる方式[3]であり、扶桑社の見解は「オフィシャルな広報誌」「専門誌」である[3]

発案者で初代編集長の高久裕[3]は、『SPA!』や『ESSE』などの一般向け雑誌を担当しており、軍事や自衛隊には全く興味がなかった[3]が、官庁相手なら長期契約が見込めるという経営的な面と、『SPA!』の副編集長時代に自衛隊特集を組んだ際、広報担当者の「柔らかいPRが必要」という言葉が頭に残っていたため、自ら防衛庁(当時)企画を持ち込んだ[3]。当時は防衛庁側でも随意契約の見直しや広報誌の民間委託を検討しており、他社との競争入札を経て契約となった[3]

なお、旧防衛庁は創刊したこの年の4月に、省に改組昇格し「防衛省」となっている。

特徴

[編集]

防衛省は休刊した広報誌『セキュリタリアン』(財団法人防衛弘済会発刊)の後継として扱っており、編集協力をしている。

編集方針

[編集]

創刊当初から軍事マニアではなく一般向けを意識しており、コラムなども「メジャー感」を出すため自衛隊とは関係のない者に依頼している[3]。またこれまでの広報誌は特殊な装備の紹介や防衛政策などに記事が多かったが、MAMORでは自衛官に焦点を当てている[3]

あくまで広報が目的であり、志願者募集などのリクルート活動は目的としていない[3]

特徴的な企画

[編集]
  • 一般読者向けの企画としてはこの他好きな装備のアンケートがあり、1位は90式戦車だった[4]
  • 2009年8月号では現役自衛官へのアンケート調査結果を公開し、「生まれ変わっても自衛官になりますか?」という設問に回答者の7割が「ならない」と回答した。際どい内容であったため『J-CAST』でも取り上げられている。なお、理由としては社会的地位の低さを指摘する回答が多く、他になりたい職業としては医療職や警察官など公的で安定志向の職業が上位に入っている。江畑謙介はこの結果を「妥当」と評した[5]
  • 2009年11月号では編集部の発案で独身自衛官向けの婚活企画を掲載した[6]。この企画の反響が大きかったため、2010年2月号から連載化された[3]
  • 2011年7月にはファミリーマートとのコラボレーション企画で「オリジナル自衛隊グッズブランド」としてTシャツを発売した[7]。翌8月には第2弾企画としてオリジナルミリタリーバッグを発売した[8]

主な内容

[編集]
表紙
当初は自衛隊の装備だけを映していたが、後にカバーガール“防人たちの女神”に変更した。
Monthly Venus 防人たちの女神
創刊準備号から続いている巻頭グラビア。女性アイドル(後述のように例外あり)が自衛官の制服を着用し、自衛隊の施設で装備品と共に撮影。表紙は常に敬礼をするポーズ。
着用する制服の階級は3尉に固定されているが、陸海空や職種、礼装や迷彩服などの種類は特集記事の内容と連動することもあり不定である[9]
特集
今日の日本・国際社会が抱える防衛・安全保障問題、及び、それに対する防衛省・自衛隊の取り組みについての情報を、自衛隊員・軍事専門家のインタビュー・寄稿を交えて発信する。
ミリ・レポ
自衛隊の部隊勤務の様子をレポート。
ミリ・レポ番外編 ○○ふ〜ど記
ミリ・レポで取り上げた部隊が所属するところなどの駐屯地・基地周辺の飲食店を紹介(○○には駐屯地・基地の所在地が入る)。
ちょっと「ツウ」なニュースの読み方
軍事評論家による、軍事・安全保障関連ニュースの解説(2007年5月号〜)。
隊員食堂
旧陸・海軍のレシピを忠実に再現し、当時の雰囲気を舌で味わう、料理のコーナー。
マモルの婚活
自衛官の婚活をテーマにした連載。実際に婚約が成立したケースもあるという[3]。男性だけでなく女性自衛官も登場する[3]
Gallery Arms
自衛隊の装備品をカラー写真で紹介。
技本レポート
防衛省技術研究本部が現在研究・開発中の装備品をレポート。
MONTHLY GEAR
軍用衣料から生まれたファッションアイテムを紹介。
佐久間かつえ写真館 ―女性自衛官を訪ねて―
写真家の佐久間かつえ[10][11]が、女性自衛官を取材(2007年6月号〜)。
おしえてじえい隊!
自衛隊はいつ、どんな目的でつくられたか、自衛官の階級、自衛隊への入隊、自衛官の生活について等、自衛官への直接質問による、Q&Aコーナー。
新東方見聞録
防衛白書にみる諸外国の軍事情勢を取り上げる。
軍人の系譜
防衛研究所戦史部編集。戦史に名を残した軍人たちを紹介。
AIR MAIL
世界各国で活躍する防衛駐在官が、私生活から仕事内容までをレポート。
ミリキャラ占い
占いコーナー。人の性格を「補給」「戦車」「イージス艦」「衛生」等の部隊キャラに見立てて、運勢を占う。
MAMOR情報局
防衛省・自衛隊に関わるニュース、書籍紹介「マモルの本棚」、読者のページ、イベント情報、イベントレポート、「J-Sports」、「Zoom Up」の各コーナー。
J-Sports
スポーツに取り組む自衛官を取り上げる。
Zoom Up
全国各地で活躍する自衛隊員・自衛隊にゆかりの深い人を紹介。

過去の連載

[編集]
衛生小咄
防衛省人事教育局衛生官付による、病気・医療についての解説(創刊準備号〜2007年4月号まで)。
防衛大日記〜55期の青春

歴代「防人たちの女神」一覧

[編集]

2000年代

[編集]

2010年 – 2014年

[編集]

2015年 – 2019年

[編集]

2020年 – 年

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ このときのタイトルロゴは「MamoR」となっていた。
  2. ^ 特定の業界や企業から資金を集め、その団体が読者となる出版物を専門にする部署
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 型破りの自衛隊広報誌「MAMOR」編集長に直撃インタビュー - BLOGOS(ブロゴス)
  4. ^ 好きな自衛隊の装備品は?-防衛省編集協力誌で結果発表 『市谷経済新聞』 2009年5月23日
  5. ^ 自衛官「懲り懲り」が7割 日本の防衛、大ピンチ?J-CAST』 2009年6月26日20時8分配信
  6. ^ 防衛省公認、自衛官「婚活」企画-雑誌「マモル」で誌上展開」『市谷経済新聞』 2009年7月23日
  7. ^ 防衛省オフィシャルマガジン「MAMOR」とコラボレーション!「MAMOR×専守防衛」オリジナルTシャツ予約受付開始!」 『株式会社ファミマ・ドット・コム』(現UFI FUTECH2011年7月21日リリース
  8. ^ 防衛省オフィシャルマガジン「MAMOR」とのコラボレーション第2弾!「MAMOR×専守防衛」オリジナルミリタリーバッグ予約受付開始!UFI FUTECH 2011年8月19日11時5分配信
  9. ^ AKB48の3人の場合は本省大臣官房勤務という設定で2尉だった
  10. ^ 略歴 ―写真家 佐久間かつえ―
  11. ^ 「女性自衛官の写真展・・」・・新潟出身の写真家・佐久間かつえさん くまもと経済新聞2007年7月18日
  12. ^ 今号より表紙と連動する。
  13. ^ 創刊以来、唯一の男性起用例
  14. ^ MAMOR vol.144 2月号”. 扶桑社 (2018年12月21日). 2019年1月9日閲覧。
  15. ^ 表紙はアニメ「ガーリー・エアフォース」のグリペンとイーグル。「防人たちの女神」コーナーは休止され、担当声優である森嶋優花大和田仁美の対談を掲載。
  16. ^ FODバービー&村上佳菜子の編集長私、イイ女になりたいの。』とのタイアップ
  17. ^ 白石麻衣:制服姿で笑顔の敬礼ポーズ 自衛隊オフィシャルマガジン「MAMOR」表紙”. MANTANWEB(まんたんウェブ) (2022年7月20日). 2022年7月20日閲覧。
  18. ^ “自衛官候補生”を熱演中!町田啓太が「MAMOR」表紙に登場”. BUBKA WEB (2022年8月2日). 2022年8月14日閲覧。
  19. ^ 女優・五島百花が海上自衛官に変身!フライトスーツをまとって…【画像あり】”. MAMOR (2023年6月2日). 2023年8月27日閲覧。
  20. ^ 「防人たちの女神」コーナーは休止。May J.、自衛隊音楽隊の対談を掲載。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]