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仁井谷正充

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
MOO仁井谷から転送)

仁井谷 正充(にいたに まさみつ、1950年2月10日 - )は、日本実業家ゲームクリエイター広島県三原市出身[1]

ペンネームは『MOO仁井谷』。本人曰く、『MOO』は諸行無常の「無」から取っているとのこと。

コンパイル丸創業者で社長。『ぷよぷよ』を開発したコンパイル創業者で代表取締役社長、アイキ代表取締役社長を歴任した。

経歴・人物

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三原市立三原小学校、三原第三中学校広島県立三原高校を経て[1]広島大学理学部に7年間在籍のち1975年中退[1]。大学時代は学生運動に没頭した[1]学習塾の経営や広島電鉄車掌など職を転々したのち[1]1982年広島市南区大須賀町にコンパイルを設立[1]。一人でパソコンのシステムソフトの開発を始め[1]、2年目にセガOEMの仕事を得る[1]。初めて開発したゲーム用ソフト『N-SUB』が好評で、ビリヤードゲーム『ルナーボール』などヒット作を連発した[1]

1991年、創業9年目に開発した『ぷよぷよ』が後に大ヒットを果たす[1]。この頃には自らイベントやメディアへたびたび出演、ぷよぷよ模様をあしらったコスプレ衣装などでも話題を呼んだ。1996年1月には写真週刊誌FLASH」に“アルプスの少女姿”で営業する写真が掲載されるなど、ゲーム業界の名物社長として有名となった。

しかし、その後コンパイルは『ぷよぷよ』に次ぐヒット作が出せなかったことに加え、鳴り物入りで発売されたグループウェアパワーアクティ』が売れずに失敗。また海浜幕張地区への「ぷよぷよランド」建設構想[2]に、社員の大量採用による人件費・不動産費の増大や過大な宣伝費用の投入など、仁井谷の経営ミスにより経営が圧迫し[3]1998年に75億円の負債を抱え倒産和議申請)[4]。その後も倒産を題材に『傷心〜きずごころ』でCDデビューも果たすなど話題にはこと欠かなかった。

2002年にはコンパイル二度目の倒産(破産宣告を受ける)。翌年、再建は断念し、有限会社アイキに権利を譲渡すると、コンパイルは解散した。仁井谷自身も約90億円の借金を抱えており[2]自己破産した。

その後、2002年より有限会社アイキの代表取締役社長に就任するが、2005年よりゲームコンテンツの知的財産権をD4エンタープライズへ譲渡し、2006年千葉地方裁判所より破産手続開始、2007年に破産廃止となっている。

また、デジタルエンタテインメントアカデミー代々木アニメーション学院にて講師を務めていた事がある。しかし、2009年にデジタルエンタテインメントアカデミーは閉校、代々木アニメーション学院の講師も同時期に退任。

2006年、元データイースト社員の桑名真吾によって、アイディアファクトリー株式会社の関連子会社としてコンパイルを社名に冠したコンパイルハートが設立され、仁井谷が開発の監修を行う『のーみそコネコネパズル たころん(発表当時の仮題)』が発表された。しかし、同年内にコンパイルハートから仁井谷との関係解消が発表され、同作も『のーコネパズル たころん』へと改題された。

これ以降、仁井谷は業界の表舞台から去っていたが、2011年2月頃からTwitterを始め、旧来のファンに向けて「MOOのツイッター教室」と題したつぶやきを展開するなど、公での活動を再開した。しかし、「MOOのツイッター教室」は2011年4月2日をもって程なく終了している。

2011年4月13日19:00 - 20:00、ネットTV番組『オトナコドモラボ』に出演。

2015年10月22日、テレビ東京ヨソで言わんとい亭」に出演。2015年現在、千葉県内の家賃5万円、2DKのアパートに住み、アルバイトで生計を立てながら一人でニンテンドー3DS用のゲームソフト『にょきにょき たびだち編』の開発に取り掛かっていることを明かす[5]

2016年4月には、同作を発売するための法人として「コンパイル○」(登記上の社名は「コンパイル丸株式会社」)を設立し、代表取締役社長に就任。

同年7月に開催されたBitSummit 4thに同作を出展、自社ブースで姿を見せた[6]。同年11月16日、かねてより開発を進めていた『にょきにょき たびだち編』の配信を開始する[7]。『にょきにょき』のPRを兼ねて広報担当のアイドルユニット「にょきにょき24」のメンバーである「みちゃき」と共に漫才コンビ「たにんどん」を結成してM-1グランプリ2017に出場し、ナイスアマチュア賞受賞[8]

この「にょきにょき」の発売イベントは、2017年12月5日放送の「マジか!その後の人生天才10人今を大追跡スペシャル」(テレビ東京)で報じられた。

シングル

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  1. 傷心
  2. 傷心(カラオケ)
  3. 傷心(一般用メロ入りカラオケ)
  4. ゲームしようよ!
    • 作詞:仁井谷正充、作曲・編曲:田中勝己
  5. 茜色の時刻
    • 作詞:仁井谷正充、作曲・編曲:田中勝己

「傷心」は当時発売が予定されていた自社ゲーム『少女R』の主題歌として発表されたが、同作は後に開発中止となった。その後、「傷心」と「ゲームしようよ!」は、自社ゲーム『ぷよぷよDA! -featuring ELLENA System-』のシステムBGMとしても使用されている。

その他CDの出演

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  • 『大打撃』(1994年12月3日、コンパイル)
    • 「hip-house classics [bound for the Moo Moo land’94]」
    原曲は『魔導物語音楽館』収録曲「ヒップハウス・コンパイル」だが、仁井谷の声がサンプリングとして加えられている。後に音楽ゲーム『ぷよぷよDA!』にもこちらのバージョンを元にしたものが「Hip House Compile Classix'95」としてアレンジ収録。
  • 『ぷよぷよ DX. Complete Best Album 1』(1998年7月23日、テイチク)
    • 「ずっと/そばに/いるよ」
    仁井谷がリードボーカルを務めたバージョン。原曲とは一部歌詞が異なる。
    • 「MOO社長・衝撃のコメント」
    仁井谷によるトーク。
  • 『ぷよぷよ通 DX. Complete Best Album 2』(1998年9月23日、テイチク)
    • 「ぷ.よ.ぷ.よ.」
    田中勝己のアルバム「ぷよマン」収録の物とは異なるバージョン。
  • 『ぷよぷよSUN DX. Complete Best Album 3』(1998年11月21日、テイチク)
    • 「傷心」
    シングル版とは異なるバージョンで、一部歌詞が異なる。

自社ゲームでの出演

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声の出演

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自社ゲームにて声優としても出演していた。

ゲームキャラクター

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その他出演

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テレビ

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  • 朝まであらびき団スペシャル あら-1グランプリ2017(2017年12月29日、TBS)[10] - みちゃきと共にお笑いコンビ「たにんどん」として出演

ウェブテレビ

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j MOO仁井谷さんってどんな人?
  2. ^ a b 佐々木洋輔 (2017年5月19日). “ぷよぷよランドと仁井谷さん…ぷよぷよのごとく夢はじけ借金90億円”. withnews. 朝日新聞社. 2020年8月11日閲覧。
  3. ^ 箭本進一 (2016年9月20日). “コンパイルという十字架,蟄居の気持ちから再起して「にょきにょき」へ。コンパイル○社長・仁井谷正充氏インタビュー”. 4Gamer.net. 2020年8月11日閲覧。
  4. ^ コンパイルが和議申請 PC Watch 1998年3月18日
  5. ^ ぷよぷよ生みの親はバイト生活、コンパイル創業者が誕生秘話や近況。 Narinari.com 2015年10月23日
  6. ^ 「BitSummit 4th」が京都・みやこめっせで本日開幕。注目タイトル10本と合わせて会場レポートをお届け 4Gamer.net 2016年7月9日
  7. ^ にょきにょき たびだち編 任天堂
  8. ^ たにんどん | コンビ情報”. M-1グランプリ 公式サイト. 2022年9月16日閲覧。
  9. ^ セガが2003年に再発売したPlayStation版(およびゲームアーカイブス版)では諸事情により、別の声優で録り直した物に差し替えられている。
  10. ^ 仁井谷正充 @mooniitani”. twitter (2017年12月23日). 2017年12月30日閲覧。
  11. ^ 「M-1ナメてるグランプリ」が開催!とにかく売れたいグラドル、67歳「ぷよぷよ」開発者、ギャルモデルらが出場”. Abema TIMES (2017年12月22日). 2017年12月30日閲覧。
  12. ^ たにんどん Abema TV進出!!”. 夢がにょきにょきプロジェクト. 2017年12月30日閲覧。

関連項目

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  • 株式会社コンパイル - 1982年の設立当時より代表取締役社長を務めていた。2002年解散、2003年破産、2004年破産廃止。
  • 有限会社アイキ - 2002年の設立後、2004年より代表取締役社長を務めていた。2006年破産。2007年破産廃止。
  • コンパイル丸株式会社 - 2016年の設立時より代表取締役社長を務めている。
  • 株式会社D4エンタープライズ - 2005年11月以降かつてのコンパイルおよびアイキの所有していた知的財産権・営業権を引き継いでいる。
  • 株式会社コンパイルハート - 2006年6月の創業時に仁井谷正充と監修契約を結んでいた。2006年12月に契約解除。2010年10月以降、D4エンタープライズのライセンシーとして「コンパイル」のぷよぷよシリーズを除くコンシューマゲームソフトの営業権を取得している。
  • 株式会社セガホールディングス - 1998年3月に『ぷよぷよ』シリーズの知的財産権・営業権を取得した株式会社セガ(後の株式会社セガゲームス)より引き継ぎ、2015年4月以降同シリーズの知的財産権・営業権を保有している。

外部リンク

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