Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/下関条約 20200111
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選考終了日時:2020年1月25日 (土) 00:05 (UTC)
- (自動推薦)2019年12月の月間強化記事賞受賞記事。--Trgbot(会話) 2020年1月11日 (土) 00:05 (UTC)
- 反対 :日清戦争の講和を巡り、前後の経緯まで全体像が把握できるよう記述されているところは評価しますが、以下の点から、現状では良質な記事には否定的です。
- 1. 出典について
- 参考文献が通史ばかりで、日清戦争の専門書を参照していないのは正直物足りなさを感じます。日清戦争研究の定番とされる藤村道生『日清戦争』(岩波新書)や、近年出版された大谷正『日清戦争』(中公新書)、古結諒子『日清戦争における日本外交』(名古屋大学出版会)なども目を通したほうが良いでしょうし、原田敬一の本にしても岩波新書のほか『戦争の日本史19 日清戦争』(吉川弘文館)をお勧めします。
- それと、大きな問題だと思うのが、わずか数ページから大部分を参照(引用?)することが著作権侵害の点で大丈夫か、ということです。例えば、加藤祐三(1998)では5ページから40か所を参照していますが、同書と本記事を比較するに、若干の表現と記述順序を直しただけで大部分が原文に非常に似ており、個人的には許容範囲を超えていると感じました。
- 2. 脚注について
- 特に蹇蹇録についてですが、「 a b c d e f g h i j k 『新版 蹇蹇録』(1983)pp.199-215」のように数十ページを一つの脚注番号でまとめているため、原典のどの箇所を参照したのか確認するのが非常に困難です。脚注番号の数は増えますが、もっと細分化すべきでしょう。
- 実際に原典を確認すると原典に書いていないのに出典とされているものや、原典と異なる記述も散見され、今一度原典と記事をチェックしたほうが良いと思います。私も気づいたところは適宜直します。
- 個人的趣味もありますが、一か所に脚注を多数付けるのは過剰ではないかと。例えば「概要節の条約内容」には6個脚注が付いていますが、いずれの本も条約本文を参考にしているのでしょうし、条文へのリンクを貼れば1個で十分なのでは。複数の本で明らかに蹇蹇録を参考としている記述も、そのすべての本を出典として載せるのではなく、蹇蹇録だけ挙げれば良いのではないでしょうか。
- 3. 内容について
- これは感想ですが、他記事との内容重複を避けるため「条約の影響」節は、そこまで書く必要があるかという気がしました。むしろ、日清戦争の「影響」節に記述すべきで、本記事はもっと下関条約(講和交渉)に特化しても良いのではないかと思います。
--Iso10970(会話) 2020年1月11日 (土) 09:55 (UTC)
- 【法学の視点】当記事は条約、つまり法律の記事です。その法律が成立した背景として軍事史があり、軍事史の方が読み物として面白いのですが、だからといってメインとなる法律解説を疎かにして良いわけではないでしょう。(まだ不完全なものを晒すのは躊躇されますが) 「ベルヌ条約」と当記事を比較してみて下さい。法律としての解説基本パーツが欠損していることが分かると思います。
- たとえば、国際条約はそれ単体では社会に影響を及ぼさず、条約履行のために必要に応じて国内法を立法・改正していく必要があります。それについて、下関条約では記述が不足しているのは致命的です。また、下関条約が後に何の法律によって実質効力を失ったのか、についても不足しています。法律の改廃は必ず書くべきです。
- さらに、いわゆる不平等条約と呼ばれるものは世の中にいくつか存在しますが、法的にどのようなパターンの違いがあるのか、といった解説がなされていません。ベルヌ条約で例示すれば、ローマ条約との違いとして、内国民待遇の範囲を挙げています。万国著作権条約との違いの一つとして、遡及効なのか不遡及なのかの違いが書かれています。ベルヌ条約とTRIPS協定の違いとして、国際紛争解決手段が書かれています。こういう法学的な解説をちゃんとやってほしいです。
- 【まとめのない事実列記】Iso10970さんのご指摘同様、私も日清戦争などの関連記事との書き分けに難があると感じます。さらに条約の影響節だけでなく、条約成立の交渉経緯そのものも「物語風」であり、百科事典としては私は書きすぎだと思います。というのも、本来は1点目の法学的な視点 (主) を解説するために、説明変数として交渉経緯 (従) が述べられるべきだと考えるからです。すなわち、1点目の視点が足りないので、本に書いてある史実を何でもかんでも引用してきてしまったのではないでしょうか。
- ただし、交渉経緯をも当記事で詳しく書くべきだ、と反駁する方がいるかもしれません。その場合は、せめて交渉経緯 (つまり争点) もサマリーを書いてほしいのです。現在は、大量にある交渉経緯をすべて読まないと要点がつかめない構成になっています。(再び不完全な記事を比較例に出して恐縮ですが)、和解交渉で紆余曲折し、長期間すったもんだした例として「全米作家協会他対Google裁判」を挙げておきます。概要節に箇条書きで3点、争点サマリーを書いているパターンです。一般読者は導入節 + 概要節しか読まない人も多い (WP:LEAD)、ということを意識した造りに改稿されることを希望します。
- 【引用の合法性】Iso10970さんから挙がっている引用過多については、著作権侵害のおそれとして別途検証すべきでしょう。当選考ページではなく、記事ノートページ側に後ほどフォローアップの私見を述べさせて頂きます。
- 気付いたら枝葉ばかり膨れ上がってしまう、というのは私自身も陥りがちなので、半分自戒の念を込めて講評を述べさせて頂きました。--ProfessorPine(会話) 2020年1月18日 (土) 01:19 (UTC)
- ProfessorPineさんの指摘はもっともと思いますが、若干のコメントを。
- 法学の視点についてはあったほうが良いでしょうが、実際加筆できるかというと正直難しいのではないかと思います。というのも、これまでの日清戦争研究は外交や軍事、国内政治等の視点が中心で、条約の法律面に触れた文献はほとんど無いんじゃないかと思えるからです(私が無知なだけかもしれませんが)。書けるとすれば、下関条約で新たに認められた中国国内の開港地の増加や通航地域の拡大等が最恵国待遇により列強諸国にも効果を及ぼしたことや、新たに領土となった台湾に関する日本国内の法整備といったことくらいじゃないでしょうか。
- 関連記事との書き分けについては、非常に悩ましいです。私自身、三国干渉を加筆しようとしていたことがありますが、日清戦争開戦時から絶えず列強諸国の顔色を窺い、また軍事面でも直隷決戦を行うか否か決断を求められてたといった背景に触れないと、なぜ、このタイミングで締結し、この条約内容になったのか、そして直後に三国干渉を受けたのか理解しにくいところがあります。とは言っても下関条約、三国干渉などに同じような話を書いても重複するだけなので、日清戦争に「講和までの外交過程」といった節を設けてまとめて記載してしまったほうが良いのかもしれません。--Iso10970(会話) 2020年1月18日 (土) 03:21 (UTC)
- コメント書き分けに関しては、ウィーン会議/ウィーン議定書、パリ講和会議/ヴェルサイユ条約のように、日清講和会議という記事を別途につくってしまった方がよいのかもしれませんね。私が今回の加筆で最も興味をひかれたのは、その部分ですから。「下関条約」の法学の視点はProfessorPineさんにお任せしたいと思います。「影響」欄に関してはIso10970さんおっしゃるように、日清戦争にゴソッと動かしてもよいと思います。ハッキリ言うと、ここまで詳しく書くつもりもなかったのですが、なりゆきというか乗りかかった船というかそんな感じです。それで著作権にひっかかりそうな案件になってしまったのですから、皮肉な話です。ただ、やはり「(日清戦争の影響というよりかは)下関条約の影響」と呼びべき事象も(賠償金をはじめ)ありますから、そこは軽くであっても本記事でふれた方がよいでしょう。この記事を加筆するためにいろいろ読みましたが、「三国干渉」はかなり奥行きの深いテーマだと感じました。実は、イギリス外交やイタリア外交にまで言及しないと完成しない話です。Iso10970さんの加筆を楽しみにしております。とりあえずいったん私の加筆分は削除して、また、やる気になったら再度チャレンジしたいと思います。おふたりとも、御精読ありがとうございました。--Greenland4(会話) 2020年1月18日 (土) 13:57 (UTC)
- 法学の視点については、今後加筆者が現れるかもしれないので、備忘録として補足しておきます。イメージとしては落合淳隆 (国際法学者、国家領域論専門)「国際法からみた日本の近代化 - 国家主権を中心として -」や、中網栄美子 (国際法制史専門)「近代日本の国際法継受と治外法権 文明国・野蛮国・未開国における裁判の比較考察」みたいな文献ですね。あくまでイメージサンプルであり、もう少し下関条約を厚く記したものは他にあるはずです。法学者の書籍や論文は、ピンポイントに「○○条約」と題したものは少ないです。というのも、法学者にとっては条約はOne of themでしかなく、むしろ法理とか法源の共通項で括って分析する思考回路だからです。そのため、条約名で文献検索してしまうと、歴史学者や政治学者の文献ばかりヒットして、法学的な文献は見つかりづらい特性があります。
- 私はWikipedia上の条約記事はそこそこ読んでいる方ですが、残念ながらスタブ状態が多いです。または今回のように交渉すったもんだ経緯だけが詳細に書かれているTPP協定みたいなパターンのいずれかです。法学的な観点から加筆する場合、まずは抽象的な大項目を編集し、その過程で条約についても言及されていたので、ついでに加筆しておくという執筆スタイルを取らざるを得ないんですよね。それまでの間、条約記事がスタブ状態でもまぁあまり気負わず、将来の書き手に委ねておけば良いでしょう。PJ:LAWは人手不足ですし。例に挙げたベルヌ条約なんて、加筆リクエストがノート上に出てから、実際に私が加筆するまで15年かかっています (笑)。
- 条約そのものの記事と、その交渉会議の記事を物理的に分離するのは、良案だと思います。{{Pathnav}}を冒頭に掲示して、下関条約と日清戦争の両方を親ページとして、子記事の日清講和会議に誘導するツリー構造にすれば、読者も混乱が少ないと思います。--ProfessorPine(会話) 2020年1月21日 (火) 02:53 (UTC)
- コメント書き分けに関しては、ウィーン会議/ウィーン議定書、パリ講和会議/ヴェルサイユ条約のように、日清講和会議という記事を別途につくってしまった方がよいのかもしれませんね。私が今回の加筆で最も興味をひかれたのは、その部分ですから。「下関条約」の法学の視点はProfessorPineさんにお任せしたいと思います。「影響」欄に関してはIso10970さんおっしゃるように、日清戦争にゴソッと動かしてもよいと思います。ハッキリ言うと、ここまで詳しく書くつもりもなかったのですが、なりゆきというか乗りかかった船というかそんな感じです。それで著作権にひっかかりそうな案件になってしまったのですから、皮肉な話です。ただ、やはり「(日清戦争の影響というよりかは)下関条約の影響」と呼びべき事象も(賠償金をはじめ)ありますから、そこは軽くであっても本記事でふれた方がよいでしょう。この記事を加筆するためにいろいろ読みましたが、「三国干渉」はかなり奥行きの深いテーマだと感じました。実は、イギリス外交やイタリア外交にまで言及しないと完成しない話です。Iso10970さんの加筆を楽しみにしております。とりあえずいったん私の加筆分は削除して、また、やる気になったら再度チャレンジしたいと思います。おふたりとも、御精読ありがとうございました。--Greenland4(会話) 2020年1月18日 (土) 13:57 (UTC)
- 反対 加筆者によって加筆が差し戻され、著作権侵害としてWikipedia:削除依頼/下関条約が提出されております。加筆前の記事には出典が一切なく、良質な記事の目安を満たさないものと思います。--Reiwa period(会話) 2020年1月19日 (日) 01:32 (UTC)
- 反対 あくまでざっと見レベルでの印象と前置きしますが、条約交渉中に発生した李鴻章狙撃事件の記事と比べても、全体的に内容が薄い印象を受けました。ここまでのIso10970、ProfessorPine両氏の見解は全く妥当なもので、また削除依頼も提出されていることから、少なくとも今回の選考では取り下げなどを検討してもいいかもしれませんし、内容が大幅に改善されてから再び選考にかけても遅くはないでしょう。--Ogiyoshisan(会話) 2020年1月20日 (月) 22:10 (UTC)
- コメント 自動推薦なので、「取り下げ」は必要ないと思います。反対票3票で何時間かしたら自動的に見送りになるはずです。--Greenland4(会話) 2020年1月21日 (火) 00:41 (UTC)
- (却下)反対票のみ3票集まり、48時間その状態が継続いたしましたので、早期終了となります。--Reiwa period(会話) 2020年1月21日 (火) 08:16 (UTC)