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「ヤマブキ」の版間の差分

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古歌にも好んで詠まれ、しばしば蛙(かわず(旧かな表記では「かはづ」))とともに詠み合わせられる。[[太田道灌]]と八重山吹の話はよく知られている。詳細は、[[太田道灌#逸話]]を参照。なお、件の歌については、普通は八重咲き山吹には実がつかないことを述べた歌とされるが、「七重八重」を山吹が積み重なる様に咲く様子を述べたと解し、ヤマブキの果実が堅くて食えないので、「山ほど花が咲くのに、食える実がつかないのは情けない」とする解釈もあるらしい。
古歌にも好んで詠まれ、しばしば蛙(かわず(旧かな表記では「かはづ」))とともに詠み合わせられる。[[太田道灌]]と八重山吹の話はよく知られている。詳細は、[[太田道灌#逸話]]を参照。なお、件の歌については、普通は八重咲き山吹には実がつかないことを述べた歌とされるが、「七重八重」を山吹が積み重なる様に咲く様子を述べたと解し、ヤマブキの果実が堅くて食えないので、「山ほど花が咲くのに、食える実がつかないのは情けない」とする解釈もあるらしい。


'''山吹色'''といえば、[[オレンジ色]]と[[黄色]]の中間色のことである。下のような色である。往々にして[[小判]]の色をこれにたとえる。
'''山吹色'''といえば、[[オレンジ色]]と[[黄色]]の中間色のことである。下のような色である。往々にして[[小判]]の色をこれにたとえる。本来は植物のヤマブキの色の意であるが、誤って「やまぶ」+「黄色」と解している例もある。[[京都大学霊長類研究所]]の中村克樹も小学生の頃このように解釈しており、「やまぶ」とはどういう意味なのか悩んだという<ref>「中村克樹のDo・you・脳? 71 「眼光紙背に徹す」」『毎日新聞』2015年2月6日付朝刊18面(岐阜)。</ref>


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画像:Futatabi park15st3200.jpg|ヤマブキ(一重)<br />[[再度公園]]
画像:Futatabi park15st3200.jpg|ヤマブキ(一重)<br />[[再度公園]]
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==脚注==
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2019年7月15日 (月) 10:00時点における版

ヤマブキ
ヤマブキ(一重)
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : サクラ亜科 Amygdaloideae
: ヤマブキ属 Kerria
: ヤマブキ K. japonica
学名
Kerria japonica (L.) DC.
和名
ヤマブキ(山吹)
英名
Japanese kerria

ヤマブキ(山吹、棣棠、学名:Kerria japonica)は、バラ科ヤマブキ属(本種のみの一属一種)の落葉低木。黄金色に近い黄色の花をつける。季語

学名はスコットランドの植物学者のウィリアム・カーに由来する。

特徴

低山の明るい林の木陰などに群生する。樹木ではあるが、は細く、柔らかい。背丈は1mから、せいぜい2m、立ち上がるが、先端はやや傾き、往々にして山腹では麓側に垂れる。地下に茎を横に伸ばし、群生する。は鋸歯がはっきりしていて、薄い。

晩春に明るい黄色の花を多数つける。多数の雄蕊と5~8個の離生心皮がある。心皮は熟して分果になる。

北海道から九州まで分布し、国外では中国に産する。古くから親しまれた花で、庭に栽培される。花は一重のものと八重のものがあり、特に八重咲き品種(K. japonica f. plena)が好まれ、よく栽培される。一重のものは花弁は5枚。

似たもの

シロヤマブキ(Rhodotypos scandens (Thumb.) Makino)もあるが別属である。日本では岡山県にのみ自生しているが、花木として庭で栽培される事が珍しくない。こちらは花弁は4枚。

文化

古歌にも好んで詠まれ、しばしば蛙(かわず(旧かな表記では「かはづ」))とともに詠み合わせられる。太田道灌と八重山吹の話はよく知られている。詳細は、太田道灌#逸話を参照。なお、件の歌については、普通は八重咲き山吹には実がつかないことを述べた歌とされるが、「七重八重」を山吹が積み重なる様に咲く様子を述べたと解し、ヤマブキの果実が堅くて食えないので、「山ほど花が咲くのに、食える実がつかないのは情けない」とする解釈もあるらしい。

山吹色といえば、オレンジ色黄色の中間色のことである。下のような色である。往々にして小判の色をこれにたとえる。本来は植物のヤマブキの色の意であるが、誤って「やまぶ」+「黄色」と解している例もある。京都大学霊長類研究所の中村克樹も小学生の頃このように解釈しており、「やまぶ」とはどういう意味なのか悩んだという[1]


近似色

市区町村の花に指定されている自治体

ギャラリー

脚注

  1. ^ 「中村克樹のDo・you・脳? 71 「眼光紙背に徹す」」『毎日新聞』2015年2月6日付朝刊18面(岐阜)。

関連項目