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2020年8月25日 (火) 22:57時点における版

 AFCアジアカップ2004
2004 AFC Asian Cup
開幕戦及び決勝戦の会場となった北京工人体育場
大会概要
開催国 中華人民共和国の旗 中国
日程 2004年7月17日 - 8月7日
チーム数 16 (AFC連盟)
開催地数(4都市)
大会結果
優勝 日本の旗 日本 (3回目)
準優勝 中華人民共和国の旗 中国
3位 イランの旗 イラン
4位 バーレーンの旗 バーレーン
大会統計
試合数 32試合
ゴール数 96点
(1試合平均 3点)
総入場者数 1,020,050人
(1試合平均 31,877人)
得点王 イランの旗アリ・カリミ
バーレーンの旗アラー・フバイル(5点)
最優秀選手 日本の旗中村俊輔
 < 20002007

AFCアジアカップ2004は、中華人民共和国で開催されたAFCアジアカップの第13回目に当たる大会。2004年アテネオリンピックの直前となる2004年7月17日から同年8月7日にかけて、北京市重慶市成都市済南市の4つの都市で試合が行われた。日本が前回大会に続いて2連覇を果たし、FIFAコンフェデレーションズカップ2005への出場資格が与えられた。最優秀選手に中村俊輔が選ばれた。

大会総括

日本の連覇

日本代表は小野伸二と高原直泰が同年のアテネ五輪へのオーバーエイジ参加を優先して欠場(高原はその後、エコノミークラス症候群の影響で五輪も不参加)、移籍が決まったばかりのイタリアセリエA・メッシーナへの早期合流を希望していた柳沢敦も招集が見送られたほか、負傷などで中田英寿、稲本潤一、久保竜彦、坪井慶介らが不参加と多くの主力選手を欠きながらも、中村俊輔の活躍や、それまで海外組にレギュラーを奪われていた国内組の奮起によって決勝トーナメントでは苦戦の連続を制し、二大会連続の優勝を飾った。

各国のレベル均等化

バーレーンやヨルダンはその典型例で、両者は前回大会には出場すらできなかったにもかかわらず、それぞれベスト4、ベスト8の好成績を挙げた。中央アジア、東南アジアから2チームが出場した。これは、出場枠が前回より4増えたことにもよるが、当時のAFC会長は「前回大会と比べて全体の競技レベルは下がらず、むしろ上がったように感じた」と今大会全体を総括している。

その一方で、カタール代表監督のフィリップ・トルシエは、成績不振を理由に大会途中で解任されている。

中国サポーターによるブーイング

日本はグループステージから決勝までの数試合、国歌演奏時や試合中に激しいブーイングを受けた。日本代表監督のジーコは「国歌演奏のときにブーイングするのは納得がいかない」と中国人のマナーについてコメントしている。特に、準々決勝のヨルダン戦では、日本の国歌演奏では観客の半数ほどは座ったままで、試合中は激しいブーイングが起き、PK戦では日本が外すと大歓声が起きた。この試合で日本は勝利を収めたものの、日本の勝利が決まった瞬間、日本のサポーターが歓声を上げると周りの観衆は紙コップなどのゴミをサポーターに向かって投げつけ、罵声を浴びせた。終了後、日本サポーターは警備員に囲まれて会場を後にした。尖閣諸島の領有権を主張する横断幕も掲げられ、観客のほとんどはヨルダンを応援していた。

重慶市内の中国人大学生は「小泉首相の靖国神社参拝など日本政府に不満があり、こんなに何万人もの人と一緒に不満を表せる機会はなく、とても楽しい」と話した。また中国では日本の試合が一部生中継されなかった。

中国青年報は、これらの行為について「こうした愛国には誰も喝采しない」とし「スポーツと政治を混同するな」と指摘し「北京五輪が待っていることを忘れるな」と書いている。中国紙が反日行為を咎めるのは珍しく、上記の生中継中止も含めて、2008年の北京五輪を前に人種差別的な行為に対する国際社会からの非難を避けたかったがための中国共産党の対応だったといえる(中国では香港マカオを除きほぼ全てのメディアが中国共産党の影響下にあるため。ただ、香港・マカオでも中国共産党色の強いメディアが増えている)[1]

U-23イラク代表の奮闘

イラク代表は、イラク戦争の戦乱により多くのA代表選手を失っていた。そこで将来へ向けての強化策として、AFCユース選手権2000で優勝した世代で、この年に開催されるアテネ五輪への出場を決めていた23歳以下の代表で臨むことを決めた。

このような事情もあって彼らの大会前の評判は低かったものの、いざ大会が始まるとグループリーグでサウジアラビアを2-1で破り、グループ2位で決勝トーナメント進出を果たした。準々決勝で地元中国に0-3で敗れたが、今大会の経験がアテネ五輪で4位に食い込む原動力のひとつとなり、AFCアジアカップ2007で優勝を果たした。

PK戦中のサイド変更

準々決勝、日本-ヨルダン戦は同点のままPK戦にもつれ込んだ。日本の第一キッカー中村俊輔、第二キッカー三都主アレサンドロはいずれも枠を外してしまったが、これはPKスポット付近の芝が荒れており、軸足が滑ったためである。これを見かねた主将の宮本恒靖は「こんなPK戦はフェアではない」と主審に詰め寄り英語で交渉、主審の判断によりPKサイドが変更された[2]。サイド変更後のPK戦は、日本のゴールキーパー川口能活が神がかり的なセーブを連発し、各7名のキッカーで4-3という接戦を制した。ちなみに日本の最後のキッカーは当のキャプテン宮本であった。

予選

本大会

全試合、試合開始時刻は中国標準時UTC+8)である。

本大会出場国

前回大会より4枠増え、16ヶ国による対戦となった。

開催都市とスタジアム

都市 競技場
北京市 北京工人体育場
済南市 山東体育場
成都市 成都竜泉駅足球場
重慶市 重慶市奥林匹克体育中心

グループリーグ

出場16チームを4グループに分けて1回戦総当たり方式で行われた。 上位2チームがノックアウト方式の決勝トーナメントに進出した。

グループA

国名 勝点 試合 得点 失点
中華人民共和国の旗 中国 7 3 2 1 0 8 2 +6
バーレーンの旗 バーレーン 5 3 1 2 0 6 4 +2
インドネシアの旗 インドネシア 3 3 1 0 2 3 9 -6
カタールの旗 カタール 1 3 0 1 2 2 4 -2


中華人民共和国の旗 中国 2 - 2 バーレーンの旗 バーレーン
鄭智 58分にゴール 58分 (pen.)
李金羽 66分にゴール 66分
モハメド・フバイル 41分にゴール 41分
フセイン・アリ 89分にゴール 89分
北京工人体育場北京
観客数: 40,000人

カタールの旗 カタール 1 - 2 インドネシアの旗 インドネシア
マジド・ムハメド 83分にゴール 83分 ブディ・スダルソノ 26分にゴール 26分
ポナリオ・アスタマン 48分にゴール 48分
北京工人体育場北京
観客数: 5,000人

バーレーンの旗 バーレーン 1 - 1 カタールの旗 カタール
モハメド・フバイル 90+1分にゴール 90+1分 ウェサム・リジク 58分にゴール 58分 (pen.)
北京工人体育場北京
観客数: 48,000人

中華人民共和国の旗 中国 5 - 0 インドネシアの旗 インドネシア
邵佳一 24分にゴール 24分65分
郝海東 39分にゴール 39分
李明 51分にゴール 51分
李毅 80分にゴール 80分
北京工人体育場北京
観客数: 48,000人

バーレーンの旗 バーレーン 3 - 1 インドネシアの旗 インドネシア
フセイン・アリ 43分にゴール 43分
アラ・フバイル 57分にゴール 57分
タラル・ユスフ 82分にゴール 82分
エリー・アイボイ 75分にゴール 75分
山東体育場済南
観客数: 20,000人

中華人民共和国の旗 中国 1 - 0 カタールの旗 カタール
徐云龙 78分にゴール 78分
北京工人体育場北京
観客数: 60,000人

グループB

国名 勝点 試合 得点 失点
大韓民国の旗 韓国 7 3 2 1 0 6 0 +6
ヨルダンの旗 ヨルダン 5 3 1 2 0 2 0 +2
クウェートの旗 クウェート 3 3 1 0 2 3 7 -4
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 1 3 0 1 2 1 5 -4


大韓民国の旗 韓国 0 - 0 ヨルダンの旗 ヨルダン
山東体育場済南
観客数: 26,000人

クウェートの旗 クウェート 3 - 1 アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦
バシャール・アブドゥッラー 25分にゴール 25分
バデル・アル・ムトワ 40分にゴール 40分45分
ラシッド 47分にゴール 47分
山東体育場済南
観客数: 31,250人

ヨルダンの旗 ヨルダン 2 - 0 クウェートの旗 クウェート
カーレド・サイード 90+2分にゴール 90+2分
アル・ズボン 90+3分にゴール 90+3分
山東体育場済南
観客数: 28,000人

アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 0 - 2 大韓民国の旗 韓国
李東国 41分にゴール 41分
安貞桓 90+1分にゴール 90+1分
山東体育場済南
観客数: 30,000人

大韓民国の旗 韓国 4 - 0 クウェートの旗 クウェート
李東国 24分にゴール 24分40分
車ドゥリ 45+1分にゴール 45+1分
安貞桓 75分にゴール 75分
山東体育場済南
観客数: 15,000人

ヨルダンの旗 ヨルダン 0 - 0 アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦
北京工人体育場北京
観客数: 25,000人

グループC

国名 勝点 試合 得点 失点
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン 9 3 3 0 0 3 0 +3
イラクの旗 イラク 6 3 2 0 1 5 4 +1
トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン 1 3 0 1 2 4 6 -2
サウジアラビアの旗 サウジアラビア 1 3 0 1 2 3 5 -2


サウジアラビアの旗 サウジアラビア 2 - 2 トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン
ヤセル・アル・カフタニ 9分にゴール 9分 (pen.)59分 ナザール・バイラモフ 7分にゴール 7分
Begençmuhammet Kulyýew 90+3分にゴール 90+3分
成都竜泉駅足球場成都
観客数: 12,400人

イラクの旗 イラク 0 - 1 ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン
カシモフ 21分にゴール 21分
成都竜泉駅足球場成都
観客数: 12,400人

トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン 2 - 3 イラクの旗 イラク
Wladimir Baýramow 14分にゴール 14分
Begençmuhammet Kulyýew 85分にゴール 85分
ハワル・ムラ・モハメド 12分にゴール 12分
ラザク・ファルハン 81分にゴール 81分
クサイ・ムニール 88分にゴール 88分
成都竜泉駅足球場成都
観客数: 22,000人

ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン 1 - 0 サウジアラビアの旗 サウジアラビア
ゲインリフ 11分にゴール 11分
成都竜泉駅足球場成都
観客数: 22,000人


トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン 0 - 1 ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン
カシモフ 57分にゴール 57分

グループD

国名 勝点 試合 得点 失点
日本の旗 日本 7 3 2 1 0 5 1 +4
イランの旗 イラン 5 3 1 2 0 5 2 +3
オマーンの旗 オマーン 4 3 1 1 1 4 3 +1
タイ王国の旗 タイ 0 3 0 0 3 1 9 -8


日本の旗 日本 1 - 0 オマーンの旗 オマーン
中村俊輔 34分にゴール 34分

イランの旗 イラン 3 - 0 タイ王国の旗 タイ
レザ・エナヤティ 70分にゴール 70分
ジャバド・ネクナム 80分にゴール 80分
アリ・ダエイ 86分にゴール 86分 (pen.)

オマーンの旗 オマーン 2 - 2 イランの旗 イラン
イマド・アル・ホサニ 32分にゴール 32分41分 アリ・カリミ 72分にゴール 72分
モハマド・ノスラティ 90+4分にゴール 90+4分

タイ王国の旗 タイ 1 - 4 日本の旗 日本
ステー・スクサムキット 11分にゴール 11分 中村俊輔 21分にゴール 21分
中澤佑二 56分にゴール 56分87分
福西崇史 68分にゴール 68分

オマーンの旗 オマーン 2 - 0 タイ王国の旗 タイ
ランサン・ビバチャイチョック 11分にゴール 11分 (o.g.)
イマド・アル・ホサニ 49分にゴール 49分
成都竜泉駅足球場成都
観客数: 13,000人

日本の旗 日本 0 - 0 イランの旗 イラン

決勝トーナメント

ノックアウト方式で行われ、90分間の試合で勝敗が決しない場合は30分の(ゴールデンゴール方式やシルバーゴール方式でない)延長戦が行われ、さらに勝敗が決しない場合はPK戦によって勝者を決した。

トーナメント

 
準々決勝準決勝決勝
 
          
 
7月30日 - 北京
 
 
中華人民共和国の旗 中国3
 
8月3日 - 北京
 
イラクの旗 イラク0
 
中華人民共和国の旗 中国 1(PK4)
 
7月31日 - 済南
 
イランの旗 イラン1(PK3)
 
大韓民国の旗 韓国3
 
8月7日 - 北京
 
イランの旗 イラン4
 
日本の旗 日本3
 
7月30日 - 成都
 
中華人民共和国の旗 中国1
 
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン2(PK3)
 
8月3日 - 済南
 
バーレーンの旗 バーレーン 2(PK4)
 
バーレーンの旗 バーレーン3
 
7月31日 - 重慶
 
日本の旗 日本 4(aet) 3位決定戦
 
日本の旗 日本1(PK4)
 
8月6日 - 北京
 
ヨルダンの旗 ヨルダン 1(PK3)
 
イランの旗 イラン4
 
 
バーレーンの旗 バーレーン2
 

準々決勝

ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン 2 - 2
(延長)
バーレーンの旗 バーレーン
アレクサンドル・ゲインリフ 60分にゴール 60分
Vladimir Shishelov 86分にゴール 86分
アラ・フバイル 71分にゴール 71分76分にゴール 76分
  PK戦  
Andrei Fyodorov 成功
セルヴェル・ジェパロフ 成功
アレクサンドル・ゲインリフ 成功
Marat Bikmaev ミス
Leonid Koshelev ミス
3 – 4 成功 フセイン・アリ
ミス モハメド・ジュマ
成功 フセイン・ババ
成功 ファルハン
成功 アラ・フバイル
成都竜泉駅足球場成都
観客数: 18,000人

中華人民共和国の旗 中国 3 - 0 イラクの旗 イラク
郝海東 8分にゴール 8分
鄭智 79分にゴール 79分 (pen.)90+2分 (pen.)
北京工人体育場北京
観客数: 60,000人

日本の旗 日本 1 - 1
(延長)
ヨルダンの旗 ヨルダン
鈴木隆行 14分にゴール 14分 モハメド・シェルバイエ 11分にゴール 11分
  PK戦  
中村俊輔 ミス
三都主アレサンドロ ミス
福西崇史 成功
中田浩二 成功
鈴木隆行 成功
中澤佑二 ミス
宮本恒靖 成功
4 – 3 成功 アブズマ
成功 ラテブ
成功 ハテム
ミス シュボウル
ミス ファイサル
ミス アナス
ミス バシャル

大韓民国の旗 韓国 3 - 4 イランの旗 イラン
薛琦鉉 16分にゴール 16分
李東国 25分にゴール 25分
金南一 68分にゴール 68分
アリ・カリミ 10分にゴール 10分20分77分
朴珍燮 51分にゴール 51分 (o.g.)
山東体育場済南
観客数: 20,000人

準決勝

バーレーンの旗 バーレーン 3 - 4
(延長)
日本の旗 日本
アラ・フバイル 6分にゴール 6分 71分にゴール 71分
ナーセル 85分にゴール 85分
中田浩二 48分にゴール 48分
玉田圭司 55分にゴール 55分93分
中澤佑二 90分にゴール 90分
山東体育場済南
観客数: 32,000人

3位決定戦

イランの旗 イラン 4 - 2 バーレーンの旗 バーレーン
ジャバド・ネクナム 9分にゴール 9分
アリ・カリミ 52分にゴール 52分
アリ・ダエイ 80分にゴール 80分 (pen.)90分にゴール 90分
タラル・ユスフ 48分にゴール 48分
ファルハン 57分にゴール 57分
北京工人体育場北京
観客数: 10,000人

決勝

中華人民共和国の旗 中国 1 - 3 日本の旗 日本
李明 33分にゴール 33分 福西崇史 22分にゴール 22分
中田浩二 65分にゴール 65分
玉田圭司 90+1分にゴール 90+1分
北京工人体育場北京
観客数: 62,000人

最終結果

 AFCアジアカップ2004優勝国 

日本
2大会連続3度目

表彰

MVP 得点王 フェアプレー賞
日本の旗 中村俊輔 イランの旗 アリ・カリミ
バーレーンの旗 アラ・フバイル
中華人民共和国の旗 中国

ベスト11

GK DF MF FW

日本の旗 川口能活

日本の旗 宮本恒靖
日本の旗 中澤佑二
中華人民共和国の旗 鄭智

日本の旗 中村俊輔
中華人民共和国の旗 邵佳一
中華人民共和国の旗 肇俊哲
イランの旗 マハダヴィキア
バーレーンの旗 タラル・ユスフ

バーレーンの旗 アラ・フバイル
イランの旗 アリ・カリミ

得点ランキング

5 ゴール
4 ゴール
3 ゴール

関連項目

脚注

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