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== 党史 ==
== 党史 ==
=== 結党 ===
=== 結党 ===
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=== 地方議会に進出 ===
=== 地方議会に進出 ===
2015年4月に立花が[[千葉県]][[船橋市議会|船橋市議会議員]]に当選(会派「研政会」に所属<ref>{{Cite web |date=2016-1-26 |url=http://www.city.funabashi.lg.jp/assembly/012/p022018_d/fil/223_h27_4.pdf |format=pdf |page=4 |title=会派の抱負「研政会」 |work=ふなばし市議会だより 223号 |publisher= 船橋市議会 |accessdate=2021-06-21 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20191210204708/https://www.city.funabashi.lg.jp/assembly/012/p022018_d/fil/223_h27_4.pdf |archivedate=2019-12-10}}</ref>)したことで議席を得た<ref name="yf20160726">{{Cite web |author= |date=2016-07-26 |url=http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160726/plt1607261540005-n1.htm |title=【2016大乱闘 都知事選】「NHKぶっ壊す」の立花孝志氏 古巣の平均年収1800万円は「高すぎる」 |work=[[夕刊フジ]] |publisher= [[産業経済新聞社]]|accessdate=2017-11-13}}</ref>。
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2016年7月の[[第24回参議院議員通常選挙]]では、国会でNHKを糾弾してきた<ref>{{Cite web|title=『三宅博【前衆議院議】参議院選挙立候補予定者 NHKから国民を守る党は三宅博を全力で応援します』|url=https://ameblo.jp/nhkto/entry-12167087447.html|website=NHKから国民を守る党 公式ブログ|accessdate=2021-01-28|language=ja}}</ref>[[三宅博 (政治家)|三宅博]]([[日本維新の会 (2016-)|おおさか維新の会]])を支持した<ref>[https://ameblo.jp/nhkto/entry-12167087447.html 三宅博【前衆議院議】参議院選挙立候補予定者 NHKから国民を守る党は三宅博を全力で応援します - NHKから国民を守る党 公式ブログ]</ref>。
2016年7月の[[第24回参議院議員通常選挙]]では、国会で[[NHK]]を糾弾してきた<ref>{{Cite web|title=『三宅博【前衆議院議】参議院選挙立候補予定者 NHKから国民を守る党は三宅博を全力で応援します』|url=https://ameblo.jp/nhkto/entry-12167087447.html|website=NHKから国民を守る党 公式ブログ|accessdate=2021-01-28|language=ja}}</ref>[[三宅博 (政治家)|三宅博]]([[日本維新の会 (2016-)|おおさか維新の会]])を支持した<ref>[https://ameblo.jp/nhkto/entry-12167087447.html 三宅博【前衆議院議】参議院選挙立候補予定者 NHKから国民を守る党は三宅博を全力で応援します - NHKから国民を守る党 公式ブログ]</ref>。


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[[2016年東京都知事選挙]]に立花が立候補<ref>{{Cite news|title=2016都知事選(東京都知事選挙):候補者一覧:朝日新聞デジタル|url=http://www.asahi.com/senkyo/tochijisen/2016/koho/|accessdate=2018-07-24|language=ja-JP|work=朝日新聞デジタル}}</ref>(これにより船橋市議を失職)し、[[NHK放送センター]]で収録された[[政見放送]]でNHKの現状を批判、「'''NHKをぶっ壊す!'''」と連呼し注目を呼ぶが落選した<ref name="yf20160726" />。その後、立花は2017年1月の茨木市議選に立候補したが落選。同年6月に尼崎市議選で4人目の当選者を出す。その後同年7月に実施された東京都議選葛飾区選挙区からの立候補を経て、2017年11月葛飾区議選で当選。その後、町田市、春日部市、立川市、川西市、松戸市、八千代市、西東京市、台東区で同党所属議員を当選させている。

2021年11月17日 (水) 00:03時点における版

日本の旗 日本政党
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で
党首 立花孝志
副党首 丸山穂高
大橋昌信
政策調査会長 浜田聡
選挙対策本部長 黒川敦彦
成立年月日 2013年6月17日 (11年前) (2013-06-17)(NHK受信料不払い党として)
本部所在地
〒273-0005
日本の旗 日本
千葉県船橋市本町1-11-29[1]
衆議院議席数
0 / 465   (0%)
(2021年11月1日現在)
参議院議席数
1 / 245   (0%)
(2020年10月12日現在)
都道府県議数
0 / 2,668   (0%)
(2019年12月31日現在[2]
市区町村議数
27 / 29,762   (0%)
(2021年7月現在[2]
政治的思想・立場 ポピュリズム[3]
NHKスクランブル放送の実施[4][5]
消費税減税[5]
ベーシックインカム導入[5]
直接民主主義[6][5]
2040005020525 ウィキデータを編集
公式サイト www.syoha.jp
テンプレートを表示

NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で(エヌエイチケイとさいばんしてるとうべんごしほうななじゅうにじょういはんで)は、日本の政党。「NHKスクランブル放送化の実現」を最大の公約に掲げる[4][7]

2021年7月21日より現行党名。公職選挙法上の略称はNHK党(エヌエイチケイとう)。この他、報道においてはN党NHKN裁党などの略称も用いられている[8][9]。政党名となっている裁判の結果次第で「NHKとの裁判に勝ってしまった党」への党名変更を計画している[10]

党名

「NHKから国民を守る党」時代のロゴ
「NHKから自国民を守る党」時代のロゴ
「NHK受信料を支払わない方法を教える党」時代のロゴ

NHKから国民を守る党

「NHKから国民を守る党」時代の2019年参議員選挙において届け出た略称はN国党(エヌこくとう)で、この他報道においてはN国(エヌこく)の略称も用いられた[11][12]

「NHKから自国民を守る党」時代までの英語表記は、公式サイトによると「The Party to Protect Citizens from NHK」とされていた[13]。当初は正式な英称が定まっておらず、過去にはジャパンタイムズ毎日新聞英語版がThe Party to Protect the People from NHKと表記した例もあった[14][15]。なお2016年9月号の党通信の表紙では「Gurd the national from the NHK[注釈 1]」と記載されたことがある[16]

過去には同一名称であるが無関係の団体の候補者が出馬することがあった。2019年4月の第19回統一地方選挙では愛知県日進市議会議員選挙に「NHKから国民を守る党[注釈 2]」公認の新人候補が立候補し、落選している[20][21]

2021年5月、党首の立花をはじめとする党所属の関係者各人が代表となって、旧党名と同名の政治団体「NHKから国民を守る党」を各自でそれぞれ立ち上げている[22]。法規上はこの各政治団体は本項目の国政政党とは別の政治団体という位置づけとなる。また、この新たに立ち上げた政治団体「NHKから国民を守る党」は、後述する諸派党構想に参画する政治団体の一つとして名を連ねている[23]

NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で

党名の後半部分に付けられている「弁護士法72条[注釈 3]」とは、弁護士でない者が報酬目的で行う法律事務の取扱い行為、いわゆる非弁行為を禁止する規定であり[24]、NHKの外部委託会社が行う戸別訪問による受信料の集金業務がこの条に違反するとの主張を党は行っている[25][26]。2021年8月現在、この主張をめぐってNHKと裁判で係争中となっている[27][28]

2021年衆議院総選挙では「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の党名で戦った。立花は党名の語順について「倒置法を使って『NHKと裁判をしている』という大事な言葉を前にもってきた」とその狙いを説明している[27][29]

党名の変遷

期間 党名 公式英称/英語表記での他称 略称
2013年6月17日 - 同年7月23日 NHK受信料不払い党 ─/NHK License Fee Nonpayment Party
2013年7月23日 - 2020年12月21日 NHKから国民を守る党 The Party to Protect Citizens from NHK

/The Party to Protect the People from NHK

N国党
2020年12月21日 - 2021年2月5日 NHKから自国民を守る党 NHK[30]
2021年2月5日 - 同年5月17日 NHK受信料を支払わない方法を教える党 NHK Party[31]

/The Party That Teaches How Not to Pay the NHK License Fee

NHK党[32]
2021年5月17日 - 同年6月28日 古い政党から国民を守る党 The party to protect people from old political parties[33] 古い党[34]
2021年6月28日 - 同年7月21日 嵐の党 Storm Party あらし[35]
2021年7月21日 - NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で The party fighting against NHK in the trial for violating Article 72 of the Attorney Act[36] NHK党[27]

党史

結党

2013年6月17日に、元日本放送協会(NHK)職員でインターネットテレビ「立花孝志ひとり放送局」代表取締役社長の立花孝志が「NHK受信料不払い党」の設立を届出[37]7月23日に党名を「NHKから国民を守る党」に変更した[37]。同年9月大阪府摂津市議会議員選挙を皮切りに各種地方自治体選挙に候補者を擁立[38]

地方議会に進出

2015年4月に立花が千葉県船橋市議会議員に当選(会派「研政会」に所属[39])したことで議席を得た[40]

2015年12月には朝霞市議選でもともと船橋市在住だった大橋昌信が住所を朝霞市に移して、二人目の同党所属議員として当選。2016年4月には志木市議選で3人目の当選者を出した。

2016年7月の第24回参議院議員通常選挙では、国会でNHKを糾弾してきた[41]三宅博おおさか維新の会)を支持した[42]

2016年東京都知事選挙に立花が立候補[43](これにより船橋市議を失職)し、NHK放送センターで収録された政見放送でNHKの現状を批判、「NHKをぶっ壊す!」と連呼し注目を呼ぶが落選した[40]。その後、立花は2017年1月の茨木市議選に立候補したが落選。同年6月に尼崎市議選で4人目の当選者を出す。その後同年7月に実施された東京都議選葛飾区選挙区からの立候補を経て、2017年11月葛飾区議選で当選。その後、町田市、春日部市、立川市、川西市、松戸市、八千代市、西東京市、台東区で同党所属議員を当選させている。

東京や大阪など大都市圏のベッドタウンといった住民の流入や流出が激しい自治体を中心に候補者を擁立する傾向にあり、立花は新聞の取材において、NHKからの集金に困っている一人暮らしの学生や社会人が多そうな自治体や、『浮動票』の確保を目的として過去にみんなの党が議席を持っていた選挙区を、立候補者擁立の指標にしていると説明している[44]

街頭演説の場や郵送により立花代表や候補者の携帯電話番号を記載したNHK撃退シールを頒布し、玄関先などに貼ることを奨励し、多くの候補者自らがNHK集金人対応をすることをうたい、YouTube上に立花代表がNHK集金人の撃退方法やNHK営業センターへの訪問動画や政党の活動計画などを継続的に動画を投稿し、多くの登録者数を集め活動している。また、集合住宅を中心に受信料の不払い方法などを記載したビラをポスティングをするなどの活動を行っている。

統一地方選挙と党勢拡大

2019年統一地方選挙においては首都圏関西のベッドタウンを中心として47人が立候補し、26人が当選[45]。そのうち特別区議会選では行われた20区議会全区に候補を出し17人を当選させている[46]。同年の4月下旬から5月上旬にかけて、「『NHKは朝鮮人帰化人に支配されており、そのため偏向報道が行われている』(杉並区議・佐々木千夏の発言)など党の政策にそぐわない偏った思想を主張するようになった」とした5名の地方議員(具体的には、グロービートジャパン・らあめん花月嵐・日本平和神軍などの中杉弘の人脈)を、「参院選への選挙資金として課せられた130万円を支払う意思がない」として、除名処分とした[47]

所属議員が増えたことで、問い合わせが増えたことなどを理由にNHK集金人対応などを案内する2019年5月から受信料不払いコールセンターを統一地方選後に開設をし、同年6月26日から固定電話を引いて5回線でコールセンター用の部屋を借り体制を強化している。

NHKから国民を守る党所属議員がいる議会は全て議会内に会派制があり、NHKから国民を守る党所属議員は無会派及び「NHKから国民を守る党」または他の名称の一人会派を届け出て活動している事例[注釈 4]と、自由民主党及び保守系の議員による会派に参加して活動している事例が見られたが、2019年4月の第19回統一地方選挙で当選した地方議員から立憲民主党社会民主党系・元日本共産党などの左派革新系・リベラル系の議員、あたらしい党日本維新の会・元みんなの党・元日本創新党・元国民民主党などの右派・第三極系の議員、その他無党派系などの議員と会派を組む事例も出ている。

2019年6月には堺市長選に立花が出馬した(このため葛飾区議を失職)が落選した[48]

国政に進出

第25回参議院議員通常選挙については2019年4月26日、東京都庁記者会見を行い党公認候補者を擁立することを発表した。当初発表では比例区に立花孝志と他1名、東京都選挙区に大橋昌信と他6名[49][注釈 5]埼玉県選挙区に1名の計10名だったが、その後公認候補者を大きく増やし、比例区4名、選挙区37名[注釈 6]の計41名が立候補することとなった。比例区においては支持政党なし佐野秀光も立候補することで合意をしていたが、実現には至らなかった[51](佐野は安楽死制度を考える会より独自に立候補)。立花と大橋以外の地方議会議員経験者としては、元江戸川区議会議員田中健茨城県選挙区より[52]、元富士見市議会議員の石川新一郎が徳島県・高知県選挙区より立候補した[53]。開票の結果、NHKから国民を守る党は比例区において1議席を獲得し、党代表の立花が当選した[54]。選挙区においては37名全員が与野党候補に遠く及ばず落選[注釈 7]したものの、選挙区においての得票率2%を達成したことにより、公職選挙法政党助成法上における政党要件を満たした[55]。政党助成法が施行された1996年以降に国会議員経験者がいない政治団体が国政選挙で当選者を出しつつ得票率という形で政党助成法上の政党要件を満たして政党交付金を受け取れる状態になったのは初めてである。なお、NHKの選挙報道でも党名(略称の「N国」含む)と候補者名をテロップとアナウンスで紹介、受信料制度や放送法批判を含む演説内容もVTR放映されていた[56]

参院選後は、5名以上の国会議員を集めることにより国会内での活動範囲の拡大やNHK『日曜討論』などのテレビ討論への出演が可能となるとして、党勢拡大に向け無所属議員らの入党を呼びかける意向を示しており[6][57]、こうした議員に関しては「NHK問題以外は特に党議拘束をかけないので自由に行動してもらってかまわない」としている。このうち北方領土をめぐる戦争発言で日本維新の会除名された丸山穂高衆議院議員とは7月25日に会談を行い、29日に丸山から入党の意向を表明した[58]。また、翌30日には元・みんなの党代表の渡辺喜美参議院議員と渡辺を代表とする参議院会派「みんなの党」を結成したことを発表した。立花によると、渡辺にも入党を打診したものの断られたという[59]

7月31日、初めて議員会館の部屋に入った立花は自身の議員会館にテレビを設置し、NHKと受信契約を締結した上で不払いすることを宣言した[60]。あえて受信契約を締結することについては、法律上NHKとの契約の義務があることや、契約後の不払いであれば5年で時効となり、申し立てにより過去の受信料は消滅する[61]他、時効分は裁判でも請求できないことから、立花は受信契約を締結し、インターネット等の受信料窓口から振込用紙による支払いへ変更手続きを行った上で不払いをすることを推奨しており、議員会館についても同様に契約して不払いをするという[62]。その後、大阪市長松井一郎(日本維新の会代表)が「現職国会議員の受信料未払いをNHKが認めるなら、大阪市もやめさせてもらう」と語り、また大阪府知事の吉村洋文も「現職議員が受信料を踏み倒すというのが許されるなら府も払わない」、堺市長永藤英機も「国会議員の受信料不払いを黙認するなら市民も払うのがばかばかしくなる」と同調した[63]。これに対しNHKは7月30日に「受信料と公共放送についてご理解いただくために」と題し、受信設備があるのに受信料を支払わないのは違法だとする警告文を公式サイトに掲載[64]、8月9日には受信料制度への理解を求める番組を急遽制作し、ゴールデンタイムに3分間放送するなど対応に追われる事態となった[65]

8月10日、臨時総会を開き、幹事長に元ジャーナリストの上杉隆を充てる人事を決定した[66]。同月13日、政党助成法に基づく届け出を総務省に行い、正式に国政政党として発足[67]。16日には上杉が記者会見を行い、政権交代を目指すべく、次回の衆議院議員選挙の289小選挙区全てに候補者を擁立すると発表した[68]。9月4日、上杉の幹事長会見において、丸山穂高が8月15日付で副党首に就任したことを明らかにした[69]

8月25日に投開票が行われた埼玉県知事選挙には、参院選で比例区で立候補し立花に次ぐ得票を得た医師の浜田聡を党公認候補として擁立したが64,182票(得票率3.3%)で落選[70]。立花はこの日会見を開き「(党の)体力がつくまでは比例ブロックに1人ずつ出す」として全小選挙区への擁立方針を撤回した[71]

9月2日、去る4月の新宿区議選に党公認で立候補し当選した松田美樹・新宿区議会議員について、新宿区選挙管理委員会は区内での居住実態がないとして、当選無効を決定した[72]。同月24日、松田は東京都選挙管理委員会に異議を申し立てた。

9月9日、立花が二瓶文徳・中央区議会議員を脅迫した疑いで警視庁から任意での事情聴取を受けた。二瓶は同年4月の統一地方選でNHKから国民を守る党から出馬、当選後離党した経緯から立花から繰り返し批判されており、立花は取材に対し、「街中歩けなくしてやるぞという発言はしたと記憶しています。それが脅迫に当たるということであれば、最終的に裁判官の判断を待つしかない」とコメントした[73][74]。その後も複数回事情聴取を受けている。

10月10日、党首の立花が参議院埼玉県選挙区補欠選挙に立候補したことにより、参議院議員を失職。23日、第25回参議院議員通常選挙の比例代表選挙において次点の浜田聡の、立花の失職に伴う繰り上げ当選が官報において告示された[75]。25日、上杉が選対委員長を辞任し、立花が選対委員長を兼務するなどの人事を発表した(30日の党総会で承認後、正式就任)[76]

同年12月、立花は会派を組んでいる渡辺喜美に対し党名の「みんなの党」への変更を打診したが、渡辺側が同意せず、実現には至らなかった[77]

2020年1月31日、立花が4月26日投開票の衆議院静岡4区補欠選挙への出馬を表明[78]。3月27日、立花が立候補取りやめを表明[79]学校法人森友学園前理事長・籠池泰典に公認候補としての立候補を要請[79]。しかし、最終的に出馬を断念し、旧民進党系野党統一候補である元東京都議会議員の田中健と同姓同名の元江戸川区議会議員の田中健への差し替えを表明した[80]

3月14日、不正競争防止法違反と威力業務妨害の疑いで警視庁から党の事務所など数カ所の家宅捜索を受けた。前年の9月中旬、立花がNHKの受信料集金スタッフが所持するタブレット端末の画面を撮影し、各世帯の受信契約内容などを不正取得したほか、同11月中旬、NHK放送センター前や当時のNHK会長の上田良一宅前でこれらの情報を念頭に「ネット上に拡散する」と迫り、上田への面会を求めるなどし業務を妨害した疑いが持たれている[81][82]。4月7日に立花が書類送検され [83]、同月9日に在宅起訴された[84]

度重なる党名変更と諸派党構想

5月8日、立花が党名を「NHKとコロナの自粛から国民を守る党」に変更する意向を表明。世論の反応を見極め、今月中に変更するかどうかを最終決定するとしたが[85]、同月15日に撤回した[86]

2020年東京都知事選挙では立花が新たに政治団体「ホリエモン新党」を設立し、立花を含む3人がホリエモン新党公認、N国党推薦で立候補したが、立花の得票は43,912票に留まった。この結果を受け立花は「(昨年参院選より党の)人気が下がったと認めざるを得ない」として、次期衆院選に向け「戦略を見直す」と述べた[87][88]

同年7月19日投開票の千葉県印西市長選では、同月5日投開票の東京都議補欠選挙でホリエモン新党から立候補し敗れた新藤加菜(ゆづか姫)が、N国から公認を受け立候補するも落選[89]。当選した場合、立花孝志は副市長への就任を表明していた[89]

9月16日の安倍内閣総辞職に伴う総理大臣指名選挙では、衆議院の丸山は小泉進次郎環境大臣に、参議院会派「みんなの党」の2人は菅義偉自由民主党総裁に投票した[90]。同日、新藤加菜、東京都立川市議会議員の久保田学(横山緑)、宮城そういちの3人が、NHKから国民を守る党の広報室を発足。党のホームページ・SNS・役員会や会見などで司会・公式グッズ・生配信・カメラ撮影などを担当。

同年10月には政党批判者に対しての「誹謗中傷示談金ビジネス」を始めたと報道された[91]

11月13日、立花が党名を「NHKから国民を守る党」から「ゴルフ党(NHKから国民を守る党)」に変更すると表明した。NHK受信料を巡る問題に加え、ゴルフ場利用税の撤廃も訴えるとしており、2021年1月1日付で総務省に党名変更を届け出る予定としていた[92][93]。略称はゴルフ党[94]。また今後は選挙のたびに看板(党名)を変更すると立花は述べた[95]。しかし、12月4日の党首会見で上記の改名を撤回。新党名を「民主党」にすると発表した[96]。名前を変える理由はこの日の会見で明言していないが、NHK受信料問題は「解決した」との見解を明かした[96]。党名変更とは別に、政治団体「日本ゴルフ党」を12月15日に総務省に届け出て受理されたと25日に報告した[97]。さらに12月16日には、「民主党」の名称は立憲民主党国民民主党の略称として既に使用されているとの理由で総務省から却下されたとして、翌年1月に変更する党名を「NHKから自国民を守る党」に、略称を「自民党」とすると発表した。総務省は政党名の変更は認めるものの、「自民党」の略称は認めないと回答し、立花は略称名については法廷で争う意向を示した[98]。21日、「NHKから自国民を守る党」への党名変更を総務省に届け出、受理された(略称については保留)[99][100]。会見において立花は「多くの人に知ってもらうのに一番インパクトがある」と略称について説明した。その上で次期衆院選前に自民党に略称変更するが、選挙では使用しないとした[100]。結局、翌22日「自民党」の略称を中央選挙管理会は拒否。理由について「自由民主党の略称として広く通用しており、有権者の混乱をもたらすため」と説明した[101][102]。略称「自民党」への変更が不受理になったことを受け、同日略称を「NHK」に変更することを届け出、25日に総務省は略称を変更したと発表した[103]

2021年1月22日、立花は報道で「N国」という略称がいまだ使われていることから、4月の補欠選挙までに「N国」という略称が使えないような政党名に変更予定だと会見で述べた[104]。1月29日、立花は定例会見で、党名を「NHK受信料を支払わない方法を教える党」に変更すると発表。略称を「NHK党」とするとした[105](同年2月5日に正式変更)。なお、参院選に向けては以後「NHK集金人が来たら内緒で録音する党」「NHKの弁護士法72条違反を追及する党」「NHKのスクランブルを実現する党」などの党名を状況に合わせて変更することを述べている[105]

3月6日、幹事長の上杉が、自身の週刊誌報道を巡る5日の定例記者会見での立花の発言でプライバシーを侵害されたと主張し、発言の撤回と幹事長職辞任の意向を自身の公式サイトで表明[106]。9日には会見を行い、辞表届を提出した[107]

4月29日、党首の立花が新党名を「特になし」とする方向性を表明[108]。しかし総務省が「特になし」とする名称変更を認めなかったため[109]、5月17日付で「古い政党から国民を守る党」(略称:古い党)に名称を変更した[34]。またこれに伴い、党首の立花はじめ党所属の地方議員ら関係者は国政政党「古い政党から国民を守る党」所属のまま、各人を代表とする政治団体「NHKから国民を守る党」の設立を各々届け出た[110][111][112][113][114][115]

6月5日、新宿西口駅前で行われた街頭演説会で、立花は年内に行われる第49回衆議院議員総選挙では、国政政党である古い党がプラットフォームを提供する形で政治団体を結集させる「諸派党構想」で挑むと表明した[116]

6月22日、党名を「あらし」に変更することを検討していると発表[117]2021年6月28日、総務省は「古い政党から国民を守る党」から「党名を「嵐の党(あらしのとう)」(略称「あらし」)に変更する」との届け出があった、と発表した[118]。同日、総務省はこれを受理した[35]

7月9日、立花は同月行われた東京都議選の反応から、多くの方が「選挙に出たい」という希望があるということがわかったとし、これまでの諸派党構想での公認方針を転換すると表明[119]。今後は、小選挙区の場合、立候補に必要な供託金300万円さえ用意すれば、党側で拒否することなく「誰でも公認する」とした[120]。また党名については、再びNHK問題に特化した党名に変更する方針があることを述べた[121]。同月14日の党総会で立花が新党名「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(略称「NHK党」)を内定。同月21日、5度目の党名変更で正式にその新党名へ変更した[122]

8月の党記者会見で、2020年12月から立て続けに行った党名変更について、立花は失敗だったとの認識を示した上で、それでも国民がNHKについて考える機会になってよかったと振り返っている[25]

第49回衆議院議員総選挙

秋葉原駅前の街頭演説で「NHKをぶっ壊す!」のポーズをする立花(左)と投資家の堀江貴文

公職選挙法第86条の6の規定により、衆議院議員の任期満了から90日以内の場合は既存政党の党名変更ができないため、政党名「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(略称「NHK党」)で第49回衆議院議員総選挙を迎えることになった。

10月8日、衆院選の公約に「NHKが委託法人に行わせている弁護士法72条違反となる訪問行為について徹底的に追及する」の1点を発表した[123]。10月18日、立花は衆院選で3議席以上獲得できれば、自民党に対し閣外協力を打診する考えを示した[124]

24日には新型コロナウイルス感染拡大による経済支援策としての10万円以上の期限付き電子マネーの配布や、消費税の5%への引き下げ、ベーシックインカム導入、原発再稼働の賛成などの追加公約を発表[125]。翌25日には追加公約を修正し、消費税については「消費税減税等によって国民負担率を下げる」との文言に改めた他、ベーシックインカムについては「賛成」から「導入の議論があれば、前向きに参加する」に変更するなどした[126]。29日には「大麻の全面解禁」など独自の主張をしている候補者がいることについて、各候補が所属する別の政治団体の独自の主張を訴えているとして、「党公約ではないので、一切関与しない」との見解を発表した[127]

10月31日の投開票の結果、NHK党は議席を獲得することができず(丸山は不出馬)、立花は「少数派の声を拾い上げない選挙制度なので今回議席が取れない見通しなのはある意味予定通りだ」と述べたほか、選挙後はNHK関連の政策のみを取り上げる「ワンイシュー」政党から「総合政党」に変えるなどと述べた[128]

略年表

  • 2013年6月17日 - 立花孝志が「NHK受信料不払い党」を設立。
  • 2013年7月23日- 「NHKから国民を守る党」へ党名変更。
  • 2013年9月 - 立花が大阪府摂津市議会議員選挙に立候補したが、落選。
  • 2015年4月 - 立花が船橋市議選に出馬、初当選した。
  • 2016年7月 - 立花が船橋市議会議員を任期中に辞職して東京都知事選挙に立候補したが、落選。
  • 2017年11月 - 立花が東京都葛飾区議会議員選挙で、2954票で当選。
  • 2019年4月 - 統一地方選挙に47人が立候補し、26人が当選。
  • 2019年7月 - 参院選において比例代表で1議席を獲得し立花が当選。また、選挙区で擁立した候補者の得票率が2%を超えたために政党要件を満たした。
  • 2019年7月29日 - 衆議院議員の丸山穂高が入党し、衆院議席を得る。
  • 2019年8月10日 - 臨時総会を開き、幹事長に元ジャーナリストの上杉隆を充てる人事を決定した。
  • 2019年10月 - 立花が埼玉県の参議院議員補欠選挙へ立候補しこれに伴い自動失職したため、参議院議員比例代表次点の浜田聡が繰り上げ当選となった。
  • 2020年12月21日 - 党名を「NHKから自国民を守る党」に変更。
  • 2021年2月5日 - 党名を「NHK受信料を支払わない方法を教える党」に変更[129]
  • 2021年5月17日 - 党名を「古い政党から国民を守る党」に変更[34]
  • 2021年6月28日 - 党名を「嵐の党」に変更[35]
  • 2021年7月21日 - 党名を「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」に変更。

結党目的

党規約によれば、党の目的は次の通り[130]

  1.  NHKの受信料制度について、多くの国民及び視聴者が真剣に考える機会を提供すること。
  2.  受信料制度に疑問や不満を感じている国民に、同制度に関する法律や条例を制定または改廃する機会を提供すること。
  3.  NHKの問題以外の、現代社会における既得権益が邪魔で解決できていない問題の解決に努める。
  4.  前項の達成のため、各問題の解決に取り組むいわゆる諸派の政党・政治団体の結集を呼びかけ、国政政党のプラットフォームを提供することで選挙に立候補するハードルを下げる、また活動を継続できる経済環境づくりを行う。
  5.  本党の目的を実現するため政治家を志す者に対し、その志を実現するための機会を提供すること。
  6.  本党の目的に共感し志を同じくする国民及び視聴者が協力して行動できる機会を提供すること。
  7.  強い正義感と責任感から内部告発や政治・社会運動を行った者及び内部告発をしようとする者や、同じく内部告発や政治・社会運動に関わることによって精神疾患となった者が、その正義感や責任感が正当に評価され、その評価に相応しい職場環境での労働が実現するために最大限の援助をすること。
  8.  前各号の実現を目指すことにより、国政の発展と国民生活の向上を図り、あわせて党員相互の親睦を深めること。

政策

NHK問題

NHK受信料を支払う人だけがNHKを視聴できるようになる「NHK放送のスクランブル化」を最終的な目標とする単一論点政治であり、達成された際には党を解党、自身も議員を引退することを党首の立花は明言していた[131][47]。また、NHKを視聴している人は受信料を支払うべきであり、あくまで党はNHKを視聴しない人をお助けするものとしている。

NHKの集金人が訪問しなくなるという「NHK撃退シール」を無料で配布している(立花など党関係者の連絡先が書かれている)[132]。一方NHK側は、このシールについて「シールの有無にかかわらず、NHKは契約・支払をしていただくため、まだ契約をいただけていないお客様や未納となっているお客様のお宅を訪問しています」と述べている[133]

憲法改正については、国会の発議と国民投票については「究極の直接民主主義」と賛意を示し野党にも賛成を促すも、条文の改定に限っては当面は反対すると動画サイトで発言している。しかし、NHK放送のスクランブル化と交換条件に自民党案に賛成する方針を公言している[134]。一方、NHK改革をめぐり与党の協力が得られなければ、野党連携を突破口にする選択肢もあると言及した[135]

諸派党構想

選挙報道において諸派と呼ばれる政党・政治団体を党のもとに結集して、国政選挙で協力する「諸派党構想」を発表している[136][137]。この構想は、得票数に応じて政党助成金が支給されるシステムを利用して、国政政党である本党がプラットフォームになることで、各政治団体にも、国政選挙の得票数に応じて公平に政党助成金を分配するというものである[136]。また、国政政党の候補者となるため、選挙報道において泡沫扱いとされることを防ぐ狙いもある[138]

当初は2025年参議院選挙で構想を具現化しようとしていたが、政治的な訴えの場を提供したいとして、計画を前倒しして2021年の東京都議会選挙からこれを開始させている[139][116]

その他

結党初期には生活保護受給者を施設に入れ、保護費を徴収して物資を購入し、現物支給にして生活させるという公約も掲げていた。施設に入所させることで、バランスのとれた食事と医療や介護サービスを24時間受けさせ、体調に応じて施設内のボランティアにも参加させるといった内容であったが、現在は掲げられていない。党のホームページには参院選の直後まで記載が残されていたが、削除漏れであったと釈明している[140]

NHK問題以外の政策については、インターネットを介して議題ごとに国民による直接民主主義を行い賛否を決める方針を掲げていた[6]。2020年9月には新たに10項目となる基本政策を公開し[141]、この中ではNHK問題のほかに消費税減税やベーシックインカムの導入、選挙制度の規制緩和などを新たに掲げた。原発問題や外国人参政権などのその他の問題については「直接民主制システム」で賛否を決めるとしている[5]

訴訟

党首の立花孝志及び党関係者が多数の裁判を起こし、またそれに関与している。ここでは党関係者複数が関わる訴訟について以下に記す。立花一人のみが関わる訴訟については「立花孝志#訴訟・事件」を参照。

ワンセグ裁判

テレビを設置しておらずワンセグ機能付き携帯電話のみの所有者にはNHK放送受信契約締結義務がないことの確認を求めて、埼玉県朝霞市議会議員・党副代表(当時)の大橋昌信が提訴(確認訴訟)した。NHKは、自宅のテレビに放送受信契約があれば、受信契約は世帯単位であるのでワンセグ機能付き携帯電話について新たに受信契約を結ぶ必要はないが[142]、ワンセグ機能付き携帯電話も放送法第64条にいう「協会の放送を受信することのできる受信設備」であり、ワンセグ機能付き携帯電話のみの所有者については受信契約の対象となる、と主張しており[143]総務省も同様の見解を示している[144]2016年8月26日さいたま地方裁判所は、ワンセグ機能付き携帯電話を単に所持しているのみでは放送法第64条にいう「放送の受信を目的としない受信設備」に留まるものであり、受信契約を免れる、として大橋の主張を認める判断を示した[145]。NHKは東京高等裁判所控訴[146][147]。同年3月26日、東京高裁はNHK側の主張を認め、大橋敗訴の判決を言い渡した[148]。同年4月、大橋は最高裁判所上告したが[149]2019年3月12日、最高裁は大橋の上告を退け、ワンセグ機能付き携帯電話についても放送受信契約の義務がある、との判断が確定した[150][151][152]。ワンセグ機能付き携帯電話をめぐる確認訴訟は5件起きており(原告はいずれも立花及び党関係者)、うち最高裁での確定はこの裁判が初めてのことであった[153]。この判決により4件の訴訟でも、受信料の支払い義務が確定した[154]

立花が2017年東京地方裁判所に起こした同様の裁判では、ワンセグ機能付き携帯電話を単に所持しているのみでは放送法第64条にいう「設置」にはならず、契約をしなければならない「受信設備を設置した者」には該当しない、と主張するも、同年12月27日、 放送法第64条にいう「設置」とは受信機を所有の上管理する概念であるとして立花の訴えを退け、「ワンセグ携帯も受信契約義務あり」と判断された[155]。立花は東京高等裁判所控訴したが、2018年6月21日、東京高裁は一審判決を支持し控訴を棄却した[156]

公職選挙法をめぐる裁判

2019年の統一地方選挙前半の選挙である兵庫県議会議員選挙にて、伊丹市選挙区で公認した原博義が、投開票日までに引き続き県内のいずれか一つの住所に3カ月以上居住していることという要件を満たしておらず[注釈 8]、被選挙権がないことが判明したため、投じられた2,992票が無効となった[158][159]。この候補は選挙後の同年4月12日、兵庫県を相手取り、没収された供託金60万円の返還を求めて神戸簡易裁判所に提訴した[160]兵庫県選挙管理委員会は一連の対応や判断について、「公職選挙法上の手続き通りに進めた」と述べている。選挙事務関係者が選挙期日前に特定の候補者の被選挙権がないことを公表することは「その候補者の選挙運動を著しく妨害し、選挙の自由公正を害する」という1951年11月の福岡高等裁判所判例(同年4月に執行された長崎県議会議員選挙における北松浦郡選挙区内福島村(現・松浦市選挙管理委員会の選挙事務にかかる当選無効確認請求事件)があり、選管は「投開票日前の周知は選挙妨害に当たる」と判断。また被選挙権がないことが判明しても選管が開票時まで無効にすることができないことについては、その場合に届け出を却下ないし取り下げさせる規定がなく[注釈 9]1961年7月の最高裁判所判例1960年福島県石城郡遠野町(現・いわき市)議会議員選挙の効力に関する訴願裁決取消請求における「公職選挙法の規定によれば、選挙長は、立候補届出および推せん届出の受理に当つては、届出の文書につき形式的な審査をしなければならないが、候補者となる者が被選挙権を有するか否か等実質的な審査をする権限を有せず、被選挙権の有無は、開票に際し、開票会、選挙会において、立会人の意見を聴いて決定すべき事柄であると解するを相当とする」との判例(「選管は届け出の形式審査をしなければならないが、被選挙権の実質審査をする権限はなく、開票の際の選挙会で立会人の意見を聞いて決定すべきである」と判断されている)があることから、総務省は、届け出時に被選挙権の要件を満たしていなくても立候補届を不受理にすることはできず、「選管は届け出を受理する以外にない」との見解を示している[157]。なお原は後半で同県宝塚市議会議員選挙にも立候補し落選したが[161]、こちらは居住要件が満たされており有効となった。

同年4月21日投開票の統一地方選挙後半の兵庫県加古郡播磨町議会議員選挙に党公認候補として立候補させた増木重夫[162]にもとより居住実態がなく被選挙権がないとして、投じられた110票が無効となった[163]。増木は住所として実際には住んでいない播磨町内のビジネスホテル所在地を届け出た[注釈 10]。通常の立候補者の場合、住所の確認資料の一つとして住民票(の写し)を提出するが、公職選挙法に定める「届け出に必要な文書」に住民票(の写し)は含まれていないため、町選挙管理委員会の職員が住民票(の写し)の未提出を指摘に対し、増木とその立候補届け出に同行した立花は「提出義務がない。持ってきていない」として応じず、住民票(の写し)を添付しなかった。町選管は増木に居住実態がなく被選挙権を有していない可能性を認識したが、前述の判例をもとに「届け出時は形式審査のみ」として立候補を受け付けた。町選管はその後増木の実際の住所は別の場所(大阪府吹田市)にあり、被選挙権に必要な3カ月以上の町内の居住歴がないことを確認したものの、前述の判例によりこれを公表できないと判断、4月21日の開票後、選管委員長が務める選挙長や立会人らによる選挙会で増木への投票を無効と決定した[164]。なお、増木はポスター掲示は無し、選挙公報掲載も希望せず、選挙運動を全くしなかった。

更に同年5月19日告示の東京都足立区議会議員選挙においても、もとより足立区内に居住実態がなく、被選挙権がない墨田区在住の加陽麻里布を党公認候補として立候補させた。加陽は一旦墨田区の現住所を届け出たが、「これは受理できない」と足立区選管に却下されそうになったため、住所として実際には住んでいない足立区内のカプセルホテル所在地を届け出て受理された[注釈 11]。 加陽は他の候補者同様、ポスター掲示、選挙公報掲載、街宣や演説などの選挙運動を行ったが、足立区に住民票を置いていなかったため区選管が調査。投開票後、居住実態がなく被選挙権がないとして、加陽に投じられた5,548票[注釈 12]は無効となった[165][166]。選挙後、加陽は足立区に住んでいないことを認めた上で、住所要件の規定が違憲であるとして異議を申し立てたが、同年6月17日、区選管はこれを棄却する決定を行った[167]。加陽はこれを不服とし、同年9月26日、東京高等裁判所に提訴した。

立花は、兵庫県議会議員選挙と播磨町議会議員選挙の届け出については、候補者が居住の要件を満たしておらず被選挙権がないことを立候補届出時に選管が認識しており、「被選挙権がないのに受理されるのは公職選挙法の不備であり、立候補は問題提起が目的」と主張している[168]。 また足立区議会議員選挙については「選管が形式審査を通しておきながら居住の要件を満たしていないことを知ったことにより立候補届を受理しようとしなかったことは公職選挙法違反である」と主張している。 このほか同年の統一地方選挙後半において千葉県鎌ヶ谷市議会議員選挙に22歳の人物を党公認候補として立候補させるべく届け出たが、同市選挙管理委員会が「被選挙権の年齢要件を満たしていない」としてこれを受理しなかった。この件について同人物は、公職選挙法が日本国憲法第14条の「法の下の平等」に反しているとして、国を相手取って東京簡易裁判所に提訴している[169]

TOKYO MXとの訴訟

2019年7月29日、コラムニストマツコ・デラックス東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の情報番組5時に夢中!」で、NHKから国民を守る党に対し、「ふざけて(票を)入れている人も相当数いる。気持ち悪い」と発言。これに対し立花は「自分や党に対する批判はいいが投票していただいた一般の有権者への侮辱は許せない」と述べ、マツコ・デラックスが「5時に夢中!」出演する同年8月12日(月曜日)にテレビ局前で抗議活動を行い、警察官が出動する騒動となった[170]。立花はさらに同番組のスポンサーである崎陽軒への不買運動にも言及したが、同月19日に再度テレビ局前で抗議活動を行った際に不買発言を撤回し、謝罪した。一方、マツコの発言に対しては「個人的な攻撃は控える」としつつ、TOKYO MXに対し、放送の中立性に関する見解を求め、回答が得られるまでは毎週月曜日に同社への訪問を続ける意向を示した[171]。同月26日にもTOKYO MXを訪問したが、その後も同社から回答がないことを受け、9月2日、同社を放送法違反の疑いで提訴する方針を明らかにした[172]。ただし9月13日現在までに原告募集をした動画は削除している。

2021年4月15日、東京地裁は「(放送での発言は)公益を図る目的があり、違法性を欠く」として賠償請求を棄却した[173]

フリージャーナリストとの訴訟

2019年9月19日、久保田学・立川市議会議員がフリージャーナリストによるインターネットサイト上の記事において「立川市に居住実態がない」などと書かれたことについて、これを名誉毀損であるとして慰謝料を求めて提訴、これに対しフリージャーナリストも久保田が経済的な負担を課すことを目的に裁判を起こしたとして慰謝料を求めて反訴した裁判の判決が千葉地裁松戸支部で言い渡された[174]。同判決は久保田の訴えを棄却した上、その提訴自体が不法行為であるとして、反訴していたフリージャーナリスト側の弁護士費用を含む約78万5000円の賠償を久保田に命じた。立花自身がスラップ訴訟と公言していた上、判決でも立花の関与を指摘、スラップ訴訟であることが認定された[175][176]。久保田はこれを不服として東京高等裁判所控訴したが、2020年3月4日、東京高裁は一審判決を支持し、久保田にジャーナリスト側の控訴審の弁護士費用等を含む94万5600円を支払うよう命じた[177]。なお、立花は週刊誌の取材に対し「スラップ訴訟は日本では違法ではない」と正当性を述べている[178]

役職

歴代党首一覧

党首 在任期間
1 立花孝志 2013年(平成25年)6月17日 - (現職)

党役員

2013年9月23日、前阿久根市長竹原信一が最高顧問に就任するも46日後に辞任した[179]

代表 副代表 就任年月
立花孝志 2013年6月
大橋昌信
多田光宏
武原正二
2018年1月
塩田和久 2018年11月
(空席) 2019年5月
党首 副党首 幹事長 国会対策
委員長
政策調査
会長
次期選挙
戦略本部長
選挙対策
委員長
選挙対策本部長 就任年月
立花孝志 丸山穂高 上杉隆 上杉隆 2019年8月
上杉隆 浜田聡 立花孝志 2019年10月
大橋昌信 2020年4月
[注釈 13] 2021年4月
黒川敦彦 2021年7月

党勢

衆議院

選挙 当選/候補者 定数 得票数(得票率) 備考
選挙区 比例区
第48回総選挙 -/0 465 - - 入党+1
第49回総選挙 0/30 465 150,542 (0.26%) 796,788 (1.39%)

参議院

選挙 当選/候補者 非改選 定数 得票数(得票率) 備考
選挙区 比例代表
第25回通常選挙 1/41 0 245 1,521,344 (3.02%) 987,885 (1.97%)

所属議員

国会議員

所属国会議員数1名(参議院議員1名)

参議院議員
2025年改選
浜田聡
(1回、比例

院内会派所属の党外国会議員

参議院議員(会派「みんなの党」に所属)

地方政治

  • 地方議員:27人
    • 市区町村議会:27人

脚注

注釈

  1. ^ おそらく「Gurd」は「Guard」の誤りとみられる。
  2. ^ 本項目の「NHKから国民を守る党」とは別に公式サイト[17]が存在する。同人物は2019年8月の愛知県長久手市長選挙に立候補し落選した[18]が、無所属での出馬となっており、この党派名は称していない[19]
  3. ^ https://ja.wikisource.org/wiki/弁護士法#第九章_法律事務の取扱いに関する取締り
  4. ^ 党所属議員が在任する議会の中には葛飾区議会北区議会など一人会派結成を認めていないところもある。
  5. ^ 東京都選挙区の改選数である6を上回る。7人を立候補させる目的としてそれぞれの候補のポスターに「N」「H」「Kを」「ぶ」「っ」「壊」「す!」と大きくデザインしたものを用い、連続で貼ることで1つの大きなポスターとする計画を考えていたものの、東京都選管から公選法のサイズ規定に違反する可能性があるとの指摘を受けて取りやめ、大橋1人の立候補に切り替えている[50]
  6. ^ 擁立を見送ったのは富山・石川・奈良・和歌山・山口・佐賀・宮崎・鹿児島の8県。
  7. ^ 選挙区候補において票数が供託金没収点を満たし供託金が返還されたものは6人区である東京都選挙区の大橋のみ。
  8. ^ 兵庫県選管の発表では、原は尼崎市に25日居住後、宝塚市に住居を移し投開票の4月7日時点で2ヶ月27日居住が確認されたとしている[157]
  9. ^ 立候補後、公職選挙法第11条に規定されている「禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者」等になった場合は同条により選挙権及び被選挙権を喪失し、届け出を却下される。
  10. ^ 増木が届け出た住所は「エバーホテルはりま加古川」の所在地である。
  11. ^ 加陽が届け出た住所は「グランパーク・イン北千住」の所在地である。
  12. ^ 有効票の場合8位当選相当(定数45)。地方議会選挙に立候補した同党の候補としては最も多く投じられた票数となる。
  13. ^ 上杉は2021年3月9日に辞任届を提出。党側は受理していないが上杉側は3月末で党との契約は終了したと主張している[180]

出典

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外部リンク

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