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名古屋市交通局N1000形電車

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名古屋市交通局N1000形電車
N1000形電車
基本情報
製造所 日本車輌製造
主要諸元
編成 6両(4M2T)
軌間 1,435(標準軌) mm
電気方式 直流600V
第三軌条方式
最高運転速度 65 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
車両定員 先頭車 97人(座席31人)
中間車 106人(座席37人)
編成重量 140.6t
全長 15,580 mm
車体長 先頭車 15,100 mm
中間車 15,000 mm
全幅 2,548 mm
車体幅 2,500 mm
車体高 3,440 mm
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 75kW
駆動方式 歯車形軸継手平行カルダン駆動方式
編成出力 1,200kW
制御装置 VVVFインバータ制御
IGBT素子
制動装置 遅れ込め制御付きATC連動回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ純電気ブレーキ
保安装置 車内信号ATC
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名古屋市交通局N1000形電車(なごやしこうつうきょくN1000がたでんしゃ)は、名古屋市交通局名古屋市営地下鉄東山線用の通勤形電車

概要

東山線としては5050形以来15年ぶりの新形式であり、1980年に登場した5000形の置き換えのため、2007年(平成19年)から急速に順次投入されている。

従来車よりコストダウンを図り、かつバリアフリーの深度化を目指して設計された。1編成当たりの購入価格は約6億3000万円である。

車体

外観デザインはこれまでの丸みを帯びたものから直線を多用したものに変え、ステンレス製の車体は上飯田線7000形まで採用されていたビードプレス工法をやめ、名古屋市営地下鉄の車両で初めての日車式ブロック工法を採用した。

車両寸法は5050形とほぼ同一であるが、床面高さを従来より60mm下げレール面から900mmとし、ホームと車両床面の段差が約50mmになるように設計されている。

先頭車前面は前照灯の上に尾灯が配置され、非常用貫通扉は運転台から見て右側にオフセット配置されている。行先表示器は名古屋市交通局の地下鉄車両で初めてのLED式とされた。客室の窓ガラスは5050形と同様に東山線の路線特性からカーテンを省略しているが、地上区間での居住性を考慮して熱線吸収着色ガラスを使用した。

冷房装置は薄型集約分散式で、車端部に2基搭載する。

車内

N1101~N1104編成までの車内

座席はオールロングシートであるが、構造は上飯田線7000形で採用された片持式を踏襲する。また、N1105編成以降は鶴舞線N3000形と同様、座席端部の袖仕切りが大型化され、7人掛け座席の間にスタンションポール2本が、従来よりも低い位置に一部のつり革がそれぞれ設置されている。

客用ドア上部に千鳥配置で設置されている車内案内表示器はN1104編成までは2段式LED式で、N1105編成以降は17インチ液晶ディスプレイ(LCD)方式(通称「ハッチービジョン」)となっている。右側のディスプレイの駅名表示は、漢字→ひらがな→ローマ字→漢字…を回転させながらアニメーションのような表示をする。ホーム案内も、進行方向から向かうような感じで表示している。この技術は東京地下鉄8000系後期更新車、16000系大阪市営地下鉄 30000系御堂筋線仕様車にも採用されており、名古屋市営地下鉄では桜通線6050形6152編成以降と鶴舞線N3000形に続き、3車種目の採用となる。ドアの開閉方向を示す表示器はN1104編成までは全客用ドア上部に設置されているのに対して、N1105編成以降は液晶画面の無い客用ドア上部に設置されているほか、各乗降口上部に客用ドア開閉表示灯が装備された。N1104編成までは全客用ドア上部にが設置されているが、N1105編成以降は液晶画面の無いドア上のみに設置されている。客用ドアの室内側は化粧板仕上げである。また、客用ドア部の床材は識別を容易とするために黄色とされた。

冷房装置搭載部の天井は段差を解消し、結果として室内空間の拡大が図られている。車椅子スペースは5050形の両先頭車への設置から1両に1か所への設置へと拡大された。

運転台の主幹制御器は上飯田線7000形に引き続き右手操作形ワンハンドル式が採用された。さらに運転台にはモニタ装置操作用の液晶ディスプレイがコンソール内に組み込まれている。

走行機器など

主回路システムは三菱電機製のVVVFインバータ制御であるが、制御素子は5050形のGTOサイリスタからIGBTに変更され、回生ブレーキおよび純電気ブレーキ機能を有する。1基のインバータ装置で4個のかご形三相誘導電動機を駆動する1C4M方式2群を1ユニットとして、中間電動車のN1200形およびN1500形に搭載される。センサレスベクトル制御を採用したことにより、空転時に適切なトルクと回転数を得ることが可能である。主電動機出力は75kW、MT比は4M2Tで5050形と同一である。

冷房装置などサービス機器の電源である補助電源装置もIGBT素子の静止形インバータ (SIV) が採用されており、これは両先頭車に搭載されている。

ブレーキシステムは遅れ込め制御を有するATC連動回生併用電気指令空気式で、両先頭車にはさらに滑走防止機能も搭載する。

台車日本車輌製造製の円錐積層ゴム式ボルスタレス台車で、ホイールベースは1,800mmである。車輪は従来車のせん断形弾性車輪とは異なり、一体圧延防音車輪が採用された。

編成

藤が丘方面先頭から4両目に当たるN1400形は平日の始発から終電まで女性専用車両となる。

形式
高畑
製造年度
N1100
(Tc1)
N1200
(M1)
N1300
(M2)
N1400
(M2')
N1500
(M1')
N1600
(Tc2)
機器類 SIV CONT CP CP CONT SIV
自重 21.5t 25.0t 23.8t 23.8t 25.0t 21.5t
車両番号 N1101 N1201 N1301 N1401 N1501 N1601 2007年
N1102 N1202 N1302 N1402 N1502 N1602 2008年
N1103 N1203 N1303 N1403 N1503 N1603 2009年
N1104 N1204 N1304 N1404 N1504 N1604 2010年
N1105 N1205 N1305 N1405 N1505 N1605 2012年
N1110 N1210 N1310 N1410 N1510 N1610
N1111 N1211 N1311 N1411 N1511 N1611 2013年
N1115 N1215 N1315 N1415 N1515 N1615
N1116 N1216 N1316 N1416 N1516 N1616 2014年
N1120 N1220 N1320 N1420 N1520 N1620
N1121 N1221 N1321 N1421 N1521 N1621 2015年
凡例

営業運転開始まで

ファイル:N1000.jpg
藤が丘工場に到着したばかりのN1000形
(2007年10月30日)

2007年10月30日にN1101編成が日本車輌製造豊川製作所から藤が丘工場に輸送され、同年11月11日に同工場で開催された地下鉄開業50周年記念事業のメインイベントにおいて初めて一般公開され、試運転を実施し、2008年3月26日から東山線で営業運転を開始した。

2009年2月から2010年10月にかけておおよそ1年1編成のペースでN1102編成、N1103編成、N1104編成が、2012年7月から9月にかけてN1105編成、N1106編成、N1107編成、N1108編成、11月から12月にかけてN1109編成、N1110編成が、2013年5月から7月にかけてN1111編成、N1112編成、N1113編成[1]、10月にN1114編成、N1115編成が[2]、2014年6月から7月にかけてN1116編成、N1117編成、N1118編成[2]、2015年2月から4月にかけてN1119編成、N1120編成、N1121編成が[3]順次落成したため、同年4月の21編成目の登場をもって、予定編成数が全て出揃った。

ラッピング

名古屋開府400周年ラッピング(2010年7月1日)

2010年7月1日より、名古屋開府400周年ラッピングがN1101編成に施された。

改造

床材の交換

2014年度に浮きが多発するなど不具合が多かったN1103編成を対象に床材がN1104編成以降と同一品に交換された。

ATO搭載・ワンマン・可動式ホーム柵対応改造

2014年度末から2015年8月末にかけて可動式ホーム柵導入・設置によるATO化とワンマン化に向けて2010年度までにおおよそ1年1編成のペースでスポット溶接で製造された4編成を対象に以下の内容でATO搭載・ワンマン・可動式ホーム柵対応改造が行われた。

  • 運転台のスイッチとマイクと発報信号スイッチ増設・計器類更新
  • 運転台左上の列車無線受話器・運転台右上の時刻表立て(防護無線付き)設置
  • 乗務員室仕切り壁の助士側ガラス封鎖・運転席側スモークガラス化

脚注

  1. ^ 鉄道車両 新車紹介及び出場状況 日本車両(日本車輌製造、2013年10月23日時点のアーカイブ。2015年7月29日閲覧。)
  2. ^ a b 鉄道車両 新車紹介及び出場状況 日本車両(日本車輌製造、2014年10月16日時点のアーカイブ、2015年7月29日閲覧。)
  3. ^ 鉄道車両 新車紹介及び出場状況 日本車両(日本車輌製造、2015年7月25日時点のアーカイブ、2016年9月17日閲覧。)

参考文献

  • 名古屋市交通局技術本部施設車両部車両課「新車ガイド 名古屋市交通局N1000形」『鉄道ファン』2008年3月号(通巻563号)p64 - 67、交友社
  • 公営地下鉄 在籍両数ビッグ3 名古屋市交通局 『鉄道ファン』2009年5月号(通巻577号)p90 - 99、交友社

外部リンク

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