P波
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P波(英: P-wave)は、地震波(実体波)の一種。地震波の第一波(英: Primary wave)、すなわち地震発生時に最初に到達する地震波のことである。地震波の第二波は「S波」と呼ばれる。「初期微動」は、このP波て引き起こされる揺れ(地震動)である。また、海上の船舶において観測される海震もP波によるものである。P波は固体・液体・気体を伝わる弾性波であり、進行方向に平行に振動する。
なお、P波を「縦波」と呼ぶことがあるが、これはあくまで進行方向に対しての縦ということであり、P波で家が上下に揺れることを意味するわけではない(この場合は「縦揺れ」)。ただし地震計での記録などを見ると、浅発地震における震央のごく近傍などを除き、屈折により波の進行方向が地表面に対し垂直になるため、P波は上下成分が卓越する傾向にある。
速度
P波の速度は、以下の式で表される(、は弾性体のラメ定数、は密度)[1]。
一般に、P波はS波よりも速度が大きいが、地面の上に大して大きな振動を与えるのはS波の方であるので、P波と思われる波を感じたら後に来る振動に備えて対処するのがよい。
関連項目
脚注
参考文献
- 宇津徳治『地震学』(第3版)共立出版、2001年。ISBN 978-4-320-04637-5。