うなぎ書房
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有限会社 うなぎ書房(うなぎしょぼう)は、平成期に東京都世田谷区代田に存在した日本の出版社。落語分野の書籍の刊行が多い。
社名の由来は「うなぎの寝床」から。創業者は「うなぎのぼりを当て込んで」とも述べている。
設立以来、社名を勘違いされ、米のセールスや出前の注文があった[1][2]。
沿革
[編集]1998年に立風書房の編集者だった稲見茂久( - 2023年12月)が設立[3]。稲見は大学卒業後学研に入社。系列の立風書房に出向後『続 米朝上方落語選』(1974年)などの演芸書籍の編集に携わった[4]。
1998年10月29日に応援する有志が、アルカディア市ヶ谷(私学会館)で壮行会「囲む会」を開いている[5]。
2005年、稲見は「寄席文化に著しく貢献した」として、第10回林家彦六賞特別賞を受賞している。
2017年に登記簿閉鎖。
刊行物
[編集]- 『落語家柳昇の寄席は毎日休みなし』(春風亭柳昇、1999年7月)ISBN 9784901174008
- 『老いの居場所 - 時には死んだふり』(式田和子、1999年7月)ISBN 9784901174015
- 『志ん生の忘れ物』(小島貞二、1999年12月)ISBN 9784901174022
- 『師匠の懐中時計』(林家正雀、2000年3月)ISBN 4901174037
- 『父ちゃんは二代目紙切り正楽』(桂小南治(文)、林家二楽(絵)2000年4月)ISBN 9784901174046
- 『相手を不幸にしない会話 - ユーモア・ショートショート40』(村瀬継弥、2000年10月)ISBN 9784901174060
- 『落語家米丸 笑いの引き出し』(桂米丸、2000年12月)ISBN 9784901174053
- 『背中の志ん生 - 落語家圓菊』(古今亭円菊、2001年5月)ISBN 9784901174077
- 『ペンギン日和 - 銀の輔町を行く』[6](高野ひろし、2001年8月)ISBN 9784901174084
- 『十代文治 噺家のかたち』(桂文治(10代)(著)、太田博(編)、2001年12月)ISBN 9784901174091
- 『歳のとりかた』(式田和子(著)式田恭子(編)、2002年4月)ISBN 9784901174107
- 『ヨイショ志ん駒一代 - 志ん生最後の弟子』(古今亭志ん駒、2002年10月)ISBN 9784901174114
- 『寄席おもしろ帖』(長井好弘(文)・林家正楽(紙切り)、2003年4月)ISBN 9784901174121
- 『こんな落語家がいた - 戦中・戦後の演芸視』(小島貞二、2003年8月)ISBN 9784901174138
- 『師匠の懐中時計(増補)』(林家正雀、2003年9月)ISBN 9784901174145
- 『志ん生を撮った! - 元祖寄席カメラマン秘話』(金子桂三、2004年3月)ISBN 9784901174152
- 『バカの中身 - 木久蔵一代』(林家木久蔵(初代)、2004年6月)ISBN 9784901174169
- 『寄席おもしろ帖 第2集(おかわりッ)』(長井好弘、2004年11月)ISBN 9784901174176
- 『最後の噺家 こだわり文治の泣きどころ』(中島英雄[7]、2005年2月)ISBN 9784901174183
- 『落語見取り図 - 笑いの誕生・職人ばなし』(関厚生、2005年7月)ISBN 9784901174190
- 『不死身の落語家(はなしか)』(春風亭柳桜、2005年12月)ISBN 9784901174206
- 『極上歌丸ばなし』(桂歌丸(著)山本進(編)、2006年6月)[8]ISBN 9784901174213
- 『ぜいたくな落語家(はなしか)- 六代目小さん』(柳家小さん(6代目)(著)、大野善弘(編)、2006年9月)ISBN 9784901174220
- 『噺家渡世 - 扇橋百景』(入船亭扇橋(著)、長井好弘(編)、2007年7月)ISBN 9784901174237
- 『談志狂時代 - 落語家談幸七番勝負』(立川談幸、2008年2月)ISBN 9784901174244
- 『落語家柳昇の寄席は毎日休みなし(新装改訂版)』(春風亭柳昇、2008年7月)ISBN 9784901174251
- 『談志狂時代 <2>』(立川談幸、2009年1月)ISBN 9784901174268
- 『月ば撃つぞ! - 落語家歌之介がゆく』(三遊亭歌之介、2009年7月)ISBN 9784901174275
- 『落語家の値打ち』(金原亭馬生(11代目)、2010年10月)ISBN 9784901174282
- 『おやっさん - 師匠松鶴と私』(笑福亭松喬(6代目)、2011年7月)ISBN 9784901174299
- 『談志の忘れもの - 落語立川流噺』(立川談幸、2012年11月)ISBN 9784901174312
- 『彦六覚え帖 - 稲荷町の師匠没後三〇年」(林家正雀、2012年7月)ISBN 9784901174305
所在地
[編集]東京都世田谷区代田三丁目21-20。創業時は、事務所は東京都港区にあった。
脚注
[編集]- ^ ラズウェル細木著「う」単行本一巻寄稿より。
- ^ 同社サイトがそもそも「お品書き」「ご注文」などと記述されている。
- ^ 「うなぎ書房」という出版社(滑稽時評)
- ^ 稲見茂久『上方芸能 特集 桂米朝逝く 「あふれる使命感」』197号、上方芸能、2015年9月10日、39-40頁。
- ^ 東京かわら版寄席演芸年鑑1999年版(1999年4月号増刊)「演芸界、1998年の動き」. 東京かわら版. (平成11年3月29日). p. 10
- ^ “高野ひろし 個人名義初の単行本 「ペンギン日和(びより)」 完成!”. pengaholic. 2018年7月15日閲覧。
- ^ “文治一門って?”. 桂伸治オフィシャルサイト (2009年7月14日). 2018年7月15日閲覧。 “十代目桂文治師匠より、初代「桂前治」の芸名を頂く 1988年、寄席がある病院(中央群馬脳神経外科病院)を開設。「落語もできる医者」ではなく「医者もできる噺家」として活躍。2012年6月逝去 享年67歳。”
- ^ “エンタメノート「歌丸ロス」に効く薬 笑いとバトルとイベントと(油井雅和)”. 毎日新聞 (2018年7月13日). 2018年7月13日閲覧。 “歌丸さんの人生を知りたい、という方には、本人の著書「歌丸 極上人生」(祥伝社黄金文庫)が、わかりやすくまとまっている。落語研究家の山本進さんが編集協力をした「極上 歌丸ばなし」(うなぎ書房)を加筆修正したもの。”