しあわせのマスカット
しあわせのマスカット | |
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Happy Muscat/The Grapes of Joy | |
春奈が歩いた源吉兆庵前の歩道 | |
監督 | 吉田秋生 |
脚本 | 清水有生 |
製作総指揮 | 丹羽多聞アンドリウ |
出演者 |
福本莉子 竹中直人 中河内雅貴 本仮屋ユイカ ヨシダ朝 宝積有香 土居裕子 大久保聡美 森日菜美 村瀬美穂 長谷川初範 |
音楽 | 遠藤浩二 |
主題歌 | 横山幸雄 |
撮影 | 鈴木周一郎 |
編集 | 平野一樹 |
製作会社 | 「しあわせのマスカット」製作委員会 |
配給 | BS-TBS |
公開 | 2021年5月14日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『しあわせのマスカット』は、2021年5月14日に公開された[注 1]日本映画[1][2]。監督は吉田秋生、主演は映画単独初主演となる福本莉子[2]。
岡山県で国内シェア9割を生産しており、ぶどうの女王と呼ばれる「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を使った和菓子に出会って、魅了された女子高生が、いつかは自分が考えた和菓子を作りたいという夢の実現に向かって奮闘する様を描く。
2019年11月6日から14日(現地時間)まで、米ロサンゼルスにて開催されたアジアン・ワールド・フィルム・フェスティバル2019で、「Japan Day部門」に選出された本作品のワールド・プレミア上映[注 2]が11月13日に行われている[3][4]。
2021年4月22日には東京・東新橋のスペースFS汐留で完成披露会見が行われ、主演の福本莉子らが出席した[5][6]。
なお、2021年5月14日の公開日より、ロケ地となった岡山県の上映館4館[注 3]では、本編開始前に福本莉子、長谷川初範、竹中直人の舞台挨拶風コメント動画が上映された[7]。
製作
[編集]本作の撮影は、2019年5月25日から6月6日にかけて、岡山市を中心に、総社市、倉敷市など岡山県でのオールロケにより行われた[8][9]。「主なロケ地」参照。
プロデューサーの丹羽は、アジアン・ワールド・フィルム・フェスティバル2019での上映後に「撮影の1年前に脚本の取材に岡山入りした際に、実際の水害の話を伺い、当初考えていたストーリーから大幅に変更させて今の作品に行き着いた」と回顧している[3]。
また、主演の福本は、「私が演じた相馬春奈は、何度挫けても明るく輝く太陽のような女の子です。初めての単独主演をこの作品で務められた事を嬉しく思います!」とコメントしている[10]。
なお、本作は岡山を拠点に世界各地で店舗を持つ和菓子の宗家 源吉兆庵が全面協力している[11][12]。
あらすじ
[編集]北海道から修学旅行で岡山に来ていた高校生・相馬春奈は、病気の祖母のお土産に、ぶどうの女王と呼ばれる「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を購入しようとしたが、財布を落としてしまい、諦める。
春奈が代わりに見つけたのが、「陸乃宝珠」というマスカット・オブ・アレキサンドリアをまるごと一粒包んだ和菓子だった。春奈の手元に残っていたお金で買えたのは、このお菓子2つだけだったが、祖母がすごく喜んで食べてくれたことに春奈は感動し、その和菓子を製造している岡山の老舗和菓子メーカー、宗家 源吉兆庵に就職をした。平成30年4月のことである。
笑顔を忘れない元気な春奈だったが、研修中はどの部署に行っても失敗ばかりで、困った会社は、ぶどう農家の秋吉伸介の所にぶどう作りの支援のため春奈を派遣する。助けなど必要ないから来なくていいと伸介に言われながらも負けずに頑張る春奈は、同じぶどう農家の屋敷達也の応援もあって、次第に紳介との距離を縮めていく。
だが、10年前に交通事故で亡くなった紳介の一人息子・太郎のぶどう園を続けるかどうかで紳介と揉めて、もうぶどう園には来なくていいと言われてしまう[注 4]。
仕事も上手くいかず落ち込んだ春奈に姉の雪絵が北海道に戻るよう勧め、春奈は会社を辞めて故郷に帰るか迷う。そんな時、岡山県を西日本豪雨の災害が襲った。春奈は、紳介のぶどう園のことを心配し、駆けつける。
キャスト
[編集]主要人物
[編集]- 相馬春奈(そうま はるな)
- 演 - 福本莉子
- いつかは自分が考えた和菓子を作りたいという夢を叶えるために奮闘する。
- 面接に遅刻してしまった[注 5]が、社長が特別に面接してくれて採用となる。
- 商品部に配属され、偏屈で名高いぶどう農家の伸介の所[注 6]に派遣される。
- 秋吉伸介(あきよし しんすけ)
- 演 - 竹中直人[13]
- ぶどう農家。亡くなった息子が育てたぶどう園を守る寡黙で頑固な男。
- 今年の収穫を終えたら、息子のぶどう園は終わりにしようと考えている。
- 屋敷達也(やしき たつや)
- 演 - 中河内雅貴[13]
- ぶどう農家の青年。何かと春奈を応援してくれる。
- 相馬雪絵(そうま ゆきえ)
- 演 - 本仮屋ユイカ[13]
- 春奈の姉。カーリング選手として活躍[注 7]しており、所属チームが全国優勝する。
- 秋吉みよし(あきよし みよし)
- 演 - 土居裕子[13][14]
- 伸介の妻。春奈を気に入り、何かと気を遣ってくれる。
- 田岡社長
- 演 -長谷川初範[13][14]
- 春奈が勤務する源吉兆庵の社長。
- 春奈の祖母の話に涙ぐみ、春奈の笑顔に魅了されて採用を決める。
源吉兆庵関係
[編集]人事部
[編集]- 緑川祐二(みどりかわ ゆうじ)
- 演 - ヨシダ朝[13][15]
- 人事部長。遅刻してきた春奈を不合格にしようとしたが、田岡社長の一存で採用になってしまう。
- 川本百合恵(かわもと ゆりえ)
- 演 - 宝積有香[13][15]
- 人事部職員。失敗だらけの春奈の処遇に悩む。
春奈の先輩社員
[編集]- 板橋政恵
- 演 - 大島蓉子[16][15]
- 販売部。研修中の春奈に店頭での接客の指導をする。一生懸命だが失敗ばかりの春奈に頭を抱える。
- 今西大輔
- 演 - 佐野泰臣[16][15]
- 商品開発部の主任。研修中の春奈を指導するが、お菓子を試食して美味しいとしか言わない春奈に呆れ気味。
- 工場長
- 演 - ボブ鈴木[16][15]
- 研修中の春奈を指導。小学生の団体見学のお世話をするよう春奈に指示する。
- 春奈の失敗[注 8]で、お菓子の材料を大きな容器ごと廃棄せざるを得なくなる。
- 秋山守
- 演 - 田中要次[16][15]
- 警備員。入社が決まった春奈に頼まれて記念写真を撮る。
新入社員(春奈の同期)
[編集]- 尾崎奈緒
- 演 - 大久保聡美[16][15]
- 営業部に配属される。既にデパートに営業をこなし評価も高い。
- 面接に遅刻してきて採用された春奈のことを「大物ちゃん」と言っている。
- だが、被災したぶどう農家の片付けを春奈が一人でやっているのを知り「マジで大物」と言い始める。
- 矢島祐美子
- 演 - 森日菜美[16][15]
- 秘書室に秘書として配属される。秘書検定準1級を取得している。
- 金澤こころ
- 演 - 村瀬美穂[16][15]
- マーケティング部に配属される。
- ディスプレイのセンスが優れており、早速実際の店舗のディスプレイを任せられる。
店を訪れた客
[編集]スタッフ
[編集]- 監督 - 吉田秋生
- 脚本 - 清水有生
- 音楽 - 遠藤浩二
- エンディング曲 - 横山幸雄
- 製作総指揮・企画プロデューサー - 丹羽多聞アンドリウ
- アソシエイトプロデューサー - 三木和史
- 撮影 - 鈴木周一郎
- 美術 - 山﨑輝
- 照明 - 高井大樹
- 録音 - 土屋和之
- 編集 - 平野一樹
- 整音 - 中村雅光
- 音響効果 - 橋本正明
- 装飾 - 西沢和幸
- 持道具 - 細谷恵子
- 衣装 - 片柳利依子
- ヘアメイク - 吉森香織
- キャスティング - 小板洋司
- 方言指導 - 八木景子
- 助監督 - 小村孝裕
- スチール - 渡辺富雄
- 配給 - BS-TBS
- 製作 -「しあわせのマスカット」製作委員会
主なロケ地
[編集]- 岡山市
- 倉敷市
- 総社市
-
- マスカット農園[19]…秋吉伸介のマスカット園などとして撮影された。
その他
[編集]和菓子「しあわせのマスカット」
[編集]作品中で、相馬春奈が「太郎さんのマスカット」として発案し、イラストに描いた和菓子が「しあわせのマスカット」として実際に商品化され、2021年4月22日から販売されていた[注 10][20][6]。
なお、春奈を演じた福本莉子が「映画を見て『おいしそうだな』と思った方が本当に食べられるし、お店で和菓子から見た方には『こんな映画があるんだ。見に行こう』と思っていただける。ふわふわでおいしい『しあわせのマスカット』も、ぜひ楽しんでいただきたいです」とコメントしている[21]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 当初2020年初夏の公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で2021年へと延期された。
- ^ 公式な場における世界初上映を意味する。
- ^ イオンシネマ岡山、TOHOシネマズ岡南、岡山メルパ、MOVIX倉敷
- ^ この時伸介は春奈にマスカット・オブ・アレキサンドリアを一房差し出して「食べてくれ。今日限りで、もう明日から来なくていい」と言っている。
- ^ 道に迷ったおばあさんの手助けをして、今度は自分が道に迷ったため。
- ^ 昨年、伸介の所に派遣された新入社員は半年足らずで辞めている。
- ^ 春奈も高校時代に指を負傷するまでは、姉と同じく全国レベルのカーリングの選手だった。
- ^ 団体見学の途中で、腰を痛めて辛そうな職員が重いお菓子の材料を運ぶのを見かけて駆けつけ代わりに運ぼうとしたが、倒れてこぼしてしまった。
- ^ 入院中に同室だった人に和菓子を贈ろうとしたが、春奈に一番喜んでもらえる物がいいと言われて、花屋さんに一緒に行き花束を贈ることになった。
- ^ 映画『しあわせのマスカット』の公開時にコラボ商品として販売されていたもので、現在は製造・販売されていない。
出典
[編集]- ^ “福本莉子の主演作「しあわせのマスカット」公開日が明らかに、ポスターも到着”. 映画ナタリー. 株式会社ナターシャ (2021年2月27日). 2021年3月11日閲覧。
- ^ a b “東宝シンデレラ福本莉子が映画で初の単独主演、「しあわせのマスカット」公開”. 映画ナタリー. ナターシャ (2019年7月22日). 2020年6月15日閲覧。
- ^ a b “福本莉子「英語を勉強して戻ってきたい」『しあわせのマスカット』LAプレミアレポート”. ムビッチ. 株式会社サードアイ (2019年11月19日). 2020年10月2日閲覧。
- ^ “The Grapes of Joy(Shiawase)”. asian world film festival. 2020年10月2日閲覧。
- ^ “福本莉子、主演映画で演じた販売のPR手腕発揮「普段は食べる側ですが」”. sanspo.com. 産経新聞社 (2021年4月22日). 2021年4月22日閲覧。
- ^ a b “福本莉子が映画単独初主演「岡山の大自然や魅力がつまった作品」”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2021年4月22日). 2021年4月22日閲覧。
- ^ 映画『しあわせのマスカット』公式 [@muscat20211] (2021年5月13日). "岡山県:イオンシネマ岡山、TOHOシネマズ岡南、岡山メルパ、MOVIX倉敷では、明日14日の上映から本編冒頭にて #福本莉子 さん、#長谷川初範 さん、#竹中直人 さんの舞台挨拶風コメント動画も上映いたします。地元で行かれる方、お楽しみに。". X(旧Twitter)より2021年5月17日閲覧。
- ^ “来夏公開の映画「しあわせのマスカット」主演は東宝「シンデレラ」オーディショングランプリの福本莉子さん”. KSB5ch/ニュース. 株式会社瀬戸内海放送 (2019年7月22日). 2021年8月2日閲覧。
- ^ “福本莉子『しあわせのマスカット』映画初主演!”. シネママニエラ. シネママニエラ編集部 (2019年7月22日). 2020年9月6日閲覧。
- ^ “東宝シンデレラ・グランプリ 福本莉子 映画初主演 岡山の果物和菓子に魅せられた女子が奮闘!『しあわせのマスカット』2020年初夏公開!”. ムビッチ. 株式会社サードアイ (2019年7月22日). 2020年10月3日閲覧。
- ^ “【宗家 源 吉兆庵 全面協力】映画「しあわせのマスカット」”. 宗家 源吉兆庵 (2021年3月2日). 2021年3月23日閲覧。
- ^ “映画『しあわせのマスカット』の撮影に協力させていただきました”. 宗家 源吉兆庵 (2019年7月22日). 2020年9月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g “しあわせのマスカットThe Grapes of Joy”. JFDB日本映画データベース. 公益財団法人ユニジャパン. 2020年9月6日閲覧。
- ^ a b “「しあわせのマスカット」Story”. 「しあわせのマスカット」公式サイト. 2021年4月16日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “『しあわせのマスカット』公式サイト/Cast Staff”. 「しあわせのマスカット」製作委員会. 2021年5月16日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “映画「しあわせのマスカット」”. 株式会社エイガ・ドット・コム. 2021年3月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “映画「しあわせのマスカット」×岡山ロケ地”. 公益社団法人 岡山県観光連盟. 2021年5月15日閲覧。
- ^ “WELCOME TO HALLEWOOD ~ハレウッドへようこそ~映画「しあわせのマスカット」編”. 日刊Webタウン情報おかやま (2021年4月30日). 2021年5月15日閲覧。
- ^ “岡山県内で和菓子題材の映画ロケ「しあわせのマスカット」製作中”. 山陽新聞さんデジ (山陽新聞社). (2019年7月25日) 2021年5月15日閲覧。
- ^ “映画「しあわせのマスカット」コラボ商品/しあわせのマスカット3個入”. 宗家 源 吉兆庵. 2021年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月19日閲覧。
- ^ “福本莉子「東宝シンデレラ」の記念にヴィトンの財布 / p2単独初主演映画とともに、和菓子も誕生”. MONO TRENDY 私のモノ語り. 日本経済新聞社 (2021年5月14日). 2021年5月17日閲覧。