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しまぎり型巡視艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
しまぎり型巡視艇
基本情報
艦種 23メートル型PC
就役期間 1985年 - 2018年
前級 しきなみ型
次級 なつぎり型 (特23メートル型)
要目
満載排水量 54.0トン
総トン数 51トン
全長 25.4 m
最大幅 5.60 m
深さ 2.80 m
吃水 1.00 m
主機 MTU 12V396 TB93
ディーゼルエンジン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 3,000馬力
速力 29ノット
航続距離 290海里
乗員 10名
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しまぎり型巡視艇英語: Shimagiri-class patrol crafts)は、海上保安庁巡視艇の船級。区分上はPC型、公称船型は23メートル型[1][2]

設計

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本型では、昭和45年度計画で建造されたしきなみ型より一段上の堪航性と高速性の両立を求められたことから、「23メートル型巡視艇建造基本計画検討委員会」が設置されて、関係各所から意見を聴取して基本計画が作成された。この結果、昭和52年度計画で建造された30メートル型PC(むらくも型)がタイプシップとされることになった。没水部船型はディープV型、船質はアルミニウム合金と、いずれもしきなみ型・むらくも型と同様の手法が踏襲されたが[1]、本型では、海保船艇としては初めて全溶接構造が採用された[2]

主機関としては、V型12気筒MTU 12V396 TB93ディーゼルエンジン(1,500馬力 / 1,975 rpm)が搭載された。推進器は固定ピッチ・プロペラである[3]電源は交流220ボルト、出力20 kVAであった。主配電盤には自動化装置が組み込まれている[1]

なお、3番艇「はやぎり」は、竣工当初は門司海上保安部(第七管区)に配属されていたために13mm単装機銃(ブローニングM2重機関銃)を備えていたが、1993年3月9日に下田海上保安部(第三管区)に配属変更されるのに伴って撤去されている[2]。(なお、「はやぎり」は平成11年12月8日に尾道(第六管区)へ配属替えされている)

同型艇

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※巡視艇の船名は、随時、改名されることがある。

計画年度 # 船名 建造所 竣工 配備先 除籍
昭和59年 PC-83 しまぎり 日立造船
神奈川工場
1985年2月 広島第六管区 2018年1月9日
PC-84 せとぎり
→ おきなみ
1985年3月 今治(第六管区)
水島(第六管区)
2018年3月12日
PC-85 はやぎり 三菱重工
下関造船所
1985年2月 尾道(第六管区) 2018年2月19日

登場作品

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海猿 UMIZARU EVOLUTION
第1話と第2話に「はやぎり」が登場。三浦半島沖でタンカー座礁し転覆する海難事故が発生したことを受け、現場海域に急行し救助活動にあたる。

参考文献

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  1. ^ a b c 徳永陽一郎、大塚至毅『海上保安庁 船艇と航空 (交通ブックス205)』成山堂書店、1995年、100-101頁。ISBN 4-425-77041-2 
  2. ^ a b c 「海上保安庁全船艇史」『世界の艦船』第613号、海人社、2003年7月、104頁、NAID 40005855317 
  3. ^ 佐藤一也「4サイクルディーゼル機関の技術系統化調査」『国立科学博物館 技術の系統化調査報告 第12集』2008年3月。