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なつぎり型巡視艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
なつぎり型巡視艇
基本情報
艦種 特23メートル型PC
就役期間 1985年 - 2019年
前級 あきづき型
しまぎり型 (23メートル型)
次級 ことなみ型
はやなみ型 (35メートル型)
要目
満載排水量 69トン
総トン数 54トン
全長 27.0 m
最大幅 5.60 m
深さ 2.80 m
吃水 1.10 m
主機 MTU 12V396 TB93
ディーゼルエンジン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 3,000馬力
速力 27.5ノット
航続距離 275海里
乗員 9名 (最大搭載人員)
レーダー 航法用×1基[1]
テンプレートを表示

なつぎり型巡視艇英語: Natsugiri-class patrol crafts)は、海上保安庁巡視艇の船級。区分上はPC型、公称船型は特23メートル型[2][3][4]

設計

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1988年なだしお事件を受けて、横須賀港周辺の航路哨戒用として建造されたのが本型である。設計面では、昭和59年度計画で建造されていたしまぎり型をベースとしているが、船質は耐航性高張力鋼に変更された。これによる重量増を補うため、全長を増して造波抵抗の低減を図っている[4]。甲板・上部構造物はアルミニウム合金製である。航路哨戒用であることから、視界確保のため操舵室を半段高くし、また上部には全周を監視できる指揮所を設けた[2]

主機関はタイプシップの構成が踏襲され、V型12気筒MTU 12V396 TB93ディーゼルエンジン(1,500馬力 / 1,975 rpm)が搭載された。推進器は固定ピッチ・プロペラである[5]。高速時の操縦性能を確保するため、吊り下げ舵2舵とされた[2]

同型艇

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※巡視艇の船名は、随時、改名されることがある。

計画年度 # 船名 建造 竣工 配備先 除籍
平成元年 PC-86 なつぎり 墨田川造船 1990年1月 上越第九管区 2019年2月4日
PC-87 すがなみ 横須賀第三管区 2019年2月15日

参考文献

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  1. ^ Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 391. ISBN 978-1591149545 
  2. ^ a b c 徳永陽一郎、大塚至毅『海上保安庁 船艇と航空 (交通ブックス205)』成山堂書店、1995年、100-101頁。ISBN 4-425-77041-2 
  3. ^ 「海上保安庁全船艇史」『世界の艦船』第613号、海人社、2003年7月、104頁、NAID 40005855317 
  4. ^ a b 「警備救難業務用船 (海上保安庁船艇の全容)」『世界の艦船』第800号、海人社、2014年7月、75頁、NAID 40020105550 
  5. ^ 佐藤一也「4サイクルディーゼル機関の技術系統化調査」『国立科学博物館 技術の系統化調査報告 第12集』2008年3月。