はげしい雨が降る
「はげしい雨が降る」 | |||||||||||||
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ボブ・ディランの楽曲 | |||||||||||||
収録アルバム | 『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 | ||||||||||||
リリース | 1963年5月27日[1] | ||||||||||||
規格 | 12" LP アルバム | ||||||||||||
録音 | 1962年12月6日 米国ニューヨーク市 コロムビア・レコーディング・スタジオ | ||||||||||||
ジャンル | フォーク | ||||||||||||
時間 | 6分55秒 | ||||||||||||
レーベル | コロムビア | ||||||||||||
作詞者 | ボブ・ディラン | ||||||||||||
作曲者 | ボブ・ディラン | ||||||||||||
プロデュース | ジョン・ハモンド | ||||||||||||
その他収録アルバム | |||||||||||||
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「はげしい雨が降る」(はげしいあめがふる、英: A Hard Rain's a-Gonna Fall)は、ボブ・ディランが作詞・作曲・演奏・歌唱した楽曲。アルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』(1963年)に収録され初出。旧邦題「今日も冷い雨が」。
解説
[編集]歌詞は後年のディランの作品に通じるような象徴的なイメージに満ちたもので多様な解釈ができる。日本では、1966年4月に日本コロムビアから、「風に吹かれて」のB面として「今日も冷たい雨が」という邦題でシングルカットされている。
作詞・作曲とレコーディング
[編集]アルバムのライナー・ノーツには1962年10月に書かれたと記載されているが[2]、9月には書き始められたとみられカフェ「ガスライト」などで演奏[3][4][5]、9月22日、オールスター・フーテナニーの一員としてカーネギー・ホールに初出演した際にも演奏されている[5]。10月に「ガスライト」で録音されたとみられる演奏が『 Live at The Gaslight 1962 』(2005年)に収録されている。フォーク雑誌『シング・アウト!』誌12月号には歌詞が掲載された[6]。
12月6日、ジョン・ハモンドのプロデュースのもとコロムビア・レコーディング・スタジオにて録音。12月中旬に録音されたとみられる音楽出版社のウィットマーク社のためのデモ録音が『ザ・ウィットマーク・デモ(ブートレッグ・シリーズ第9集)』に収録されている。[7]
1963年4月26日、シカゴの WFMT ラジオの番組『 Studs Terkel's Wax Museum 』の録音でディランは「はげしい雨が降る」他を演奏[8]。番組中、この歌がキューバ危機の問題が持ち上がった時期に書かれたもので、この先の人生も長くなさそうだと思い、新しく書くつもりだった歌をこの1曲に詰め込んでみたと話している[9][4]。しかし「はげしい雨」が核ミサイル攻撃による「放射能の雨」、「放射性降下物」という解釈については否定をした[9]。
「問いかけ」と「その答え」という歌詞の構造は、 "Lord Randall", Child Ballad No. 12 のトラディショナルなバラッドをベースにしているとも指摘されている[10]。
いろいろなバージョン
[編集]Expo Zaragoza 2008 サラゴサ国際博覧会のテーマ曲として、2007年にディランは新バージョンを録音、また地元のグループでディランのツアーのサポート・メンバーを務めたこともあるアマラルがスペイン語バージョンを録音し、博覧会のプロモーションに使用された[11]。2008年6月24日、同地にてコンサートも行っている[12]。
2016年12月10日、ノーベル賞の授賞式において、式を欠席したディランの代わりにパティ・スミスがこの曲をオーケストラをバックに歌った。パティは緊張のあまり一部の歌詞を忘れ、最初から演奏をやり直してもらうよう要請した[13]。
演奏収録ディスク
[編集]- 『 Live at The Gaslight 1962 』(2005年)
- 『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』(1963年)
- 1962年12月6日、スタジオ録音
- 『ザ・ウィットマーク・デモ(ブートレッグ・シリーズ第9集)』(2010年)
- 1962年12月中旬ニューヨーク、デモ録音
- 『ノー・ディレクション・ホーム:ザ・サウンドトラック(ブートレッグ・シリーズ第7集)』(2005年)
- 『アット・フィルハーモニック・ホール(ブートレッグ・シリーズ第6集)』(2004年)
- 『バングラデシュ・コンサート』(1971年)
- 1971年8月1日ニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデン、ライブ録音
- 『ローリング・サンダー・レヴュー(ブートレッグ・シリーズ第5集)』(2002年)
- 「ディグニティ」(1994年)
カバー
[編集]- ピート・シーガー - 『Broadside Ballads, Vol. 2』(1963年)[14]
- ザ・ステイプル・シンガーズ - 『This Little Light』(1964年)
- ジョーン・バエズ - 『Farewell Angelina』(1965年)
- レオン・ラッセル - 『レオン・ラッセル・アンド・ザ・シェルター・ピープル』 Leon Russell and the Shelter People (1971年)
- ブライアン・フェリー - 『愚かなり、わが恋』 These Foolish Things (1973年)
- ナナ・ムスクーリ - 『À Paris』(1979年)
- Drukwerk - 『Drukwerk』(1981年)。「Ik verveel me zo」のタイトルでオランダ語詞。
- エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ - 「はげしい雨が降る」"Hard Rain's a-Gonna Fall" (1990年)。映画『7月4日に生まれて』(1989年)サウンドトラック
- メラニー - 『Precious Cargo』(1991年)
- ジェイソン・ムラーズ - トリビュート・アルバム『Listen to Bob Dylan: A Tribute』(2005年)
- アマラル - Llegará la tormenta (The storm will arrive) (2008年)。サラゴサ国際博覧会テーマ曲のスペイン語バージョン。
- ジミー・クリフ - Sacred Fire EP - A Hard Rain's A-Gonna Fall(2011年)
- カート・エリング - 『THE QUESTIONS』(2019年)
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ Auping, Jonny (2016年1月21日). “For Sale: One of the World’s Rarest Bob Dylan Albums”. Texas Monthly. 2024年9月10日閲覧。
- ^ ヘントフ(1963年)。
- ^ スカデュト(1973年)、p. 202。
- ^ a b スーンズ(2002年)、pp. 128-129。
- ^ a b ヘイリン(1990年)、p. 46。
- ^ ヘイリン(1990年)、p. 255。
- ^ ヘイリン(1990年)、p. 48。
- ^ ヘイリン(1990年)、p. 54。
- ^ a b スカデュト(1973年)、p. 203。
- ^ ハードマン(1983年)、pp. 91-92。
- ^ Llewellyn, Howell (November 23, 2007). “Dylan reworks "Hard Rain's" for Spanish expo”. Reuters 2010年12月8日閲覧。
- ^ “Bob Dylan Tour Archive”. bobdylan.com. 2010年12月10日閲覧。
- ^ “Patti Smith stumbles then delivers at Bob Dylan-less Nobel ceremony”. USA Today (December 10, 2016). 2017年6月21日閲覧。
- ^ “Broadside Ballads, Vol. 2”. 2010年12月2日閲覧。
参考文献
[編集]- アンソニー・スカデュト 著、小林宏明 訳『ボブ・ディラン』二見書房、1973年。 - Scaduto, Anthony (1971). Bob Dylan: An Intimate Biography ((1st ed.) ed.). New York: Grosset & Dunlap, Bob Dylan. SIGNET ((paperback ed.) ed.). New York: The New American Library. (1973)
- クリントン・ヘイリン 著、菅野ヘッケル 訳『ボブ・ディラン大百科』CBS・ソニー出版、1990年。ISBN 4-7897-0553-6。 - Heylin, Clinton (1988). Bob Dylan: Stolen Moments. The Ultimate Reference Book. Romford, England: Wanted Man Publications. ISBN 0-947730-05-2
- ジョン・ハードマン 著、三浦久 訳『ボブ・ディラン〜詩の研究』CBS・ソニー出版、1983年。ISBN 4-7897-0122-0。 - Herdman, John (1982). Voice Without Restraint: Bob Dylan's Lyrics and Their Background. England: Paul Harris Publishing
- ナット・ヘントフ(1963年)、ボブ・ディラン『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』のアルバム・ノーツ。 - Hentoff, Nat (1963). Album notes for "The Freewheelin' Bob Dylan" by Bob Dylan. Columbia (CL 1986/CS 8786).
- ハワード・スーンズ 著、菅野ヘッケル 訳『ダウン・ザ・ハイウェイ〜ボブ・ディランの生涯』河出書房新社、2002年。ISBN 4-309-26614-2。 - Sounes, Howard (2001). Down The Highway: The Life of Bob Dylan. New York: Grove Press. ISBN 0-8021-1686-8
関連文献
[編集]- Dylan, Bob (September 1963). “Hard Rain's A-Gonna Fall” (PDF). Broadside (New York: Broadside) (#31): p. 3 2010年12月8日閲覧。.
外部リンク
[編集]- 歌詞 bobdylan.com