地下鉄に乗って
地下鉄に乗って | ||
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著者 | 浅田次郎 | |
発行日 | 1994年3月 | |
発行元 | 徳間書店 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 上製本 | |
ページ数 | 248 | |
コード | ISBN 978-4-19-860081-5 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『地下鉄に乗って』(メトロにのって)は、浅田次郎の長編小説。1994年(平成6年)に徳間書店から刊行された。
第16回(1995年)吉川英治文学新人賞受賞作。過去と現在を地下鉄を通じて行き来し、家族の過去をたどる男を描いた。
本作は、2000年にミュージカルとして舞台化され、2006年には映画化及び、派生ストーリーがテレビドラマ化された。
あらすじ
[編集]主人公の小沼真次は、女性用下着を売り歩くセールスマンだが、真次の父親である小沼佐吉は、世界的に有名な「小沼グループ」の創立者であり、真次はその御曹司であった。真次は父親の母や兄への傲慢な態度に反発し、高校卒業後、家を飛び出していたのだ。
ある夜、永田町駅の地下鉄の階段を上ると、そこには30年前の1964年(昭和39年)の風景が広がっていた。そこで真次は、在りし日の兄を目撃する。
その後真次は、同僚であり、自立した愛人関係でもある軽部みち子と共に、現実と過去を行き来しながら、兄の過去、そして、父の生き方を目撃してゆく。
登場する主な駅(東京地下鉄線のみ)
[編集]- 新中野駅:真次の実家(小沼邸)が近くにあるという設定で、1964年の鍋屋横丁の商店街も描かれている。下記映画での商店街シーン撮影は、伊東市で行われた(出典:映画DVD)。
- 永田町駅:ここの地下道から、最初のタイムスリップが起こるという展開。
- 神田駅:真次とみち子の勤務先が地下街にあるという設定。
- 赤坂見附駅
- 中野坂上駅
- 中野富士見町駅:みち子の住居が近くにあり、中野検車区に近接しているという設定。
- 銀座駅
- 新橋駅
- 上野駅
- 三ノ輪駅
登場する主な昭和関連項目
[編集]書籍
[編集]- 単行本:徳間書店 初版1994年3月 ISBN 4198600813
- 文庫版:徳間文庫 初版1997年6月 ISBN 419890698X
- 文庫版:講談社文庫 初版1999年12月 ISBN 4062645971
- 愛蔵版:徳間書店 初版2006年7月 ISBN 4198621918(作者の書き下ろしエッセイあり)
- 漫画版:講談社 初版2006年10月 ISBN 4063722120(もりひのと作画)
ミュージカル
[編集]2000年に音楽座ミュージカル『メトロに乗って』として石川禅・毬谷友子主演で舞台化された。その後この作品は劇団「Rカンパニー」に引き継がれ、2007年には広田勇二・秋本みな子主演で再演され[1]、この模様を収めた映像は2008年にソニーの配給により日本全国の映画館で上映された。2014年にも広田勇二、美羽あさひによって再演されている[2]。
原作者の浅田次郎は2007年の再演の制作発表に出席しており、再演に寄せて「初演は素晴らしい作品で、日本のミュージカルとしては200%満足していると言ってもいい」とのコメントを残している[3]。
公演概要
[編集]公演年 | 2000年 | 2007年 | 2014年 | |
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公演名 | 東京公演 | 兵庫公演 | 東京公演 | 全国公演 |
期間 | 10月21日 - 11月8日 | 11月16日 - 18日 | 12月21日 - 30日 | 10月3日 - 12月21日 |
劇場 | ル・テアトル銀座 | 宝塚バウホール | 東京芸術劇場中ホール | |
上演時間 | 約2時間45分(途中休憩15分) | |||
制作発表 | 2000年6月1日 | 2007年11月6日 | ||
スタッフ | ||||
脚本・演出 | ワームホールプロジェクト | |||
音楽 | 井上ヨシマサ・高田浩 | |||
美術 | 朝倉摂 | |||
衣装 | 原まさみ | |||
照明 | 笠原敏幸 | |||
振り付け | 野坂公夫 | 野坂公夫・畠山龍子 |
2014年
[編集]公演名 | 日付 | 会場 |
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ホームタウン公演 | 10月3日 | 町田市民ホール |
10月4日 | ||
10月5日 | ||
新宿区公演 | 10月9日 | 新宿文化センター大ホール |
10月10日 | ||
10月11日 | ||
10月12日 | ||
目黒区公演 | 10月29日 | めぐろパーシモンホール大ホール |
10月30日 | ||
大田区公演 | 12月4日 | 大田区民ホール大ホール |
12月5日 | ||
茨城公演 | 12月7日 | 常陸大宮市文化センター |
愛知公演 | 12月14日 | 幸田町民会館さくらホール |
大阪公演 | 12月20日 | シアターBRAVA |
12月21日 |
キャスト
[編集]公演年 | 2000年 | 2007年 | 2014年 |
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軽部みち子 | 毬谷友子 | 秋本みな子 | 美羽あさひ |
小沼真次 | 石川禅 | 広田勇二 | |
アムール(小沼佐吉) | 沢木順 | 吉田朋弘 | 益山武明 |
お時 | 福麻むつ美 | 井田安寿 | |
野平 | すまけい | 勝部演之 | |
岡村 | 三谷六九 | 小林アトム | |
村松 | 佐藤伸行 | ||
貞子 | 今津朋子 | 野田久美子 | |
小沼昭一 | 照井悠也 | 関川慶一 | |
その他の出演者 | 宮内理恵、渋谷玲子、西原純、田澤啓明、浜崎真美、五十嵐進、江部珠代、小野佳寿子、小笠原家光、近藤祐子、小原和彦、川島豊、清水梨央、隅田亜矢、坪井美奈子、中村陽子、俵和也、橋本久美、丹宗立峰、萩原弘雄、森藤規子、安田栄徳、白沢文晴、千代将太 | 五十嵐進、浜崎真美、野口綾乃、清田和美、新木啓介、安中惇也、渡辺修也、山合大輔、藤田将範、柴崎一輝、鈴木智美、大川麻里江、兼崎ひろみ、富永友紀、堀川亜矢、村田麻衣、渡邊りせ、伊沢絵里子、永澄春香、奥津菜々子、冨永波奈、萩原弘雄、藤原岳、黛一亮 |
※キャスト順は音楽座ミュージカル/Rカンパニー発表によるキャスト表(2007年公演時)に準拠
ミュージカルナンバー
[編集]
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- 引用出典 『音楽座ミュージカルマガジンR’s(アールズ)特別号vol.5 December2007』
テレビドラマ
[編集]『もういちど地下鉄に乗って』(もういちどメトロにのって)のタイトルで2006年にテレビ朝日の土曜ミッドナイトドラマ枠で全4話が放送された。 原作小説の派生作品になっている。
キャスト
[編集]スタッフ
[編集]- 脚本:立見千香・谷口純一郎
- 演出:森田空海・木内麻由美
- チーフプロデューサー:桑田潔(テレビ朝日)
- プロデューサー:樽井勝弘・小久保聡(テレビ朝日)、平部隆明
- 主題歌:Salyu「プラットホーム」
- 音楽:窪田ミナ
- 制作:テレビ朝日、ホリプロ
テレビ朝日 土曜ミッドナイトドラマ | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
もういちど地下鉄に乗って
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映画
[編集]地下鉄に乗って | |
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監督 | 篠原哲雄 |
脚本 | 石黒尚美 |
製作 |
宇野康秀 気賀純夫 島本雄二 早河洋 |
製作総指揮 |
河井信哉 遠谷信幸 林紀夫 亀山慶二 |
出演者 |
堤真一 岡本綾 大沢たかお 常盤貴子 |
音楽 | 小林武史 |
撮影 | 上野彰吾 |
編集 | キム・ソンミン |
配給 |
ギャガ・コミュニケーションズ 松竹 |
公開 | 2006年10月21日 |
上映時間 | 121分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 6億1200万円[4] |
2006年に篠原哲雄監督により堤真一、岡本綾主演で映画化され、10月21日より、松竹・東急系にて公開。 撮影にあたり、本作が初めて東京地下鉄(東京メトロ)の全面協力を得た[5]。また、喫茶店のシーンを撮影していた時に原作者の浅田が来ていたため、客として映画に出演している[5]。
キャスト
[編集]- 長谷部真次:堤真一
- 原作と異なり、両親の離婚後、母方の姓を名乗る設定である
- 軽部みち子:岡本綾
- 小沼佐吉 / アムール:大沢たかお
- お時:常盤貴子
- 野平啓吾(先生):田中泯
- 岡村会長:笹野高史
- 小沼昭一:北条隆博
- 小沼真次:崎本大海(少年時代)
- 小沼圭三:金井史更(少年時代)→綱島郷太郎(現在)
- 長谷部節子(真次の妻):中村久美
- 長谷部民枝:中島ひろ子(若年期)→吉行和子(現在)
- 斉藤陽一郎、中村靖日、水木薫、山田幸伸、千葉哲也、眞島秀和、遠藤雄弥、市川円香、浅川稚広、高良健吾、小関裕太ほか
スタッフ
[編集]- 監督:篠原哲雄
- 脚本:石黒尚美
- 音楽:小林武史
- 主題歌:Salyu 「プラットホーム」(TOY'S FACTORY)
- 編集:キム・ソンミン
- 撮影:上野彰吾
- 視覚効果:松本肇
- 美術:金田克美
- 照明:赤津淳一
- 録音監督:橋本文雄
- 助監督:中西健二
- 音響効果:小島彩
- 選曲:浅梨なおこ
- アクションコーディネーター:高瀬将嗣、森聖二
- ガンエフェクト:パイロテック
- カースタント:野呂真治
- 特別協力:東京地下鉄(東京メトロ)
- 協力:森ビル、伊東市、伊東観光協会
- 協賛:サントリー
- 現像:IMAGICA
- スタジオ:日活撮影所
- 企画:小滝祥平、三宅澄二、高松宏伸、梅澤道彦
- プロデュース:鈴木尚、五郎丸弘二、辻畑秀生、森谷晃育
- 制作プロダクション:デスティニー
- 配給:ギャガ・コミュニケーションズ + 松竹
- 製作:ギャガ・コミュニケーションズ、ジェネオンエンタテインメント、テレビ朝日、メ~テレ、松竹、電通、アドギア、LDH、ミコット・エンド・バサラ、IMAGICA、デスティニー
撮影が行われた主な駅
[編集]登場する地下鉄電車
[編集](実車のみ)
なお、作中に登場した帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)丸ノ内線の300形電車は1996年に同線での営業運転を終了したため、当時東西線で使用されていた5000系電車(3両)の車体(アルミニウム合金製)全体にラッピングシールを貼って再現している(参考:映画DVD他)。
脚注
[編集]- ^ “音楽座ミュージカル【メトロに乗って】”. 音楽座ミュージカル/Rカンパニー 公式ホームページ. 音楽座. 2007年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月28日閲覧。
- ^ “音楽座ミュージカル 「メトロに乗って」きょうから”. 産経ニュース. (2014年10月3日). オリジナルの2016年3月27日時点におけるアーカイブ。 2016年5月28日閲覧。
- ^ 音楽座ミュージカル『メトロに乗って』再演決定|ORICON NEWS、2019年1月30日閲覧
- ^ 「2006年 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報』2007年(平成19年)2月下旬号、キネマ旬報社、2007年、184頁。
- ^ a b 篠原哲雄監督インタビュー|CINEMATOPICS、2019年1月30日閲覧