アゴメラチン
IUPAC命名法による物質名 | |
---|---|
| |
臨床データ | |
ライセンス | EMA:リンク |
法的規制 |
|
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | ~5% |
代謝 | 肝代謝: CYP1A1 CYP1A2 CYP2C9/19 |
半減期 | 1-2時間[1] |
データベースID | |
CAS番号 | 138112-76-2 |
ATCコード | N06AX22 (WHO) |
PubChem | CID: 82148 |
DrugBank | APRD00060 |
ChemSpider | 74141 |
KEGG | D02578 |
化学的データ | |
化学式 | C15NO2 |
分子量 | 243.30 g/mol |
|
アゴメラチン(Agomelatine)は、ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬(NDDI)と呼ばれる抗うつ薬の一つである。2009年2月24日にEUで承認されて、Servier Laboratories社からValdoxanの商品名で発売されている。2010年にはオーストラリアでも承認された。主にメラトニン受容体に作用し、セロトニン受容体にも作用する。
アメリカ合衆国でも臨床試験が行われたが、2011年を以て中止された。日本では認可されていない。
薬理
[編集]本剤はミルタザピンやSNRIのようなデュアルアクション(2つ以上の作用機序にて初めて効果を発現する)によって効果を発現する。
アゴメラチンはメラトニンMT1,2アゴニストであり、セロトニン5-HT2B,2Cアンタゴニストである[2]。
セロトニン5-HT2アンタゴニストは、青斑核と腹側被蓋野にそれぞれ介在する抑制性ニューロンを抑制し、前頭前皮質へと投射されるドパミンとノルアドレナリン神経系を脱抑制する。
MT1,2アゴニストは睡眠の改善を計ることができるとされる。
また、MTアゴニストはサイトカインの調節や活性酵素の中和などを介して、うつ病の精神免疫障害仮説によりうつ病を改善させる可能性が臨床試験により検証されている。
しかし、5-HT2Aアンタゴニストと同じで、MTアゴニスト単体では抗うつ作用が十分ではなかったが、2つを統合させたアゴメラチンは優れた抗うつ作用を有していることから、相乗して抗うつ作用を発現しているとされる。
出典
[編集]- ^ RT, Owen (2009年8月). “Agomelatine: a novel pharmacological approach to treating depression.”. 2011年1月10日閲覧。
- ^ “he Novel Melatonin Agonist Agomelatine (S20098) Is an Antagonist at 5-Hydroxytryptamine2C Receptors, Blockade of Which Enhances the Activity of Frontocortical Dopaminergic and Adrenergic Pathways.” (2003年5月). 2011年1月10日閲覧。
関連項目
[編集]- ミルタザピン(レメロン、リフレックス)
同じセロトニン5-HT2A,2Cアンタゴニストであり、ノルアドレナリンとドパミンの遊離を促進させる。また、ミルタザピンは5-HT3アンタゴニストであり、他にアドレナリンα2アゴニストとヒスタミンH1アンタゴニストでもある。