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アドビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アドビシステムズから転送)
アドビ
Adobe Inc.
アドビの本社
種類 株式会社
市場情報
略称 Adobe(アドビ)
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンノゼ
設立 1982年
業種 情報・通信業
事業内容 デザイン、イメージングおよびパブリッシング用ソフトウェアの提供
代表者 シャンタヌ・ナラヤン会長最高経営責任者
売上高 増加 157億8500万ドル(2021年12月3日に終了した事業年度)[1]
営業利益 増加 58億20万ドル(2021年12月3日に終了した会計年度)[1]
純利益 減少 48億2200万ドル(2021年12月3日に終了した会計年度)[1]
純資産 増加 272億4,100万ドル
(2021年12月3日に終了した会計年度)[1]
総資産 増加 147億9700万ドル
(2021年12月3日に終了した会計年度)[1]
従業員数 25,988人(2021年)
決算期 11月30日に最も近い金曜日
関係する人物

チャールズ・ゲシキ(共同創業者) ジョン・ワーノック(共同創業者)

スティーブ・ジョブズ(創業当時の出資者)
外部リンク www.adobe.com ウィキデータを編集
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アドビ株式会社
Adobe KK
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
141-0032
東京都品川区大崎一丁目11番2号
ゲートシティ大崎イーストタワー
設立 1992年
業種 情報・通信業
法人番号 7010701011841
事業内容 ソフトウェアおよび関連サービスの提供
代表者 代表取締役社長 ジェイムズ マイケル マクリディ[2]
資本金 1億80百万円(2017年11月30日現在)[2]
純利益 22億4700万円
(2023年11月期)[3]
総資産 157億8000万円
(2023年11月期)[3]
従業員数 約400人
決算期 11月30日
外部リンク www.adobe.com/jp/
特記事項:2020年6月18日に、アドビシステムズから社名変更。
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アドビ: Adobe Inc.)は、ジョン・ワーノックチャールズ・ゲシキによって1982年12月に設立された、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼ市に本社を置くコンピュータソフトウェア・テクノロジー・カンパニーである。クリエイティブ・デザイン、ビデオ編集ツールとAcrobatPDF等のトップシェア企業。マーケティングツール、AI、ECサービス等も提供している。パロアルト研究所からInterpress (PageScriptLanguage) を開発してスピンアウトし、当初の1982年12月から2018年10月3日まではAdobe Systems Incorporatedという社名であったが2018年にAdobe Inc.に社名変更した。会長兼CEOはシャンタヌ・ナラヤン(2024年現在)。

日本法人であるアドビ株式会社(2020年6月18日にアドビシステムズ株式会社から社名変更[4])は、東京都品川区大崎に所在。2021年4月12日より、神谷知信氏(スタンフォード大大学院、青山学院卒)が、ジェイムズ・マイケル・マクリディ(元メジャーリーガー、NYメッツの投手、現・ServiceNow日本法人社長)の後任として日本法人の社長に就任し、「心、おどる、デジタル」という戦略を発表。アクロバットPDFの生みの親で、フォトショップ、イラストレーターらクリエイティブ・デザイン・ツールではトップシェアで業界のリーダー企業でもあり、"Creativity for All"というヴィジョンを掲げている。Behance(ビハンス:アドビが運営するクリエイターのためのソーシャルメディアプラットフォーム)において、"NFT アート"を展示できる新機能も提供。

歴史

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米カリフォルニア州、パロアルト研究所にいたチャールズ・ゲシキとジョン・ワーノックが創業。クリエイティブ・デザイン、ビデオ編集からマーケティング、AI、ドキュメント管理、電子サイン、NFTまでを実践提供するデジタルコラボレーション推進型テクノロジーカンパニーとして、米NASDAQ上場。Acrobat、PDFの生みの親である。当初、ページ記述言語である、「Interpress(インタープレス)」の研究開発を開始した。しかし、ゼロックスはこれをビジネスには利用しようとしなかったため、独立を決意。1982年、Adobe Systemsを設立した。社名は、当時ロスアルトスにあったジョン・ワーノックの自宅の裏を流れる22.9 kmの小川である"Adobe Creek"という川の名前が由来とされている。

Appleが出資を決めた頃のスティーブ・ジョブズチャールズ・ゲシキジョン・ワーノック(1982年12月)

当初は、ページ記述言語を元に、DTPシステム自体を事業の核にしようと考えていた。当時Apple Computer(現・Apple)では、新しくレーザープリンターを開発していたが、高精度な印刷ができなった。そこでスティーブ・ジョブズが、パロアルト研究所でInterpressページ記述言語技術の存在を知り、AppleのレーザープリンターLaserWriterに供給することを依頼し[5][6]、Adobe Systemsを設立に際し20%に当たる500万ドルを出資した[7]。この結果、アドビはハードウェアメーカーではなく、メーカーにInterpress, ページ記述言語を供給するソフトウェア・テクノロジーに軸足を置くこととなった。

1985年に、後にDTP業界標準となる、"PostScript"開発を発表。この頃の売り上げの大半はAppleからのライセンス使用料であった(Appleは1983年に前金で$100万支払い、そして$250万出資した[5][6])。しばらくはPostScriptのライセンス供与がビジネスの柱であったが、1987年Illustratorを発表。クリエイティブ・デザイン・ツール、アプリケーションプログラムの開発、販売に参入するようになり、クリエイター・デザイナー向けのツールがビジネスの柱となり、現在の礎を築いた。

1989年にはPhotoshopを発売。写真編集・加工ソフトのデファクトとなったが、この頃はまだ、アドビのビジネスは「紙に印刷すること」を実践していた。

1991年に登場したQuickTimeを利用した動画編集ソフトウェアの"ADOBE Premiere"を開発・発売する。

1993年には、こちらも業界のスタンダードとなる、"AcrobatPDF"を開発することで、ビジネスの方向をデジタル・データオーサリングに向け、その後の「紙からデジタルへの変革を提唱」したパイオニアとなっていった。

1994年アルダスを買収。After EffectsPersuasionPageMakerと後の"InDesign"の元となる技術と開発者を手に入れる。

設立以来、当初は、Apple(macOSiOSではオペレーティングシステム (OS) レベルでOpenTypeやPDFを採用)、スティーブ・ジョブズ(NeXTでは全面的にPostScriptを採用)との関係が深かったが、Windows 95が発売されて以降、OpenTypeの設計・策定などを含め、徐々に、マイクロソフトとの関係も深くなってきた。

2005年4月19日、競合会社であり訴訟合戦を繰り広げていた[8][9][10]マクロメディア買収を発表[11]12月3日に買収を完了した。

2007年、CEOにインド系CEOの走りである、シャンタヌ・ナラヤンが就任。

2009年10月にアクセス解析関連のマーケティングサービス会社である"オムニチュア(Omniture)"社のすべての発行済み株式を普通株1株当たり現金21.50ドル支払うことにより取得する株式公開買付を実施。株式の希薄化純資産約18億ドル相当の取引にて10月23日に買収を完了した。

2012年、月額課金制の"Adobe Creative Cloud"を発表。同時にパッケージソフトウェア"Adobe Creative Suite"の販売を中止すると発表(翌2013年に完全移行)し、SaaSビジネスに積極的にトランスフォーメーションを遂げる。同年、Adobe Marketing Cloudの提供を開始した。(2017年にBrand名を、Adobe Experience Cloudに変更)。

2016年、独自のAI・機械学習のテクノロジーである、"Adobe Sensei"を発表。Document Cloud、Acrobat、ExperienceCloudなどでのAI活用を徐々に、開始する事となる。

2018年電子商取引プラットフォーム、EC運用SaaSであるMagentoを買収[12]し、Adobe Experience Cloudのラインナップ内に統合し、データ活用、カスタマージャーニ、コマース、データインサイトなどをSaaSで実践するラインナップを充実させ、AI、機械学習も取り入れた。

2018年9月20日、アドビシステムズはマーケティング・オートメーション、アナリティクスツールとしてシェアを伸ばしていた有力企業である、"Marketo(マルケト)"を47億5000万ドルで買収することを発表、同年10月に買収を完了し、後にExperience Cloudへと統合した。

2021年、IDC調査で、Acrobat、Document Cloudが、1,000人以上の大企業で日本国内シェアNo.1となりMicrosoftなどのアプリと連携させて、アプリ内から直接、編集コラボレーション処理することも可能であるとし、マイクロソフトとのアライアンスの強化をアナウンス。

Acrobatに代表される、スマホから、PC、またリモートワークでも、"紙からデジタルへの変革"を提唱したパイオニアとして、いつどこでも文書をスキャン、編集、共有、署名、稟議対応できる「デジタル・コラボレーション・ツール」としてAcrobat Sign(電子稟議、電子署名)や、SaaS上でコラボ作業を完結するために生み出された、"Adobe Document Cloud"が、デジタルコラボレーション、共同作業の方法、業務の処理方法に、革新的なエンタープライズ、DXツールとして日本国内でも、評価された。

2021年の、"Adobe Max"において、Behance(ビハンス:アドビが運営するクリエイターのためのソーシャルメディアプラットフォーム)において、"NFT アート"を展示できる新機能を発表。デジタルアセットから NFT を新たに発行するには、ブロックチェーン技術を用いて Mint と呼ばれる作業を行う。Behanceが最初に対応したブロックチェーン、イーサリアム(ETH)が現在では、ソラナ(SOL) と ポリゴン(MATIC) で Mint したアートも展示できるよう機能拡張された。

2021年、"Best Company CEO(Large Companies)"に、シャンタヌ・ナラヤンがCreative DesignからAI、MachineLearintg、Marketing、顧客、Experience、AcrobatなどのDocument管理から、電子稟議、電子署名、電子決済までをSaaSで実施可能なAdobeの方向性を示した事などが評価されて選ばれた。(2位:IBM、Arvind Krishna、3位:Microsoft、Satya Nadella)他。

製品

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テレビ番組

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脚注

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出典

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  1. ^ a b c d e Adobe Inc. 2021 Annual Form 10-K Report”. adobe.com (3 December 2021). 2022年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ3 February 2022閲覧。
  2. ^ a b 第26期決算公告、2018年(平成30年)5月31日付「官報」(号外第116号)103頁。
  3. ^ a b アドビ株式会社 第32期決算公告
  4. ^ >アドビ システムズ 株式会社、 「アドビ株式会社」へ社名変更”. Adob Blog. アドビ株式会社 (2020年6月18日). 2024年2月9日閲覧。
  5. ^ a b 創業から現在へ連綿と続くアドビの革新の歴史”. Mac Fan. 2021年4月19日閲覧。
  6. ^ a b アドビの創立者 - @IT自分戦略研究所”. jibun.atmarkit.co.jp. 2021年4月19日閲覧。
  7. ^ (日本語) GRAPHICS SYMPOSIUM, https://www.youtube.com/watch?v=ui3R1Dlmsk0 2024年2月7日閲覧。 
  8. ^ 米アドビに対する特許侵害訴訟で米マクロメディアに軍配 2002/05/13 ITpro 日経コンピュータ
  9. ^ Adobe と Macromedia、泥沼の訴訟合戦に終止符
  10. ^ AdobeとMacromedia、特許訴訟で和解
  11. ^ アドビ システムズ社がマクロメディア社を買収 for immediate release - About Adobe
  12. ^ アドビ、Magento Commerceを買収 2018/05/22
  13. ^ 検証・アメリカ市場 〜揺らぐ経済大国はいま〜 - テレビ東京 2002年10月20日

関連項目

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外部リンク

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座標: 北緯37度19分51秒 西経121度53分37秒 / 北緯37.33083度 西経121.89361度 / 37.33083; -121.89361