アブセント・ラヴァーズ
『アブセント・ラヴァーズ』 | ||||
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キング・クリムゾン の ライブ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1984年7月11日 モントリオール ザ・スペクトラム[2][3] | |||
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | ディシプリン・グローバル・モービル | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
キング・クリムゾン アルバム 年表 | ||||
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『アブセント・ラヴァーズ』(英語: Absent Lovers: Live in Montreal 1984)は、キング・クリムゾンが1984年に録音し、1998年に2枚組CDとして発表したライブ・アルバム[4]。
解説
[編集]本作には、ロバート・フリップ、エイドリアン・ブリュ―、トニー・レヴィン、ビル・ブルーフォードが1981年に結成したキング・クリムゾンの最終公演に相当する1984年7月11日のモントリオール公演の模様が完全収録された[2]。彼等が発表したアルバム『ディシプリン』(1981年)、『ビート』(1982年)、『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』(1984年)[注釈 1]の収録曲が演奏されたが、「太陽と戦慄パートII」(1973年)と「レッド」(1974年)[注釈 2]も取り上げられた[2]。
ジョージ・グロソップがライブ録音時のミキシングを担当し、フリップとデヴィッド・シングルトンが1998年1月から2月にかけてミキシングとマスタリングを行った[3]。ただしフリップのコメントによれば、両名はそれほどミキシングに携わらず、本作のプロダクションにおいては「定義」(「限定」ではなく「明確さ」という意味)をキーワードにしたという[5]。
ブルーフォードは、自分が1980年代に録音したアルバムのうち、本作を『ディシプリン』と並ぶお気に入りの作品として挙げている[6]。
リンゼイ・プラナーはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け、アルバム全体に関して「この集合体のことを思い出したい熱心なファンにとっても、この喧騒がどんな感じだったか興味のある向きにとっても、『アブセント・ラヴァーズ』は打ってつけである」、「レッド」や「太陽と戦慄パートII」に関して「10年前のオリジナル以上のエナジーと攻撃性を伴い演奏されていると言えるだろう」と評している[2]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はロバート・フリップ、エイドリアン・ブリュー、トニー・レヴィン、ビル・ブルーフォードの共作。作詞はエイドリアン・ブリューによる。
ディスク1
[編集]- エントリー・オブ・ザ・クリムズ - "Entry of the Crims" - 6:26
- 太陽と戦慄パートIII - "Larks' Tongues in Aspic (Part III)" - 5:05
- セラ・ハン・ジンジート - "Thela Hun Ginjeet" - 7:07
- レッド - "Red" (Robert Fripp) - 5:49
- 待ってください - "Matte Kudasai" - 3:45
- インダストリー - "Industry" - 7:31
- ディグ・ミー - "Dig Me" - 3:59
- スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー - "Three of a Perfect Pair" - 4:31
- インディシプリン - "Indiscipline" - 8:09
ディスク2
[編集]- サートリ・イン・タンジール - "Sartori in Tangier" - 4:40
- フレイム・バイ・フレイム - "Frame by Frame" - 3:57
- マン・ウィズ・アン・オープン・ハート - "Man with an Open Heart" - 3:44
- ウェイティング・マン - "Waiting Man" - 6:26
- スリープレス - "Sleepless" - 6:08
- 太陽と戦慄パートII - "Larks' Tongues In Aspic (Part II)" (R. Fripp) - 7:56
- ディシプリン - "Discipline" - 5:02
- ハートビート - "Heartbeat" - 5:15
- エレファント・トーク - "Elephant Talk" - 8:55
参加ミュージシャン
[編集]- ロバート・フリップ - ギター
- エイドリアン・ブリュー - ギター、ドラムス、リード・ボーカル
- トニー・レヴィン - エレクトリックベース、スティック、シンセサイザー、ボーカル
- ビル・ブルーフォード - ドラムス、エレクトロニック・ドラムス、パーカッション
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1969年に始まったキング・クリムゾンの歴史の中で、同一のメンバーによって複数のオリジナル・アルバムが続けて発表された初めての例だった。
- ^ 両曲とも、フリップとブルーフォードが1972年から1974年まで在籍していたキング・クリムゾンが発表した楽曲である。
出典
[編集]- ^ “キング・クリムゾン/アブセント・ラヴァーズ (2CD)”. CDJournal. 音楽出版社. 2016年2月8日閲覧。
- ^ a b c d e Planer, Lindsay. “Absent Lovers: Live in Montreal 1984 - King Crimson”. AllMusic. 2016年2月8日閲覧。
- ^ a b King Crimson - Absent Lovers (Live In Montreal 1984) (CD, Album) at Discogs
- ^ Smith (2019), p. 241.
- ^ 日本盤CD (PCCY-01238)ライナーノーツp.2「プロダクション・ノート」
- ^ “FREQUENTLY ASKED QUESTIONS”. Bill Bruford. 2016年2月8日閲覧。
引用文献
[編集]- Smith, Sid (2019). In the Court of King Crimson: An Observation over Fifty Years. Panegyric. ISBN 978-1916153004