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堕落天使 (キング・クリムゾンの楽曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キング・クリムゾン > キング・クリムゾンの作品 > 堕落天使 (キング・クリムゾンの楽曲)
堕落天使
キング・クリムゾン楽曲
収録アルバムレッド
英語名Fallen Angel
リリース1974年9月27日 (1974-09-27)
録音1974年 (1974)
ジャンル
時間6分03秒
レーベルアイランド・レコード
作詞者リチャード・パーマー・ジェイムス
作曲者
プロデュースキング・クリムゾン
レッド収録順
「レッド」
(A-1)
堕落天使
(A-2)
「再び赤い悪夢」
(A-3)
ミュージックビデオ
「Fallen Angel」 - YouTube

堕落天使」(だらくてんし、: Fallen Angel)は、キング・クリムゾンの7枚目のスタジオ・アルバムレッド』(1974年)に収録されている楽曲。

概要

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ディストーション・ギターのハードなリフを前面に押し出した重厚な表題曲「レッド」[1]から一転し、抒情的なメロディーが美しいバラード悲壮感のあるジャジーで骨太なサウンドが交互に演奏される情感にあふれた一曲で、アルバムの構成に豊かな起伏を与えている印象的な秀作である。リチャード・パーマー・ジェイムスによる歌詞はギャングに加わりニューヨークの路上で刺し殺された弟の悲劇を兄が嘆く内容で、ジョン・ウェットンが深い哀愁を込めて歌い上げている[2]

アメリカの音楽批評サイト、スプートニクミュージックは、本作を「キング・クリムゾンの作品の中で最高のバラードの一つである」と称賛している[3]

1974年にアルバムで発表されて以来、ライブでは演奏されなかったが、40年以上経った2017年のダブルカルテット期に行われたシカゴ公演でようやくライブ演奏が実現した[4]

日本の弦楽四重奏団モルゴーア・クァルテットが、弦楽四重奏に編曲カバーしている[5]

制作

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「堕落天使」に使用されるモチーフは、ロバート・フリップが1972年に書いたアルペッジョを主体に、アルバム『太陽と戦慄』(1973年)の制作メンバー5人が制作開始前の1972年10月にブレーメンのズーム・クラブで行ったコンサートで繰り広げたインプロヴィゼーションの一部として演奏された[6]。間奏の一部には[注釈 1]、ウェットンが1980年に発表した「ウーマン」のデモ・ヴァージョン[注釈 2]の一部が流用された[6]

レコーディングではチェリスト[注釈 3][7]が冒頭にチェロマーク・チャリグコルネット、ロビン・ミラーがオーボエを演奏し、フリップのメロトロンも使用され、メランコリックでありながら奥行きと温かみのあるアンサンブルに仕上げられている。チャリグとミラーはアルバム『リザード』(1970年)と『アイランズ』(1971年)に続いて、ゲストとして参加した[8]

キング・クリムゾンのスタジオ・アルバムの収録曲の中で、フリップがアコースティック・ギターを演奏した最後の楽曲になった[6]。ミニ・アルバム『しょうがない』(2002年)の収録曲「アイズ・ワイド・オープン」のアコースティック・ヴァージョン[注釈 4]を除いて、アコースティック・ギターがスタジオ録音に登場するのもこれが最後である。

パーソネル

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ゲスト

脚注

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注釈

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  1. ^ 開始3分過ぎから"West side skyline..."まで。
  2. ^ ウェットンとパーマー・ジェイムスが1998年に発表した"Monkey Business 1972–1997"に収録。
  3. ^ フリップ達は、彼についてはクラシック音楽のチェリストだった事以外、何も覚えていないという。
  4. ^ エイドリアン・ブリューが演奏した。

出典

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  1. ^ Smith (2019), pp. 436–437.
  2. ^ Red King Crimson”. pitchfork.com (2017年9月10日). 2022年4月15日閲覧。
  3. ^ King Crimson Red”. sputnikmusic.com (2010年5月17日). 2022年4月16日閲覧。
  4. ^ King Crimson: Official Bootleg: Live In Chicago, June 28th, 2017”. allaboutjazz.com (2017年10月12日). 2022年4月16日閲覧。
  5. ^ モルゴーア・クァルテット「原子心母の危機 Atom Heart Mother is on the edge」コンサートレヴュー”. TOWER RECORDS (2014年9月18日). 2022年12月20日閲覧。
  6. ^ a b c Smith (2019), p. 437.
  7. ^ Smith (2019), p. 191.
  8. ^ RED - THE LONG VIEW”. DGM LIVE.com (2016年11月3日). 2022年4月15日閲覧。

引用文献

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  • Smith, Sid (2019). In the Court of King Crimson: An Observation over Fifty Years. Panegyric. ISBN 978-1916153004