クリムゾン・キングの宮殿
『クリムゾン・キングの宮殿』 | ||||
---|---|---|---|---|
キング・クリムゾン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル |
プログレッシブ・ロック ジャズ・フュージョン アート・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
オリジナル盤 アイランド アトランティック 復刻盤 EG、Discipline Global Mobile | |||
プロデュース | キング・クリムゾン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ゴールドディスク | ||||
| ||||
キング・クリムゾン アルバム 年表 | ||||
|
『クリムゾン・キングの宮殿』(In The Court Of The Crimson King)は、1969年に発表されたキング・クリムゾンのファースト・アルバム。プログレッシブ・ロックジャンルの代表的作品で、その後のロックにも多大な影響を与えた。
解説
[編集]本作発表以前にも、ムーディー・ブルースやピンク・フロイドなど独創的な音楽を追求する先進的バンドがプログレッシブ・ロックとして位置付けられ、さらにこのデビュー作でキング・クリムゾンもその一員とされつつも、さらに新しい扉を開いた。クラシックやジャズの要素を巧みに取り入れ、また別の深遠なロックの世界を構築した[1][2]。また、作詞担当のメンバーであるピート・シンフィールドの歌詞は、抽象的・神秘的な世界観を描き、「エピタフ」での「“混乱”こそ我が墓碑銘 (Confusion will be my epitaph)」は、ロック史に刻まれている。曲の面では、リーダーとされたロバート・フリップよりも、イアン・マクドナルドが主導権を握った。スタジオで一番長い間作業していたのがマクドナルドであった。
「21世紀のスキッツォイド・マン」ではギターのリフを前面に押し出したヘヴィ/メタリックなサウンドや声にディストーション。一方で「風に語りて」や「エピタフ」「ムーンチャイルド」ではメロトロンやフルートを駆使した浮遊感のある幻想的なサウンド。これら荒々しさと静けさを対比させたデビュー・アルバムである。印象的なアルバム・ジャケットを手掛けたのは、画家のバリー・ゴッドバーである。鏡を覗きながら描いた自身の自画像を発展させたもの。
「ビートルズの『アビイ・ロード』をチャート1位から蹴落としたアルバム」として紹介されることが多かったが[注釈 1]、全英オフィシャルチャートでは最高5位、全米ビルボードチャートは28位である。また、このアルバムの発売当時の広告に寄せられたザ・フーのピート・タウンゼントによるレビューには「恐ろしいほどの傑作 (an uncanny masterpiece)」と評された[1]。
2015年に発表された『ローリング・ストーンが選ぶ史上最高のプログレ・ロック・アルバム50』第2位[2]。
タイアップ
[編集]- 「クリムゾン・キングの宮殿」 - 映画『トゥモロー・ワールド』の使用曲。バタシー発電所と、空とぶ豚をバックに流れる。
- 「ムーンチャイルド」 - 映画『バッファロー'66』の使用曲。ヒロイン役のクリスティーナ・リッチが、このナンバーで踊るシーンがある。
- 「21世紀のスキッツォイド・マン」 - トヨタ・ヴェロッサのCMソング。
収録曲
[編集]Side 1
[編集]- 21世紀のスキッツォイド・マン - 21st Century Schizoid Man (including "Mirrors") - 7:24
- 風に語りて - I Talk To The Wind - 6:04
- エピタフ (墓碑銘) - Epitaph (including "March for No Reason" and "Tomorrow and Tomorrow") - 8:49
Side 2
[編集]- ムーンチャイルド - Moonchild (including "The Dream" and "The Illusion") - 12:13
- クリムゾン・キングの宮殿 - The Court of the Crimson King (including "The Return of the Fire Witch" and "The Dance of the Puppets") - 9:26
レコーディング・メンバー
[編集]- ロバート・フリップ - ギター
- グレッグ・レイク - リード・ボーカル、ベース
- イアン・マクドナルド - キーボード、サクソフォーン、メロトロン、管楽器、バック・ボーカル、ヴィブラフォン
- マイケル・ジャイルズ - ドラム、パーカッション、バック・ボーカル(オルガン、宮殿ラストをマクドナルドと共に。ノンクレジット)
- ピート・シンフィールド - 作詞、照明
リイシュー
[編集]2020年、ドルビー・アトモス・ミックスが制作され、過去のサラウンドミックス・未発表音源・ライブ音源などと合わせてボックスセットで発売された[4]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b Various Mojo Magazine. “King Crimson - In The Court Of The Crimson King”. The Mojo Collection: 4th Edition. Canongate Books. p. 182
- ^ a b “音楽史上最高のプログレ・ロック・アルバム50選”. Rolling Stone Japan. 2016年2月25日閲覧。
- ^ 金原義明「15. ロバート・フリップ」『ロック人物論: ロックスターたちの人生と音楽性に迫る』明鏡舎、2014年 。
- ^ “King Crimson(キング・クリムゾン)|51年目の衝撃!『クリムゾン・キングの宮殿』究極コレクション・ボックス『ザ・コンプリート1969レコーディングス』完成 - TOWER RECORDS ONLINE”. tower.jp. 2022年1月14日閲覧。