定義より、アーラン分布はガンマ分布で形状母数 k を正の整数に限定したものといえる。また、相型分布の特別な場合でもある。
指数分布の和との関係
アーラン分布は、互いに独立で同一の指数分布に従う確率変数の和を用いて解釈することができる。すなわち、互いに独立でパラメータ λ の指数分布に従う n 個の確率変数 X1, X2, …, Xn に対して、その和で表される確率変数はパラメータ λ, n のアーラン分布に従う。n = 1 の場合は、明らかに指数分布に一致する。
ポアソン分布との関係
Sn をパラメータ λ および n のアーラン分布に従う連続確率変数とし、N(t) をパラメータ λt(ただし t > 0)のポアソン分布に従う離散確率変数とすると、両者の間には
なる関係が成立する。これはアーラン分布の累積分布関数の形から明らかであるが、指数分布を用いた説明も可能である。すなわち、互いに独立で同一の指数分布に従う時間間隔で生起する事象列を観測するとき、Sn は n 回目の事象が生起した時点であり、N(t) は時点 t までに生起した事象の数を意味する。「n 回目の事象が生起した時点が t 以前である」という事象は、「時点 t までに少なくとも n 回の事象が起きている」という事象と等しいため、この等式が成立する。