アール・クルー
アール・クルー Earl Klugh | |
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アール・クルー(2008年) | |
基本情報 | |
生誕 | 1953年9月16日(71歳) |
出身地 | アメリカ合衆国 ミシガン州デトロイト |
ジャンル | スムーズ・ジャズ、フュージョン |
職業 | ギタリスト |
担当楽器 | ギター |
活動期間 | 1970年 - |
レーベル | ブルーノート/キャピトル、ワーナー・ブラザース・レコード、ウィンダム・ヒル、コーチ |
共同作業者 | ボブ・ジェームス、ジョージ・ベンソン |
公式サイト |
www |
著名使用楽器 | |
Del Langejans electric acoustic Manuel Velazquez | |
アール・クルー(Earl Klugh、1953年9月16日 - )は、アメリカ・ミシガン州デトロイト出身のジャズ、フュージョン界のギタリストである。
バイオグラフィ
[編集]10歳よりギターを始める。17歳の時にユセフ・ラティーフと、18歳の時にジョージ・ベンソンのレコーディングに参加し、またツアーにも参加した。20歳の時にチック・コリア主宰のリターン・トゥ・フォーエヴァーに加入し、エレクトリック・ギターを弾くようになった。しかし、病気になった家族を案じて2ヵ月で脱退。エレクトリック・ギターよりアコースティック・ギターへの思いが強かったからともいわれている。
そしてまだプロダクションとして設立して間もないGRPのデイヴ・グルーシンに見出され、1976年にブルーノート/キャピトル・レコードよりファースト・アルバム『アール・クルー』を発表。当時にしては珍しい、アコースティック・ギター(ナイロン弦ギター)をメインにしたアルバムである。以降デトロイトを拠点に、一貫してアコースティックを主体にした独自のスタイルで演奏していくことになる。
1979年発表のボブ・ジェームスとの共演作『ワン・オン・ワン』をジェームス主宰のタッパンジー・レコードから発表、1981年グラミー賞ベスト・ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞する。
1985年、ワーナー・ブラザース・レコードに移籍、アルバム『ソーダ・ファウンテン・シャッフル』を発表。1987年にジョージ・ベンソンとの共作アルバム『コラボレーション』や、再びボブ・ジェームスと共演を果たし1991年に『クール』を発表するなど、積極的にアルバムをリリースしていく。
1999年、ウィンダム・ヒル・ジャズに移籍、『ピキュリア・シチュエーション』を発表。このアルバムにはロバータ・フラックをゲストに呼んでいる。
2005年、Koch Recordsに移籍、ギター・ソロのアルバム『Naked Guitar』を発表。このアルバムで自身の曲「Angelina」をセルフ・カバーしている。
2008年、フル・グループのオリジナル・アルバムとしては8年ぶりとなるアルバム『The Spice of Life』を発表。
2013年、ヘッズ・アップよりアルバム『ハンド・ピックド』を発表。
独自の演奏スタイル
[編集]彼は「チェット・アトキンスから最も強い影響を受けた」と様々なメディアで述べている。彼の独特に見える演奏法はチェットの奏法に非常に似ており、サムピックは決して使用せずに指の爪で弾いているものの、チェット・アトキンス奏法そのものであると言っても過言ではない。もちろん、音の出し方はかなり異なっており、クルーが発する音はかなり独特である。クルーはチェットの奏法を研究することで、その奏法を身に付けそして独自のスタイルを築いたのである。
また、彼は10歳でギターに転向するまではピアノを習っていた。現在でもレコーディングの際にキーボードを兼任することがある。また、自身のピアノソロのナンバーも存在する。彼は尊敬するアーティストの一人としてビル・エヴァンスを挙げており、「目指す音楽はビル・エヴァンスが奏でるピアノ曲のようなものである」という趣旨の発言をしている。彼はコード・ヴォイシングによる美しいハーモナイズの名手として知られているが、上述のチェット・アトキンス奏法によるメロディラインとベースラインの両立に加えてその巧みなコードワークにより、ギター1本でピアノ並みの多彩なメロディーを実現しようとしているのである。彼の多数のソロ・アルバムはその試みの集大成である。
彼はジョージ・ベンソンを師に持ち、ビバップ的インプロヴィゼーションの資質をも持ち合わせている。
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『アール・クルー』 - Earl Klugh (1976年、EMI America)
- 『リヴィング・インサイド・ユア・ラヴ』 - Living inside Your Love (1976年、EMI Manhattan)
- 『フィンガー・ペインティングス』 - Finger Painting (1977年、EMI Manhattan)
- 『マジック・イン・ユア・アイズ』 - Magic in Your Eyes (1978年、EMI) ※旧邦題『瞳のマジック』
- 『ハート・ストリング』 - Heart String (1979年、Capitol)
- 『ドリーム・カム・トゥルー』 - Dream Come True (1980年、EMI Manhattan)
- 『レイト・ナイト・ギター』 - Late Night Guitar (1980年、Capitol)
- 『クレイジー・フォー・ユー』 - Crazy for You (1981年、EMI Manhattan)
- 『ロー・ライド』 - Low Ride (1983年、Capitol)
- 『ウィッシュフル・シンキング』 - Wishful Thinking (1984年、Capitol)
- 『ナイト・ソングス』 - Night Songs (1985年)
- 『ソーダ・ファウンテン・シャッフル』 - Soda Fountain Shuffle (1985年、Warner Bros.)
- 『ライフ・ストーリーズ』 - Life Stories (1987年、Warner Bros.)
- 『ウィスパーズ・アンド・プロミセズ』 - Whispers and Promises (1989年、Warner Bros.)
- 『ソロ・ギター』 - Solo Guitar (1989年、Warner Bros.)
- 『トリオ Vol.1』 - Trio Volume 1 (1991年、Warner Bros.)
- 『ミッドナイト・イン・サン・フアン』 - Midnight in San Juan (1991年、Warner Bros.)
- 『トリオ Vol.2 サウンズ・アンド・ヴィジョンズ』 - Trio Volume 2 (1993年、Warner Bros.)
- 『バラッズ』 - Ballads (1993年、Capitol)
- 『ムーヴ』 - Move (1994年、Warner Bros.)
- 『そよ風のオアシス』 - Sudden Burst of Energy (1996年、Warner Bros.)
- 『ジャーニー』 - The Journey (1997年、Warner Bros.)
- 『ピキュリア・シチュエーション』 - Peculiar Situation (1999年、Windham Hill)
- 『ネイキッド・ギター』- Naked Guitar (2005年、Koch Entertainment)
- 『ザ・スパイス・オブ・ライフ』- The Spice of Life (2008年、Koch Entertainment)
- 『ハンド・ピックド』 - Hand Picked (2013年、Heads Up)
コンピレーション・アルバム
[編集]- The Best of Earl Klugh (1991年、Blue Note)
- The Best of Earl Klugh Volume 2 (1992年、Blue Note)
- 『ツイン・ベスト・ナウ』 - Twin Best Now (1992年、Capitol)
- Love Songs (1996年、Blue Note)
- 『ベスト・オブ・アール・クルー』 - The Best of Earl Klugh (1998年、Warner Bros.)
- The Essential Earl Klugh (2003年、Capitol)
- Music for Lovers (2006年、Capitol)
サウンドトラック・アルバム
[編集]- 『ハウ・トゥ・ビート・ザ・ハイ・コスト・オブ・リヴィング』 - How to beat the High Cost of Living (1982年、Columbia) ※with ヒューバート・ロウズ
- 『マーヴィン&タイジ』 - Marvin And Tige (1984年、Capitol) ※with パトリック・ウィリアムズ
- 『ジャスト・ビトゥイーン・フレンズ』 - Just Between Friends (1985年、Warner Bros.) ※with パトリック・ウィリアムズ
デュエット・アルバム
[編集]- 『ワン・オン・ワン』 - One on One (1979年、Tappan Zee) ※with ボブ・ジェームス
- 『トゥー・オブ・ア・カインド』 - Two of a Kind (1982年、EMI Manhattan) ※with ボブ・ジェームス
- 『コラボレーション』 - Collaboration (1987年、Warner Bros.) ※with ジョージ・ベンソン
- 『クール』 - Cool (1991年、Warner Bros.) ※with ボブ・ジェームス
- 『ホテル・カリフォルニア』 - Hotel California/Super Guitar Duo (1998年、Universal) ※with 宮野弘紀
DVD
[編集]- 『アール・クルー/IN CONCERT』 - The Jazz Channel Present Earl Klugh DVD (2001年、EMI America)
関連項目
[編集]- ルックルックこんにちは - 番組テーマ曲に、初代が「Living Inside Your Love」、2代目に「Doc」が使用されていた。
- 長野祐也の政界キーパーソンに聞く - エンディング・テーマに「Dance with me」が使用されている。
- サンテレビ - 2004年頃まで使用されていたオープニング映像のBGMに「Amazon」が使用されていた。
- 京都放送 - 近畿放送時代の1980年頃のクロージング映像のBGMに「Julie」が使用されていた。
- tssニュース - 天気予報のBGMに「Dream Come True」が使用されている。
- TSSスーパーニュース - 天気予報のBGMに「I Don't Want To Leave You Alone Anymore」が使用されている。
- 日テレNEWS24 -「NNN24」時代の天気予報に「The Journey」収録の「Good As It Gets」が使用されていた。
- 渡辺舞と永尾まりやのTuesday Night (アール・エフ・ラジオ日本)- エンディングに「Good As It Gets」が使用されている。
- 中村こずえのサウンドピクチャー - オープニング・テーマに「Living Inside Your Love」が使用されている。
- ニッポン放送「鶴光の噂のゴールデンアワー」-エンディングテーマ曲に「Take it from the top」が使用されていた。
- 中国放送(RCCラジオ) - 2022年3月27日までの天気予報のBGMに「Walk in the sun」、交通情報のBGMに「All Through the night」が使用されていた。また、同局制作「山野秀子のちいさなパティオ」の番組テーマ曲に「Far from Home」が使用されている。
- 地方創生プログラム ONE-J(TBSラジオ) - 9時台の企画コーナー『共立リゾートpresents〜新たな発見を綴る〜旅ノオト』(2021年4月 - 2023年6月)のオープニング・テーマに「Take It from the Top」とエンディング・テーマに「Wishful Thinking」が使用されていた。