イサベリーン
イサベリーン | |
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欧字表記 | Isabelline |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牝 |
毛色 | 黒鹿毛 |
生誕 | 1944年5月7日 |
死没 | 1978年11月15日(34歳没) |
父 | Canon Law |
母 | Legal Tender |
生国 | アイルランド |
競走成績 | |
生涯成績 | 9戦1勝 |
イサベリーン(Isabelline)とは、アイルランド生産の競走馬、繁殖牝馬である。1953年に繁殖牝馬として日本に輸入され、ともに東京優駿(日本ダービー)に優勝したヒカルメイジ・コマツヒカリ兄弟の母となった。
経歴
[編集]競走馬時代に9戦1勝の成績を残し、引退後に繁殖牝馬となる。ヨーロッパで4頭の産駒を産んだのち、1953年秋、日本の競走馬資源不足解消のため日本軽種馬協会が購買した19頭の繁殖牝馬群のうち1頭として輸入された。1949年に英リーディングサイアーを獲得したボワルセル(Bois Roussel)の仔を受胎しており、抽選で青森県の盛田牧場に頒布された。盛田牧場代表の盛田寛二は、この時を「思ったより安い馬が当たったのでガッカリしたが、ボワルセルの名血なので僅かに希望を持った」と述懐している[1]。この牝馬群の中には他に、二冠牝馬ミスオンワードの母となるホールドタイト、二冠馬メイズイの母となるチルウインド、日本ダービー優勝馬フエアーウインの母となるフエアハネー、宝塚記念優勝馬シーザーの母となるトートレルなどがいた。
翌春に産んだ牡駒・ヒカルメイジは、競走馬となって1957年の日本ダービーに優勝し、持込馬として初のダービー優勝馬となる。さらに1956年に産んだ3番仔コマツヒカリ(父・トサミドリ)も日本ダービーに優勝し、イサベリーンは史上2組目の兄弟ダービー馬の母となった。
しかし名繁殖との評価を確立しながら、この2頭以外に産駒を残すことはできなかった。第2仔として産んだプリメロとの牝駒は、盛田牧場でロケが行われた映画『幻の馬』の撮影中に事故で脊椎を骨折し死亡[2]、第4仔のゲイタイムとの牝駒は出生後間もなく腸病で死亡[2]し、さらにこの年イサベリーン自身も子宮内膜炎に冒され、繁殖能力を失った[3]。以降は1964年まで交配が試みられたが一度も受胎することなく、1972年に繁殖登録を抹消され、その後は功労馬として余生を過ごした。イサベリーン自身は牝系を繋ぐことは叶わなかったが、ヒカルメイジが種牡馬となって数々の活躍馬を輩出し、その血統を伝えた。
1978年11月15日、老衰で死去。存命34歳6ヶ月8日(34歳192日)は、1995年9月30日にカネケヤキに抜かれるまで、日本のサラブレッド最長寿記録であった。同年、イサベリーンを主人公としたドキュメンタリー映画『母馬物語』が、日本中央競馬会によって制作されている。
血統表
[編集]イサベリーンの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ファラリス系 |
[§ 2] | ||
父 Canon Law 1930 鹿毛 イギリス |
父の父 Corolado 1923黒鹿毛 イギリス |
Phalaris | Polymelus | |
Bromus | ||||
Canyon | Chaucer | |||
Glasalt | ||||
父の母 Book Law 1923鹿毛 イギリス |
Buchan | Sunstar | ||
Hamoaze | ||||
Popingaol | Dark Ronald | |||
Popinjay | ||||
母 Legal Tender 1928 鹿毛 イギリス |
Son-in-Law 1911 鹿毛 イギリス |
Dark Ronald | Bay Ronald | |
Darkie | ||||
Mother in Law | Matchmaker | |||
Be Cannie | ||||
母の母 Beloved 1920鹿毛 イギリス |
Beppo | Marco | ||
Pitti | ||||
Silesia | Spearmint | |||
Galisia F-No.10-a | ||||
母系(F-No.) | 10号族(FN:10-a) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Dark Robnald4×3=18.75%、St. Frasquin5×5=6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
父は1933年のセントジェームズパレスステークス優勝馬。母系血統は優秀であり、祖母の全姉に1918年のエプソムオークス優勝馬マイディア(My Dear)、母の従兄にミドルパークステークス、チャンピオンステークスの優勝馬ピカルーン(Picaroon)、曾祖母の半兄には1910年のエプソムダービーなど数々の大競走を制したレンバーグ(Lemberg)等がいる名牝系である。
参考文献
[編集]- 中央競馬ピーアール・センター『日本の名馬・名勝負物語』(中央競馬ピーアール・センター、1980年)ISBN 4924426024
- 日本中央競馬会『優駿』1991年12月号
脚注
[編集]関連項目
[編集]- シャルロット(軽種馬・サラブレッド最長寿)
- ルーキー(軽種馬・サラブレッド牝馬最長寿)
- シンザン(JRAにおける現在のGI競走に相当する重賞優勝馬最長寿。元々はカネケヤキの記録を更新したサラブレッド最長寿)
- カネケヤキ(JRA重賞優勝牝馬最長寿。元々はイサベリーンの記録を更新したサラブレッド最長寿→サラブレッド牝馬最長寿)