ウォーターメロン・マン
「ウォーターメロン・マン」 | |
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ハービー・ハンコックの楽曲 | |
収録アルバム | 『テイキン・オフ』 |
リリース | 1962年 |
録音 | 1962年5月28日 ニュージャージー州 ヴァン・ゲルダー・スタジオ[1] |
ジャンル | ジャズ、ハード・バップ |
時間 | 7分14秒 |
レーベル | ブルーノート・レコード |
作曲者 | ハービー・ハンコック |
プロデュース | アルフレッド・ライオン |
「ウォーターメロン・マン」(Watermelon Man)は、アメリカ合衆国のジャズ・ミュージシャン、ハービー・ハンコックが1962年に発表した楽曲。元々はインストゥルメンタルであったが、のちに歌詞が付けられたカヴァー・ヴァージョンも発表されている。
解説
[編集]ハンコックが少年時代に聞いていたシカゴのスイカ売りの口上にインスパイアされて作られた曲である[2][3]。音楽評論家のレナード・フェザーは、本作の音楽性を「ゴスペルから強い影響を受けた16小節形式の曲」と説明している[2]。
ハンコックは1973年のアルバム『ヘッド・ハンターズ』において、この曲をジャズ・ファンク・アレンジで再録音した[4]。
カヴァー
[編集]「ウォーターメロン・マン」 | |
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モンゴ・サンタマリア の シングル | |
初出アルバム『Watermelon Man!』 | |
B面 | Don't Bother Me No More |
リリース | |
規格 | 7インチ・シングル |
ジャンル | ラテンジャズ |
時間 | |
レーベル | バトル・レコード |
作詞・作曲 | ハービー・ハンコック |
チャート最高順位 | |
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「ウォーターメロン・マン」 | |
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ジョン・ヘンドリックス の シングル | |
B面 | Jive Samba |
リリース | |
規格 | 7インチ・シングル |
ジャンル | ジャズ |
時間 | |
レーベル | リプリーズ・レコード |
作詞・作曲 | ハービー・ハンコック、ジョン・ヘンドリックス |
プロデュース | ソニー・バーク |
「ウォーターメロン・マン」 | |
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グロリア・リン の シングル | |
初出アルバム『Soul Serenade』 | |
B面 | All Alone |
リリース | |
規格 | 7インチ・シングル |
ジャンル | ジャズ |
時間 | |
レーベル | フォンタナ・レコード |
作詞・作曲 | ハービー・ハンコック、グロリア・リン |
プロデュース | ハル・ムーニー |
チャート最高順位 | |
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モンゴ・サンタマリアによるカヴァー
[編集]この曲は、キューバのミュージシャンであるモンゴ・サンタマリアによるカヴァー・ヒットで広く知られることとなった[4]。サンタマリアのヴァージョンは1963年、アメリカの総合シングル・チャートBillboard Hot 100で10位、『ビルボード』のR&Bシングル・チャートで8位に達し[5]、1998年にはグラミーの殿堂入りを果たした[7]。
サンタマリアによる「ウォーターメロン・マン」は、1998年の映画『アウト・オブ・サイト』のサウンドトラックで使用された[8]。
ジョン・ヘンドリックスによるカヴァー
[編集]アメリカのジャズ・ボーカリスト、ジョン・ヘンドリックスは1963年、自身が作詞した「ウォーターメロン・マン」のカヴァーをシングルA面曲として発表した[9]。なお、イギリスのロック・バンド、マンフレッド・マンは、1965年のEP「The One in the Middle」において、ヘンドリックスの歌詞に基づく「ウォーターメロン・マン」のカヴァーを取り上げている[10]。
グロリア・リンによるカヴァー
[編集]グロリア・リンは1965年、自身が作詞した「ウォーターメロン・マン」のカヴァーをシングルA面曲として発表しており[3][11]、リンのヴァージョンはBillboard Hot 100で62位、『ビルボード』のR&Bシングル・チャートで8位を記録した[6]。
その他
[編集]- クインシー・ジョーンズ - アルバム『ザ・ヒップ・ヒッツ』(1963年)に収録[12]。
- マーティ・ペイチ - アルバム『ロック・ジャズ・インシデント』(1966年)に収録[13]。
- デイヴィ・グレアム - アルバム『ミッドナイト・マン』(1966年)に収録[14]。
- アート・ファーマー - アルバム『プレイズ・ザ・グレイト・ジャズ・ヒッツ』(1967年)に収録[15]。
- アルバート・キング - ライブで演奏。1968年のライブ・アルバム『Live Wire/Blues Power』に収録[16]。
- エロル・ガーナー - アルバム『Up in Erroll's Room』(1968年)に収録[17]。
- バディ・ガイ - アルバム『ホールド・ザット・プレーン!』(1972年)に収録[18]。
- レイ・ブライアント - アルバム『イン・ザ・カット』(1974年)に収録[19]。
- 日野皓正 - アルバム『マシュ・ケ・ナダ』(1975年/再発時のタイトルは『黒いオルフェ』)に収録[20]。
- スライ&ロビー - アルバム『The 60's, 70's Into the 80's = Taxi』(1981年)に収録[21]。
- ミシェル・カミロ - アルバム『スルー・マイ・アイズ』(1997年)に収録[22]。
- バーニー・ウォーレル - アルバム『Standards』(2011年)に収録[23]。
脚注
[編集]- ^ “Herbie Hancock Discography”. Jazz Discography Project. 2021年1月29日閲覧。
- ^ a b オリジナルLPライナーノーツ(レナード・フェザー)
- ^ a b “Watermelon Man by Herbie Hancock”. Songfacts. 2021年1月29日閲覧。
- ^ a b Waring, Charles (2020年10月9日). “'Watermelon Man': Herbie Hancock’s Timeless Jazz Groove”. uDiscoverMusic. 2021年1月29日閲覧。
- ^ a b “Mongo Santamaria - Awards”. AllMusic. 2016年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月29日閲覧。
- ^ a b “Gloria Lynne - Awards”. AllMusic. 2013年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月29日閲覧。
- ^ “GRAMMY Hall Of Fame”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2021年1月29日閲覧。
- ^ Out of Sight (1998) - Soundtracks - IMDb
- ^ Jon Hendricks - Watermelon Man / Jive Samba (1963, Vinyl) | Discogs
- ^ Manfred Mann - The One In The Middle (1965, Vinyl) | Discogs
- ^ Gloria Lynne - Watermelon Man / All Alone (1965, Vinyl) | Discogs
- ^ Quincy Jones - Play Hip Hits (1963, Vinyl) - Discogs
- ^ The Rock-Jazz Incident - Marty Paich | AllMusic
- ^ Davy Graham - Midnight Man (Vinyl) - Discogs
- ^ Art Farmer Quintet - Plays The Great Jazz Hits (1967, Vinyl) - Discogs
- ^ Owens, Thom. “Live Wire/Blues Power - Albert King”. AllMusic. 2021年1月29日閲覧。
- ^ Erroll Garner Featuring The Brass Bed - Up In Erroll's Room (1968, Vinyl) - Discogs
- ^ Dahl, Bill. “Hold That Plane! - Buddy Guy”. AllMusic. 2021年1月29日閲覧。
- ^ Jurek, Thom. “In the Cut - Ray Bryant”. AllMusic. 2021年1月29日閲覧。
- ^ DOrphée-黒いオルフェ/release/7875511 Terumasa Hino = 日野皓正 - La Chanson D'Orphée = 黒いオルフェ (1978, Vinyl) - Discogs
- ^ Sly & Robbie - The 60's, 70's Into The 80's = Taxi (1981, Vinyl) - Discogs
- ^ Michel Camilo - Thru My Eyes (1997, CD) | Discogs
- ^ Jackson, Josh (2011年8月18日). “Bernie Worrell: The Wizard Of Woo Plays Standards”. NPR. 2021年1月29日閲覧。